真・恋姫†無双‐天遣伝‐(22)
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・Caution!!・

 

この作品は、真・恋姫†無双の二次創作小説です。

 

オリジナルキャラにオリジナル設定が大量に出てくる上、ネタやパロディも多分に含む予定です。

 

また、投稿者本人が余り恋姫をやりこんでいない事もあり、原作崩壊や、キャラ崩壊を引き起こしている可能性があります。

 

ですので、そういった事が許容できない方々は、大変申し訳ございませんが、ブラウザのバックボタンを押して戻って下さい。

 

それでは、初めます。

 

 

 

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―――陳留。

 

帰り付いた曹操軍は、早速軍備を開始していた。

その陣頭指揮を執るのは、軍師の桂花と、将の一の華蘭である。

しかし、どこか違和感が否めない。

 

 

「こら、そこ! 勝手に動くんじゃないわよ!!」

 

「桂花、流石に一人では無理があるのではないか?」

 

「何言ってんのよ! 華琳様の軍師は私だけで充分だわ!」

 

「そうは言ってもな・・・疲労が目に見えているぞ」

 

 

それもその筈。

今目の前にいる集団に向かって立つ桂花に普段のキレが無いからだ。

と言うよりも、何かに苛立っている。

 

その理由は、華琳が陳留に戻ってすぐに出した、『我こそは、と思い仕官を望む者は来るがいい』と言う旨の御触れの為だ。

華琳の名声は、黄巾の乱で『天の御遣い』に重く用いられていたという物も含め、かなりのものになっている。

「家柄などに関係なく、力量ある者にはそれ相応の扱いを約束する」というスタンスもかなり広く広まっていた為、今華琳の下には凄まじい数の人が訪れていた。

そして、それは軍師の桂花の負担を増加させると同時に、桂花が思った「華琳が自分以外の軍師を求めている」というジェラシーから来るストレスを生み出す事にも繋がった。

その結果。

 

 

「ギリギリギリギリ・・・・・・」

 

「・・・はぁ」

 

 

頭が痛いと言った風に、頭を抑える華蘭。

これこそが、華琳が危惧していた桂花の欠点。

忠実なのは良いのだが、余りにも主君に傾倒し過ぎるが故に、己を軽くしがちである事だ。

華琳は桂花の事を甘くも軽くも見ていない、寧ろ本人以上に高く重く評価している。

だからこそ、彼女以外の軍師を求めているというのに、常日頃から「華琳様には私がいる」と豪語する桂花にとっては、逆効果になっているという訳だ。

 

 

「(華琳、お前の言う事は実に正しい。

確かにこれは、軍師失格と言ってもいい)」

 

「全く、無様ですね」

 

「!?」

 

 

華蘭の目が見開かれた。

曹操軍の軍師の長(と言っても軍師自体桂花しかいない)にして、この場の最高責任者でもある桂花に向かって暴言を吐く者がいるとは、到底思えなかったのだ。

事実、周囲に仕官の為に集まった人々も狼狽している。

 

 

「誰よ! 姿を見せなさい!」

 

「やれやれ・・・仕方ありませんね」

 

 

そんな言葉が発せられた辺りの人波がザッと退き、その中から少女が現れた。

思わず華蘭は愚か、桂花までもが息を飲んだ。

凄まじく印象に残りそうな姿だったからである。

 

まず、その肌の白さが異常だ。

まるで死人がそのまま起き上がっているかの様な錯覚を覚える程に。

明らかに尋常ではない。

だというのに、目には華琳と同等の強烈な意思の光が宿っている。

否、華蘭は気付いた。

 

 

「(・・・・・・華琳よりも、野望の色が強い!?)」

 

 

思わず身構える。

最も、少女が華蘭の事を鼻で嗤った為、何とか耐えたが。

 

そして何より、肌の白さに反比例しているかの如き漆黒の長髪。

赤い双眸と相俟って、幻想的な美しさを体現している。

一目見れば、決して忘れる事等出来そうにない。

しかもそれは、余りの美しさに等では無く。

余りにも浮世離れしているが故だ。

昏い色の服や手に持った烏扇も、その印象を増長していた。

 

 

「先程から、仕官に来た者達を不要と断じるが如き睨み方ばかり。

貴女、本当にかの曹孟徳殿に認められた王佐の才、荀文若ですか?

