真・恋姫無双 刀香譚 〜双天王記〜 最終話
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 「……これで、何人目、だっけ?」

 

 「……さあ、ね。くそ、やっぱ、無理なのかな?」

 

 「弱音を吐くとは、らしくないじゃないか。……絶対に、あきらめない。そう言ったのは、お前だぞ、一刀」

 

 自身の斧を杖代わりに、どうにか立っているといった感じの華雄が、ふと弱音をこぼした一刀を叱咤する。

 

 ”ソイツ”の下にたどり着き、戦いを開始して、二刻も経っただろうか。一刀たちはこれまでに、何度もソイツの命を奪った。だが、

 

 「……君らもいい加減、諦めが悪いよね。……ま、ボク楽しいからいいけど♪アハハハハハ」

 

 ソイツは、倒れるたびに姿を変え、いまだ、そこに立っていた。……その顔に、一種無邪気とも言える、笑いを浮かべて。

 

 「チッ、本当に際限がないのか。……おい貂蝉、何か打つ手は無いのかよ?」

 

 「……残念だけど、私の漢女センサーでも、何も捉えられないわ。せめて、彼のシステムの一端でも見えないものかと、センサーフル稼働で探ってみたけど」

 

 「……駄目、か」

 

 「ええ。……ここにある、八つの生命反応しか、感じ取れなかったわ」

 

 その筋肉だるま――貂蝉が悔しそうに、そうつぶやく。

 

 「……なら、いったん逃げるという手は、どうでしょうか?」

 

 「……させてもらえるんなら、それもありだけど」

 

 「……おや残念。知らなかったかい?ラスボスからは逃げられないのさ。古今東西、どんなゲームでもそうだろ?」

 

 「ゲーム、ね。あなたにとっては、すべてが遊びってことなわけ」

 

 キッ、と。貂蝉がソイツをにらみつける。

 

 「そりゃそうさ。五神将も虎豹騎も、ボク、いや、ボクたちにとっては、ゲームのためのコマに過ぎない。そう、君らという登場人物に踊ってもらうための、ね」

 

 「……俺たちは、道化、って言うことか」

 

 「そういうことさ。ボクらにとっても、この外史を生み出したクリエイターにとっても、君らはただの道化。超高性能のA・Iを積んだ、ただのNPC。……そうじゃないかい?管理者ちゃん」

 

 「…………うふふ」

 

 「?……貂蝉?」

 

 「うふ、うふふふ。あはははははははは!」

 

 突然、狂ったように貂蝉が笑い出す。唖然とする一刀たちをよそに。

 

 「こら!貂蝉!!何でこの状況でそんな馬鹿笑いができるんだよ!」

 

 「どっかおかしくなったのか!?」

 

 大笑いを続ける貂蝉に、馬超と張飛が、当然の疑問をぶつける。

 

 「……だって、笑わずにいられないわよ。うふふ。……彼が、とんでもない、勘違いをしているんですもの」

 

 「な……に?」

 

 貂蝉の台詞に、本気でわからないという顔を向けるソイツ。

 

 

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 「おい、貂蝉。それってそういうことだよ?」

 

 「……ねえ、ご主人様?私の肩書き、なんていったか覚えてる?」

 

 「?……たしか、時空管理局の、特別任務執行官、だっけ」

 

 貂蝉の質問の意図に疑問を持ちつつも、一刀はその問いに答える。

 

 「そ。せーかいよ♪さて、と。ねえ、貴方。もし仮に、貴方の言うとおり、この世界が、クリエイターによって創られたとしたら、その管理を担う部署がどこか、判るわよね?」

 

 「……!!まさか」

 

 「そう。私たち管理局が管理する外史には、大別して二つの区分があるわ。一つは、貴方の言った、クリエイター、つまり、”こんな外史を見てみたい”と願った、正史の住人によって生み出された外史を管理する、時空管理局・第一課。通称、事務局。そしてもう一つは」

 

 「……外史の生みの親が、クリエイター以外。つまり、”外史の住人”である場合の、担当局は」

 

 「そ。私の所属する管理局よん。何が言いたいのか、解ってもらえたかしら?」

 

 二人の会話に、一刀たちは完全に、置いてけぼりにされていた。だが無理も無いことである。二人の会話は、一刀たちの知識のはるか外を行っているのであるから。

 

 「……では、この世界は、この外史は、この外史に住まう者の願いで、生まれた外史だと?」

 

