真・恋姫†無双〜己が意味〜 |
政務が早く終わり、その後桃香に誘われ、桃香と一緒に町を巡り、遊んでいたら、よほど夢中になっていたのか、気がつけばもう夜になっていた。
楽しい時間はとても早く過ぎるというのは、こういう事を言うんだろうなあ、月並みなことを思った。
「今日は楽しかったね!ご主人様」
「そうだな〜・・・・・・でも今日は急にどうして町に出ようって誘ってくれたんだ?」
「ん〜なんとなくご主人様が元気ないみたいだから、元気出してくれたらいいかな〜と思って」
「そっか・・・・・・心配かけてごめん」
「ううん、気にしなくていいよ。ご主人様の事心配するのは全然苦じゃないもん」
「・・・・・・ありがとう」
「どういたしまして♪・・・ご主人様が今悩んでる事は私じゃ力になれないのかな・・・・・・?」
「いや・・・・・・そんなことはないよ。そこまで複雑ってわけでもないんだ。ただ・・・・・・考えてしまったらどうなんだろうなあって頭から離れなくてさ・・・」
「だったら話して欲しいな。私はご主人様には元気でいてほしいから。私でよかったらいくらでも相談に乗るよ?」
「うん・・・・・・きっかけは些細なことでさ、夢を見たんだ」
「夢?」
「うん、夢。その夢ではさ、桃香たちは今と同じように平和な世の中を作っているんだけど、そこに俺は存在してないんだ」
「ご主人様が存在していない・・・・・・?」
「うん。その夢の中でも桃香たちは笑っていてさ、その隣に俺がいないことがどうしようもなく寂しいと感じたんだ。それでそんな夢を見て思ったんだ・・・俺がいなくても皆は国を平和にする事ができて、そして笑顔でいられるのかなって」
「・・・・・・」
「そう思うと、俺は一体何をなせたんだろうなって。俺がいなくてもできたとしたら、俺がいることで少しでもよくなったのかなって、なんか思っちゃってさ」
「・・・・・・でもそれは夢の話で、もしもの話だよね?」
「まあそうだな。あくまでも、もしもの話だな」
「だったらそんなの関係ないよ」
「関係ない・・・・・・?」
「うん。関係ないよ。もしもの私たちはご主人様がいなくても私たちのなしてきたことができたのかもしれない。でもそれは、もしもの私たちであって今ここにいる私たちじゃないよ」
「・・・・・・」
「今ここにいる私たちは、ご主人様がいなかったらここまで来れなかった。もし途中でご主人様を失ってしまっていたら、きっと途中で戦えなくなってた」
「そんなことは・・・」
「ううん。絶対に無理だと思う。私たちは皆が笑顔でいられる平和な世の中をつくりたいという志を抱いて戦ってたけど、それと同じくらいに、ご主人様が大好きって思いで戦っていたもん。皆と一緒に、そして誰よりもご主人様と一緒に笑顔で暮らしたい・・・そう思って頑張ってきた」
「・・・・・・」
「それに、たとえご主人様を失って平和な世の中を造れても、私たちは笑顔でなんていられないよ・・・絶対に」
「・・・・・・そっか、ごめんな桃香」
「ううん・・・・・・謝らなくてもいいよご主人様。でも、どんな時も忘れないでね?私たちは皆が皆ご主人様が大好きで、ずっと一緒にいたいと思ってる事」
「ああ、もしもの事なんて関係ないよな。・・・・・・今ここにいる俺が全てで、皆のことが大好きで、そんな俺のことを皆も大好きでいてくれる。その幸せを大事にする。それでいいんだ」
「うん♪それとね、ちょっとうれしくもあるんだ」
「え?」
「ご主人様が私たちといられない、そのことで落ち込んでた。それってつまり私たちのことをそれだけ大切に思ってくれているて事だしね」
「当たり前だろ。今の俺がいるのは皆がいてくれたからだし、俺だってずっと頑張ってこれたのは皆と一緒に笑顔でいたいと思ってきたからなんだから」
「うん♪だからうれしいんだよ。ご主人様が私たちのことを本当に大切に思ってくれているんだって感じれたから」
「そっか・・・・・・なんかそういう風に言われるとなんか、照れくさくなってきたな」
「えへへ♪これからもずっと一緒だよ・・・・・・ご主人様」
「ああ、そうだな、ずっと一緒だ・・・・・・桃香」
この世界の存在は今でも俺はよくわかっていない。これから先わかることもないのかもしれない。
何故俺がこの世界に来たのか、何のために来たのか。俺は何をなすべきなのか、なすべきことをできたのか・・・・・・それはわからない。
わからなくてもいいと思う。
俺に何か特別な力があるとは思えない、朱里や雛里のような智も、愛紗や恋のような秀でた武を持っているわけでもない、どこにでもいる普通の人間だ。
そんな俺ができることなど些細なことだろう。俺が今日ここまで生きてこれたのも、多くの仲間に支えられ、守られてきたからだ。俺自身の存在などちっぽけなものだけど、そんな俺を本当に大切に思ってくれている人達がいる。なら、その大切な人たちのために、精一杯生きていくことだけが俺にできる唯一のことなんじゃないか?俺が相手を思う分、相手が俺を思ってくれている分それに応えられる様生きていく。唯それだけでいいと俺は心の底から思った。
説明 | ||
真・恋姫†無双の桃香と一刀との会話を書いてみました。 一刀がふとアニメ版恋姫†無双の世界のような、自分が存在しない恋姫の世界を夢で見て〜という感じです。 初投稿作品で、読みにくかったり、誤字脱字も多いと思いますが、暇つぶしにでも読んでいただければ幸いです。 |
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1998 | 1806 | 15 |
コメント | ||
月千一夜さん>少しでも気に入っていただけたのなら何よりです〜。次回作期待だって・・・!すごい嬉しい御言葉ありがとうございます。(レイラス) いや、実際深いお話ですよコレわ。こんな風にふと考えてしまうことって、やっぱりよくありますもんね。こういうテーマで書かれた作品は、本当に大好きです♪次回作、期待してますw(月千一夜) コメントありがとうございますー。大切に思ってくれている人がいるというのは幸せなことですよね〜。それが可愛い子で、しかもいっぱい?もげろ一刀www(レイラス) ふとした時、考えてしまうときがあります・・・でも、それはそばにいてくれる人も悲しい思いをさせてしまうことなのですよ? というわけでもげてしまえ!この幸せものめw(よーぜふ) |
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真・恋姫†無双 桃香 一刀 | ||
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