恋姫†無双 『蒼天已死 黄天當立』 壱拾六 |
「みんな大好きーー!」
「「「「「てんほーちゃーーーーん!」」」」」
「みんなの妹」
「「「「「ちーほーちゃーーーーん!」」」」」
「とっても可愛い」
「「「「「れんほーちゃーーーーん!」」」」」
舞台の上にいる天和達の声に呼応して観客が声を上げる。
舞台の側で天和達を守っている一刀達はその声に圧倒される。
「ライブってこんなにすごいのか・・・・・・」
一刀が呟く。
「らいぶ?」
「舞台のことだよ」
一刀の呟き反応した蘭花に一刀は苦笑いながら答える。
「それより、父さんを知らない?龍盟と一緒にいるはずなんだけど、さっきから姿を見ないんだよね」
一刀はあたりをキョロキョロと見回しながら、蘭花に聞く。
蘭花は一瞬だけ言いづらそうにする。
「えっと・・・・・・あそこ」
そして、蘭花は舞台の真正面の所を指さした。
一刀がそこを見ると
「ほわぁぁっほぉっほわぁ!!」
攅刀が思いっきり叫んでいた。
「あんの親父は・・・・・・」
一刀は怒りで肩を震わせていた。
それを見た蘭花は、即座に龍盟の許へと戦略的撤退を行う。
その後、攅刀が一刀に連れられてどこかへ行き、発見された時に真っ白になっていたのは言うまでもない。
「3人に伝えておかないといけないことがある」
ライブが終わり近くに設置した天幕で、天和達が一息ついていたときに一刀がやってきた。
「なになに?」
「今の黄巾党のことだ」
一刀が入ってきたときに嬉しそうにしていた天和の表情が曇る。
地和も眉を顰める。
ただ、人和だけは一刀の話を知っているので比較的に落ち着いていた。
「董卓軍の情報では今、黄巾党の数はおおよそ30万になっている」
「30万!?」
30万という数に天和と地和は驚きを隠せないでいた。
「そして、その30万もの黄巾党は段々と1つに集まってきているらしい。諸侯達もこれには黙っていないだろう。近々に決戦が行われるのは必至だ」
決戦という言葉に3人とも暗い表情になる。
「大丈夫。天和、地和、人和の3人は俺が守ってみせるからさ」
そんな3人を元気づけるように一刀は笑顔で言った。
3人は一刀の言葉に安堵感を得る。
「そこで今後、どう動いていくのかを決めたいと思う」
一刀は笑顔から真剣な表情へと切換える。
3人とも一刀と同じように真剣な表情へとなる。
現段階で黄巾党は事実上、二つの勢力に別れていた。
一つは、一刀達のいる勢力。
もう一つは、ただの賊の集まりと化している勢力だ。
一刀達のいる勢力は主に暴政を行っている刺史を襲い物資を奪っていた。
だが、これで街の様子が良くなるわけではない。
むしろ、悪くなっているところもある。
刺史は一刀達に物資を奪われて、その奪われた分を回収するために以前にも増して暴政をしているのだ。
その影響もあり街には活気が無く、天和達も歌えないでいるのだ。
さらには暴走している黄巾党をどうにかしなければ天和達まで同じ扱いにされ、治安が良い所でも歌わせてもらえない。
「弱ったわね」
「どう対処するか」
一刀と人和は机を挟んで眉間に皺を寄せていた。
一刀と天和達の話し合いは二桁に達していた。
と言っても話しているのは主に一刀と人和なのだが。
「やっぱり、あの案しかないよ」
「・・・・・・・・・分かったわ。他に手が浮かばないし」
人和はそれだけを言うと立ち上がり天幕から出て行こうとする。
立ち上がった時の表情は何かに耐えるように悲痛なものだった。
「そんな表情してたら応援してくれるみんなが悲しむよ」
一刀は立ち去る人和の背中に声をかける。
人和はそれに応えることなく天幕から出て行く。
「だったら、私たちを悲しませるようなことはしないでよっ・・・・・・」
人和は天幕の前に力なく座り込んだ。
「取り合えず、これで黄巾党みたいなのが再発する心配はなくなったわけだ」
一刀の前では一冊の本が燃えていた。
本の名を“太平妖術”と言う。
妖術を使うことが出来る書だ。
この書は一刀と攅刀が天和達と出会った後に、天和達が追っかけから貰った書である。
一刀は天和達との話し合いで、まずは黄巾党と同じ事を二度と起こさせない、と決めたのだ。
その時に天和達が太平妖術の書のことを一刀に話した。
そして、処分が決定したのだ。
ただ、これを燃やしても地和は妖術が使える。
一刀が確認すると太平妖術の書にそうのように書いてあった。
と言っても、使えるのはライブで使うときのものだけなのだが。
「それじゃ、黄巾党の最後の舞台に行きますか」
一刀は天和、地和、人和、攅刀、蘭花、龍盟、途中で出会った医者の華佗を順番に見ていく。
一刀達の後ろには300人しかいない。
残りの3万は董卓軍に入っていた。
一刀達が調練をしていて普通の兵と同じように動けため、賈駆の説得も簡単に行えたのだ。
そして、一刀達8人+300人は黄巾党が集結している地へと向かう。
決戦は目の前に迫っていた。
とある天幕。
「黄巾党の数はどれくらいなのかしら?」
金色の髪を髑髏の髪留めでツインドリルにしている少女。