 「そーいうことよ。そして不思議なことに、そうやって生まれた外史の外史には、通常の転移では、誰も渡ることはできないの。唯一の例外は、私の着ているこの漢女スーツのみ。しかも」

 

 「……漢女スーツを着用して、当該外史に渡るためには、管理局でも極限られたものしか入室できない、最重要機密ブロック、通称・”漢女のお部屋”からしか出来ない……」

 

 ズルズルと。

 

 力なくその場に座り込むソイツ。

 

 「……なあ、貂蝉。さっきから、一体何の話をしているんだ?」

 

 「私たちにも、わかりやすーく、説明してくれると、嬉しいんだけどな」

 

 頭から煙でも噴出しそうな表情で、一刀と劉備が貂蝉に問いかける。

 

 「……一言で言えば、ね。彼もまた、正真正銘、この外史の住人だったということよ」

 

 『……は?』

 

 

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 「ちょ、ちょっとまて!こいつが、俺たちと同じ、この世界の人間だって?」

 

 「それはいくらなんでも無理があろう。現に、コイツは何度死んでも、そのたびに蘇ってくるんだぞ?!それに、お前と話が通じるだけの知識は、一体どうやって手に入れたというんだ?!」

 

 華雄の疑問はもっともだった。

 

 「……その答えはね、多分、そこにいる人が知っているんじゃないの?……ねえ?禰衡ちゃん?」

 

 ごぼごぼっ、と。

 

 すぐ近くにあった、透明な筒の中にいる全裸の少女が、貂蝉の言葉にかすかな反応を示す。

 

 「な、何のことを言っている?!そいつは、私が造ったNO・五だ!ただ、今はサンプルとして眠っているに過ぎんやつだ!!」

 

 「……あからさまに怪しい」

 

 「まったくなのだ」

 

 「ぐ、うう、う」

 

 「おかしな話なのよね。最初に漢女センサーで感知した生命反応は八つ。でも、今この場にいるのは、劉備ちゃん、私以外に何人かしら?」

 

 「え?え〜っと。お兄ちゃんに私でしょ。愛紗ちゃんに、蒼華さんに、鈴々ちゃん。翠ちゃんと恋ちゃん。それから」

 

 「……コイツ」

 

 指を折りながら、その場にいる面子を数えだす劉備。そして最後に、じ、と。ソイツを見やる呂布。

 

 「……あれ?筒の中の奴は?」

 

 『あ』

 

 「……」

 

 その食い違いに気づいた一刀たちと、唇をかみ締めて黙りこくるソイツ。

 

 「私の漢女スーツのセンサーはね、その外史の住人だけを、生物として認定して反応するのよ。……つまり」

 

 じろ。

 

 ごぼっ。

 

 向けられた貂蝉の視線に対し、筒の少女が再び反応を表す。まるで、動揺しているかのように。

 

 「そこにいる貴女こそが!本物の”仲達”!そして!次元犯罪者である元・時空管理局員こと、元・漢女候補者・禰衡!貴女よ!!」

 

 「おらああああ!!!」

 

 『!!』

 

 ガッシャーン!!

 

 

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 馬超の一撃が、その筒を砕いた。あたりにその破片が飛び散り、中の液体が外へとあふれ出す。

 

 「……ふ、ふふふ。ふふふふふふふふふ。アハハハハハハハ!!!ばれちゃあしゃーない。……久しぶりね、貂蝉」

 

 くすくすと。

 

 その少女――禰衡は笑みをその顔に浮かべる。

 

 「……五年前、私と漢女継承者争いに敗れて以降、姿をくらました貴女が、これほどの犯罪を犯すような輩に成り下がっていたこと。それを知ったときにはホント、驚いたものよ。お師匠様も、めちゃくちゃ落ち込んでおられたわよ?」

 

 「ふん。……そう、落ち込んでたの。……ふふ、いい気味」

 

 「なんですって?」

 

 「ふん!……管理局秘蔵の、転移装置を使うためという目的があったとはいえ、そんな化け物スーツ一着のために、あんなくだらない修行をしていたかと思うと、思い出すだけで吐き気がするわ」

 

 バチバチと。

 

 放電現象でもおきかねないような、そんなにらみ合いを続ける貂蝉と禰衡。

 

 「おい、一体何がどうなってるんだ?」

 

 「も、私訳わかんない」

 

 完全に置いてけぼりの状況に加え、二人の会話の内容にも、全くついていけていない一刀たち。

 

 「この子はね、当時、私と同じ、時空管理局の一員だった子なのよ。能力も高く、何より、正義感のめっぽう強い子だったわ。私と一緒に、漢女道を極めんとしていた、良きライバルだったわ」

