軍師†無双 〜策がなかなか決まらない〜 その10
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どうも。

 

 

亜莎です。

 

 

最近活躍の場が増えました。

 

 

戦う軍師っていいですね。

 

 

一刀様にもたくさん褒めていただけます。

 

 

今回も水関に抜擢されました。

 

 

横では朱里さんがぶつぶつと呟いています。

 

 

「ご主人様から一番遠い水関に配置されるなんて…………雛里ちゃんの罠!?」

 

 

そういえば最近一刀様と一緒にいるところを見たことありませんでした。

 

 

雛里さんの罠なんでしょうか。

 

 

「いえ、これを逆手にとってご主人様にご寵愛をいただきます」

 

 

功を焦らないか心配です。

 

 

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水関から少し離れたところに連合軍は位置していた。

 

 

「ではこの私が連合軍の大将ということでよろしいですわね」

 

 

袁紹――麗羽がおーっほっほっほと笑いながら確認をとる。

 

 

「うう。妾がやりたかったのじゃ」

「いいじゃないです美羽様♪ 大将なんてめんどくさいじゃないですかー」

 

 

袁術――美羽と張勲――七乃。

 

 

「なんで儂が軍議などに出ねばならんのじゃ……」

 

 

雪蓮の代わりに軍議に出る祭。

 

 

「へぅ……」

 

 

へぅ。

 

 

「はぁ。決まったなら私は戻らせてもらうわ。秋蘭」

「はっ」

 

 

華琳と秋蘭。

 

 

「麗羽が大将か……。疲れそうだな」

 

 

 

 

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「へぅ……。先鋒を任されてしまいました」

 

 

軍議の後に麗羽から先鋒を押し付けられてしまった月は断ることが出来なかった。

 

 

「ええやんか。一番最初に戦えるなんて最高やん」

「その通りです。我ら武人にとっては戦いこそが全て!」

「…………一刀良い人」

 

 

三者三様に答える。

 

 

「私も一刀さんが暴政を布いているなんて信じられません」

「月と恋は北郷軍の宴に出とったんやな。どんな奴やったん?」

「…………初めて食べる物ばかりだった」

「とてもお優しい方でした」

 

 

宴会の事を思い出す二人。

 

 

恋は主に料理のこと。

月は腰が低くて、あまり君主に見えなかったことを。

 

 

「ほなこの噂は嘘やったってことかいな?」

「わかりません。ですがとても信じられないです」

「……………………(コクコク)」

「もし嘘やったら戦いにくいなー」

「そんなものは関係ない! 勝つだけだ!」

「だまっとり!」

 

 

迷いがある董卓軍だった。

 

 

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「どうしましょうかー」

「袁術の客将という立場上逆らえませんからなー」

 

 

雪蓮と祭も道を決めかねていた。

 

 

「一刀に助けるって約束したのに」

「あの公瑾にも何を言われるか……」

 

 

冥琳を思い出して身震いする二人。

 

 

「まあとりあえず様子見ってところね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「北郷が暴政なんて麗羽も無理やりね」

「そうですね。単に妬んでいるだけでしょうね」

 

 

華琳と秋蘭は見抜いていた。

 

 

「しかしこれは我が軍にとっては好機。北郷軍には優秀な軍師が何人もいる。それを手に入れることが今回の目的よ」

「姉者も三羽烏も親衛隊も政務が苦手ですからね……」

「武力としては申し分ないのだけれどね……」

 

 

優秀な軍師が欲しかった。

 

 

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「なあ、冥琳たちならこの連合軍って防げたんじゃないの?」

 

 

一刀の疑問。

優秀な軍師たちなら反北郷連合を組ませることすら阻めたのではないかと一刀は思っていた。

 

 

「まあ出来ただろうな」

「当たり前ですぞ」

「出来ないわけがないじゃない」

「出来たとしてもお兄さんが陛下と劉協様に頼めばどうにでも出来ましたねー」

「じゃあなんで!?」

 

 

出来るならやってくれと心底思う一刀。

 

 

