レジェンド†無双 7
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――蜀領、荒野

 

「ぜぇぜぇ・・・・・・部隊の、大半が殺られたな。」

 

一方的な虐殺により壊滅状態に陥った北郷隊を

頭上の太陽が容赦なく照りつけ兵たちをさらに疲弊させる。

 

「ああ、はら減った・・・」

 

上空を見上げると

俺たちから発する死の臭いを嗅ぎつけたのか

大きな翼を広げる黒い鳥たちの姿があった。

 

 

「・・・アレは食えるのだろうか?」

 

 

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数日前

 

―――村

 

「・・・なんだよこれ、一体どういうことだ」

 

俺は関羽ほか上層部の命により、

北郷隊100人を率い魏との国境付近に位置する村の門までやって来た。

やって来たのだが。

 

・・・誰も来ない。

 

「出迎えもなしか。

それ以前に静か過ぎる、生活音すらないのは不自然だな。」

 

とりあえず斥候を放ってみる。

後ろから皆で手裏剣を投げつけながら、超特急で急がせる。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

この地での俺の任務は、

村をたびたび襲撃する盗賊団の一味を壊滅させること。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

関羽から予め聞かされた情報によると、

盗賊団の規模は50人程度で統率も規律もないただ襲うだけの低能集団らしい。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

だったら村人だけでも知恵を絞ればなんとか対抗できるだろとも思うが、

まあきっと考えた上での俺たちなんだろうな。

 

「・・・・・・つーかよ、遅すぎだろ。

アイツの身に何か不測の事態でも起きたのか」

 

その俺の問いに対し北郷隊の副将が応える。

 

「北郷様、まだ5分もかかっておりません」

 

 

「―――黙れ小僧!お前にサンが救えるのか!!!」

 

 

「え、サン?あの、あいつの名前は周倉だったと思うんですが。

それにあっしはもう60歳です」

 

「・・・・・・さあ村に入ろうか」

 

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「う〜む、やはりおかしい。」

 

どこもかしこももぬけの殻だ。

 

「既に盗賊の襲撃に遭って村ごと壊滅した後なのだろうか。

いや、それだったら死体の一つや二つ転がってるはずだ。」

 

糧食はおろか貴金属の類までそのまま残っていた民家も存在していた。

本当に盗賊が原因だったのだろうか。

 

う〜む・・・・・・・。

 

「キャトルミューティレーションだろ。状況的に考えて」

 

だが関羽のやつにキャトルミューティレーションなんてどうやって説明すればいいんだ?

 

宇宙人に誘拐されて体の一部がドライバーに改造される・・・

なんて言えば理解してくれるだろうか。

 

そんなことを思考していると

 

「北郷様!死体ですッ、大量の死体が見つかりました!」

 

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死体は村の外れにある林に囲まれた大きな穴に投げ捨てられていた。

村人だけではなく、なぜか盗賊たちの死体も確認された。

 

「・・・だいたい死後1日ってとこだな。

しかし殺し方がホント惨たらしいな、この死体なんか原形を留めてないぞ。」

 

俺は牛肉コロッケをほお張りながら実況見分に努める。

 

・・・ふむ、戦闘で戦死したというより、

第三者による一方的な虐殺のほうが得心できるな「むしゃ?なんだこの音は」

 

――――そのとき

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

眼前の林から魏の旗を掲げた大勢の兵士が突然なだれ込んできた。

 

どこに潜伏してたか分からないが、完全にスキを突かれた形だ。

食べかけだった牛肉コロッケも落としてしまったじゃないか。

 

「退却―!!北郷隊、退却だー!!!

 

俺はありったけの大声で味方に退却の指示を示す。

クッ、兵力が違いすぎる!

この状況下で正確な敵兵力数は分からないが、千人はくだらないだろう。

これはまいうーだ。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

だが、勢いは向こうの方にあった。

逃げる北郷隊はすぐに追いつかれ、飲み込まれていく。

もはや烏合の衆だ。

 

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だが、俺たち北郷隊はこんな辺境の地で死ぬわけにはいかない。

俺は太刀を抜き、退路に立ちふさがる魏兵どもを斬りつける。

 

「や ら な い ぐゅっへあッ!!」

 

友軍の若い兵士を襲おうとした魏兵も含め、一気に7人の魏兵の胴体を吹き飛ばす。

魏兵の心臓を貫きながら空中に持ち上げ、背後の集団に投げつける。

首を飛ばし、真っ二つし、両足を切断し、武器の持ち手をぶった切る。

とにかく斬って斬って斬りまくって強引に自分の活路を切り開いていく。

 

 

――――そのとき

 

 

「お久しぶりです、北郷殿」

 

白い着物を着た若い女と一瞬すれ違った。

 

 

即座に振り返るも血眼の敵兵どもしか見当たらない。

 

「まさかな・・・」

 

俺たち本郷隊は魏兵にもまれながらも大地を駆けていく。

 

 

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そのとき

 

「イタッ!ちょっ、踏まないでッ!私は牛肉コロッケよッ!

偉大なるコロッケ四天王の一角なのぉぉぎゃあああああああああああああああああ!!」

 

 

俺の遥か後方から戦闘とは無縁そうな、そんな悲痛な断末魔の叫び声が聞こえた。

 

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あとがき

 

いかがでしたでしょうか。

 

私は牛肉コロッケよりも昔ながらのノーマルコロッケのほうが好きなんですがね、

なので機会があれば作中でも登場させたいと思います。

 

 

説明
第7話です。

ぼきゅきゅきゅうううううううううううう!!!

らギャヴぁヴぁヴぁヴぁあヴぁあああああ!!!
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真・恋姫†無双 恋姫無双  北郷一刀 

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