 

 「は、はあ……」

 

 「でもね。あるとき、お師匠様から、突然の破門を言い渡されたの。それからすぐに、この子は行方不明になったわ。さらに、この子の部屋の端末から、隠されたファイルが発見されたの。……兵器密売の、様々なデータがね」

 

 「……あれは完全に手落ちだったわ。データは全部消したと思っていたのに、わずかに残った残留ファイルから、私の裏の商売をすべて、調べ上げるとはね。……さすが、漢女道正統継承者」

 

 にやにやと。

 

 禰衡はその顔の笑顔を崩さず、そう吐き捨てた。

 

 「挙句の果てに、どうやったか知らないけど、漢女門、この世界に渡るための装置なんだけど、それを何らかの形で利用し、ここに渡ってきた。そして」

 

 「……そう。そこにいる、”この世界の私”を影武者にし、顔や体型まで変えて、計画を進めてきたってのに、すべてを台無しにしてくれちゃってからに」

 

 憎憎しそうに、その顔をゆがめて吐き捨てる禰衡。

 

 「……えっと。つまり、結局のところ、コイツが本物の仲達で、間違いないってことで、良い……のか?」

 

 少々ためらいがちに、一刀が貂蝉に問いかける。

 

 「ぶっちゃけ、そういうことよ。そして、おそらく、他次元の自分たちをつなげているのも、この子。もしくは、その装置のコア的なものを、この子が持っているということよ」

 

 「……チッ」

 

 貂蝉の言葉に、舌打ちで反応する禰衡。

 

 

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 「……そして、こやつはわれらも謀っていたと言うことか」

 

 「!!師匠!!ご無事でし……た……か」

 

 一刀たちの背後から響いた声の主。それは呼廚泉であった。ただし、その体のあちこちを、金属製の内臓をあらわにして。

 

 「師匠!その体は」

 

 「……ふ。そう。俺もまた、ただの造られた”人形”に過ぎん。……最も、造ったのはコイツではないがな」

 

 「……籍を倒したか。ふふ、元の世界とは違って、生身で戦っているっていうのに、その戦闘力。……流石というべきかな?ダブ」

 

 「黙れ!!」

 

 「!?」

 

 「……今の俺は、ただの武人。そして、芽衣様を守る剣。それ以上でもなければ、それ以下でもない。過去など我には要らぬ!そして、剣たる俺がなすべきは、ただ一つっ!!」

 

 禰衡の言葉をさえぎり、呼廚泉は傷ついたその体で、斬関刀を構える。

 

 「わが名は呼廚泉!我こそは、芽衣様を守る剣なり!!一刀!!」

 

 「……はい!師匠!!はあーーーーっ!!」

 

 その呼廚泉の言葉に頷き、一刀もまた、気を高めて、自身の斬関刀を構えなおす。

 

 「ハッ!!死に底ないが一匹増えたところで、何が出来るものか!おい!何をいつまで惚けている!戦え!名もないまま歴史に埋もれるはずだったあんたに、力と知識を与えた自分を守るんだよ!!」

 

 禰衡が、呆然と立ち尽くしていたソイツに、そんな檄を飛ばす。その瞬間、

 

 「うがあああああああああああ!!!!!!!」

 

 ソイツが、一刀と呼廚泉をめがけて、一気に飛び掛った。

 

 「やらせないのだ!!みんな!お兄ちゃんたちを護るのだ!!」

 

 『応!!』

 

 張飛の掛け声とともに、一斉にソイツを押さえにかかる、関羽、馬超、呂布、華雄の四人。

 

 「一刀!!」

 

 「義兄上!!」

 

 「一刀!!」

 

 「一刀!!」

 

 「お義兄ちゃん!!」

 

 「一刀!!……やっちゃええええっっっ!!」

 

 「応!!往きましょう、師匠!今こそ!」

 

 「応!!共に、駆け抜けるとき!!はああああーーーー!!」

 

 劉備たちの声を背に受け、一刀と呼廚泉が、一気に駆け出す。

 

 

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 「ふざけるでないよ!貴様らごとき羽虫どもに、黙ってやられるあたしじゃないよ!!」

 

 「黙れ!」

 

 「そして聞け!!」

 

 「?!」

 

 一刀と呼廚泉、その二人が、斬関刀を構えたまま、恒例の名乗りをあげて行く。

 

 「わが名は呼廚泉!」

 

 「わが名は劉翔!」

 

 『我らは!悪を断つ剣なり!!おおおおおっっっ!!』

 

 ダン!!