「しかし根本の解決にはならないのですぞ」

「ああ。この袁紹のように野望を持った人物は次々に出てくる」

「ならこれを機にそういうやつら叩いて、諸侯に力を見せつければいいわ」

「そうすれば平和に大きく近づくのですよー」

「そ、そこまで考えていたんだ……」

 

 

仮初めの平和より恒久の平和を目指すためには絶好の機会だった。

 

 

「それに数多くの群雄たちより少数の英雄が大陸を治める方が効率がいい」

「無駄な小競り合いも減りますぞ」

「なので今回の戦いは必要なのです」

「だからあんたは安心して陛下と劉協様と遊んでなさい」

「わかった。みんなを信じて遊んでくる!」

 

 

桃香を連れて遊びに行く一刀だった。

 

 

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「郭嘉様、洛陽より援軍が到着しました」

「援軍? ……ああ、わかりました。連れて来てください」

 

 

その援軍が誰か分かった稟はニヤリと笑った。

 

 

「これで武官の問題はなくなりました。連合軍の万に一つの勝機もなくなりました」

「あとは掌の上で踊るのみですね」

「あーしぇ!」

「は、はひっ」

 

 

いきなり叫び出す稟に驚く亜莎。

 

 

「それは私の数少ない名台詞ですのでとらないように」

「わ、わかりました」

 

 

そして気を取り直してもう一度。

 

 

「ふふっ……。もはや貴女たちは、私の掌で踊るのみ。さあ、駒を進めましょう」

 

 

気分が高揚した稟は近づき辛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「劉玄徳が家臣、関雲長、張翼徳、義によって馳せ参じました」

「のだ!」

 

 

愛紗、鈴々を稟、朱里、亜莎の三人が出迎えた。

 

 

「一騎当千のあなた方の助太刀感謝します」

「はわわ、関羽さんの胸大きいでしゅ」

「一刀様の仁徳のおかげですね」

 

 

これで北郷軍に死角はなくなった。

 

 

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「先頭に翻る旗は『董』、そして…………『公孫』?」

 

 

稟が視界にとらえたのは董卓軍と公孫賛軍だった。

 

 

「はわわ、情報では公孫賛さんはいなかったはずでしたのに」

「巧みな情報操作かもしれませんね……」

 

 

軍師たちの目を欺く白蓮だった。

 

 

「白蓮殿もいたのか……」

「全然分からなかったのだ」

 

 

真名を交換した愛紗と鈴々ですら気付くことが出来なかった。

 

 

「涼州の騎馬隊に幽州の白馬、どちらにしても攻城には向きませんね」

「はわっ、恐らく袁紹さんに押しつけられたのではないかと」

「どうしましょうか」

 

 

攻城戦にはほとんど役に立たない馬。

その騎馬隊が先鋒では宝の持ち腐れである。

 

 

「相手が近づいてきたら一斉射」

「基本的に籠城戦になりましゅ」

「相手は数が多い連合軍ですが、それゆえに兵糧が心もとないです。それに長く国を空けるわけにいきませんので短期決戦を狙ってきますね」

 

 

軍師として成長目覚ましい亜莎は連合の弱点を見抜いていた。

 

 

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「とりあえず相手の将に会って確かめればええんやな?」

「はい。……大変ですがお願いします」

「ええよ。心優しい月のことやから北郷が心配なんやろ?」

「へぅ〜」

 

 

顔を赤くして照れる月だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「射て!」

 

 

稟の掛け声とともに一斉に放たれる矢の雨。

 

 

「ちっ、近づくことも出来ん!」

「………………」

「正々堂々と戦え!」

 

 

己の武器で矢を防ぎながら気を窺う三人だが、討って出てくる気配はない。

 

 

「ちっ、一旦退くで!」

「…………(コク)」

 

 

霞と恋は一度矢の届かない範囲まで下がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵が退いて行きます!」

「はわわ、それではお願いします!」

「お任せください」

「ぶっ飛ばしてやるのだ!」

 

 

水関の門が開き、愛紗と鈴々が出撃する。

 

 