信じ難いですね、問題外と言わせて頂きたい。

其方の将の方に軍師の座を譲り渡した方が余程曹操殿の為になるのでは?」

 

「・・・!? あ、あんた・・・この私によくも・・・・・・」

 

「おやおや、図星を突かれただけだと言うのに、今度は暴力ですか。

・・・底が知れますね、このような愚物を重用する曹操殿の器も高が知れます」

 

「あんたっ! 私はともかく華琳様の事までも! 衛兵! この無礼者を手討ちに・・・」

 

「落ち着け、阿呆が」

 

「はっ、離しなさい!」

 

「それを行えば、お前は彼女の言った通りの愚物に、本当に堕ちるぞ」

 

「うっ」

 

 

内心溜息を吐きながら、猫を摘み上げるかの如き気軽さで桂花の襟元を掴んで持ち上げる華蘭。

それを見る少女は、笑っていた。

 

 

「いや、失敬。

どうやら、其方の方はまともな様で安心しました。

それで、此方で仕官する為には如何すればよいので?」

 

「・・・ここの木簡に名を書いて、呼ばれるまで待て」

 

「分かりました」

 

 

少女は、サラサラと筆を走らせる。

その間も、桂花はヒステリックにジタバタしていた。

書き終え、去る少女の背に華蘭は言葉を発した

 

 

「あー、お前も余り文若の気を逆撫でする様な事は止めた方がいいぞ」

 

「・・・何故ですか? 事実無根を騙って罵倒するのならばともかく、真実を語るのを止める必要が何処にあるのでしょう?」

 

 

昏い笑いと共に放たれたその言葉に、華蘭の背筋にゾッと怖気が奔った。

木簡に、『司馬懿 仲達』と名を書いた少女は、この後見事に任官試験に通るのであった。

 

 

 

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真・恋姫†無双

―天遣伝―

第二十一話「岐路」

 

 

一刀は駆けていた。

彼が向かう先は、霊帝劉宏が眠っていた部屋。

 

つい先程、禁軍の一兵の報告によって霊帝が目覚めた事を知った一刀は、全力で駆け出したのだ。

故に、今一刀に付いて来ているのは、一刀よりも足の速い恋だけだった。

 

幾つもの曲がり角を駆け抜け、遂に部屋まで辿り着いた。

礼を失しては良くないと思い、手軽に身だしなみを整えてから、一刀は扉を軽く二度叩いた。

 

 

"コンコン”

 

「誰・・・一刀、入りな」

 

 

扉を細く開けて、内部から美里がチラリとほんの少しだけ姿を見せる。

明らかに、何かを警戒しているのが見て取れる。

そして、それが何に対する警戒かも。

一刀は美里の言葉に頷き、部屋へと入る。

恋は入らずに部屋の外、扉の前で警戒を始めた。

方天画戟は何処から出した、等と突っ込んではいけないのである、絶対に。

美里は満足した様に頷いてから、扉を閉めた。

 

 

 

―――部屋の中

 

一刀は、目の前の光景が信じられなかった。

確かに霊帝劉宏は、重い病気に掛かって余命幾許も無かった筈なのに。

今目の前にいる見知らぬ男は、間違いなく霊帝その人なのだ。

 

 

「よく来てくれたな。

初めまして、天の御遣い北郷一刀殿。

朕が、霊帝劉宏である。

・・・分不相応にも程があるのだがな」

 

 

自嘲するように語る、劉宏。

寝所に腰掛けている劉宏の土気色だった肌はれっきとした肌色に戻っており、痩せこけた身体は生きた人間のハリを取り戻している。

部屋の内に充満している空気、それはやはりと言うべきか。

歓喜よりも困惑の方が強かった。

 

 

「信じられないのだが、間違いなく健康体だ・・・・・・くっ! 俺の五斗米道(ゴットヴェイドー)に見落としがあったとは! 何たる不覚!!」

 

 

華佗が頭を抱えて嘆いているのは無視し、一刀は差し出された劉宏の手を取った。

その温かみは、紛れもない生きた人間のそれだ。

 

 

「うむ、悪くない」

 

 

自分の身体の調子を確かめる為に、さっきまで一刀と握手していた手を握ったり開いたりする。

そして、徐に立ち上がろうとして・・・よろけた。

 

 

「無理をなさらないで下さいませ、陛下」

 

「寝たきりだったのに、いきなりは難しいだろうよ」

 

「むう、すまぬな美月、美里。

うむ、寝ていた時が長い所為か、得心した」

 

 

倒れそうになった所を美月と美里に助けられ、カラカラと笑う。

少しずつ足の感触を確かめる様に、二人に肩を補助された状態で何度か足を床に付けては離すを繰り返す。

暫くした頃になって。

 

 

「よし、二人とも離れてよい。

もう一人で歩ける、仔細無い」

 

「はっ、お気をつけ下さい」

 

「うむぅ」

 

 

少しまだグラついてはいたが、劉宏はしっかりと自身の両足で立つ。

ほんの少しだけ跳躍。

危な気なく着地し、今度こそ美月はホッと安堵の溜息を吐いた。

 

 

「よし、行くか」

 

「何処に?」

 

「久々に弁と協と遊んでやらねば。

朕は父としての債務を存分に果たしておらぬからな」

 

 

