また始まる物語「またもの」プロローグ その3 |
「入学式、おめでとう。ずいぶん物騒がしいだったがな。」
その原因が自分の子供たちだった事に気づいていた彼はいたずらな笑顔と共に奏の頭の撫でる。
ーなでなで
「えへへっ。」
弘人の優しい手の感触を感じながらおとなしい猫みたいに目を瞑る奏。
「今日の剣の鍛錬は遅くなりそうだな。」
「はい。父さん。」
「まあ、せっかくの日だ。たまには息抜きも必要なものだ。そんな意味でだ。受け取れ。」
「何ですが。」
彼がいくとに渡した物は白い封筒だった。結構太い物が何かかを予想させてくれる。
「いいんですか。かなりの物みたいだけど・・・」
「その分、今日の鍛錬はきついから覚悟しておけ。」
「やっぱりそうですね・・・」
肩をだらりと垂れる彼のリアクションに、大笑いで金を渡した弘人は再び奏の頭を撫でる。
「今日はゆっくり楽しんで来な。帰ったら素敵なプレゼントも待ってるからそれも楽しみにな。」
「ええ?プレゼント?父ちゃん、無理してるんじゃないの?」
舌を少し出しながらいたずらいっぱいの声で話す奏に弘人は腕のたくましい筋肉を見せながら、
「ははは、この父ちゃんを甘く見ては困るな。じゃあ、俺は先に戻るから今日だけは二人でゆっくり楽しんで来いよ。」
「ありがとう!父ちゃん、だーいすき!」
「行って来ます。」
あった時と同じく手を振りながら人ゴミの中に消えゆく弘人。
そして、
「えっと、六…七…じゅう?!」
一千円札が十枚と一万円札が一枚の組合で全部に万円も入っていた。高校生成り立ての彼らには結構高い金額なのは確かだった。
「父ちゃん、本当に無理してるんじゃないの?」
話はそうだったが、彼女のは今、どうしようも無い笑顔が溢れている。嬉しいオーラいっぱいだった。今までお小遣いを少しづつ集めて大きい金を作った事はあるけど、こんな金額のお小遣いがあったっけ?いや、もはやこれはお小遣いではなくって大遣いではないのか。ってのを考えながらいくとも溢れてくる笑顔が隠せない。
「余裕もできたし、一応でようか。」
奏に差し出されたいくとの手。
奏は明るい笑顔と共に自分の白い手を上げて差し出された彼の手を・・・抜き、腕を組みながらいくとにベタつく。
「ん!行こう!お兄ちゃん。」
妹のやり過ぎのスキンシップも今はもう慣れている彼は奏と一緒に歩き始める。曇った空に文句ばっかり言ってた彼女は今、世界が自分の物のように幸せな顔をしていた。
春を迎え始めたある四月の風が、小月高校の入学生たちを歓迎していた。
また始まる物語「またもの」プロローグ FIN。
はああ、パソコンあって欲しいっすね。訳ありで携帯で書いているのですが
結構辛いです(涙)。
でも、アップが遅かった理由は・・・
実は最近スーパーロボット対戦にはまっていたのが原因です。
申し訳ないですε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
でも、これでやっとプロローグが終わりました。これからは本編なのでもっと楽しみに待ってくださいね!!
説明 | ||
今日の、そして書いてあった物の全てをアップしました。 携帯で書くのって難しいんですね(涙)。 |
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