真・恋姫無双 夜の王 第38話 |
この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。
また、一部キャラを否定する場面もございます。
ご理解をお願いいたします。
まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、
こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。
劉協「んしょ、えっとここはこうで、これは、こっちかな?」
ゴソゴソ
今まで来ていた服とは作りが違うそれに悪戦苦闘しながら着替えていく。
劉協「む、これであっておるのだろうか?」
鏡の前で回ってみるが、なんだか変な気がしてならない。
普段から自分で着替えていたら、もう少し服装について詳しかったのかもしれぬ
付き人ばかりに任せていた自分を恨めしく思った
コンコン
月 「陛下、入ってもよろしいでしょうか?」
劉協「ああ、良いぞ」
のっくという習慣は良いモノだと思う、突然のことに驚くことがない
月 「失礼します」
入って来た彼女も私と同じめいど服を来ているが、私より似合って見える
月 「お着替え終わりましたか?」
劉協「ああ、着替えてはみたのだが、なにか違う気がするのだ」
そう言ってくるっと回って見せると、すぐにおかしい所に気づいたのだろう
屈んで帯の結び目をなおしてくれる。
月 「はい、これで大丈夫ですよ」
劉協「前の事といえ、私はお前に助けてもらってばかりだな。迷惑をかけて済まぬ」
月 「いえ、私も楽しいですから。迷惑だなんて思ってませんよ、陛下」
劉協「そうか、ありがとう、董卓。それと、陛下とは呼ばないでくれ、私はもう帝ではない」
月 「分かりました、では協様とお呼びして良いですか?それと、私も月でお願いします」
すこし曇った笑顔を浮かべる私に笑顔でそう言ってくれる。
董卓、いや、月は本当にいい奴だと思う。
劉協「ああ、月」
月 「はい、協様」
そうして二人で笑い合っていると開いた扉からもう二人、めいど服を着た二人が入ってくる。
詠 「月、劉協様。準備終わった?」
哀 「そろそろ行かねばなりません」
劉協「終わっている。、、無茶を頼んで済まなかった」
詠 「だっ大丈夫です。頭を上げてください」
哀 「そうです。早く行きましょう、全て無駄になりますよ」
月 「哀ちゃんの言うとおりです。行きましょう」
劉協「ああ、わかった」
私にまだ敬意を向けてくれる詠に
普通の少女として扱ってくれる哀に
笑顔を向けながら手を引いてくれる月に
喜びを感じながら私は部屋を出て行く。
私がこの服を着ているのは私の我儘から始まったこと。
今日、漢王朝に従ってくれていた諸侯達と彼の者との話し合いがある。
私はどんな話し合いなのか見たいと思った。
どんな理由であれ、私の力になってくれた者達なのだから。
けれど、皇帝を降りた私がそこに出る訳にはいかない。
その悩みを月に話したら侍女として出れば良いと言ってくれた。
私は遠慮したんだが、すぐに彼の者の許可を取って来てくれて、今に至る。
月 「失礼します」
ギイッ
声をかけ、月は扉を開く。
部屋には十数の者が卓に座り、上座に彼の人が座っている。
入った瞬間は何事だと、大勢に顔を向けられたが、
侍女だと分かるとすぐに視線を外される。
座っている諸侯には見た顔も居たが、どうやらばれなかったらしい。
皇帝のころは外套を着けていたから、私の顔をちゃんと見た者は少ないし、
私が侍女をやっているなんて思いもせぬのだろう。
この考えはとても良いと改めて思う。
哀 「劉協、貴方は一刀様専属の侍女としておいたから。他は構わなくていい」 ボソッ
私が給仕など馴れていないからと、わかりづらいが気を使ってくれた哀に御礼を言って
彼の者の元に向かって行く。
私の顔を見た彼の者は笑みを浮かべながら湯呑を差し出してくる。
一刀「貰えるか?」
劉協「はっはい。ほっ鳳薦様」
コポコポと音を立ててお茶を注ぐ私を彼のも、、ほ、鳳薦は苦笑しながら見ていた。
