ステルス日和 |
★ステルス日和☆彡
【登場人物紹介】
●F-22 (ラプター)
バイセクシャルでクールビューティー。在日米軍嘉手納基地所属の第5世代のステルス戦闘機。
ホントは一時的に日本に来ただけなのに旧軍の八九式中戦車(チロ)に一目惚れしてそのまま居座ることに。多方面から"ロリコン"だと噂されている(笑)。
●F-35 (ライトニング)
只今試用期間中の米空軍のルーキー。ラプターのサポートが主任務のステルス戦闘機。日本の空自の次期FXに選ばれて日本に来る野望を抱いている。無類の甘い物好きvv
●F-117 (ナイトホーク)
F-22やF-35などと同じステルス戦闘機。生真面目で戦闘機には珍しく硬派。現在なぜかツイッターに夢中。
秋も深まったある日、久々に本国へ帰ったオレはステルス仲間とカフェでコーヒーを飲んでい
た。
オープンカフェで飲むにはピッタリの季節だ。
面子は、F-35 ライトニングUとF-117 ナイトホーク、そしてオレの三人。オレとナイトホーク
はブラックを飲んでいたがライトニングの奴と来たら・・・。
「おい・・・」
「何? ラプちゃんvv」
「ラプちゃんはやめろ!」
何なんだ? ラプちゃんて・・・
そんな軽薄な呼び方すんじゃねーっつの! コイツはまったく。キレーな顔してすっとぼけたこ
とを・・・。オレはわざとらしくため息をついてみせた。もっとも、KYなコイツにはさして効果もない
んだが。
まぁ、いい。そんなコトよりも、だ。コイツが今食ってるもんを見て、オレは思わず吐きそうに
なった。
バケツパフェ---------
オレの認識が正しければ、これはひとりで食うもんじゃねーだろ、ふつー。何人かでシェアして
食うもんじゃねーのか?
それを、だ。このバカちんはさっきからひとり黙々と抱えて食ってやがるのだ。しかも、すでに
2/3以上は平らげ、完食間近の勢いだったりする。
「胸焼けしねーのかよ」
「何がー?」
あー、もーいー。見てるこっちが気持ち悪くなってくらぁ。
「オレの最先端の電子頭脳には大量の糖分が必要なんだよ」
それ、食い過ぎですから。
オレがライトニングを相手に不毛な遣り取りを繰り広げている間、ナイトホークはしきりにケー
タイをいじっていた。
ん? コイツ、そんなにケータイ依存症だったか?
「ケータイのサイトは手軽に見られるから便利なものだな」
何ハマってんだよ? エロサイトでも見てんじゃねーのか?
「な、何ィっっ!?」
突然大声を張り上げたナイトホークにオレはもう少しでイスから転げ落ちそうになった。
いきなりデカイ声出してんじゃねーよ!!! ビックリするだろーが!
まったくどいつもこいつもっっ!!
「こ、こ、これはっっ!!」
何に驚いたのかナイトホークはケータイを握りしめ、こめかみをひくつかせている。その目は画
面に釘付けだ。
「ヤバイんじゃないのか・・・」
「どれどれ♪」
パフェのスプーンを握ったままで(子供かいっ)隣のライトニングが画面を覗き込む。
「ツイッターかぁ。えーと・・・ラプター買春なう」
ブバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
オレは盛大にコーヒーを噴出した。
何だ!? そのガセツイートは! ざけんじゃねーよ! どこのどいつが呟きやがったんだっっ。
「おい、お前。これは本当の事なのか?」
「知らねーよ」
クソ真面目なナイトホークは探るような目でオレの方を伺っていた。
「画像が載ってるぞ。これは確かにお前だな。し、しかも、隣に写っているのは・・・」
いきなり絶句したヤツはさらにこめかみをひくつかせた。
「わ♪ ヤ〜バ〜イ〜。これってガチ犯罪じゃん」
さすがに看過するワケにも行かずに、脳天気にケータイを覗くライトニングに噛み付いた。
「なんでだよ!」
「お前が色恋沙汰に節操がないことはよく知っている」
随分な言い草だな、ナイトホーク。
「だから、二股かけようが三股かけようが今更驚かん」
おい!!!
「だがっ! これ見てみろ!まだ十五くらいの子供じゃないか。こんな年端もいかない子供にまで
手を出すとは・・・堕ちたな、ラプター」
何をバカなとしぶしぶヤツのケータイを覗き込むと------
オレとチロが抱き合ってキスしている画像が写っていた。
「や、これはオレの恋人なワケで。付き合ってんだから買春じゃねーだろ」
「ラプちゃん、ロリの気もあったんだvv」
「うるせー! コイツはな、こう見えても実はすっごく歳食って・・・」
「見苦しい言い訳はやめろ、ラプター。日本では完璧に犯罪だろうが」
オレに皆まで言わせずに、ナイトホークはまくし立てた。
「青少年なんとかと言う法律に抵触するハズだっ!」
それ、まだ法案通ってませんが・・・・・・。
「ダチから犯罪者が出るってどん引きだよね〜」
ライトニングはライトニングで持ってるスプーンを振り回しながらじと目でオレを睨んでやが
る。
てめーら、それでも同族(ステルス)かよ? ひとりでバケツパフェ食ってるほうがよっぽど引く
わ!!!
ところで、だ。
諸悪の根源、ンな根も葉もない似非ツイートを呟きやがったヤツはいったいどこのどいつなん
だ?
「おい、ナイトホーク。このツイート上げたヤツのアカウント教えろ」
「何だ? 報復でもするのか?」
ナイトホークは一瞬押し黙ったが、チラリとケータイを見ると
「AH-1S、つったかな? 確か対戦車ヘリのコブラだな」
な! あんのクソガキーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!
「フォロワーが10万超えの超人気ツイッターだぜ」
ンなこたぁ訊いてねー!!
野郎ッ! そんなに霞ヶ浦に沈められてーのか。この次逢ったら覚えてやがれ!
大人気ないとは思いつつ、オレは密かに復讐を誓うのだった。
★-----end------★
説明 | ||
ステルス戦闘機の擬人化小説です。 擬人化王国4にて発行のコピー誌『とびものぱらだいす』に収録のうちの一本です。 ギャグです★ |
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