真・恋姫†無双〜天より来たりし戦士〜 第5話 |
とある村にて。
ここでは、盗賊団が宴を開いていた。
「がはははは!!今日は大収穫だぜ!!」
「おい、そこの女つれて来い!」
この村は賊に占領されたのだろう。
村のいたるところに死体が転がり、わずかな生き残りはみんな拘束されている。
「つれて来たぜぇ!!へへへ、イイ体つきじゃねぇか・・・・。」
「やっ・・・・!!」
盗賊達は女性の服を引き裂く。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「た〜っぷり可愛がってやるぜぇ!」
己の欲を満たそうと、盗賊達は女性に群がる。
すると、その時
《タァン!!》
「ガッ!!」
賊の一人が血を噴き出して絶命した。
《タタタタタ!!!タタタタタ!!》
何処からともなく響き渡る、『死を招く音』。
賊たちは、次々と絶命していく。
「クソッタレ!!何だってんだ!?」
《タァン!タタタタタァン!!》
「ぐ・・・あ・・・・」
『死の音』が、夕焼け色に染まった広大な荒野に響き渡る。
そして、噴き出した血が、乾いた大地に吸い取られる。
「はぁっ・・・・はぁっ・・・・な、何が起こったの??」
気が付くと、女性の近くにいた盗賊達は、みな絶命していた。
やがて、一人の男が姿を現した。
「ったく・・・・里緒の時といい、盗賊ってのはみんな発情してんのか??」
その男は、右手には黒く輝く『何か』を持ち、辺りを見回している。
「はぁっ・・・・はぁっ・・・・・・だ、誰??」
女性はガタガタと震えながら問いかける。
男は盗賊が持っていた一振りの短剣を手に取り、彼女の手足を縛る縄をブチブチと斬っていく。
「俺は北郷一刀。ただの通りすがりの・・・・・あー・・・・・『天の御使い』だ。」
「天の・・・・・御使い・・・・?」
時を同じく、ここは『水鏡女学院』。
多くの少女が、ここで学問を学んでいる。
その生徒の中に、一人の少女がいた。
「―――ちゃ〜ん!!」
「あ、孔明さん。どうかしましたか?」
その少女は、自分を呼ぶ声に振り返る。
「みんながね、『あのお話』を聞きたいって!!」
「あ、ちょっ・・・・・!」
手を引っ張られ、ある部屋に案内される。
すると、部屋の中には十数人の生徒が座って待っていた。
「あ、元直さんだ!」
「元直ちゃん、『あのお話』聞かせて!!」
「お願い!里緒ちゃん!!」
元直、もとい里緒は、女学院で学問に励んでいたのだ。
ある人との『約束』を果たすとき、少しでも立派に成長した自分を見せるために。
その『約束』の証である帽子を、里緒は毎日かぶっている。
が、彼女にはサイズが合わないのか、帽子は常に斜めにズレている。
今度会うときは、せめてこの帽子がしっかり被れるくらいに成長したい、というのが里緒の目標でもある。
「わかりました。」
里緒はコホン。と咳払いをしてから、ゆっくりと語りだす。
「夜、星を眺めていたときの事でした。私が『天の御使い』と出逢ったのは――――。」
そして、その話は風に乗り、大陸各地に広がっていくこととなった。
数週間後、とある街。
「おい、聞いたか。『天の御使い』の話。」
「ああ、この国のどこかにいるらしいな。」
「アレらしいぞ。此間も一人で盗賊団を壊滅させたとか―――。」
「(・・・・俺のことか?)」
『天の御使い』の話で盛り上がっている人たちの横に、『本人』が立っている。
なんとも不思議な光景だ。
「・・・・・・なんか有名になってきたな。(ボソッ)」
街のどこに行っても、必ず誰かが『天の御使い』の話をしている状態になっていた。
これだけ有名になると、バレた時すごい事になるのでは・・・・と、ふと考えてしまうほどだ。
「う〜ん・・・・・まぁ、刃こぼれもあんまりしてねぇし、鍛え直せば売り物になりそうだ。よし、買い取ってやる。」
