太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-Act.9 |
北郷一刀
聖フランチェスカが最も荒れた時期・・・その原因となった彼
その彼を語るうえで、欠かす事のできない大きな出来事は数多い
【医療の戦い(イリョウノタタカイ)】
これも、その一つに数えられる
いや、その中でも五本の指に数えられるほどに有名な出来事だ
何故、そこまで有名になったのか?
それはこの戦いが、三国の同盟が崩れ去って一番最初に起きた【大きな戦】だからである
それと、新学期が始まって三日と経っていないうちの出来事だということもあるだろう
しかし・・・この出来事がここまで有名になったのには、さらに大きな理由があったのだ
この時、三国のうち動いたのは二国だけ
【赤坂蓮華】
【川島冥琳】
【秋雨思春】
後の【呉】・・・当時でいう【隠密派】
【春野桃香】
【鳳雛里】
後の【蜀】・・・当時でいう【穏便派】
この二つの派閥だけだったのだ
そう、この戦いにおいて【過激派】は、一切関わってはいないのである
ならば、何故・・・ここまで、語り継がれるほどのものとなったのか?
それは・・・新たなる、【英雄】達の登場である
後に【鬼畜眼鏡】と同等かそれ以上に、世を恐れさせた男が
その智謀と残忍さで、数多の学生を騙し続けていた少女が
その愛くるしさ故、理不尽な目に合い続けていた少女が
未だ地に伏していた龍達が、一挙に目覚めの時を迎えたためだったのだ
そう、これは彼を・・・北郷一刀を欲する新たなる英雄達が、天下という表舞台に名乗りを上げた
史上稀に見る、歴史的な戦いなのだ!!
《太陽みたいな君と乙女-恋姫†乙女伝-》〜略して《キミオト♪》〜
第9話 新たなる英雄(変態)の誕生、激突する者達(変態)
〜正直、まさか三部にまで別れるとは思ってなかったわww〜
医療の戦い-中編-
「パーフェクトよ、冥琳」
「感謝の極み」
保健室に着いた瞬間に蓮華の口から出た言葉がこれである
にやりと笑みを浮かべ・・・鼻血を流しながら
その蓮華に頭を下げる冥琳もまた、先ほどまで鼻血を流していたのか手には血のついたティッシュが握られている
そんな二人のことを若干引いた目で見ているのは思春
彼女は二人から一歩引いた位置をキープしている
自分は“この人たちとは違います”と主張するかのように
・・・その手に握られた携帯からずっと“カシャッ”等と音が聴こえるのは、この際スルーしておこう
さて・・・そんな彼女たちの目の前、保健室のベッドの中
そこに、一人の少年が眠っていた
言わずもがな【北郷一刀】、その人である
彼はベッドに“縛り付けられた状態”で、すやすやと眠り続けていた
「あぁ・・・これはヤバい、いえヤヴァイわ」
言いながら、ハァハァと息を荒げる蓮華
同じように、冥琳も息を荒げていた
「蓮華様、これで勝つりますな」
「ええ、もう妄想でご飯を食べる時代は終わったわ
寂しい盗聴生活ともオサラバよ!」
聞けば、間違いなく通報されるであろう会話を繰り広げる二人
そんな二人を無視し、思春はひたすら携帯で一刀のことを撮っていた
様々なアングルから、何度も何度も撮りまくる彼女もまた・・・“二人と同じような表情”を浮かべていたのだが
本人はきっと、気づくことはないだろう
「さて・・・そろそろ、“試食”といきましょう」
「そうですね
他の派閥に気づかれる前に、美味しく頂きましょうか」
「美味しく・・・ゴクリ」
上から、蓮華・冥琳・思春である
自分で言っといて、鼻血を抑えきれなかった蓮華
言いながら、一刀の服を脱がそうとする冥琳
持っていた携帯を“カメラ”から、“ムービー”へと切り替えた思春
駄目だコイツら・・・早く何とかしないと!
