一緒に寝て…… |
「ねぇ……一緒に……寝てくれない?」
そんな言葉と共に妹が部屋にやってくる。
そんなシチュエーションはエロゲの世界だけで十分だっていうのに。
それが現実で起きるとは思わなかったよ。
ああ。ほんと、あの桐乃がそんな事を言うなんて思わなかった。
だから少し俺の回想と共に、気持ちの整理をしようと思う。
え? 桐乃は今どうしてるかって?
それは――
「もう少し離れなさいよ! そんなに近づいて、あたしになんか変な事しようとしてるんじゃ
ないでしょうね?」
「しねぇよバカ」
「うっさい! 死ね」
「はぁ……」
まぁ、一緒のベッドに入っているわけですよ。
これで分かったろ? 俺が気持ちの整理を付けたい理由が。
早く落ち着かないと、自分でもどんな行動をしてしまうか分かんねぇぞ。
つっても、たいした回想は出来ないけどな。
だって、物凄く短いやり取りだったんだぜ。
マジ、5行あれば説明出来るくらいの。
てか、あれはやり取りだったのか? ほとんどアイツの独壇場だったような気がする。
“『ねぇ……一緒に……寝てくれない?』
『はぁ? お前、何言って……』
『うるさい。いいから一緒に寝ろ!』
そう言って、さっさとベッドに入る桐乃。
呆然と立ち尽くす俺。”
うわ。マジで5行で説明出来たよ。
基本的なやり取りはあんな感じだよ。
それで最後に呆然としてる俺に、アイツがベッドに招き寄せてきたって感じだな。
普通なら俺が床で寝ればいいとか思うだろ?
でもそれって、なんか桐乃を意識してるみたいで情けなくね?
だから俺も敢えて桐乃の言葉に乗ってやった。
いや、マジで今は反省してる。
出来る事なら今すぐにでも床で寝たいけど、それは何だか負けた気がして嫌なんだよな。
何に負けるのか分かんねぇけど、それでも嫌なんだよな。
「なに、そんなに離れてるのよ」
「はぁ? お前が離れろって言ったんだろ」
「そんなに離れたら、あたしが寒いでしょ」
「へいへい。わかったよ近づけばいいんだろ」
なんつー我儘な女だよコイツは。
まぁ、それでも従ってしまうあたり、俺は桐乃が可愛くて仕方が無いんだろうな。
「……あたしが寝てるのをいいことに、エッチな事しないでよ」
「もう寝ろよ」
前言撤回。やっぱ可愛くねぇや。
コイツはただの我儘な妹。それだけだよ。
説明 | ||
精一杯のデレを見せる桐乃。マジ天使。 そんな感じになっていれば嬉しいですね〜。 京介はそろそろ爆発するべきだろう。 |
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 桐乃 高坂京介 | ||
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