「おう、ありがとな。」
一刀は武具店で、武器を買い取ってもらっていた。
盗賊の使っていた武器の中で、保存状態の良いモノだけを回収し、それを売ることで路銀を稼いでいる。
生活をするには、多少なり金がいるのだ。
「・・・・さて、メシでも食いに行くか。」
武具店を出た一刀は、近くの飲食店に入った。
「へい、ラーメンお待ち!」
「いただきまーす。」
出されたラーメンをズルズル・・・食べる。
「(・・・・やっぱ日本のラーメンとなんか違うな。)」
祖国のそれと比較しつつ、黙々と麺を啜っていく。
すると、突然店の扉が勢いよく開き、4人の男がズカズカと入ってくる。
「俺は『天の御使い』である!!」
入店した中で一番の大男が発した言葉に、店員と客が大騒ぎする。
その大男は、全身真っ赤な服装で、腕や頬に刺青をしていた。
「あれが、『天の御使い』・・・・。」
「でけぇ・・・・。」
「なんか風格あるなぁ・・・・」
ザワつく様子を見た大男達ご一行は満足そうに笑みを浮かべる。
そして、店員がヘコヘコした態度で接客を始める。
「よ、ようこそいらっしゃいました・・・・。あの、こちらへどうぞ。」
その様子を、一刀は興味なさ気に、横目で見る。
「あ、あの・・・・ご注文は?」
「上等な酒を持って来い。」
「へ、へぇ・・・。」
昼間から酒かよ。と心の中で呟きながらも、一刀はズルズルと食事を続ける。
やがて厨房から出てきたのは、酒と人数分の杯を持った女の子。
「お待ちどうさまです・・・・。」
「おいおい、中々イイ女じゃねぇか!!」
「あ・・・ありがとうございます。」
顔では笑っている少女だが、全身は小刻みに震えている。
「注いでもらおうか。」
大男の言葉に女の子はビクッ。と反応する。
「で、では、失礼します・・・・・」
大きな杯一杯に、酒を注いだその少女は、厨房へ逃げ込むように去っていった。
大男は、辺りを見回す。
すると、ある男に気がついた。
客のほとんどが『天の御使い』である自分に注目しているのに、その男は見向きもせず、ただズルズルと音を立てて食事に没頭していた・・・つまり一刀の態度が気に食わなかったのである。
やがて、大男の部下の一人もそのことに気づいた。
「おい、そこのお前!!」
「んあ?」
一刀はラーメンの器を持って振り向く。
「『御遣い様』の御前だぞ!!」
「だからなんだよ。」
「その無礼な態度を慎め!!!」
「なにが?」
すると、今度は大男が口を開く。
「おい、オメェ。俺が何者なのか、ちゃ〜んと聞いてたか?」
「あー、『御遣い』とか言ってたな。」
「そうだ。俺は『天の御使い』だ。この世界を救ってやるために、わざわざ来てやったんだ。」
「そうか、そりゃご苦労さん。(ズルズル・・・・)」
一向にラーメンを食べることをやめない一刀。
大男は注がれた酒を一気に飲み干し、ニヤリと笑みを浮かべる。
「おい、兄ちゃんよぉ。あんまり俺の気分を害すると、ケガするぜ??」
「ふーん。(モグモグ)」
「俺はな、一人で盗賊団をぶっ潰せるんだよ。」
「ほー、スゴイスゴイ。」
一刀はズズー・・・とスープを飲み干し、立ち上がる。
「ごちそうさん。店主、勘定はここに置いとくぜ。」
立ち去ろうとする一刀に、大男は声を荒げる。
「ちょっと待てぇ!!!」
「・・・・・んだよ。しつけーな。」
「てんめぇ、ナメやがって・・・・!!」
「おい。」
すると、誰かが一刀に声をかけた。
「ん?」
振り向くと、そこには紫の髪をなびかせた一人の少女がいた。
「なんだ??」
「この店に、『天の御遣い』と名乗る男がいると聞いたのだが。」
「ああ、いるぜ。おい、お前に客だ。」
「あぁ!?客だとぉ??」
「貴様が『天の御遣い』か。」
紫色の髪の少女が店に入ると、中にいた者達がザワつく。