笑いながら言う。

その笑顔に、優しさを見た一刀も釣られて笑顔になる。

だからなのだろうか。

そこに居る者達は揃って見逃した。

劉宏の瞳に、一抹の物悲しさが籠っていた事に。

 

 

 

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「父上!」

 

「・・・お父様!」

 

 

円を護衛に、二人して庭で待っていた劉弁と劉協は、劉宏の姿を認めた途端走り出し、父の胸に飛び込んだ。

思わず踏鞴を踏む劉宏だったが、しっかりと二人の子供を受け止めた。

それを見る者達の目は優し気に、自然と緩んだ。

 

 

「良かった、本当に良かった・・・・・・」

 

「ああもう、美月泣くんじゃないよ」

 

 

卓に腰掛けて泣き始めた美月をあやす美里。

その光景を見守る一刀も自然と心が癒された。

だがその一方、華佗は厳しい表情を崩さない。

 

 

「どうしたんだ、患者が治る事は良い事じゃないのか?」

 

「・・・・・・どうにも引っ掛かるんだ」

 

「何がだ?」

 

「・・・うん、恋もそう思う」

 

 

一刀の脇に何時の間にか立っていた恋も、華佗の言葉に頷く。

その表情は、やはり厳しい。

 

 

「と言うより、何で恋がいるんだ?

ここに入っていいって言われたのは、今の所俺だけの筈なんだが」

 

 

きょとんとした表情を見せる恋。

如何にもたった今気付いたと言った風だ。

いや、実際たった今気付いたのだが。

 

 

「外で待っててくれよ、な?」

 

「・・・コクン・・・・・・・・・"トボトボ"」

 

 

シュンとした様子で庭から出ていく恋の後ろ姿に、強制的に罪悪感を湧かされそうになる。

が、これでいいのだ、と自分自身を説き伏せる。

 

 

「話を続けるが、劉宏は間違い無く俺が診た昨日までは、余命幾許もない半死半生すらも越えた状況だった。

正直、何時死んでもおかしくなかったんだ。

それが、急にあんな健康になるなんて、絶対におかしい」

 

「考え過ぎじゃないのか?」

 

「・・・五斗米道(ゴットヴェイドー)の教えで扱ってはならない禁薬に、『屍人魂』という物があるんだ」

 

 

一刀の眉が顰められる。

名前からして、碌な物じゃないと分かったからだ。

 

 

「その効用は、死に掛けは愚か死んで間も無い人間でさえも強制的に蘇生させること。

人の命を簡単に弄ぶ代物だ、存在していい物じゃない」

 

「・・・皇帝は今それを服用していると?」

 

「・・・・・・いや、屍人魂を服用すると血の涙を流す、とあるから多分違う」

 

「なら、いいんじゃないのか?

そもそも、それが実際にあったとして、皇帝に使う理由が無いだろ」

 

「むむむ・・・・・・」

 

 

未だに眉を顰める華佗の肩を笑いながら叩き、一刀は弁と協と遊ぶ劉宏に目を向けた。

仲の良い親子の姿がそこにはあった。

弁は元より自分の感情を目一杯に表現する子だから、見た目にもとても嬉しそうと分かるが。

中々感情を表に出そうとしない協までもが、パッと見でも嬉しそうと分かる程だ。

そんな様子を見て、一刀の心が何故か軋んだ。

本当に一瞬だったが、何か致命的な見落としをしている様な、そんな感覚を覚えた。

だが、余りにも小さかった故に、気付かなかった。

 

 

 

―――同時刻

 

子供達と遊ぶ劉宏の姿を、遠目に観察する男がいた。

その口元は歪み、心根の歪さを如実に伝えている。

最も、彼の所在を知る者は近くに居らず、寛ぐほどにリラックスしていた。

 

 

「さてさて、ここからかな?

後に来るは、秩序か? それとも混沌か?

間違いなく戦争が起こる。

して、その戦争の勝者は誰なのか・・・」

 

 

ほう、とウットリした様な溜息が洩れた。

 

 

「素晴らしきかな戦争!

己のエゴを相手に押し付け、押し付けられ、殺し殺され合う戦争!

如何な歴史の内にも必ず存在する、それが戦争!

戦争とは、人が次世に躍進する為に決して避けては通れぬ道。

さぁ、俺に見せておくれよ、お前達の導く戦争を!」

 

 

芝居がかった調子で、声を荒げる男。

 

 

「・・・だが悲しきかな。

その為に、死なねばならない者がいる・・・それはとてもとても悲しいものだ」

 

 

その直後に、何故かさめざめと泣き始めた。

途轍もなく不気味な、そんな男の独白は、結局止む事は無かった。

 

 

 

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「美里、伝国璽を」

 

「御意」

 

 