 

 一刀が天へと舞い上がり、呼廚泉はそのまま、まっすぐに禰衡へと突っ込む。そして―――、

 

 『斬関刀!一騎!!刀ーーーー閃ッッッッ!!!!!!!』

 

 「そ、そんな!こんな!こんな馬鹿なことが!天才のあたしが!原住民と、壊れた人形なんかにいい!!あ!ああーーーーーーーーーーーー!!」

 

 ザッシュウーーーッッッ!!

 

 禰衡の体は、天からの一刀の一撃と、地からの呼廚泉の一撃で、十文字に断ち切られた。

 

 「ふ……我らに」

 

 「……断てぬもの、無し!」

 

 

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 ウィーム!ウィーム!ウィーム!

 

 「な!何だ!?」

 

 禰衡の断末魔の後、突然、室内に響くその音。

 

 「……まさか!」

 

 ダッと。呼廚泉が、コンソールへとあわてて駆け寄る。

 

 「師匠?」

 

 「……クッ!不覚だった……。奴め、自分の命と、船の反物質炉を連結させていた!もう、爆発する!」

 

 『うえっ!?』

 

 反物質炉。

 

 それが何なのかは、一刀たちには理解できなかった。だが、呼廚泉と貂蝉の表情を見れば、それが相当にやばいものだというのは、すぐさま理解することが出来た。

 

 「おい!何とか止めらん無いのかよ!」

 

 「……無理、だわ。もう、後五分しか、ないわ。……ロックを解除するにしても、到底間に合わない」

 

 「そんな!……やっと、やっと、終ったと思ったのに!」

 

 「……”それ”が爆発したら、どうなると?」

 

 「……大陸はおろか、世界そのものが、この外史そのものが、消滅するわ」

 

 「クッ!……何という置き土産をしてくれた」

 

 茫然自失。

 

 そんな言葉が、一刀たちの状況を、すべて物語っていた。

 

 「……管理者よ。外に、わが声を伝えられるか?」

  

 「出来ると思うけど、何をする気?」

 

 「……”外史の新生”」

 

 「!!……とんでもなく、分の悪い賭けよ?」

 

 「だが、それしか希望は、もはやあるまい。……一刀」

 

 「はい」

 

 師の、その決死の意思をその瞳に感じた一刀は、質問はあえてせず、返事のみを返す。

 

 「祈れ。お前たちもだ!次なる外史を!お前たちが望む、”新なる”、新たな世界を!」

 

 「ちょ、一体どういうことだよ!?」

 

 「外の者たちも聞こえるか!?良いか!これから世界は、新生の時を迎える!外史とは、人の想念によって生まれるもの!すなわち、お前たち”人”の想いにより、創り出すのだ!」

 

 「そう。……起きてしまった事は、いまさら変えようが無いわ。椀からこぼれた水を、再び椀に戻せないように。けれど」

 

 「……こぼれたのなら、もう一度、組みなおせば良い。……そういう事だね?」

 

 貂蝉と呼廚泉の意図を理解し、劉備が笑顔を向ける。

 

 「さあ!もう時間は無い!!詳しいことを説明する暇も無い!」

 

 「みんな祈って!一刀!愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!恋ちゃん!翠ちゃん!蒼華さん!そして、外に居るみんな!もう一度!もう一度だけ!みんなでやり直そう!例え、すべてを忘れても!私たちはもう一度会える!この世界が、生まれたときのように!そう、”前の世界で願った”ように!!」

 

 劉備が叫ぶ。

 

 そう。

 

 以前にも、同じことを、自分たちはしたことがある、と。

 

 皆に告げるかのように。

 

 「劉備ちゃん……いえ、桃香ちゃん。記憶が、戻ったの?」

 

 「……ちょっとだけ、ですけど」

 

 「……桃香、お前」

 

 「……結局、今回も願いが叶わなかったけど、次は、必ず、叶えて見せるよ。……皆で、笑顔で居られる、そんな日々を、生み出すために」

 

 劉備は、一刀の瞳をじっと見つめる。そして、一刀もまた、劉備のその瞳を、見つめる。

 

 「……また、会えるよ、な?」

 

 「……うん、きっと。……ううん、絶対」

 

 「……約束、だぞ」

 

 「うん!約束」

 

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                   そして、世界は、白い光に、包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  〜 エピローグ 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 「一刀ー!早くしないと遅刻だよー!」

