デペイズマン・シード 4th season;G |
スピードを誇るフェイトだったが、はやてを振り切るわけにもいかないこともあって、なのはに直に追いつけないでいた。
その半面で、自分が抱いた疑問を、親友に問ういい機会だと判断する。
「はやては太一さんたちが管理局を嫌うな理由を知ってるの?」
「あー、やっぱ嫌いてわかった?うん、しっとるよ」
「……聞いても、いいのかな?」
魔導師ではないと彼らは自分たちの立場を否定した。
その割に、確かに正論ではあったが、言葉の端々に管理局への疑問がみてとれたのだ。
気にならないはずがない。
「管理局とは本来関わらない」彼らの反応ともなれば、なおさらだ。
果たしてはやては苦く笑いながらも、言葉を選んでフェイトの疑問にこたえようとしてくれているようだった。
「んー、向こうさんの"嫌い"はアレや。"森をみて木を見ず"や、ろか?
少々説明しにくいんやけど」
「へ?逆じゃないの、普通その言葉って」
「まぁ"木もみている"から確かに正しないねよなぁ。
さっきもいうてたけど、クロノくんとは仲えぇし」
「余計わからないよ」
兄の交友関係。
そういえばそれをきいたのも、ほんのさっきのことだ。
あの兄に異界の、しかも魔法には関わっていない友人がいたのは確かに意外なことだった。
いや、管理局を知っているのなら無関係ではないのか?
しかし実際違うというし。
あぁワケがわからない。
混乱するフェイトに、はやてはどない言えばえぇんやろなぁと首をひねってから、少しだけ申し訳なさそうな目線で喩え話を持ち出してきた。
「なのはちゃん、は少し違うんけど、例えばフェイトちゃんはアルフが"使い魔という兵器"って扱われたら、どないする?」
だがそれは聞き流すわけにはいかない内容。
殆ど本能的に剣呑になる表情を抑えることはできない。
「はやて。その喩え、ヴォルケンリッターに差し替えて、同じコトを聞くよ?」
「つまり、そゆことや」
対してはやての反応は、驚くほどさばさばしていた。予見していたのだろう。
そしてそれが全てだという。
もしかして彼らは召喚師的な存在なのだろうかとフェイトは当たりをつけたが、召喚師にしては彼らの身体能力は高かったようだ。
どうにもよくわからなかったが、必要ならそれを知る日もくるだろうと今はただ頭を切り替えた。
一方で件のフォロー班は迅速だった。
もっとも、この場合、「今日最も不運だった人」はこの時点で巻き込まれた少年だろう。
所詮彼らも戦闘班。
裏方にも、色々あるのである。
「で?」
「頼む。光子郎」
「躊躇いないですね」
頼れる友達っていうのは、ステキだ(棒読み。
そして。
一足先に現場にたどり着いていた彼女は意外なことに確実策を取っていた。
場所が廃ビルで範囲が広かったのも大きな原因だろう。
とりあえず、相棒相手に相談中。
「レイジングハート」
<yes master>
「バリアジャケットは目立っちゃうから、ちょっと解除ね」
<私服のデザインでバリアジャケットを編成しなおしますか?>
安全策を打ち立てる相棒になのはは少しだけ表情をゆがめた。
そんなに心配しなくていいよ。
「そこまではいいよ、大丈夫。魔力を使う人たちじゃないし。あ、でもサーチはした方がいいかな。
物理攻撃(質量兵器)対策はしておかないと。それからアリサちゃんの位置と」
やろうとしたら色々やらなければならないことを思いつく。
意外と冷静なのか、それとも確実性を求めているだけか。
<サーチャーを飛ばせば。魔力がない人間しかいないので>
「やっぱりそこまでは難しいか。よし、サーチャーでもう少し細かいデータを集めて……どれくらいかかりそうかな?」
<3minits>
「了解」
リアルタイムでその状況を観ることは勿論できるが、レイジングハートが整理したものを観るほうがおそらく判りやすい。
2分40秒後、彼女の相棒は冷静に自分の仕事の完了を宣言する。
<サーチが完了いたしました。配置図を展開します>
脳内シュミレーションの機能を使い、建物の構造及び人間の配置を確認。
武器を持っている人間もチェック。
どうやら飛び道具はないらしい。
「……けっこういるね。アリサちゃんは?」
<3階、西、奥より2つ目の部屋です>
「意識の有無と拘束状態はわかる?できれば怪我も」