あれから約20分後、弁と協と遊び終わって皆の下に戻ってきた劉宏は、開口一番美里に命じた。

伝国璽の返還。

それは、全ての権力が霊帝劉宏の手の内に戻った事を意味する。

谷間から伝国璽を引っ張り出す美里。

思わずその様子に釘付けになってしまうのは、男の悲しい性か。

ニヤリと笑われて、一刀は慌てて目を逸らした。

 

 

「うむ、ありがとう美里。

御遣い殿」

 

「は、はっ!」

 

 

突如として話し掛けられ、上ずった声で返す。

しまったと思ったが、劉宏は気にした様子を見せず、玉璽を懐に仕舞った上で言った。

 

 

「皆、暫し彼と二人だけにして欲しい」

 

「・・・・・・・・・・・・分かりました」

 

 

美月は未練がありますと言った風であったが、良人の言葉を聞き入れて、華佗と姉と円と子供達を連れて庭から退出した。

皇帝と二人、庭に取り残された一刀は、少し気まずい居心地を感じていた。

 

 

「そうだな・・・座ると良い」

 

 

先に卓に付き、対面の椅子を指して言う。

 

 

「いえ、そういう訳には」

 

「ならば言い直そう、座れ」

 

「・・・はい」

 

 

戦場の一兵卒にも劣る威圧を放ちながらも言われた言葉。

しかし、それは確かにこの大陸の支配者の言葉だ。

逆らう訳にもいかない。

 

一刀が席についてから、劉宏は徐に切り出した。

 

 

「そうだな、御遣い殿。

貴公は今の世の様をどう思う?

世辞など不要、思うがままを頼む」

 

「そうですね・・・私が思うに、「友に語るのと同じ調子で構わん、これは命と思ってもらいたい」・・・分かりました」

 

「もっと砕けても良いと言っておるのに」

 

「申し訳ない、ここだけは譲れないのです」

 

 

一拍置いてから、一刀は手討ちにされる覚悟さえ決めて、話し始めた。

 

 

「俺が思うに、この世は・・・現世の地獄です。

民を護る筈の者達が、民を傷付け、搾取し、挙句の果てに見捨てて逃げる。

そんな行いがまかり通ってしまっている。

だから、彼方此方で新たな統治を求める声まで上がるのだ、と」

 

「そうか・・・貴公はそう思っておるか」

 

「ええ、お言葉ですが、その大元は王朝の政治そのものが腐っているからだと」

 

「・・・うむ」

 

 

劉宏は満足気に頷く。

一刀としては、首を傾げざるを得なかった。

今、一刀は漢王朝そのものを否定するかのような発言をしたというのに。

怒りを受ける覚悟がまるで無駄の様だ。

 

 

「良かった、御遣い殿はしかと現世の真実を捉えてくれていて・・・」

 

 

笑顔と共に言う。

だが、その笑顔に一刀は背筋が凍った。

今にも消え入りそうな、儚い笑み。

そんなものは、初めて見た。

 

 

「・・・歩こうか」

 

「・・・・・・」

 

 

一刀は無言で立ち上がった。

言葉にしようもない程に重苦しく、嫌な予感を感じながら。

 

 

 

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一刀と劉宏は、庭をグルリと外周に沿って回る様に歩く。

最も一刀の方が、頭一つ分位背が高いので、一刀は自然と劉宏の歩に合わせていた。

途中で劉宏はルートを変え、庭の中央付近に位置する池に移動する。

無論、一刀もそれを追った。

池の淵に二人揃って並び立ち、池の内を眺める。

そこには鯉がいた、それもかなり大きく美しい。

劉宏は目を鯉から離さずに口を開いた。

 

 

「見ろ、こ奴こそ正に今の朕だ。

この様に美しくはあるが、狭い庭池の内でしか生きられぬ、哀れな鯉よ」

 

 

袖の内より取り出した、鯉の餌をばら撒く。

あっと言う間に餌にむしゃぶりつく鯉。

それを忌々し気に劉宏は睨んだ。

一刀は何も言えなかった、言える資格が無いと判断した。

 

 

「それに比べ、貴公の何と素晴らしくも美しい事か。

余は、貴公の様になりたかった、貴公の如く勇気ある者に。

余は臆病者よ、やりたい事をそうとも言えず『言わせてもらえぬ』等と言い訳してまで、自身の殻に貝の様に閉じこもっていた。

余は、何も出来なかったのではない、何もしなかったのだ!」

 

 

怒りをぶちまける様に、鯉の餌を入れた袋毎池に向かって投げた。

その目からは、涙が滲んでいた。

ハーハーと荒い息を吐き、暫くして落ち着いてから、劉宏は懐から袋を取り出した。

 

 

「これを、貴公に受け取って貰いたい」

 

「そ、それは確か」

 

 

一刀の記憶が正しければ、その袋の中身は、劉宏が美里に預けていた玉璽の筈だ。

当然断ろうとするが、劉宏は一刀の手を引き、強引にそこに玉璽の入った袋を握らせた。

 

 