 

 「おー!今行くー!」

 

 願いは、叶った。

 

 「もー。いつも起こしに行く身にもなってよね」

 

 「悪い悪い。今度こそ、寝坊しないようにするからさ」

 

 それを為したのは、想い。

 

 「その台詞、一体何回目かの?叔父上」

 

 「そうだな。正直、いい加減聞き飽きてるぞ?」

 

 想い。それは、幾重にも重なり、やがて、その姿を愛に変える。

 

 「にゃはは。お兄ちゃんてば、全く信用が無いのだー」

 

 「はは。……手厳しいね、みんな」

 

 そして愛は、力へと変わる。

 

 「あら?いつものことでしょう?」

 

 「そうね。一刀のだらしなさは、皆が知ってることだもの」

 

 そう、奇跡を起こし、世界を生み出す、力へと。

 

 「……いっけない!バスが出ちゃう!」

 

 「……遅刻、確定?」

 

 「いや!まだ間に合うはずだ!走るぞ!みんな!」

 

 ―――そう。

 

 奇跡は起き、世界は新生した。

 

 誰もが皆、笑顔で居られる、新たな世界が。

 

 「今日の当直って、白蓮先生だっけ?」

 

 「あと、紫苑先生もな。……って、んなこといってる場合じゃない!」

 

 「……おなか、すいた」

 

 「学校着くまで我慢!」

 

 皆が、笑顔で駆けていく。

 

 その先の、未来を信じて。

 

 「……ね、一刀?」

 

 「……?どうした、桃香?」

 

 

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             ――これからも、ずーっと、一緒にいようね――

    

 

 

 

  

 

  

 

                                    

                                       〜了〜

 

 

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 と、いうわけで。

 

 

 『お疲れ様でした〜!!』

 

 

 いやー、途中からどんどんおかしなほうに進んでったこのお話、

 

 どうにかこうにか、終了することが出来ました!

 

 これも一重に、こんな駄文作家の駄文に付き合ってくださった、

 

 ユーザーの皆さんの応援のおかげです!

 

 改めまして、お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

 さて。

 

 

 この最終回の内容については、ここではあえて何もいいません。

 

 ですので、いつもどおりの率直なご感想、ご意見、

 

 楽しみに待たせていただきます。

 

 

 

 今後の活動予定ですが、

 

 

 とりあえず、北朝伝の改訂版の、第一話が、まもなく完成する予定です。

 

 ただ、肝心要のタイトルが決まっておりませんのです。

 

 北朝伝という文言を使うかどうかも、正直迷っております。 

 

 とりあえず(こればっかだな)、次回の投稿は未定ということで。

 

 

 北朝伝以外の短編なんかを、もしかしたら書くかもしれません。

 

 

 では、今後もすえなが〜く、生あったかい目で、見守ってやってください。

 

 

 それではまた、次なる外史で、お会いしましょう。

 

 

 再見〜!!

 

           