次々と投げられる注文にレイジングハートが応えようとする中、後ろからその声がかかる。
「なのは」
「やっとおいついたでぇ」
親友二人の姿に、なのはの表情も綻んだ。
それはいいようのない心強さ。
「二人とも着てくれたんだ」
「こないわけにはいかないよ」
「そうなの?」
「せやで。あとのフォローは太一にぃたちがやってくれるそーやから、派手にいってえぇて」
……言うまでもないが、彼らはそんなことはひとっことも言っていない。
大体、建物倒壊の危険がある「派手」さに、「普通」の高校生がどんなフォローをするというのか。
「でも直に突撃しなかったなんて珍しいね」
「アリサちゃんを傷つけるわけにもいかないから、今レイジングハートと内部構成と潜入ルート、攻撃ポイントを検索中」
爽やかに告げるよ……少女。
ここに太一たちがいたらとある少女を思い出しただろう。
有無言わせない妹とか、妹分とか。
「じゃぁ3人でやるように設定を変えてもらっていいかな?」
「勿論」
一方的な虐殺……虐殴?の、それは対象となる当人たちが知らない開幕ベル。
とはいえやることは至ってシンプルだ。
ほんとーに、シンプルだった。
「シュート!」
まだ幼いが、それゆえの融通のなさ、確固たる意志を持って、廃ビルの、壊れかけの玄関から光の弾丸が放たれた。誘導弾。
これが、「道」。
誰もかれもを蹴散らしていくその道を悠々と駆け渡るのは金の娘。
辛うじてなのか運よくなのか、それとも不幸にもなのか「なんだかわからない内に跳ね飛ばされて意識を失わなかった」何人かが、その金の閃光に刈り取られる。
「なのは。私にも残しておいてね」
「がんばってみる」
この作戦とはいえない作戦、普通なら無謀といわれて当然の、だが確実な勝利をもって直前に交わされた会話である。
なのはが把握したその数、15。
単なるごろつきモノ連中が誘拐をした、という実情からすれば普通に多いだろう。
だが裏があるかと勘繰るには少々彼女たちの頭は熱を孕んで、赤かった。ぶっちゃけた言い方をすると、頭に血が上っていた。ごってりと。
来るなら来るで統べた倒せばいい。
シュミレーションでムダに多い人数を相手に戦闘を繰り返したそれは弊害といえたかもしれないが、実際この世界において誰が彼女たちから勝利をもぎ取れるというのか。
しかも、ある意味種割れモード。ハイライト消してあります状態だ。
冷静ゆえの虐殺、いや殺してないから虐殴。そんな日本語はないが、実情はソレだ。
太一たちの言うとおり、最優先は被害者の少女を救うことだったが、そのためにオシオキタイムを活用する案を、彼女たちが躊躇うはずもない。
床に、壁に押し付けられる音に、吹っ飛ばされる様になんだなんだと次々部屋や奥から顔を出してくるのを、有無言わさず次へつなげる。
なのは撃墜数7、フェイト5。
悲鳴を上げる間もあるまいて、それらは直に昏倒していたが「音を立てる」ために利用する。
「ほら、起きて?」
と妹属性キャラに優しく促されて、ついつられて目を覚ましたら直後にボディブローなんてレベルじゃないもん喰らったり喰らわされるのに、意識を失わない程度に加減されている、なんて。
自分たちから呼び込んでいたとしても、それは地獄というに正しいだろう。
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というわけで次回も無双が続きます
いい加減終りたいので加速気味。
余談が多すぎる
説明 | ||
なのはさんがドン引きされるの覚悟なレベルでキレてますけれど あんまり気にしないであげてください。 あと基本魔法少女無双 |
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コメント | ||
韻さま>殺しませんよー。なにせ「なのはさんのゆうどうだんはゆうしゅう」ですから。えぇ(キラッ(ほうとう。) よーぜふさま>なのはさんと同じだけのものを「抱える」覚悟です。こういうとほら、乙女モード!(何処が?!(ほうとう。) そしてなのは、がんばってみるってwwとりあえず、残せなくても殺しはダメだよ?w(韻) いやいやフェイトさん、残しといてって・・・なんかこわいっすよ?w(よーぜふ) |
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