注ぎ終わり一口、口にした鳳薦は人当たりの良さそうな口調で卓に向け
一刀「少し休憩にするか。茶も菓子もなかなかに美味いぞ」
そう言ったが、手を付ける者、付けぬ者、反応は様々だった。
注いだお茶が全て鳳薦の喉に入ると、再び重苦しい空気が部屋に満ちる。
話し合いが再開するのかと思い月達に眼を向ければ月達は頷きを返し後ろへと下がっていく。
私も後ろへ下がろうとすると
グイッ
劉協「えっ、、きゃ」
鳳薦に腕を引かれ膝の上に座らされた。
劉協「な、なにをする」
一刀「会談を見たいんだろ?なら、特等席で見ていると良い」
劉協「しかし、この格好は、、」
そう言いながら鳳薦の顔を見上げれば、臣下の礼を取った時と同じ笑みを浮かべている。
諦めて、諸侯達の方を見るとほとんどの者が呆れたような、驚いたような表情を浮かべていた。
こうして、話し合いは再び始まった。
諸侯「貴方の統治に民達は迷い、驚いているのです。今後のことを考えれば、この混乱をそのままには出来ません。その為、その、兵をそちらに送るのは難しいかと」
諸侯「私の領も同じです。混乱の安定の為にも兵を減らすような行為は、難しいかと」
それが鳳薦のこれからの大戦の為に兵を送れとの言葉に対する大半の諸侯の答えだった。
一刀「俺の味方になる気は無いと?」
諸侯「いっいえ、そういう訳では無く。民の混乱さえ収まればすぐにでも兵は送ります」
諸侯達の言葉に違和感を覚える。
兵は送れぬと言ったのに、時間が経ったら送ると言う。
これでは、まるで
一刀「つまりは、日和見か。天の勝ちが決まれば兵を送るし、敗北なら見ぬふりをして、自分達はあの男の味方では無いと言うというのか?」
鳳薦が笑いながらそう言えば、諸侯達は焦りながら顔を逸らす。
図星を突かれたからだろう。
これが漢王朝の本質だったかと思うと、情けなくて仕方ない。
一刀「悪いが、日和見は認めない。分からなくなるからな。殺せばいいのか、守れば良いのか、どちらなのかが」
その言葉で沈黙が訪れる。
その中で、それを打ち破るように
高定「もし、」
始まってからずっと腕を組み、黙っていた男が動いた。
高定「もし、敵となると言ったなら、貴方はどうするのです」
一刀「殺そう」
即答で答えられたその答えに臆することも無く、男は腕を組んだまま眼を瞑る。
あの男は、確か高定、越?郡の統治を任せていた者。だったか、、
高定「味方になると言ったら」
一刀「守ろう」
高定「なに故に」
一刀「それが前皇帝、劉協との契約だからだ」
驚き、顔を上げれば先とは違う笑みを浮かべていた。
そして、それを聞いた高定は眼を開け、組んでいた腕を外す。
高定「分かりました。ならば、我が越?郡連合を末席にお加えください」
一刀「仕えるか?この俺に」
高定「はい。我が民草と兵、そして妻と子と己の為に」
一刀「はは、正直だな。気に入ったよ、歓迎する。必ず守ろう、お前の愛する者は」
高定「どうか、よろしくお願いします」
そう言い、高定は席を立ち臣下の礼を取る。
諸侯「わ、私も、仕えます!」
諸侯「ワシも仕えよう」
それを発端に次々に他の諸侯達も忠誠を誓って行く。
ある者は民の為に、
ある者は保身の為に、
ある者は権力に流されて、
理由はどうであれ渋っていた者達も膝を付き、
会談が終わる頃には全ての者が天陣営に入ることとなった。
会談が終わり、周りに誰も居なくなった中で鳳薦は話しかけて来る。
一刀「誇れよ、劉協。まだ漢にも、先見の明がある奴は居たようだ」
劉協「ああ、そうだな」
傍から聞けば明らかな皮肉だが、私はその言葉を素直に喜んでいた。
一刀「さて、天上の舞台は整った。仕込も上々。後は君たちの番だ、華琳、雪蓮」
魏、王座の間
天と蜀の大戦から数カ月
魏に送られてきた報告は驚くべきモノだった。
漢堕天創 謳歌黒天
それによって一刀は文字通り、大陸全てを手にしていた。
ただ二つ、私の魏と孫策の呉を除いて。
信用のおける部下達だけが集められた間で私は唇を噛み締めていた。
華琳「桂花、私達は動くのが遅かったようね」
桂花「っく、っっ、申し訳ありません」