「頼む、弁と協はあの通りまだ存分では無い。

貴公に重荷を背負わせる事になるだろうが、どうか分かって欲しい」

 

「皇帝陛下・・・・・・」

 

 

頭を下げられ、言葉に詰まってしまう。

そこで気付く。

自分の手を取る劉宏の手が、異常な程冷たく、筋張っている事に。

 

 

「ま、まさか・・・」

 

「ふ・・・病弱とは言え、よくぞ保ってくれたものよ。

半ば諦めてはいたが、我が身も捨てた物では無いな」

 

 

見る間に肌が色を失い始める。

膝は震え、遂には崩れ落ちた。

顔もあっと言う間に、実年齢を遙かに超えた高齢の物に変わっていっている。

最早、言葉すらも発する事が出来ないまでに衰弱が進んでいるのが、見るだけで分かった。

その後の一刀の行動は速かった。

即座に劉宏を抱き抱え、全速力で庭から飛び出た。

目指すのは、華佗の下。

 

 

 

―――ほぼ同時刻の頃。

 

庭から辞した後、美里を含めた一団は、月達と合流してお茶の時間としていた。

 

 

「一刀さんと皇帝陛下の二人だけでお話を、ですか?」

 

 

集まった皆にお茶を配りながら、月が訊ねた。

メイド姿のまま小首を傾げる様が、何とも可愛らしい。

 

 

「ああ、大方これからの事を話し合うんだろうよ。

劉宏様だって、これまで洛陽を護ってきた一刀を重く見ない筈が無い・・・ん、どーしたんだいあんた等」

 

「・・・・・・」

 

「・・・姉さん、私達何か致命的な見落としをしているのではないのかしら」

 

 

黙りこくって考え事をし続けている華佗と、神妙そうな顔の美月。

それに対し、美里も少し考え込んだ。

 

 

「確かに、あれだけの難病がそうそう治る筈は無いと思うけどさ。

実際に治ってるんだから、いいんじゃないか?」

 

「・・・・・・それはそうかも、だけど」

 

 

華佗が無言で立ち上がる。

 

 

「すまない、俺はやっぱりもう一度皇帝を診て来るよ」

 

「待って下さい、私も行きます。

構わないわよね? 姉さん」

 

「ちぇっ、好きにしな」

 

 

劉宏の下へ行こうとする華佗に、付いて行こうと美月が立ち上がった。

それとほぼ同時に華佗が扉を開け放つ。

その瞬間だった。

 

 

「いた! 華佗、治療を頼む!!」

 

「こ、これは!?」

 

 

殆ど木乃伊に等しくなった劉宏を抱き抱えた一刀が姿を現したのは。

 

 

 

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先程まで和気藹々とした空気を保っていた部屋の中が、通夜の如き重い空気へと変わっていた。

 

 

「俺の、失態だ!」

 

 

そう言い、傍にある小さなテーブルを叩く華佗。

その余りの強さに、テーブルが割れてしまうが、それに気を留める事も無く、華佗は力なく椅子に座り込んだ。

 

 

「・・・無い物を作り出すには、別の何かを削らなきゃならない。

それを失念するとは、俺は・・・俺は医者失格だ!!」

 

「・・・華佗、あんたの所為じゃない。

ここにいる奴は少なからず、劉宏様が快気したと聞いて浮かれちまってたのさ」

 

 

俯いて大粒の涙をボロボロと流す華佗の肩を、優しく叩いて諭す様に語りかけるのは美里。

華佗と同じ様に、意気消沈している者は少なくない。

その最たるは、枯れ木の様な姿に変わり果てた劉宏が寝かされている寝所の脇からピクリとも動く気配を見せない美月だ。

協が心配している位に。

ジッと涙も流さず、劉宏の手を握り続けていた。

 

 

「・・・・・・ァ」

 

「!? 華佗様!! 陛下が!!」

 

「何っ!?」

 

 

劉宏の口から弱々しい吐息が漏れる。

華佗は、劉宏の口元に耳を近付けた。

周りは自然と静まり返る。

 

 

「・・・は、り・・・を? 鍼を、だって!?

馬鹿な! 今の状態でも生きているのが奇跡に近いのに、また鍼を打ったら」

 

「・・・間違いなくこの場で死ぬ、か」

 

 

華佗の背後の壁に寄り掛かっていた一刀の呟きに、一度全員の視線が向き、華佗に戻った。

皆の視線を受けつつ、華佗は苦渋の表情でゆっくりと頷いた。

部屋の内が、先程よりも更に重い沈黙で静まった。

そんな中、美月の表情が徐々に変化していき、意を決した様に口を開いた。

否。

 

 

「お願いです華佗様、どうか陛下の仰ったとおりに」

 

「し、しかし!」

 

「お願いです」

 

 

