とある侍女さんの北郷一刀日記 |
一日目
「今日から、あなたには天からいらしたという御遣い様のお世話をしてもらいます」
朝から言われた侍女長の言葉を思い出しながら渡り廊下を歩き、その御遣い様がいらっしゃるとい
う部屋へと急ぎます。
この仕事に就いて3年。これはかなりの出世ではないでしょうか?
まあ、今懸念していることが何かと言うと、その「北郷一刀」様のことなのですがね・・・
・・・大丈夫でしょう。為せば成る為さねばならぬなんとやら、といいますしね。
とりあえずお会いしましょうか。
とそのように様々なことを考えているとあら不思議、目の前に北郷様がいらっしゃる部屋の扉があ
るじゃありませんか。
むむむ!ドキが胸胸・・・ではなく胸がドキドキしてきましたね・・・。
いえ、行くのです私!女は度胸あるのみです!
ひっひっふ〜、ひっひっふ〜と深呼吸を二回。手のひらに「人」を書いて飲み込むこと三回。
・・・いざっ!
コンコン
「はーい、どうぞ、開いてますよ」
失礼いたします・・・
頭を垂れながらドアを開き、中に入ります。
その状態で一度大きく腰を折り曲げおじぎをします。
本日付けで、北郷様の周りのお世話をさせていただくことになりました――と申します。よろしくお
願いいたします。
すうっと垂れていた頭上げ、北郷様の姿を視界に収めます。
キラッ!☆彡
これは・・・なんと、まぁ・・・
純白の不思議なお召し物。微かに蝋の光を反射しているようなしていないような・・・いえ、反射
していますね、これは。
天から来たというのでもっと異形の方かと心配もしていたのですが・・・その心配は杞憂だったよ
うですね。
うほっ、いい男・・・・・・・・・はっ!私は何を!?
お顔もなかなか整っていらして、何て美男子、みたいな?
「・・・えーと、――さんだったっけ?」
おっと危ない危ない。こいつは良い鴨・・・じゃなくてなかなかの良物件ですので、ここで逃がし
てはもったいないですからね・・・
はい、なんでしょうか北郷様?
「あー・・・ごめん、やっぱり何でもないや。今日はもうすることもないだろうし、仕事は明日か
らでいいよ」
はいわかりました、北郷様。それではお疲れでしょうし、今日はゆっくりとお休みください。
「うん、ありがとう――さん」
それでは、何かあればお呼びください。では失礼いたしました。
再び頭を垂れて部屋を出る。
廊下に出て一息つきます。
・・・おお、なんとかなりましたね。むしろいい感じでした。
明日から北郷様のお世話かー・・・。まあ、いつもの仕事よりは楽でしょうがね。
さて・・・侍女長に報告して、今日はもう寝るとしましょうかね・・・。
五日目
「――さん。なんだかいつも良い匂いがするけど、お香とか好きなの?」
朝食をお持ちした時、北郷様が唐突に仰りました。
そう北郷様が言ったから、今日はお香記念日・・・・・・ではなく
はい、なかなか興味深いものでございます。
と何事もないように答える私。
・・・驚きです。まさかまだ五日もたっていないのに私の趣味を言い当てるとは・・・
そういえば前に侍女仲間から、こういう噂を聞いたことがあります。
天の血を呉に混ぜる、と。まあぶっちゃけて言ったら、みんなに子供産ませちゃえよY O U、と。
こ、これはまさか・・・私も狙われているのでしょうか!?
だ、だめですよ北郷様!伯符様や黄蓋様を押しのけて私を攻略だなんていけません!
あ、でも・・・もしかしたら北郷様は軽い気持ちなのかもしれません・・・手始めに私からいただ
きま〜す、みたいな?
むむむ・・・軽い気持ちだったら、それはそれで嫌ですねぇ・・・
ですが北郷様に求められたら、侍女である私は反抗できませんから・・・むむむのむ・・・
「それじゃあさ、ここにあるお店知ってる?」
わわわ!なんですか!裸になれば良いんですか!?何をしたら良いんですk・・・・・・お店?
北郷様が地図を取り出し、お指しになったのはこんな所で商売ができるのか?という所だった。
・・・北郷様、本当にここにお香を扱っているお店があるのですか?
「本当だよ本当。なんかどこかの貴族かなにかの道楽らしいよ?取り扱ってるのもなかなか良いお
香だったし、行ってみる価値はあるんじゃないかな?」
へぇ・・・本当にこんな所にお店があるんだ・・・知らなかったなー
解りました。今度の休みの日に行ってみようかと思います。情報、ありがとうございました。
「いやいや、こんなのでよかったらまた見つけてくるよ」
はい、ありがとうございます。・・・朝食をさげさせて頂きます。
「うん、ありがとう。――さん」
はい、それでは失礼させていただきます。失礼いたしました。
ばたん
扉を閉じて歩き出します。
明日にでも行かせてもらいましょうかね、そのお店に。
今日は楽しくお仕事ができそうですね・・・
私の口元には、自然と笑みが浮かんでいた・・・。
六日目
「・・・いらっしゃい」
さて、きょうは北郷様に教えていただいたお店にやってきました・・・が。
ゴ○溜め・・・でしょうかね、ここ。
なんといいましょうか、ここに流れ着いたものをそのまま売っている・・・みたいな?
