みどり小、生徒会室その3 |
“ピンポンパンポーン♪
『あーあー、全校生徒に告ぐ。今から生徒会主催のゲームを始めようと思う。ルールは簡単、
主らには校内に隠している宝を探してもらう。そして、その宝を見つけた者は余の生徒会
の権限を譲ってやろう。まぁ、見つけられればの話じゃがな……ふっふっふ♪』
ピンポーンパーン♪”
「はは……っ」
見てみよ、全校生徒が宝を求めて走り回っておる。
「これが姫ちゃんが考え付いた面白い事なの?」
「そうじゃ。全校生徒が一つの宝を求めて動く様は面白いじゃろ」
悩み、考え行動をする。
人が取る行動は一つじゃないからの。それを見ているだけで十分に面白いとは思わんか?
「しかし、生徒会の権限を譲るのはどうかと思う」
「そ、そうだよ! もし宝を見つける人が出てきたら、どうするの?」
「その事か。心配する必要はないぞ」
そう。心配する必要なぞ、どこにも無い。
「え? どういうことなの?」
「……もしかして何か仕込んだ?」
「当たり前じゃ」
これは、余が楽しむためのゲームじゃぞ。それで何も仕込まないのはあり得ないじゃろ。
「このゲームに勝利者なんぞ出ないんじゃ。まぁ、敢えて言うのなら余が勝利者といった所か」
「え? え? 姫ちゃん、もっと分かり易く言ってよ」
「珠代は察しが悪い」
「む〜雫ちゃんは、どういう事は分かっていうの?」
「ええ。姫の性格を考えればなんとなく予想がつく」
「ほう。言ってみよ雫」
本当に余の考えが読めているか、確かめてやろう。
「このゲームのルールと、姫のえげつない性格。それから考えられる可能性は……」
「……初めから宝なんて存在しないってこと」
「ええっ!! そうなの!?」
「たぶん。どう? 姫」
「うむ。さすが雫じゃな」
元々、宝なんて存在はしておらん。
ただそういう事にして、全校生徒を煽っただけにすぎない。
バカみたいにありもしない宝を探して奔走する生徒達。そしてそれをゆっくりと眺める。
なんて素晴らしい暇つぶしだろうか。
彼等は疲れるかもしれないが、誰も損をしない。
「姫。性格悪すぎ」
「姫ちゃんSッ気全開だね♪」
「なにを言う。お主らも楽しんでおるのじゃろ?」
顔を見ればすぐに分かるぞ。
「……♪」
「まぁね♪」
ふん。なら問題なかろう。
「さて、お茶でも飲みながらゆっくりと観察させてもらおうかの」
この意味の無い宝探しの様子をな。
説明 | ||
久しぶりのオリジナル。 でもまた短い…… |
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