ーーーー†ーーーー
「保健室は・・・チッ、無駄に広い学校だ」
そう悪態をつきながら歩くのは、ひとりの青年
鋭い目つきをしたその青年は、ただ黙々と目的地である“保健室”を目指し歩いていく
「ここに・・・」
その足が・・・ふいに、ピタリと止まる
彼は懐から何かを取り出し、それを眺めた
「ここに、“お前”がいるのか」
それは、一枚の“写真”だった
一人の幼い少年が、まるで“太陽”のような温かな笑みを浮かべている写真
彼はその写真を見つめながら、ふっと優しげな微笑みを浮かべた
それは、見る人を惹きつける・・・温かな笑顔
「北郷・・・一刀」
呟き、また微笑む
それから写真を、愛しげに撫でた
「ようやく見つけた
長い間、ずっと探し続けていた・・・お前のことを」
写真を仕舞い、再び歩き始める青年
その足取りは、心なしか先ほどよりも軽く見えた
そのまま、見つめる窓の向こう
青空を見つめたまま、彼はまた呟いた
「約束・・・覚えてくれてるかな?」
“約束”
この言葉は、彼にとってとても大切なものだったのだろう
その表情が、さらに穏やかなものへと変わったところを見れば・・・容易に想像することができた
さて、ここで大事なことを言っておこう
彼は“男”である
それこそ、所謂“イケメン”の部類に入るほどの
先ほど浮かべた微笑みなど、女子からしたら堪らなくカッコよく見えたことだろう
大事なことだから、もう一度言っておこう
「俺のこと“お嫁”に貰ってくれるって約束・・・覚えてるといいな」
彼・・・【道下左慈】は、間違いなく男である
ただ他の人とちょっと違うところがあるだけの、健全な青少年だ
そう、彼は・・・同じ“男”である北郷一刀に想いを寄せる、“ちょっと変わった男の子”だったのだ
そんな彼は、まだ気づいていない
彼がホイホイと足早に向かう先・・・保健室
そこに、お目当ての彼がいるのだということを・・・
ーーーー†ーーーー
「フンフンフ〜ン♪」
「あわわ・・・」
廊下を歩く桃香、その後ろに雛里がついて歩く
そんな感じで、割と平和に保健室へと向かっていく二人
外は快晴
窓の向こうに見える空を見上げ、今日は良いことがありそうだと考えながら桃香は歩いていく
「そういえば・・・」
「ほぇ?」
ふと、そんな声をあげたのは雛里だ
彼女の言葉に、桃香は足を止め雛里のことを見つめる
「ついさっき携帯でツイッターをみてたんですけど、なんか思春さんも保健室にいるみたいですね」
「思春ちゃんが?」
「はい」
言いながら、雛里はポッケから携帯を取り出す
そして、それを桃香に見えるように開いた
「これなんですけど」
「どれどれ?」
≪保健室なぅ・・・ウホッ、オラなんだかwktkしてきたぞwwww≫
「本当だ、保健室にいるみたいだね
でも・・・なんでこんなにテンション高いんだろう」
「なんででしょうね・・・」
二人は、その書き込みを見つめたまま苦笑した
普段とのギャップが、何ともいえないのだろう
できれば関わりたくないなぁ、と思ったのも仕方ないことだ
「ま、でも行けばわかるよね」
「ですよね
行けばわかりますよね」
(思春ちゃんがそんなテンションなとこは、全然想像できないけど)
(思春さんがそんなテンションなとこは、全然想像できませんけど)
二人とも同じことを考えながら、また廊下を歩いていく
その先に、いったい何が待っているのか
そのことに、気づかないままに・・・
ーーーー†ーーーー
「ああ、すごく嫌な予感がするわっ!」
そう言いながら、足早に廊下を進んでいくのは詠だ
彼女は右手に月の頭を鷲掴みにしたまま、ズンズンと廊下を突き進んでいく
因みに・・・月はもう何もかも諦めたのか、なすがままに引き摺られていた
「保健室といったらもう、アレしかないでしょ!?
偶然保健室の先生がいなくって、二人きりでなんだかこう妙な雰囲気になって・・・あぁ、もうっ!!」
「へぐぅっ!!??」
メキメキと、彼女の右手に力がこもる
それと同時に、月が呻き声のようなものをあげた
だが、詠は特に気にした様子もなく歩き続ける
「ああぁぁぁああ、もうイライラする!!
大体何よ、たかが幼馴染ごときが出しゃばってんじゃないわよ!
こちとら“1800年前”からの付き合いなのよ!?」
「詠ちゃん!
締まる締まる、締まってるうぅぅぅぅうう!!?」
バンバンと、詠の腕を叩く月
だがその行為も空しく、彼女の腕に込めれれた力は増していく
「渡さない!
あんな小娘に、ボクの“御主人様”は渡さない!!」
「へぶぶぶぶbbb・・・」
目を見開き、力強く言い放つ彼女
それに伴い、凄まじい力が右手に伝わった
月はピクピクと体を震わせたまま・・・抵抗を止める
そんな月の様子に気づいたのか、ようやく詠は彼女の頭から手を離した
それから、彼女の手を引っ張り再び歩き出す
「さぁ急ぐわよ月!