実際に意を決したのだ。

それが、今の最良であるという判断を下した上で。

強い意思の光が宿った目は、確実に華佗の心を射抜いた。

一度だけ頷き、華佗は臍の少し上に位置する部分に鍼を刺す。

その際、何時もの口上は行わず、唯淡々と作業をこなすという、華佗らしからぬ姿であったが。

 

鍼を打たれた劉宏は、暫し動かなくなっていたが、その後皆の方へと首を向けて言葉を発した。

先程までの弱々しい声では無く、しっかりとした力を籠めて。

しかし、それが既に消えかけの蝋燭の最後の一際の輝きであると、ここにいる者全てが気付いていた。

年若い弁と協にさえも、父の死期は直感的に理解出来た。

 

 

「朕が死した後の皇太子には、弁を。

後見人には美里と、『天の御遣い』殿を」

 

「御意!」

 

「・・・分かりました」

 

 

劉宏の言葉に、一刀は玉璽の入った袋を力の限り握り締めながら頷いた。

それを確認した劉宏は、木乃伊の様になった顔を喜びに歪めた。

 

 

「お、いで、弁、神名」

 

「父上・・・」

 

「父様」

 

 

弱々しくなっていく父の声を聞きながら、美月に手を引かれて劉宏の下へと二人が寄る。

目には涙が湛えられ、今にも溢れ出しそうだ。

劉宏はそんな二人の目元に精一杯の力を振り絞って手を伸ばし、二人の涙を拭った。

 

 

「よ、いか? 母、伯母、そして、御遣い殿、の言葉を、よく聞き、よく解し、よき王と、なれ。

ふ・・・決し、て、わた、しの様には、な、るな・・・・・・美月、いるか?」

 

「はい、陛下。

私はここに居ります」

 

「あり、がとう、《お前を愛している》」

 

「はい、陛下、私もです・・・陛下?」

 

 

美月が、劉宏の顔を覗き込む。

そして、その両目から滂沱の涙を流し始め、劉宏《だった物》に縋り付いた。

それが意味するものは、たった一つ。

 

後漢第12代目皇帝―霊帝劉宏崩御。

享年31歳であった。

 

 

 

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霊帝崩御す―

その一大事は、宮中を大いに揺るがした。

宦官は、こぞってここぞとばかりに、何進派を叩き始めた。

何せ、霊帝が生きていた間に会っていた者達は、皆何進を始めとする身内達なのだ。

叩かれない理由等何処にも無い。

 

だがその一方、宦官勢のトップである張譲は、そんな集団には加わってはいなかった。

とは言っても、扇動自体はしているのだが。

 

閑話休題

 

現在張譲が行っているのは、霊帝の葬式の件だ。

出来る限りド派手に、絢爛豪華に。

そうする事で、各諸侯に対し本当に皇帝が死んだのだという事を信じ込ませられる。

そうなれば、当然捲き起こるのが後継ぎ問題だ。

 

霊帝は遺言として、劉弁を次期皇帝の後継にするとはっきり言い残しているが、美里達はそれを皆にしっかと示せる証拠が無い。

体の良い嘘を吐いて、自分達が権力を握る為に都合のよい皇帝を立てようとしていると言っても、この状況では嘘にはならない。

即ち、この時点で美里達は大きなハンデを背負ってしまった事になるのだ。

 

もしも、この状況で皇帝が毒を飲まされていたという噂が広がったらどうだろうか?

何進派には天の御遣いがいる。

そして天の御遣いの世間一般での認識は、【思慮深く公平な善君】なのだ。

そんな御遣いが毒殺ともなれば、当然評判は地に落ちる。

しかも、それらの謀略の準備は既に張譲は始めている。

こうなると、霊帝が今の時期に死亡したのは好都合だ。

華佗の出現で霊帝の寿命が延び、自分達の方で殺害計画さえも進めていたのだが、それが必要無くなった。

張譲達からしてみれば、これ程嬉しい事は無い。

自分達で動員出来る人員の殆どが何進派に抑えられてしまっている所為で、かなり危なかったのだ。

 

即ち、上記の全てを統合すると。

言い方は悪いが、霊帝の目覚め、そして死に至るまでの全てが、美里達にマイナスに働いている訳だ。

 

張譲は一人、唇の端を禍々しく歪めた。

 

 

「ククク、これはいい。

私に追い風が吹いている。

覚悟するがいい、何進、北郷一刀。

後一週の内に、貴様等の頸を取ってくれる」

 

 

哄笑は、誰にも気付かれずに虚空に消えた。

 

 

 

――― 一刀の執務室

 

ここも、重い空気が漂っていた。

一刀は一人机についたまま、制服の上着の内ポケットにしまっておいた玉璽入りの袋を取り出した。

これを渡された時の事を思い出すと、放り出せないという気持ちにさせられる。

それが一刀の性分なのだが、今の時世では身の破滅を招きかねない物であるとは分かっていたつもりだった。

なのに、現在はこう。

どうにも治らないな、と溜息と共に一人呟いた。

次の瞬間、顔が引き締まる。

そして、扉の方向へと視線を向ける。

そこに自分の知らない誰かがいる、確信に等しい直感であった。

 

