魏乃章 劉馥伝? |
1年目
建安5年(200年) 揚州合肥城跡
「びぇええ〜〜ん!!こわいよ〜!」
隣でふくちゃんが泣いている、たしかに周りは酷い廃墟で夜になれば化け物がでそうなくら気味の悪い場所だ。
・・でも、俺たちは此処から始めなければならない『劉馥』の人生を。
「びぇええ〜〜ん!か、一刀さん〜!は、はやく帰ろうよ〜!」
隣で泣く、ふくちゃんのために・・・。
あの後、俺たちは張バクさんの所を逃れ曹操の下についた。
しばらくは客将として、ふくちゃんは中央の仕事を勤めていたが・・。
突如、ふくちゃんは揚州刺史に任命される。
中央の一役人から、刺史(規模が格段に違う県知事のような物)になったので、異例の出世に思えるが。
事実上は捨石と評されてもいい様な人事だった。
当時の揚州は、前任の州刺史が太守(市長のような物)に殺害された以降、治安は一気に悪化。
潜んでいた袁術の残党も各地で暴れだし、揚州は壊滅的な打撃を受け統治機能は停止している。
簡単に言えば、ふくちゃんは刺史との「法」だけを頼りに、盗賊ばかりの「無法地帯」に向かう事となる。
しかも、刺史に与えられる「兵」も中央から引き連れず、任地で賄えという非情な条件付だ。
それにさらに酷な命令が後に加えられた、それは韓馥の名を捨てて劉馥に名を変えろとの内容だった。
韓馥の名は揚州で忌避される袁(術)家を想像させる・・それが理由だった。
たしかに韓馥ちゃんと袁紹は一時は盟友関係(劉虞擁立)であっため、袁家と韓馥ちゃんを結び付けようとするは人は少なくないだろう。
袁術家の痴政に苦しめられた揚州の民は特にだ・・。
だが、それでも中央の名門官人の「韓」家の名、そして韓馥ちゃん自身の名前への思いを考えれば酷い指示だ。
こんな人事にもちろんふくちゃんは拒否しようとするが、勅命だ拒否すれば死罪もありえる。
進むも地獄、引くも地獄で、ふくちゃんはまた逃避をしだした。
俺と共に何処かへ逃げようといいだしたのだ。
たしかに、それも一つの方法だふくちゃんの才なら他の勢力でも求められるであろう。
それが駄目なら、二人で庶人として暮らしてもいい。
だが・・俺は『劉馥』への改名指示を聞いた時点で決めていた。
韓馥ちゃんを揚州刺史=劉馥にさせる事を。
俺は「劉馥」という人物の情報をある程度知っていた。
揚州刺史であった事、合肥を再興させた事、そしてなにより重要なのは劉馥は「天寿」を全うして死んだ点だ。
ふくちゃんの言うような(逃亡)当ての無い将来に進むより、「劉馥」として歴史に守られた人生をふくちゃんは進むべきだ・・。
それから俺はふくちゃんを説得して、揚州刺史になる事を納得させた。
最初は泣きながら拒んでいたが・・。
最後には無理やり笑顔を作りながら「うん・・信じる、だって一刀さんだもの」といってくれた。
その時から、俺は韓馥ちゃんを「ふくちゃん」と呼ぶようになった。
韓馥ではない、だが唯一「劉馥」になる前のふくちゃんを知る者の証として。
それから数ヵ月後、俺たち二人は共に本拠地にする合肥に到着した。
揚州を治めるなら、最大の都市寿春を選ぶべきであったが。
俺たちに求められるのは・・遠くない将来、海から攻めて来るであろう孫家に対する戦う都市だ。
なら、海から離れすぎた寿春は駄目で、合肥あたりがちょうどいい。
まあ、なによりも劉馥は合肥で成功をおさめた。
その事実がなによりも重要だ。
だから・・。
「ふくちゃん」
泣いていたふくちゃんがぐずりつつも涙を止める。
「ぐっす・・ぐっす・・・なに?」
「・・やっぱここを俺たちの「家」にするよ」
「・・・・・・・・びっ!びぇええ〜〜ん!〜!!」
ちょっと怖くてもふくちゃんには我慢してもらおう・・。
ああ・・それにしてもふくちゃんの泣き顔は何時見ても可愛いなぁ〜。
一応クリスマスプレゼントssです。
よくss書きの皆さんがしてるので・・真似でやってみました。
ただクリスマスネタではないのでご注意を。
※劉馥伝はクリスマスまでの連日投稿中篇ss(3〜4話構成予定です)。
説明 | ||
劉馥?を恋姫風に・・ssです。 突拍子も無い設定かつ、インスパ元の続編になりますので・・インスパ元を先にご覧ください。 |
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コメント | ||
ここの一刀ほSですね(BX2) 立派な城壁を築くんだよ(ロンギヌス) |
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劉馥 韓馥 恋姫 後漢 七乃化 魏 | ||
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