レジェンド†無双 5
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―――蜀、訓練場

 

「・・・う、う」

 

俺の眼前に倒れ伏し呻く馬超。

しかし、未だ消えぬ闘志をその眼に宿しこの俺を睨む。

 

「やっちまったなぁ・・・・・・」

 

どんな理由があれ、

蜀が誇る軍事力の要である、あの五虎大将の一角を打ち落としてしまったのだ。

 

 

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―――訓練場、早朝

 

夜の気配は消え明るくなりつつあるが、未だ太陽が昇っていない時間帯。

世界は立ち上る朝焼けに台頭されていた。

 

「ずずっ、ずぅずずっピ!」

 

その情景の中、俺は木製のベンチに座り背を預けながら、

缶コーヒーで朝の一時に色を着ける。

 

「ん?」

 

「はああああああああっ、せいいっ!」

朝焼け濃度が高くてその姿を視認できなかったが、ベンチのちょうど正面で槍を振るう若い女がいた。

 

「・・・あれは、確か馬超さんとかいったな。

朝っぱらからやけに地球温暖化に貢献しまくってるじゃねーか。」

 

茶化し半分、冷やかし半分で

まだ中身が半分ほど残っていた缶コーヒーを、馬超を目掛けて勢いよく投げつける。

 

キュルルルルピー!

 

重量を得ることで中途半端に安定した缶コーヒーが、空中に螺旋を描きながら、

馬超の背後となる死角を目指す。

 

―――が 

 

ザクッ!

 

背後に繰り出された馬超の突きによって、缶コーヒーは空中で的確に串刺しにされた。

 

「おいおい、山賊レベル5よりすげーぞ」

 

しかも後ろ向きで、その場から半歩も前後しなかったにも関わらず

中身の茶色い飛沫の一滴すらもその身で汚すことはなかった。

 

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「たしか北郷一刀だったな、ずっとこの眼には写っていたよ・・・」

 

缶コーヒーを勢いよく天に解き放ち、

俺に背を向けたまま続ける。

 

「あんたのことは色々ときいているぜ。

あの愛紗に一撃入れたんだってな」

 

ゆっくりと振り向き、その双眼が俺の姿を捉える。

 

「勝負しようぜ、この錦馬超と」

 

朝焼けのまどろみの中、その情景に時折霞むその姿は

世界の終焉にたった一人取り残された幻想的な勇者のようだった。

 

だから

 

「・・・いいだろう、誠意をもって相手してやろう」

 

無意識にそんなことを口にしていた。

 

 

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俺は右手に太刀を握らせ、馬超と真正面から向き合う。

 

「俺は後攻でいいからさ・・・・・・来いよ」

 

「おう!いくぜ!」

 

馬超が駆け出し、音もなく俺との距離の差を瞬時に詰める。

 

「・・・」

だが驚きには値しない、

この程度の戦闘技術なら一般兵レベル75でも可能だからだ。

 

「セイッ!」

槍先が俺の首元を目掛けて襲ってくる。ってコレは食らったら痛いぞ!

 

「うまうー」させるか!

 

片手で刃を掴んで受け止め「な!」急ぎ太刀を地面へ捨てる。

空いた手でポケットから金属トンカチを取り出し、大きく振り上げる。

 

「え?」

 

さらに大きく振り上げる。

武器を無効化し、動きが寸分でも止まった時点で、

 

――――俺の勝利条件は埋まってしまったのだ。

 

その手元の柄に向かって、

大きく降り下げた。

 

「ぐっぐうううううううぅ」

馬超が呻き苦悶の表情を滲ませる。

 

俺はそのひるんだ隙を逃さず、その脚を払い、重力パワーで槍とともに地球に叩きつける。

まだ槍が手から離れないことを確認し、さらに腹にジャンピング・エルボーを決める。

 

 

「げげごぼうおぇ」

 

――――勝利

 

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「また、つまらぬものを斬ってしまった・・・」

 

「き、斬ってないし・・・、

あとつまらないってどういう意味だコラ!」

 

槍を杖代わりにして立ち上がり、

生まれた直後の小鹿のように足腰を震えさせながら俺と向き合う。

 

「・・・復活早えよ、腹に布団でも仕込んでんのかよ」

 

ザック、ザック

 

槍を軸とし、ゆっくりと一歩一歩こちらに歩いてくる。

俺はもう一戦を想定し、馬超の一挙手一投足に意識を向ける。

 

――――だが

 

「あたしは馬超、真名は翠だ」

 

なぜかこのタイミングで名乗ってきた、

だから俺も意識せずに自然と名乗る。

 

「俺は北郷一刀、

真名はルイズ・フラ○ソワーズ・ル・ブ○ン・ド・ラ・ヴァ○エールだ。

ヨロシク」

 

「る、るいず、ふら・・・??」

おいおい混乱してるぞコイツ。

 

「北郷でかまわないぞ、翠。

そっちの名はあんまり使わないし、てか一度も使ったことがない」

 

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その時

 

先ほど馬超に串刺し刑に処された缶コーヒーが

突然その痛みを思い出したかのように大声を喚き散らす。

 

「イタちょッ、こ、これッ、ちょッ、しゃれにならんのおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

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あとがき

 

いかがでしたでしょうか?

 

以降も馬超√を開拓していきたいと思います。

 

 

ちなみにこのレジェンド無双において、

話の最後に食べ物なんかが突然騒ぎ出すことに、疑問を持たれている方もいると思いますが・・・

これは一刀が一方的に感じる幻聴の類ではなくて、全て一度の例外もなく現実の声です。

もちろん物語の根幹に関わるふか〜い理由があります。

 

 

 

では幸!

 

説明
第5話です。

キョけけけけけけけけけけけええええええ!!!!

ぴーちくぴーちくぴーちく!!

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コメント
流石は外史、缶コーヒーまであるのか^^;(深緑)
缶コーヒーやその名前は完全にアカンでしょうがwwwwww・・・缶だけに てか食いモン・・・本当かよ(スターダスト)
ちょいちょいゼロつかとかリトバスが挟まってて・・・;(FALANDIA)
真名を偽るのは最悪の行為だった気がするのだがw(BAPS)
これは三国時代だよね?どら焼きまでは許せたけど缶コーヒーはどこで製造されたんだ!?(紙切れ)
呼べたらよべたでなんか問題になりそうな・・・・・(黄昏☆ハリマエ)
真名wwwそれ別世界の女性のフルネームwww(btbam)
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