早くしないと、大切なモノが奪われてしまうわ!」
「・・・(落)」
ーーーー†ーーーー
「貴様ら・・・覚悟は出来てるだろうな?」
ユラリと、その人物は目の前にいる蓮華たち三人を睨みながら歩いていく
その瞳に、明確な敵意を浮かばせながら
黒崎夕華・・・あだ名は華雄
彼女はつい先ほど、意識を取り戻したのだ
元々何処か悪かったとかではなく、たんに恥ずかしさの限界を超えただけの気絶だったので回復が早かったのだ
そして意識を取り戻して最初に見たのが、彼女たちが今まさに一刀の服を脱がそうかという瞬間だったのだ
故に、彼女は今凄まじいまでの怒気を発していた
「黒崎・・・そういえば、貴様がいたのだったな」
「冥琳、まさか忘れてたの?」
「申し訳ありません、彼以外は眼中になかったもので」
言いながら、三人は視線を再び華雄へとやる
彼女の怒りは凄まじく、背後に何やらオーラのようなものまで見えそうな勢いだ
だがしかし・・・三人は、怯むことはなかった
むしろ、逆にやる気満々といった表情で華雄を見据えている
「思えば“条約”が制定された時から、おまえのことがずっと憎かった
我々は触れられんのに、貴様だけ北郷に触れられる・・・そのことがな」
そう言いながら、何処からともなく鞭を取り出したのは冥琳だ
それをヒュンと軽く振り、その先を華雄へと向ける
その隣では、思春がグッといつでも動けるよう構えていた
因みに、蓮華は華雄のことなど眼中にないといわんばかりに一刀の寝顔を凝視している
いや、もはや“視姦”のレベルだ
まぁ、蓮華だし
「触れられて当たり前だ
なんせ私は、一刀の“幼馴染”なんだからな」
「くっ・・・羨ましい!!
羨ましすぎるぞ、華雄!!」
「はっ!
恨むんなら、己の生まれの不幸を恨むんだな」
「華雄、貴様ぁぁぁああ!!(血涙)」
華雄の言葉に、冥琳と思春が一斉に飛び出した
その姿を見据え、華雄も構える
「こい!
一刀(の貞操)は・・・この私が守ってみせる!!」
今ここに【医療の戦い】
その前哨戦の火蓋が、切って落とされたのだ
そう・・・“前哨戦”だ
あくまでこれは、未だ前哨戦にすぎないのだ
「なんだ、騒がしいな・・・って、もしかして黒崎か!?」
「ほら見なさい!
やっぱり大変なことになってるじゃない!!」
「へぅ・・・綺麗なお花畑が見えたよ、詠ちゃん」
「なんか騒がしいなぁ・・・ま、いっかぁ
雛里ちゃん、とりあえず入ろうか」
「あ、ちょっと待ってください
『保健室なぅ』と・・・さぁ入りましょう」
そして・・・ついに顔を合わせる、新たなる英雄達
医療の戦い
今、フランチェスカの歴史に・・・新たなる1ページが刻まれた
「や、やめろ・・・俺はノンケだ・・・あ、ば、そこは・・・あっざーーーーーーーーーーーーす!!」
そんなこと、すやすやと気持ちよく(?)眠る彼には知るよしもないのだが・・・
・・・後編に続く
★あとがき★
どうも、ごきげんようw
『送らなきゃ死ぬ』みたいなチェンメを知り合いから受け取りテンションが下がった挙句、そいつの恥かしい過去バナを赤爛爛と綴った文章を本人含め多数の友人に送り返した月千一夜です
いや、まさか【前・中・後】の三部構成になろうとわw
さすがは医療の戦い・・・史上稀に見る戦いなだけはあるねwwww
相変わらず、呉の皆様が危ないこの作品w
一月までに“一学期編の終了”とか、普通に無理でしたww
だってまだ新学期はじまって、少ししかたってないんだよ?ww
それなのに、もう九話ってww
まだ、全然キャラ出てないしww
ていうか、詠の崩壊も酷い気がしてきたしww
新たに
【詠√】バッド、トゥルー
【思春√】ハッピー
【左慈√】トゥルー、発展場
のプロットが完成
まぁ、まだまだ先の話なんだがww
各キャラのエンディング間近にシリアス入るのは、きっと仕方ないことだと思うんだ
個人的には、今のところ【桃香】【詠】【明命】の三つのエンドがかなりシリアス入る予定
特に【明命】かなぁ
まだ本格的には登場してないけども、かなり物語の核心に迫ってるキャラかも
大きく、“2つ”の種類に分けられるうちのエンディングのうち一つの主役キャラですからww
ま、今後の展開に期待してやってくださいw
それでは、またお会いしましょうww
ps.リア友がこっちに参加するようになったんで、しばらくTINAMI中心の活動になります