背を向ける相手ほど絶好の獲物はない。

愛紗と鈴々は見る見るうちに敵を減らしていく。

 

 

「待て、愛紗、鈴々! 私だっ! …………ぎゃふ!」

「ん? 何か言ったか鈴々?」

「何も言ってないのだ」

 

 

知らないうちにやられてしまう白蓮だった。

 

 

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「そこまでだ!」

 

 

愛紗と鈴々の前に一人の武人が立ちはだかった。

 

 

「何者だ!」

「我が名は華雄。董卓軍最強の武人だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか今、イラッときたで」

「(コクコク)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか腕に覚えがあるようだな」

「我が名は関羽。劉玄徳が家臣だ」

「鈴々は張飛なのだ!」

 

 

 

華雄と向かい合う愛紗と鈴々。

 

 

「関羽に張飛か。相手にとっては不足はない。纏めてかかってくるが良い」

 

 

武器を構え臨戦態勢に入る華雄。

 

 

「よかろう。私が行く――――と思ったが退くぞ鈴々!」

「わかったのだ!」

 

 

撤退の銅鑼の音を聞いた二人は馬首を返し撤退していく。

 

 

「ま、待て!」

 

 

それを追いかける華雄。

 

 

しかし追いつくことはなく二人は水関に無事に戻り、門は閉ざされた。

 

 

「くそー! 痛い! 卑怯だぞ!」

 

 

水関より放たれる矢が掠り、怪我をしながら華雄は撤退していった。

説明
インフルエンザかもしれない。
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コメント
ぱいれん・・・・ (qisheng)
白蓮さんは出番があっただけましなんだろうな^^;(深緑)
?って・・・・・・(yukkesa)
華琳さん、不満言ってたけどたぶんあなたのところが一番ましだと思います。連合軍にも一人いるはずだけどな軍師…。(鬼間聡)
ハムの扱いがwwwあと、へぅさんはへぅさんですよwww(BX2)
ああそうか・・・連合側に軍師いないんだよな。こりゃだめだww(ペンタゴン)
ハム哀れ。゚(゚´Д`゚)゚。 こーきん( ゚∀゚)o彡°こーきん( ゚∀゚)o彡°(みっちー)
ガチで能力が発揮できれば七乃は十分軍師の役割が出来ると思うんですけどねー。まあ七乃だからなぁw(吹風)
白蓮さん・・・・・不憫。つーか連合自体軍師たちの想定内じゃ終わりは見えたような。(mokiti1976-2010)
軍師だらけの一刀軍と軍師のいない連合軍・・・こうまで差が出るのか。軍師を大切にね?へぅ!(びっくり)
まさに、軍師無双の世界に入って行きそうですね(w(うたまる)
り、稟ちゃん・・・w 白蓮さん・・・ほろり(よーぜふ)
魏サイドの「軍師が欲しかった」の文字見た瞬間サーセンと言いたくなったW(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
ハムさん、孔明にすら気づかれないってすんげー隠密になれると思うぞ?w(闇羽)
ハムと華雄の扱いが安定してるのは、変わらないなw(hokuhin)
( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!( ゚∀゚)o彡°へぅ来々!!(森羅)
ハムさん・・・あなたは、隠密になるべきだwww(btbam)
北郷軍の軍師にも気づかれないとは……ハムさん…なんてヤツだ…(イタズラ小僧)
連合軍は簡単に崩れそうだなwww(中原)
連合軍の紹介では「?」がつくし、無視されぶっ飛ばされる白蓮が、すんげぇ不憫な人に見えるてしょうがない・・・(ほわちゃーなマリア)
なんか、蜀√よりも一刀と桃香がのほほんとしている・・・ つうか、華雄が水関に居ないだけで、安心して篭城出来るというか、負ける要素が無いのねwww(tom)
なんか白蓮が哀れすぎる気が…。(poyy)
連合側は総じて残念だな…。こんな闘いが起こってる最中、肝心の一刀は遊んでるからね…。(FALANDIA)
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真・恋姫†無双 水関 一撃離脱 巧みな情報操作 いたの? へぅ来々 

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