身体はまだ成長の余地がある。
それに反して顔はどこか妖艶で大人びている。
それは少女が今まで歩いてきた人生によるものである。
「はっ、おおよそ20万です」
少女の問いに答えるのは、これまた少女。
先ほどの少女と体つきはあまり変わらない。
頭にはネコミミのフードを被っている。
「あら、最初は30万だと聞いていたのだけれど?」
「はっ、どうやら黄巾党は20万と10万の軍勢に別れているようです。間諜によると指導者は20万の方にいるようです。20万の軍勢を倒せば10万は自ずと解散するでしょう」
淀みなく答えていく。
「そうね、今は名を欲しいわ。それと今後、活躍しそうな者を確認しておきたいわね」
金髪の少女は妖艶に微笑む。
その笑みにネコミミフードの少女は顔を赤らめる。
「ふふ、いらっしゃい、桂花」
「はい、華琳様」
覇王は覇道を進む。
覇道に立ちふさがるものを全て排除して。
とある天幕。
「こんなところに居たのか」
眼鏡をかけた黒い長髪の女性がため息をつく。
褐色の肌をしている。
目つきは鋭く、相手を射貫きそうな程である。
「冥琳も飲む?」
女性の目の前にいるのは酒を片手に持っている女性だった。
桃色の髪に褐色の肌。
黒髪の女性とは対照的にとても良い笑顔を浮べている。
「はぁ、報告だ」
最早、諦めたとばかりに大げさに黒髪の女性はため息をつく。
「天水の近くで黄巾党3万が消えた」
「消えた?」
少しばかり予想外な言葉に桃色の髪の女性は聞き返す。
「ああ、消えたんだ。董卓にやられたわけでもないらしい」
「何かがある気がしたんだけどね。さすがに私の勘でも消えるとは予想できなかったわ」
「お前の勘の良さを見ていると軍師がいらなく思えてくるよ」
黒髪の女性はまたもやため息を吐く。
「ダーメ、冥琳はどこにも行かせないんだから」
桃色の髪の女性は黒髪の女性に抱きつく。
黒髪の女性もそれを嫌がる素振りは見せず、むしろ、少しだけ嬉しそうにしている。
小覇王は築く。
仲間が笑顔でいられる国を。
とある天幕。
「平和にするためにがんばらないとね!」
意気込むのは桃色の髪に豊満な胸の女性。
どこかほんわかとした雰囲気を放っている。
「はい!一日でも早く、桃香様の理想に近づけるようにしなければ」
応えるのは美しい黒髪の女性。
「そうなのだ!鈴々、がんばるのだ!」
幼い容姿の少女が元気に応える。
「その為には出来るだけ、最小限の被害で黄巾党を倒さなければいけましぇん。はわわ、噛んじゃった」
「朱里ちゃんと2人で考えた策がありましゅ。あわわ、噛んじゃいました」
幼い容姿の少女が2人。
先ほどの少女とは違い、大人しい2人である。
「でも、頑張りすぎて、みんながケガなんてしないようにね」
桃色の髪の女性が黒髪の女性と元気な少女に向かって言う。
「大丈夫です、桃香様。賊の千や二千なんて関雲長の敵ではありません!」
「でも、今回の敵は20万なのだ」
元気な少女の的確なツッコミで天幕は笑いが起きる。
徳の王は望む。
全ての者が笑顔でいられる世界を。
『懺悔室』
最後の3ページはいらない気がしないでもありません。
というより、口調の確認です。
違和感があったら報告をお願いします。
それと、今回の話は自己理解をしている部分が多々、見受けられるので理解できないことがありましたら報告をよろしくお願いします。
テスト期間のはずなんですが、気づいたらPCに向ってます。
まぁ、何とかなるでしょう!
それでは、ここまで見て下さった皆様に多大なる感謝を!
説明 | ||
俺の脳の反抗期は終わらない気がする……。 気づいたら続きを書いてました。 今回は他の方々も出演ですが、口調がおかしいかもしれないので指摘の方をよろしくお願いします。 では、どぞ↓ ※訂正しました。 |
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コメント | ||
>>砂のお城さん この状況を一刀達が打破することを願います。違和感がなかったなら、うれしいです!(イタズラ小僧) >>FALANDIAさん ですね。生きるためにやっていたので、収入がきちんとあれば働きますから。(イタズラ小僧) >>btbamさん 早く……教えて……ほし……かった……です……(イタズラ小僧) >>hokuhinさん はい!一般的な女性の成長を考えればですけど……あれ?誰かが来たようだ。 誤字報告、ありがとうございます。(イタズラ小僧) 結局最初にいた張三姉妹ファン以外は基本食いッぱぐれた庶民なわけで。ちゃんと職につかせりゃ働くんですよね。(FALANDIA) ↓そこに突っ込んだら・・・うしろあぶないっすよ?(btbam) 華琳様が成長する余地ありだと!?wいよいよ三国との邂逅か・・・一刀の策が気になりますね。誤字報告 4p華蛇→華佗(hokuhin) |
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