説明
長らくお待たせ(?)しました。

刀香譚、いよいよ最終話をお送りいたします。

正直言って、ここまでカオスになったこの作品、

どうやって〆るか散々悩みました。

都合五回は、全文書き直して、また細々と修正、

そんなことの繰り返しでした。

で、最終的にまとまったのが、これでございます。

・・・それでも、超、強引矢の如し、ですがw

それでは、逝ってみましょうか。
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コメント
処女作ってことでしょうね。前半の試みは面白かったのに後半は作品の良さが薄れてる。国の情勢の描写が大雑把でよくわからん敵つくって物語を作ろうとしてる。恋姫やこの作品のオリジナルの良さが後半消えてしまったのは残念だな。前半の長閑な雰囲気はいいね。スローライフ物でもよかったかも(ドーパドーパ)
華雄の父の死の真相は?(夜桜)
おつかれっす¥  ゼンガ・・・っととwww  マナ覚えたのによー朔夜(orutega)
やばいな〜!これオモシろかったっす!!師匠とか羽項の設定資料がみたいです!(kuro!)
完結おめでとうございます。いやーまさかこういった流れになるとは・・・まあ最後はラスボスに相応しい最後になりましたが^^; 新生した世界で皆が幸せであらんことを・・・。(深緑)
完結お疲れ様です。 最後のオチに何も言えねぇwww(多重分岐)
完結お疲れ様です。師匠が目立ちすぎて一刀が薄くなった気がしました。(readman )
何て超展開だ・・・予想できないにも程があったw まぁそれはともかく完結おつかれさまです(とり)
完結お疲れ様です!!最初設定見たときなんじゃこりゃって思いましたけど、全体的に楽しめました。次回作もがんばってください!   PS.少佐、ナジェイルンディス!!?Σ( 0w0)(kabuto)
たすくさま、ありがとうございます。改訂版北朝伝終了後でよろしければ。・・・いつになるかは判りませんがww(狭乃 狼)
完結お疲れ様です。本当の意味での双天王記読みたい気がしますが。虚無った感があります。(たすく@蒼き新星)
ZEROさま、ありがとうございます!書いてるほうも繋いでいくのが大変でしたww(狭乃 狼)
お疲れ様でした!ついていくのが大変でした。次のも楽しみにしています。(ZERO&ファルサ)
東方武神さま、現代編が気になりますか?さて、どーすんべかねっと^^。(狭乃 狼)
関平さま、はい、カオスです。どこでどうしてこうなったのやら・・・orz(狭乃 狼)
よーぜふさま、いえいえこちらこそです^^。こんなカオスな話をいい話といっていただけるだけで、十分感無量です^^。ありがとうございました。(狭乃 狼)
hokuhinさま、そら読めませんよねw書いてる本人にも読めなくなってましたし(マテ^^。(狭乃 狼)
poyyさま、ありがとうございます。・・・完全なネタ話になっちゃいましたけどねww(狭乃 狼)
シンさま、司馬公メインヒロインですか。・・・メインではないですが、その一人として出そうかとは、思ってます。どんな形で出るか、お楽しみに^^。(狭乃 狼)
村主さま、あれを黒幕にってのは、割と早くから決定していたんですが、どう理由付けするかだけ、相当悩みました。・・・その結果があれですがww(狭乃 狼)
きたさんさま、現代編外史の外伝、ですか。・・・それもありかなー^^。(狭乃 狼)
紫電さま、光速すら超えた超スピード!それこそ雲耀の早さにて、って感じでww(狭乃 狼)
カズトさま、北朝伝の文言、使うかどうかはわかりませんがねw(狭乃 狼)
よしお。さま、ありがとうございますです。次回までしばしお待ちを。(狭乃 狼)
砂のお城さま、結局、なんだかんだ言っても、現代の日本が一番平和ですからね。(狭乃 狼)
KU−さま、マシンロボとは古いですなww強引なのは否定しません^^(えっへん)。(狭乃 狼)
根黒宅さま、置いてけぼりにしちゃってすみませんwま、外史の誕生は理屈じゃないってことで^^。(狭乃 狼)
完結おめでとうございます、そしておつかれさまでした、ついでにありがとうございます。 本当にただ一言、いい話をありがとうございました。 ・・・あ、やっぱもひとつだけ。まさか呼廚泉さんが本当にもう一人?のあの方だったとは・・・ 合体攻撃、最高でした!(よーぜふ)
完結おめでとうございます。最初から最後まで展開が読めない筋書きで面白かったです。北朝伝の方も楽しみに待ってますよ。(hokuhin)
お疲れ様でした。とても楽しめました。(poyy)
完結お疲れ様です。寂しいとコメントしてから1か月、早いものだ。北朝伝楽しみにしています。前にも言いましたけど、司馬懿が悪役の作品が多くないかと思う。メインヒロインであっても良いのではないかと考えているのですけど、どう思います? (シン)
お疲れ様でした いやアイツが黒幕だったとは意外な展開でしたがw1p目影武者の言い分を見て「マイトガイン」最終話を思い出したのは・・・私もいいおっさんですな 次回作も待ってますので執筆頑張ってください(村主7)
完結お疲れ様でした。最初は結構ユックリ読ませていただきましたが、後になるほど展開が速くなりついていくのがきつかったです。最後に生まれた外史のその先を外伝ででもアップしてほしいですね。(きたさん)
完結お疲れ様です。( ´ ▽ ` )ノ 次回作の北朝伝?になるのかな期待してます( ̄^ ̄)ゞ頑張ってください! (スーシャン)
お疲れ様でした。最初から欠かさず読んでて、楽しませて頂きました!次回作も期待させて頂きます!(よしお)
何はともあれ最後までお疲れ様でした♪最後に生まれた外史の続きがとても気になりますがね・・・(東方武神)
ああ、確かに強引だw読んでて思った事はマシンロボ?でした(苦笑)(KU−)
うわぁ、何だこのとんでも展開?っていうか、どうやって現代風の外史を作れた?完全においてけぼりぞ、俺。(根黒宅)
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