扉が開く。

一刀は、暁を手元に引き寄せた。

 

 

「お見事お美事。

気配は消してたつもりだったんだけどなぁ」

 

「・・・・・・誰だお前」

 

 

酷薄そうな笑みを浮かべ、パチパチと変な拍手をしながら男が現れた。

そう、あの男である。

抜刀術の構えを保ったままの一刀を尻目に、男は窓際まで移動する。

何時刀が飛んでくるとも知れぬというのに、相変わらず笑みを崩さずに。

 

 

「さて、と。

何から知りたい?」

 

 

窓縁に腰掛けながら、男が聞く。

一刀は警戒を解かずに、問うた。

 

 

「名前は、何だ?」

 

「・・・・・・順当過ぎてつまらん、もっと別の事にしろ」

 

 

一刀が無言で鯉口を切った。

それを見ても、別段慌てた様子も見せず、男は一刀を片手で制した。

 

 

「冗談だ、構えは解かなくてもいいが、鯉口は戻せ」

 

 

言われ、戻す。

そこで、男は笑みを遂に崩した。

 

 

「さぁさぁ、天の御遣い殿、北郷一刀殿。

刮目なされるが好し、耳の穴を良く穿り返して聞いて下さいな」

 

 

大仰に、手を広げてから、胸に持っていく。

再び、顔に笑みが浮かんだ。

今度は喜悦に歪むものだ。

 

 

「My name is “陳寿”.

知っているだろう?」

 

 

その名を聞いた瞬間、一刀はほぼ無意識に暁を抜いていた。

 

 

 

-9ページ-

 

 

一刀の神速の居合抜き。

その速度は、正に目にも映らぬ速さ。

しかし、目の前にいる男は、避けようとしなかった。

否、正確には避ける必要等無いと分かっていた。

 

刃は陳寿を名乗った男の眼前でピタリと停止していた。

一刀がギリギリで止めたのである。

 

 

「お美事、さては俺を試したな?」

 

「全部、話してもらう」

 

 

一刀から殺気が溢れ返る。

しかし、陳寿は一向に堪えた拍子を見せず、溜息を一つ吐いたのみだった。

 

 

「分かった分かった、話すからまずはこの刀を引いてくれ」

 

 

一刀は無言で暁を引く。

陳寿は一度だけ口元を歪めてから、窓縁から飛び降りた。

 

 

「まず、俺の正体は分かって貰えたかな?」

 

「・・・陳寿は、『三国志』の著者だ」

 

「Exactly,正解だ」

 

「おかしいだろ、何でお前はこんな所でこうしているんだ?

何より、何故西洋言葉を使える?」

 

「英語でいいだろ、お前がフランチェスカで習ってたのと、あんま変わらん」

 

 

一刀の瞳が驚愕の色に染まった。

 

 

「ここまで今の世に対して違和感しかない人間が、唯の一般人だと思うか?」

 

 

一刀は首を横に振った。

思える訳が無い。

 

 

「その通り、俺はこの世界の出身者じゃない。

お前と同じくな。

それに、気付いてるか?

今のお前、『俺の事を自分の知識から拾い上げたんだぞ』?」

 

 

言われ、気付く。

確かに、今まで思い出そうとしても靄がかかった様に思い出せなかった物が、次々と浮かんでくる。

その内で、これからのどの様に歴史の事態が動くかを明確に思い出し、一刀は戦慄した。

だが、その一方これで漸く対策が取れると思い。

 

 

「そうか、だがしかし、俺がいなくなったら・・・お前のその記憶、まるっと消えるぞ」

 

 

陳寿のその一言で、どん底に叩き落された。

 

 

「いや、しょうがないだろ。

同種の記録を共有できる領域にいるだけなんだからよ。

お前は、此方の世に染まり過ぎたのさ。

この外史に馴染んでいるが故に、在り方云々も此処に適応して来てる。

元々の世界の記憶が薄れていくのも、時間の問題だ」

 

「・・・どうすればいい?」

 

 

一刀に絞り出せたのは、その一言のみ。

他は全て、心の内に落としてしまった。

 

 

「何、簡単だ。

お前の存在そのものをこの外史から少しずらす。

そうする事で、記憶の消失もまるっと解消できる」

 

「副作用はあるのか?」

 

「ん、あるぞ。

簡単に言うと、この外史が終わった時」

 

「終わった時?」

 

 

鸚鵡返しに聞く。

しかし、何となしに次にくる言葉は理解出来た。

それと同時に、心が軋んだ。

 

 

