桐乃の告白 |
不意な寝苦しさを感じて起きてみたら――
「ん……っ……ふぁ……」
「んんっ!?」
桐乃にキスをされていた。
本当に意味が分からない。何で桐乃にキスをされているんだ?
何で俺を嫌っている桐乃が俺に……
「ちゅ……っ……ぁ……」
起きた事に気付いた桐乃が唇を離す。
「おまっ……桐乃、何を――」
とにかく、キスをした理由を問いただす。
「あんたが……あんたが悪いのよ」
「はぁ? 何で俺が悪いんだよ」
俺は普通に寝てただけだろ。てか、全然説明になってねぇよ。
「……っ、あんたがあたしの気持ちに気付いてくれないからっ」
「はぁ?」
何を言ってるんだコイツは。
「あたしは、あんたが……お兄ちゃんが大好きなのよ!」
「な―――――――っ!?」
今……桐乃は何て言った? 俺が好き?
いや、それも重要だけど『お兄ちゃん』だと……?
あの桐乃が俺に対して『お兄ちゃん』て言ったのか? 更に大好きだとも。
どういう事なんだ? これはまさか夢の中の話なのか?
そうだよな。これは俺が見ている夢だよ……な?
「ねぇ、あんたは……お兄ちゃんはあたしの事、どう思ってるの?」
「お、お前の事をか?」
「そうよ。ねぇ、好き?」
「そ、それは――」
おいおい、これは夢なんだろ? だったらこんな悪夢早く覚めてくれよ。
お願いだからさ。
「早く答えて。あたしの事好き?」
「……き、嫌いではない」
「ちゃんと答えて」
クソっ! なんだよ、この羞恥プレイは。
マジで勘弁して欲しいよ。
「お兄ちゃん……」
〜〜〜〜〜〜っ。あーもう、自棄だな。
「ああ、好きだよ! 大好きだよ! それでいいんだろ?」
何で妹に対して好きとか言わないといけないんだよ。
「じゃあ、恋人にしたい?」
「 」
頭が一瞬にして真っ白になった。
「ねぇ」
こ、コイツは何を言っているんだ? 桐乃と恋人だと!?
世間の目があるし、そんなの無理に決まって――
「世間の目とかどうでもいいの! あたしはあんたが好きなのよ!」
必死に訴えてくる桐乃。
何なんだよ! なんでそんな泣きそうな顔で言うんだよ。
「確かに間違ってるかもしれない。でもあたしは、あんたが好きなのよっ!」
「……桐……乃」
本気で言っている……のか?
俺はどうしたらいいんだ?
桐乃を受け入れるべきなのか? それとも――
「桐乃……俺は――んぐっ!?」
キスで無理やり言葉を遮られる。
「ぁ……んっ……ねぇ、いいでしょ。あたしと付き合ってよ」
「…………」
思考が上手く纏まらない。
執拗に繰り返されるキスのせいで、何も考えられなくなってしまう。
「お兄ちゃん……付き合おう?」
「……あ、あぁ……」
「ふっ♪ ありがと。大好きよ京介♪」
俺は間違った選択をしたのかもしれない。
しかし、嬉しそうな顔をしてる桐乃を見ると、正しかったのかもしれないとも思ってしまう。
俺は、本当はどうしたかったんだろうか?
それは今も分からないままだ。
説明 | ||
ちょいバッドエンドくさい話です。 | ||
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ツン98%の桐乃がデレた(VVV計画の被験者) | ||
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 桐乃 高坂京介 | ||
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