また、よろしくお願いしますねww
説明 | ||
お久しぶりの投稿ですw 久しぶりすぎて、加減がわからなかった今作ww もう、ゴールしてもいいよね? |
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コメント | ||
mightyさん<そうです、まだ一学期なんですww信じられないことにww (月千一夜) 左慈が一刀LOVE・・・だと!?そして呉の皆さんは相変わらずで良かったです(;∇;) そして思春可愛い♪ぶる夜さん、これまだ1学期ですよ!?終わりはまだまだ先みたいですねwww俺得♪ぶる夜さん、マジぶる夜さんっす♪(mighty) 浅井とざしさん<これでまだ一学期・・・あれ?しょっぱな飛ばしすぎたんじゃ・・・(月千一夜) ダメだこいつら……でもそこがいい!d(^_^),(浅井とざし) スターダストさん<守り切れるかは、果てしなく微妙ですが(ぇ (月千一夜) 天使 響さん<楽しんでいただけたようで何よりですww (月千一夜) B・・・・Lだと・・・・しかも・・・左慈だと・・・・嘘だああああああ 思春・・・お前はしんのすけか!www マジで護って欲しいものだ;(スターダスト) 相変わらずのこのカオスっぷり・・・最高です!! まだ出てきていないキャラの事も考えるとこれから先の展開が楽しみ過ぎですw(天使 響) O-kawaさん<雛里は現代っ子ですww (月千一夜) 蒼華さん<ああ、困ったことがあったら聞いてくれればある程度までなら教えられるかと。まぁ、その場合ミクシィか携帯にメールしたほうが確実なんだけどw (月千一夜) mebiusさん<少なくとも、今年度中はないでしょうwwww (月千一夜) ZEROさん<だが、そr(ry (月千一夜) 砂のお城さん<燃えるというか、萌えるという罠・・・だったらいいなぁww (月千一夜) 呟くなwww(O-kawa) 左慈乱入とかなんという俺得展開wwwほんのたまにしか書かないがよろしくー(蒼華) くぅ……ツッコミ所が多すぎる! 本編だけでなく後書きの名乗りまでとは……! このシリーズでツッコまずに済む話が来ることは……ないんだろうなぁw(mebius) 左慈が乱入とは、怖い!怖すぎる。(ZERO&ファルサ) FALANDIAさん<そんなまさk・・・アリだ (月千一夜) 無双さん<ちょwwまって、きっとそんなにいないですよ?www(月千一夜) ryuさん<だが、それが(ry(月千一夜) 悠なるかなさん<僕もですwwそして毎回「まぁ、いっか」で終わりますww(月千一夜) Kitoさん<待っていてくれてありがとうございますw次は新参者たちの出番ですwwww (月千一夜) シンさん<え、なんかあざっすwwでも本気で、これ何話くらいになるのか予想できないですwwww (月千一夜) シグシグさん<ボクもです(ぇ(月千一夜) 鉛暗さん<ちょっと自重を忘れてしまうんですw (月千一夜) 水上桜花さん<左慈の今後の活躍にご期待くださいw (月千一夜) 中原さん<「確かにw」とか思ってしまった僕は、もう危ないのかもしれませんwwww (月千一夜) よーぜふさん<いよいよ、左慈参戦ですw (月千一夜) まさか左慈まで・・・。緑川さんの声でアレはかなり違和感が・・・。いw・・・。あ、いや、アリだな。(FALANDIA) さあ、お前の罪(この作品を見て狂喜した人の数)を数えろ!!!(無双) カオス。(ryu) これを読んでいると普通ってなんだっけ?と思ってしまう(悠なるかな) イヨッシャキターー\(゜∀゜)/。この作品を待っていたww。あいかわらず、蓮華たちのカオスっぷりがたまりませんw。誰が無双するか次が楽しみです。(Kito) この作品は、まだ終わってはいけない!(シン) この作品における「ちょっと」の度合いは測定不能レベルだとおもうんですwwww(鉛暗) こんな哀れな月初めて見たwww(シグシグ) 左慈はまあ、絵になるからまだいいか。鬼畜眼鏡は恐かった。月は・・・強く生きろ。(水上桜花) 左慈か・・・。くそメガネよりか全然絵になるからオッケーだね!!(中原) 左慈、だと? まさかアンタまでそっち側とは・・・イイッ!ww(よーぜふ) |
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