王佐の才と称し、我が覇道を共に歩んでくれた者もまた、俯き涙を堪えている。
華琳「戦う前から勝敗が決まるなんて、これが私の天命ということなのかしら」
秋蘭「華琳様、、」
珍しく、いえ、生れて初めて言った自嘲の言葉に自分でも驚いてしまう。
流琉「あの、天が漢を支配したのは、そんなに問題なんですか?」
季衣「??」
オロオロしながらそう呟く流琉と季衣。
まだ幼い彼女達が事態を理解できないのも無理はない。
秋蘭「流琉、季衣、華琳様の掲げた覇道が何を目指していたか知っているな?」
季衣「えっと、大陸の制覇、ですよね?」
秋蘭「そうだ。だが現状、大陸を支配しているのは天だ」
流琉「でもそれは、天を、兄様達を倒せばいいんじゃ」
桂花「それが、出来ないのよ、、」
顔を歪ませた桂花が静かに呟く。
桂花「アイツが漢を落とすのは考えなかった訳じゃない。けど、まったくの無抵抗で漢が落ちるなんて、、考えてなかった」
彼女の顔はこれ以上言葉を紡げば、涙が零れてしまうほどに自責に満ちていた。
涙が零れるのを庇うように、稟が変わりに話し始める。
稟 「実質、天は無傷で漢とその諸侯達の兵力を手にしたことになります。その合計数は、魏の2倍強といったところです」
流琉「2倍以上、、ですか?」
稟 「しかも董卓の一件以来、漢の老人達は自衛にだけは力を入れていましたから。兵は精兵ばかりでしょう」
流琉「勝てないって、ことですか?」
稟 「ええ、兵法の基本は相手より多くの兵を集めること。どれだけの策を使っても、無理です」
季衣「け、けど」
重苦しく告げられる事実を撥ね退ける様に声が響く。
季衣「兵が足りないなら、僕たちも集めれば良いんじゃないんですか?」
稟 「何処からです?魏と呉以外は全て天に覆われているのですよ?」
季衣「呉を攻めて、手に入れれば、、」
稟 「その時は天が背後から攻めて来るでしょう。魏も呉も終わりですね」
季衣「えっと、、、じゃあ、、」
稟 「、、、すいません。季衣、きつく言いすぎました」
季衣「ううん、大丈夫」
常に冷静であろうとする彼女すら、この状況には苛立ちを覚えていた
秋蘭「季衣、流琉、もし魏が天に勝とうとするなら、残された道は一つなんだ、つまり」
華琳「つまりは、呉との同盟よ」
愛する部下にそれ以上言わせないように、言葉を遮る。
華琳「けれどね、それは出来ないのよ」
そう、出来ないのよ。
華琳「覇道は手を取り合って出来るモノじゃ無い。もしそれをすれば、私は私自身を踏みにじることになる」
一刀を倒す為に呉と手を組む?
みんなで力を合わせて?
そんなことをすれば、私はあの劉備と同じじゃない。
劉備の理想はそれでも良かったのかもしれない
けれど、私の覇道は、そんな甘えは許さない。
覇道を貫けば天には勝てず、天に勝つには覇道が邪魔をする。
私が言うのもなんだけれど、本当に性質が悪い。
蜀淘汰からの一連の流れといい、これを考えた者の性格は最悪ね。
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宝ャ「ふぇっくしゅ!」
風 「おお!宝ャがくしゃみをー」
麗羽「風邪ですの?移さないでくださいね」
風 「むー、この大切な時期に、たるんでいるのですよー。宝ャ」
宝ャ「す、すまねえ。気お付けるぜ」
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私の言葉で、現状を理解した彼女達が口を閉ざし、沈黙が訪れる。
その中、ずっと黙りこんでいた彼女が口を開いた。
春蘭「華琳様、何を悩んでおられるのですか?」
稟 「なっ、、、、」
秋蘭「姉者、、、、」
桂花「本物の馬鹿ね」
本当に純粋に不思議そうな顔をしながら首をかしげる。
その姿に周りは唖然としている。
華琳「春蘭、貴方、今の話は聞いていたの?」
春蘭「はい。つまりは覇道の為に孫策とは組めないし、組まないと天には勝てないと言うことですよね?」
華琳「そうよ」
心の底から安堵する。
さすがの春蘭でもそれ位は理解できるわよね?