その中に男性がぽつん、と本を読みながら座っています。
その髪は銀色・・・でしょうか?このお店の中が薄暗いので良く解りませんが白っぽい色をしてい
ます。
そして着ている服ですが・・・見たことがありませんね、こんな服。
青と黒を無理やり調和させて、しかも東の方に住んでいる騎馬民族のような独特な服装をしていま
す。
それに黒色のふちの眼鏡を掛けています。
じろじろとお店の中を見ていたのを怪しんだのでしょうか、彼が声をかけてきました。
「君はこの店の客じゃないのか?」
おっと、いけません。良いものを買うにはそのお店の店主と仲良くなる必要がありますからね、っ
と。
はいこのお店にお香を探しに来ました。見た所ないようですが、ありますかね?
「ああ、君が一刀の言っていたお香好きの侍女さんか。入っておいで」
・・・失礼します。
北郷様が一度この店にやってきたのでしょうか、私のことを知っているみたいですね。
それに北郷様のお名前を・・・まあいいでしょう
私は汚店・・・ではなくお店の中に入っていきました。
それにしても物が多いですねぇ・・・おっと危ない危ない。危うく何かを踏んでしまう所でした。
おや?彼が風呂敷を広げ始めましたよ。
ああ、なるほど。そこに保管していたんですか。
・・・ですが値札や名前が書いてありませんね。もしかして全部覚えていたりするのでしょうか?
「さてと・・・まずこれなんだが―――――」
と流暢な説明が始まりました。
おお!すごいすごい!!
彼はなんと、その商品を何も見ずにすらすらと説明しだしたのです。
なぜかいちいち商品を手に乗せていましたが・・・まあいいでしょう。
「――――という効能があるんだ。・・・さて、商品の説明は以上だ。どれを買っていくんだ?」
あ、はい。それじゃあこれとこれを一つずつ。
「解った。少し待っていろよ」
といって彼はそのまた奥へと歩いていきました。
・・・彼がいなくなったところで、気になっていたものがあるんですよ。
彼が風呂敷を取り出した棚の奥にあるあの箱・・・
なにが入ってるんでしょうかねっと。
思わず取ってしまいましたが・・・さて、中には何が入っているんでしょうか?
箱を開けてみましょう・・・ぱかっとな・・・これは・・・お香、でしょうか?
中には見たことのない桃色のお香が入っていました。
これは何に使うんでしょ「待たせたな」ぴぐぅ!
あっ箱が!!
と、驚いたそのときに落としてしまった箱は、なんと床に落ちることなく、私の袖の中に入ってし
まったのです。
「・・・まあいい。支払いはそうだな・・・これで良い」
ふ、ふむふむ。ふ、普通とあまり変わらないぐらいですね。ど、どうもありがとうございまし
た!!
動揺を表に出さないようにして支払いを終え、一目散にお店の中から脱出します。そう、脱出で
す。
後ろを振り返ればポカンとした店主が見られるでしょうが、構いません。
うう、ゴメンナサイ店主さん、すみません神様。私は盗みを働いてしまいました。
大通りまで出てきて、肩を落とします。
やってしまいました・・・ええい!捨ててしまおうかしら、このお香!?
ですがもったいないですよね、やっぱり。
うん!仕方ないですよね。袖に入っちゃってたんですから。ハハハハ〜〜・・・・はぁ。
罪悪感に潰されてしまいそうにさりながら、私はお城へと帰っていきました。
七日目
今日は北郷様とあまり顔をあわせたくありません・・・
だって・・・なぜなら・・・ねぇ?
私の手の中に、あの盗んできてしまった桃色のお香があるからです。
ですが私も大人です。女です。仕事はきっちりとしなくてはいけません。
・・・・・・はぁ
そんなこんなで北郷様のお部屋についてしまいました。
んん、失礼いたします。
扉を開けて中に入ります。
めずらしい、と言えば不敬になりますでしょうが、なんと、北郷様がご自分でお起きになっていら
したのです。
北郷様、おはようございます。
「うんおはよう、――さん。そういえばさ、昨日、教えたお店に行ったの?」
びくぅ!
お、おお、落ちつ、着きなさい、いい。わ、私。
北郷様はただ尋ねただけなのです!そうです、きちんと冷静に話をするのです。
は、はい。めずらしいお香が置いてあったので二種類ほど買わせていただきました。
「そうなんだ。それじゃあまたその買ってきたお香を付けているときは教えてね?」
はい、わかりました北郷様。
「あー・・・もう一個良いかな?」
?はい、何なりと。
「その「北郷様」って言うのやめてくれないかな?「一刀」で良いんだけど・・・」
むむむのむ・・・・・・ほんご・・・いえ、一刀様のお願いでしたら。ですが「一刀様」が限界で
すのでご容赦を。
「うん、ありがとう、――さん」
いえ・・・それでは、食堂までいらしてくださいね。
再び扉を開けて廊下に出ます。
・・・まさか名前で呼ぶことを言われるとは・・・
なんだか急に距離が近くになった気分です
そんなこんなで、今日は「一刀」様記念日・・・なんちゃって
少しだけ桃色のお香を盗んでしまったことに対して、罪悪感が薄れた私だったのでした。
十一日目
「今までは町でみんなといろんなことしてたけど、明日からは冥琳からお仕事がくるんだ」
町でみんなといろんな「娘」としていた!!??