「か、甘寧将軍だ・・・・・。」
誰かの呟きに、大男達も驚愕する。
「質問に答えろ。貴様が『天の御遣い』か。」
「お・・・・おう。なんか、用か??」
「表に出ろ。」
言われるがままに店を出た大男達御一行。
すると、少女はどこからか剣を取り出し、構える。
「な、なんのつもりだ??」
「『天の御遣い』は一人で盗賊団を潰したと聞く。その武を見せてもらいたい。」
「ぐっ・・・・・!!」
焦りだす大男。
すると、一刀はニヤリと不敵な笑みを浮かばせる。
「そういやぁ、そんなこと言ってたなぁ。『俺は一人で盗賊団をぶっ潰せる』とかなんとか・・・・・」
「こんの野郎・・・・・!!」
大男は決心したのか、部下から剣を受け取り、構えた。
「う、うおおおおおおおおお!!!」
「・・・・・。」
声を上げて斬りかかった大男。
少女は彼の斬撃をヒラリと交わすと、カウンター気味に大男のみぞおちに肘で一撃を入れる。
「がっは・・・・!!!」
その一撃で大男は気絶した。
少女は、はぁ。とため息をつく。
「・・・・・どうやら盗賊団を一人で潰したというのは嘘のようだな。」
一刀はその様子を見て苦笑いする。
「(・・・・・なんてお嬢ちゃんだ。こわいこわい。)」
一刀は、気絶している大男に手を合わせる。
ちなみに、大男の部下達は、知らない間に姿を消していた。
その時、桃色の髪で、剣を携えた少女が誰かを引き連れて走ってきた。
「思春!!」
「蓮華さま、どうかなさいましたか!?」
「思春、手がかりを見つけたわ・・・・って、そこで気を失っているのは誰??」
「『天の御遣い』のようですが・・・・どうやら噂ほどの人物ではないようです。」
「なんだと・・・・!?せっかく―――」
「あ、あの、この人ではありません。」
桃色の髪の少女の後ろに立つ人物がそう告げた。
「「何!?」」
一刀はその女性を見る。
すると、そこにいたのは数週間前に、盗賊を殲滅した際に助けた女性だった。
「(やべ・・・・・。)」
一刀はその場から立ち去ろうと、後ろを向いたその時、
「あ!あの人です!!!あそこにいる、変な筒を肩に掛けたあの人です!!!」
バレてしまった。
説明 | ||
思いつき。 片手でやったので、誤字脱字があるかも。 |
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コメント | ||
噂が広まればそれを利用しようとする騙りが出てきますわな・・・得てして何も考えてない小物ですがw 確り鈴の音に導かれた小物はさて置き、あっさりとばれましたがどうなることやら^^;(深緑) 三つ目の銃がどんなのか気になる所だな〜(ルルーシュ) あちゃーww(btbam) 逃げ切る前に……チリーン……と……来ますね絶対……うん。(kyou) 2丁目の銃が出てきたな〜。効果音からして機関銃かな?後の一丁はスナイパーライフル的なヤツかな?続きが気になる〜!!あと一刀、ダンボールを使うんだ!!(森羅) この二人以上に厄介な三人に気づかれる前に、早く逃げ・・・切れないかも(-_-;) 合掌(西湘カモメ) ヤバイ!?バレタ!!逃げろ一刀!!www閃光弾か煙幕弾を使うんだ!!ww(スターダスト) ナイスタイミング!(ryu) 他の方と同じでメタルギアが思いうかんだw(赤字) 逃げられない気がw(イタズラ小僧) ↓周りの人たちの頭の上に 『 ! 』トゥルッ と出るんですね。わかります。(FALANDIA) あらら;(RAGUNA) なんかとんでもない二人にばれてしまいましたねぇ…。(poyy) !! いたぞ!! 某MGS的なw 一刀の運命やいかに!?w(よーぜふ) あちゃーwww(中原) |
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