春蘭「それは分かりますが、何を悩んでいるのですか?天に勝てないなら、呉と同盟を組しか無いじゃないですか」
秋蘭「っっ、姉者!」
桂花「春蘭、貴方ね!」
秋蘭と桂花の春蘭を制止する声が聞こえる。
しかし、その言葉は私の耳に届き、
私は怒りに身を震わせ、絶を春蘭に向けていた。
華琳「春蘭、分かっているの?同盟を理解した上でのその言葉は、私の誇りを穢しているのよ?」
春蘭「はい。分かっています」
華琳「そう、なら死ぬ覚悟はあると言うことね」
ずっと仕えていてくれた彼女だからこそ、その言葉が許せない。
絶を引き、首への軌道を定める。
季衣と流琉の制止の声が聞こえた。
けれど、止める訳にはいかない、私の誇りを穢し、
未だ訂正をしない者が眼の前に居るのだから。
怒りの眼差しで春蘭を見れば、何時もと変わらぬ忠義の眼で見返してくる。
華琳「何故、そんなことをいうのかしら?」
春蘭「華琳様、私は今まで貴方の為に多くの敵を斬ってきました」
華琳「ええ、分かっているわ。貴方は本当に私に尽くしてくれた」
春蘭「全ては、華琳様。貴方の為です!」
涙目になりながら、けれども鋭い眼光。
その美しさに、私は魅入られる。
春蘭「踏みにじってきました。多くの者を」
そう、その全ては私が命じたこと
春蘭「至高と信じる華琳様の為に、将も無い者達を殺して。お褒めの言葉に酔いしれてきました」
『華琳様はもう、覇道を諦めてしますのですか?私達を、魅せてはくれないのですか!』
春蘭「勝ちたいのでしょう!なら、勝ちましょう。戦う前から、負けなんて認めないでください。そんなの、私の知っている華琳様じゃありません、、ぐす、わああああああ」
声を上げ、泣きはじめる春蘭を見て、私の中の何かが爆ぜる。
裏切られたと思った、けど、本当に裏切っていたのは私ではないの?
周りを見れば、泣き崩れる春蘭、つられて泣きそうになる季衣
それを慰める秋蘭と流琉、心配そうにチラチラと様子を窺う桂花
布を準備し始める稟とそれを遠巻きに見つめる霞
みんな、私の覇道を信じてついて来てくれた者達
華琳「私は、、何をしているの?愛しい春蘭を泣かせたりして、、」
それを見た私は泣きじゃくる春蘭を胸に抱きしめていた。
春蘭「ひっく、かりんしゃま、、」
華琳「御免なさい、春蘭。戦う前から、勝ちを諦めるなんて」
春蘭に覇道の為に他者を踏みにじれと言っておきながら、
私は覇道の為に私自身を踏みにじる覚悟も無いなんて、本当に笑えない。
華琳「本当に、御免なさい」
先の謝りは春蘭に向けて、
次の謝りはこの場に居る全員に向けて。
私は二度、頭を下げていた。
しばらく春蘭を抱きしめ、頭を撫でた後
華琳「桂花、稟、呉と同盟の準備を始めなさい」
稟 「よろしいのですか?」
ほほ笑みを浮かべ、そう言う稟に私もほほ笑みを返しながら。
華琳「ええ、それで覇道が遠のくことになっても、膝を屈するその時まで私は諦めないわ」
桂花「わ、分かりました!」
稟 「それでこそ、華琳様です」
春蘭「華琳様!」
満面の笑顔を浮かべる彼女達のおかげで、私は再び覇道を貫く覚悟を決める。
一刀、貴方の策では私は止まらないわよ。
呉、王座の間
蜀陥落の報より数カ月、
呉に二つの衝撃が訪れた、一つは漢王朝の滅亡
そして、もう一つは、、、
雪蓮「驚きね、まさか曹操が同盟の申し出をしてくるなんて」
冥琳「そうだな。覇道を目指す曹操だ、同盟など考えないと思っていたよ」
祭 「それだけ、窮地に立たされているということじゃろう」
蓮華「天、、一刀による世界への侵略、ですか」
雪蓮「ええ、そうよ」
黒天が世界を覆う、比喩じゃない、本当にそうなろうとしている。
馬騰と劉備が敗れた時点で、漢王朝に未来が無いことは分かっていたけど、
まさかそれ全てを覆い尽くすなんて、本当に面白いわね、、あなたは
穏 「うーん。それで雪蓮様、冥琳様、どうするんですかー?」
冥琳「どうするも無い。天に対抗するには魏との同盟しかないだろう」
蓮華「しかし、魏が裏切る可能性もあるのではないか?」
