真・恋姫+無双 曹家の龍
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『現在』

 「・・・」

 「秋蘭」

 「あ!華琳様」

 「何をしていたの?」

 「少し空を見ていました」

 「そう。早いわね、時が経つのは」

 「・・はい」

 そう、あの日。私達は大切な人を失ったあの日からもう十三年。あの日、兄さんが討伐の途中崖から落ちたと知らせを受けた私達は急いでその現場へと向った。そこには兄さんが使っていた飛龍の鞘だけが千華さんの手には合った。母様はそれを大事に持って帰り、兄さんが帰ってきた時のために大切に取っているのだった。その母様も三年前に亡くなり陳留と鞘は私が受け継ぐ事になった。主を無くした秋蘭は私の家臣になったが、やはり彼女の中での主は兄さんなのである。

 「早く部屋に戻りましょう。風邪をひいてしまうわ」

 「それはいけませんね。早く戻りましょう」

 私達はそのまま部屋へと戻って行った。

 

 「曹操・・・」

 「うっ・・兄さん?」

 「曹操・・・」

 「兄さんなの?」

 「もうすぐ帰るよ。曹操」

 「兄さん。それ、どうゆうことなの?」

 「それじゃ、また後で」

 「ちょっと!待ってよ兄さん」

 「じゃ」

 「待って兄さん。私を一人にしないで。待ってよ兄さん。兄さん!!」

 ガバ!!

 「ハァ〜〜、ハァ〜〜、ハァ〜〜。夢だったのかしら。それにしても嫌な夢ね」

 私はいつも通り寝巻きからいつも来ている服に着替え終わると部屋の外から声が聞こえてきた。

 「華琳様。おはようございます」

 ガチャ

 「おはよう、春蘭、秋蘭」

 「「おはようございます。華琳様」」

 「相変わらず元気ね、春蘭」

 「はい!!華琳様に会う事が一番の生きがいですから」

 「フフ。ありがと春蘭。それじゃ、朝食に行きましょう」

 「はい!!」

 私達は朝食を取り、私と秋蘭は政をしに、春蘭は兵の訓練へと向った。

 部屋に着くと机の所に仕事の山が出来ていた。

 「さて、秋蘭。始めるわよ」

 「はっ」

 

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 仕事を始めて二刻ほど経った時、兵が行き成り入って来た。

 「報告があります!!」

 「どうした?」

 「十里離れた山に賊が出現しました。数はおよそ三百」

 「秋蘭!!今すぐ春蘭と一緒に兵を集めなさい。出来次第に出発する」

 「はっ!」

 兵と秋蘭が急いで部屋を出ると、私は部屋に置いてある絶を持ち部屋を出た。

 集合場所に向うと春蘭と秋蘭が頑張ったのかすでに兵の準備は出来ており、後は私の言葉で出陣となる。私は肺に空気を送り込んで声を発した。

 「曹家精兵たちよ。これより悪しき者達を討伐しに行く。この地で悪さした事を後悔させてやろうぞ」

 「「「「オォォォォォォ〜〜!!」」」」

 「出陣!!」

 春蘭を先頭に兵達が門を出て行く。私は秋蘭と一緒に中央に馬に乗って行く。

 「ねぇ、秋蘭」

 「なんでしょう?」

 「兄さんはいつもこのような言葉を発していたのかしら」

 「わかりません。しかし、あの一刀様のことですから『どんなことをしてもいいから生きて帰って来い』とか言っていたかも知れません」

 「・・・そう」

 私はそのまま黙ってしまった。いつも討伐の時、兄さんは何を考えて戦っていたのだろうと考えてしまう。それに今日はあの夢が気になってしまう。もしかしたら兄さんは帰ってくるのではないかと。

 「曹操様。前方より賊を確認したと夏候惇様からの報告です」

 「そう。春蘭には前線の部隊を連れてそのまま賊に突撃を、秋蘭は春蘭の援護をしなさい」

 「はっ」

 「この戦。一瞬で終わらせるわよ」

 

 私の言うとおり戦は一瞬で終わった。賊は丁度休憩をしていたらしく、そこに秋蘭隊の矢の雨と春蘭の突撃で賊は一瞬で壊滅した。私は生き残りの賊がいないか辺りに探索部隊を送った。

 「華琳様。探索部隊が帰ってきました。辺りには賊をいないとの事です」

 「・・・そう。なら陳留に戻るわよ」

 「御意」

 結局あの夢は夢でしかなかったの。兄さん、もし生きているなら早く帰ってきて。

 私達はそのまま陳留に戻り秋蘭と春蘭は討伐の報告書作り。私は残りの仕事を始めた。

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 華琳達の討伐を少し離れた森の中で二人の男女が見ていた。

 「・・・」

 「どうです。自分のい「奏(かなで)それは言わない約束だ」すみません」

 女は少し顔を暗くして俯いてしまった。男は女の頭をなでて少し考え込んだ。

 「・・・そろそろ帰ってもいいかな」

 「おじさんもそれがいいと思う」

 「花蘭(ファラン)いたのか?」

 男の後ろからクリーム色の女が出てきた。

 「はい。それに、あそこにはもしかしたら私の再従兄弟がいるかもしれませんし」

 「花蘭の再従兄弟と言う事は、荀ケか?」

 「そう。この前袁紹の所を止めたと手紙が来ていたから」

 「なら、久しぶりの面会だな」

 「おじさんもうれしいのですよ」

 「花蘭。その口調辞めたたらどうですか。あなたは女の子なんですよ」

 「多分無理かな」

 「あなたね〜〜〜」

 「まぁ、まぁ。花蘭の口調は今になったことじゃないんだから奏も怒らない」

 「・・様がそう仰るのでしたら」

 「いい子だ。花蘭も時と場所をわきまえて言えよ」

 「は〜〜〜い」

 男達はそのまま陳留へ向っていった。

               第二話 完

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「第二話終了です。月一の作品を読んで頂きありがとうございます」

「まさか、兄さんが崖から落ちるとは」

「武をそこそこの人でしたですから以外でしたね」

「けど、いきなり十三年って早過ぎない?」

「それもそうですね。けど、もう投稿してしまいましたから」

「なんていいがかりな」

「まぁ〜〜いいじゃないですか。おっともうこんな時間だ。それじゃ、皆さんまた会う日まで

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「バイ」

説明
曹操達に起こった悲劇とはなんなのか?
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コメント
伏宮真華さんコメントありがとうございます。やっぱり個人の癖って小説でも出てしまうもんですね(笑)(黒竜)
>時の灯篭さん 多分、同じ作者さんの作品を思い浮かべてる気がします。設定の違いで異なる部分はあるものの、大筋が凄く似てますね。(伏宮真華)
なんというか・・・とある他の作家さんが書いたのと凄く似てる気がする・・・。気のせいだと思いたい。(時の灯篭)
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