「お前はこの外史から消える。

綺麗サッパリ、歴史書にも残らずに、だ。

ま、安心しろ。

人の記憶には残るし、全ての歴史(外史含む)を記録する俺が創る書には、ちゃんと載る」

 

 

ケロっと言い放たれる言葉。

しかし、その言葉は何よりも容易く、そして深く一刀の心を抉った。

 

 

「・・・もし、別れたとしても、再び会える時は来るのか?」

 

「無理だ、当然。

一度別れてしまっても、手を尽くせば外史に入る自体は出来るけどな。

望んだ外史に入れる可能性は、サハラの中から指定された砂の粒を一粒だけ見付け出すよりも困難だ。

まぁ、いいだろ、気楽に選べ」

 

 

陳寿の言った通りではない。

絶望、それが一刀の抱いた感情。

今、陳寿の提案を飲めば、一刀は全てが終わった時に皆と別れなければならない。

けれど、今だけ復活している、この知識が無ければ、一刀は大切な人達を失ってしまいかねない。

それが、痛い程分かる。

特に美里、彼女はもうそろそろ命が奪われてしまうだろう。

それだけではない、美月も弁も殺される。

劉宏に託された玉璽が、凄まじく重い。

一刀は遂に、意を決した様に口を開いた―――

 

 

 

 

――――第二十一話:了

 

 

 

-10ページ-

 

 

後書きの様なもの

 

またしても遅くなりました、申し訳ありません(土下座)

 

恐らく分かっておられる方々もいらっしゃると思いますが、タイトルコールは仮面ライダークウガを真似ています。

続いて言うなれば、自分仮面ライダーシリーズ愛好家です。

今でも、最新作のオーズ見てウハウハ言っている様な奴です。

 

閑話休題

 

岐路とは、答えが二つしかない選択肢とも言えます。

一刀君の選んだ答えが、必ずしも最良の結果を生むとは限らない。

それは、誰だって知ってますよね?

そんな一刀君の苦しみと、周りの想いの擦れ違いが巧い事描けたらいいなぁ・・・だなんて思ってます。

 

 

レス返し

 

ue様:陳寿の真意は次回に持ち越します。

 

poyy様:御期待に添えてるといいなぁ・・・

 

ryu様:さぁ、どうなるっ!?(何ちゃって)

 

はりまえ様:ところがどっこい、一話で退場です。

 

ポセン様:凶悪な楔を一刀に叩き込んで逝きました。

 

btbam様:これからも微妙ラインを突っ走ります。

 

2828様:イメージそれです。

 

FALANDIA様:許さない、絶対にだ。 せめて、自分を先にお願いしますorz

 

ハセヲ様:ありがとうございます!

 

mighty様:う〜ん、暫くお待ち下さい。 後、菖蒲さんは不思議な関わり方をします。

 

砂のお城様:【今は】です。

 

悠なるかな様:今んとこ、一刀勢に参陣するメンバーは決まってます。

 

瓜月様:すんません、逝きました。

 

F97様:医食王の料理は味皇様や黒やんが食べると、リアクションで核爆発を起こしかねません。

 

 

今回登場した新キャラ達の紹介は次回です。

ではまた更新をお待ち下さいませ(土下座)

 

 

 

 

説明
約一月ぶりの更新です。
月刊に変わっちゃいましたかね?
何とか早目に上げたいのですが・・・
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コメント
権力に取り付かれた亡者ってやつは・・・。(深緑)
良いなあ。(readman )
やはり、連合組んで来るのかな〜?一刀はどうするんだろう?(ポセン)
ジャクリ・・・(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
一刀にとっては究極の選択ですなぁ。(poyy)
待ってましたーーーーー!!! まさか、皇帝陛下が自分の命を削ってまで元気に見せていたとは、思いませんでした。三国志の作者が出てくるとは、新しいですね。さあ、一刀の選択は、どっち? これからも楽しみにしています。自分のペースで頑張ってください。応援しています。(F97)
ここにきての選択 一刀はどうするんでしょうか 気になります(悠なるかな)
謎の人は作者というう名の管理人!?流石にやばいなあ、まさに一を捨てて百をとるか、百を捨てて一をとるか二つに一つ!!これ本当に英雄集結ルート行きか?そして前回出た新キャラ次回活躍する二か!?期待大!!!(黄昏☆ハリマエ)
おお、魏軍にシバイ投入ですか!一刀とどう絡んでいくか見物ですな♪そして謎の男が原作者で、そして一刀の決断、すごい気になります!更新待ってますぞぉ〜♪   P.S 華蘭は次回活躍しますよね!?するって言って下さい(ノ_・。)(mighty)
華佗の静かな治療・・・違和感が・・・(2828)
やはり、読んでてまずいんじゃないかと思ったところをつけこまれますか(KU−)
なんと正真正銘の原作作者でしたか!?(btbam)
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真・恋姫†無双 オリキャラ 北郷一刀 

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