冥琳「それは無いでしょう。一国では天には勝てない、それは向こうも同じですから」
蓮華「そうか、そうだな。曹操も同盟に縋るしかないか、、、」
そう、冥琳や蓮華の言う通り。
天に勝つには同盟しかない、一刀もそれを分かっていて、何か策を打っていたと思う。
呉でなにも無かったなら、多分魏で。
だから呉と魏が同盟を組むもうとしてるこの状況は好機のはず。
けど、、なにか、何故か、胸がムカムカする。
得も言われぬ不快感が顔に出るのを抑えていたが、
冥琳「雪蓮、体調が悪いのか?お前が考え事など珍しいこともある」
雪蓮「ひっどー、私だって色々考えることもあるんだから!」
冥琳「ほう、では何が心配なのだ?」
冥琳には見抜かれていた。
本当に敵わないなあ、、
雪蓮「ただのカンよ。嫌な感じがするの。まるで踊らされてるみたいな、ムカつく感じ」
虚空を睨むように、私は苛立ちを覚える。
冥琳「そうか。だが、それでも、もはや、その道しか私達には無いぞ」
雪蓮「ええ、分かってるわよ。穏、魏との同盟の準備を進めなさい。祭も軍部をお願い」
穏 「わかりましたー」
祭 「うむ、わかった」
蓮華「あの、姉さま。小蓮達はどうするおつもりですか?」
魏との同盟が決定した後、
二人きりになったのを見計らって蓮華は心配そうな顔をしながらそう聞いて来た。
雪蓮「どうするも、向かってくるようなら戦うしかないでしょう?」
蓮華「しかし、小蓮は、、妹ですよ」
悲しそうな瞳を見れば、この子がどれだけ小蓮を愛していたかが分かる。
喧嘩ばかりだったけど、本当に仲が良かったものね。
雪蓮「あの子はあの子の道を選んだの。自分で、私達と対する道を」
それを分かっていて、こんなに冷たく言い放つ私は、酷い姉ね。
蓮華「しかし、「聞きかけなさい」、、」
雪蓮「貴方は次期呉王よ。その意味、わかるわね」
蓮華「はい、、姉さま」
次期呉王、その言葉で私は蓮華を縛っている。
この子は少し真面目すぎるから、
それで女としての幸せも壊してしまうかもしれないと分かっているのに。
本当に、、酷い姉ね。
雪蓮「小蓮は良い意味でも悪い意味でも真っ直ぐだから。殺されないようにね、蓮華」
蓮華「ね、姉さま。なにを、、」
悲しげなこの子を抱きしめる。
少しでも、重圧から解放されるように、
雪蓮「大丈夫よ。小蓮も、出来る限り殺さないようにするつもりだから」
蓮華「はい、姉さま!」
喜ぶこの子の顔を見て、心が晴れる。
雪蓮「勝つわよ、この戦い。そして、一刀と小蓮を泣かせてやりましょう」
蓮華「そうですね、それ位の罰は与えなきゃ」
進む道は一つ。
一刀、もし貴方が呉の大地を手に入れても袁術のような真似はしないでしょうね。
いえ、もしかしたら繁栄をもたらしてくれるかもしれない。
けれど、戦わずに渡すことは出来ないのよ。
この大地に染み込んだ、孫呉同胞の血の重み、決して軽くは無いの。
だから、覆いたくば、勝って見せなさい。
母さんも、死んでいった同胞も納得するような、
見事な大戦で勝利を勝ちとって屈服させてみなさい。
私の国の、全ての者を
???
「ねえ、一刀が何を考えているか、貴方に分かる?」
「いえ、裏切り者の考えることなど、分かる筈がありません」
「裏切り、、もしかしたら、それは一刀にとっても苦しい選択だったのかも」
「どういう意味ですか?」
「一刀は、姉さま達も曹操も、誰も死なせない為に天を作ったんじゃないかしら」
「、、、、、それは、私には分かりかねます」
「もし、そうだとしたら救ってあげたい。私も、人を統べる重圧は少し分かるつもりだから」
「、、っ、まさか、裏切るつもりですか?」
「いえ、そんなことはしないわ。けど、手を差し伸べるくらいなら、、」
「、、、それが貴方様の望みなら、協力は致します」
「ありがとう、、、、」
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真恋姫無双夜の王第38話。 最終章、魏呉同盟編1 |
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