ごめんなさい嘘です許してください。
・・・・・・ゴホンッ!えー、気を取り直してもう一度最初から。
と言うことがあった十日目は置いといて、きょうは十一日目。
もう十日も経ってしまったんですね、一刀様がここにいらっしゃってから。
早いものです・・・まあ、もう慣れたとか慣れないとかいう問題じゃなさそうですが。
この前侍女長からお使いを頼まれて町に出たときの話ですが、
ふと大通りから一本道がずれた所にある、隠れ名所的な豚饅屋のおやじさんと楽しそうに喋ってい
らっしゃる一刀様をお見かけしました。
その後お使いを済ませ、来た道を戻っていた所、広場にて一刀様が子供達、総勢15名程達と共に
お遊びになっておりました。
見ればなにやら、竹を蹴って走り回っているようですが・・・
「あんたもあの遊びに興味があるのかい?」
とその子供達の母親なのでしょうか、恰幅のよろしいご婦人が近づいてきて私に問いかけてきまし
た。
興味と言いますか、なんと言いますか・・・あれはなんという遊びなのでしょうか?
「あれはねえ、御遣い様が教えてくれた「竹蹴り」って言う遊びなんだけどね」
「竹蹴り」・・・ですか?
「そうさ、この遊びはねえ――――――」
なるほど。
一人が鬼(敵役ですね)となって、広場の真ん中においてある竹を守るんですね。
それを他の人たちが蹴りに行くと。
なにやら鬼役とそれ以外で差が大きい気がしますが・・・おや?また何か始まりましたね。
円陣を作って手を前に・・・?手を広げたり握ったり。何をしているんでしょうか?
「説明しましょう。あれは―――――」
・・・こんど話しかけてきたのはイネ・・・いえ、説明おばさんでした。
ご苦労様です。ほんとに。
それはそうと、あれは「じゃんけん」というものらしいです。
手を広げている状態が「ぱー」
人差し指と中指だけを伸ばしているのが「ちょき」
握っている状態が「ぐー」・・・というらしいです。
「ぱー」は兵が持っている盾、「ちょき」は剣、「ぐー」は石、を意味しているようです。
・・・盾なら剣も石も防げそうですが・・・まあいいでしょう
ぐーちょきぱー、ぐーちょきぱー、と手を見つめながら繰り返します。
いいものを覚えました。後でみんなに教えてあげましょう。
・・・と楽しそうに子供達と一緒に遊んでいた一刀様でしたが・・・
なんと、伯符様達と一緒に戦に向かうようです・・・。
大丈夫なのでしょうか・・・。あんなに優しい一刀様が戦に出て行くなんて・・・。
・・・いえ、一刀様も男、「漢」なのです!!
やるときはやるお方・・・!がんばっていただかないと!!
・・・はぁ。でもやっぱり心配です。
今日は一刀様にとびっきりのお香を送らせていただきましょう・・・。
説明 | ||
パソコンが爆発した・・・orz 今私は、とある場所のとあるネカフェに居ます・・・(ドキドキ) なぜかって? 一番上に書いたとおり、パソコンが煙を上げてポンポンスポポン!ポンスポン!・・・ってね まあ、ラブちゃんを一匹飼っているんですがね、部屋で。 ノーパソで寝転がりながらポチポチ打って、ラブちゃんの背中をなでて・・・素晴らしい生活送っていたのでした・・・が、とうとうやっちまいましたよ、こいつ。 そう、オシッコです。 何をとち狂ったのか、わざわざパソコンにかけるようにしやがって・・・。 拭いて、ファブ○ーズ吹きまくって、そして起動。そして爆発。 メスなんですけどね・・・。 かわいいんですけどね・・・。 今までそんなことなかったのに・・・!! 酷い臭いもするし、こんなの恥ずかしくて修理に出せないし・・・。 どうしましょうか? 何か良いアイデアがあったら教えてください。 タイトル通り、恋姫恋慕の続きではありません。 コメントにも暫く返信できません・・・申し訳ない。 それではどうぞ! |
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ポチ さん)万引きしちゃっても良いじゃない!(otika) 中原 さん と 付和雷同 さん)ヤっちゃおっかな・・・(otika) この侍女さんすごく気に入りました。また続きの登場を期待します。 でもお香は返しましょう、万引きダメ絶対!(ポチ) 思い切って既成事実作っちゃえよ。(付和雷同) アタックしてくっついちゃえ。(中原) |
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