真・恋姫†無双〜天より来たりし戦士〜 第9話
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日が沈み、街が闇と静寂に包まれた頃。

 

 

銀髪の少女と漢忠こと『晋』は、とある建物の一室にいた。

 

 

部屋はろうそくで照らされてはいるのだが、それでも少し暗く感じられる。

 

 

 

漢忠は大剣の手入れをしていた。

 

 

「♪〜」

 

 

陽気に手入れをする晋を、銀髪の少女はボンヤリと眺めてる。

 

 

「よし、終わった!!」

 

 

幅広の、まるで『巨大な柳葉刀』とも言える大剣を、巨大な鞘に収納する。

 

 

 

「・・・・ところで晋。お前、北郷と何を話したのだ??」

 

 

「この国はもうダメだ。っていう話をしたよ。」

 

 

 

猫のランランを「よしよし。」と撫でながら質問に答える晋。

 

 

 

「まさか、我々のことを話してないだろうな。」

 

 

「うん。趙弘に言われたとおり、他言はしてないよ。」

 

 

「むっ・・・・」

 

 

「趙弘?どうかしたの??」

 

 

 

銀髪の少女、もとい趙弘が不満そうに口を開く。

 

 

 

「・・・・真名で呼べと言っているだろうが。」

 

 

「ああ、そうだったね。ゴメンね、螺羅(らら)。」

 

 

 

真名で呼ばれたことに満足げな趙弘こと『螺羅』。

 

 

 

「とにかく、『合図』はまもなくだ。お前は『ここ』から、私はあの大通りの突き当たりにある宿屋から『始める』。」

 

 

「うん♪」

 

 

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同刻

 

 

 

 

探索を終えた一刀と周泰は、夕食を食べ終えたところだった。

 

 

 

「またお越しくださいませぇ〜」

 

 

店員の声に、周泰はペコリと一礼をし、一刀は振り返ることもなく、手を挙げてヒラヒラと振る。

 

 

 

「美味しかったですねっ!」

 

 

「そーだな。」

 

 

 

心地良い賑やかさが、夜道に『明るさ』をもたらす。

 

 

 

 

「さて、次は宿だな・・・。」

 

 

「たしか・・・・あっちの角を曲がった所の、大通りの突き当たりの方に宿屋があったと思いますっ。」

 

 

「そうか。」

 

 

 

 

周泰が示した道を進む一刀達。

 

 

 

ちょうど角を曲がろうとしたその時。

 

 

 

《ドンッ》

 

 

「キャッ!」

 

 

「おっ!?」

 

 

一刀の胴に、何かが当たった。

 

 

下を見ると、金髪の女性が尻餅をついていた。

 

 

 

「いたたた・・・・」

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

 

差し出された一刀の手を、支えにして立ち上がる女性。

 

 

 

「大丈夫よぉ。ごめんなさいねぇ」

 

 

「謝るのは俺のほうだ。すまなかったな。」

 

 

 

ニッコリと笑う女性に、軽くだが頭を下げる一刀。

 

 

 

「いいのよぉ。それに・・・・」

 

 

「?」

 

 

「イイ男とぶつかったのは嬉しいわぁ♪」

 

 

 

一刀の手を離すどころか両手で掴んでくる女性。

 

 

 

「そう言ってくれるのは嬉しいんだがよ、そろそろ放してくれねぇか??」

 

 

 

苦笑いを浮かべる一刀。

 

 

 

「う〜ん・・・・残念・・・。」

 

 

 

女性は名残惜しそうに一刀の手を離す。

 

 

 

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「ねぇ。もし、また逢えたら一緒に遊びましょうよぉ?」

 

 

「遊ぶ?まぁいいけど・・・・」

 

 

「ホント!?やったぁ!!」

 

 

 

キャッキャッ。と喜ぶ女性をよそに、一刀達は歩き出す。

 

 

 

「あれ、どこ行くのぉ??」

 

 

「コイツと一緒に『宿探し』だ。」

 

 

「あぅっ!?」

 

 

 

一刀は周泰の頭をガシガシと撫でる。

 

 

 

「じゃーな。」

 

 

「あ・・・・・・ちぇっ、行っちゃったぁ。」

 

 

 

プゥ。と頬を膨らます女性。

 

 

 

「ま、いいわぁ。まずは『お仕事』しないとぉ。」

 

 

 

そう呟き、女性も歩き出す。

 

 

 

 

「あの男は『生きていて』欲しいわねぇ・・・・・♪隣の女はどーでもいいけどぉ??」

 

 

 

 

ニヤッ、と笑みを浮かべ、手を上げる。

 

 

 

すると、女性の後を、一人、また一人と、ついて来る者達が現れ始めた。

 

 

 

数分後には、彼女の後ろに百人ほどの人間がついて来ていた。

 

 

 

女性率いるその集団は、ある館の、門の前で立ち止まる。

 

 

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松明で明るく照らされた門には、二人の門番がいた。

 

 

 

 

「ん?なんだお前達――――・・・・・。」

 

 

《ドシュッ!》

 

 

「がぁっ!!」

 

 

「なっ・・・・!?」

 

 

 

門番の一人が、喉から血を噴き出して倒れる。

 

 

「ふふっ♪気持ちイイわぁ・・・・。」

 

 

 

『殺した』のは女性だった。

 

 

 

彼女の得物は『薙刀』。

 

 

その血塗られた刃は、彼女の危険性を誇示する。

 

 

生き残った方の門番は震えながらも槍を構える。

 

 

 

 

「な、何者だ・・・・・・。」

 

 

「う〜ん・・・・・そうねぇ・・・・・」

 

 

 

唇に手を当てて考える女性。

 

 

数秒後、ニッコリと笑顔を浮かべる。

 

 

 

「『革命軍』かなぁ♪」

 

 

《ザシュッ!》

 

 

女性は『薙刀』を構え、もう一人の門番の首を斬り裂いた。

 

 

そして、松明の火を使い、門を放火する。

 

 

 

 

「目標は?貢の首よぉ。じゃあ、『行動開始』♪」

 

 

 

「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」」」」」」」」」

 

 

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その数分後。

 

 

 

「あ、螺羅!!『合図』だよ!!!『火』が見える!!!!」

 

 

「そうか。」

 

 

 

螺羅は黄色い布を、スカーフのように首に巻く。

 

 

そして、二人は部屋を立ち去った。

 

 

 

部屋を出ると、同じ建物の他の部屋から、武装した兵士がぞろぞろと出てきて、二人の後に続く。

 

 

 

その兵士達は皆、頭に『黄色い布』を巻いていた。

 

 

 

外に出た二人は、各々の得物を抜く。

 

 

 

 

「では、晋。また後でな。」

 

 

「うん。」

 

 

 

螺羅は、双剣を手に走り出す。

 

 

 

そして、付近の人間に、刃を振る。

 

 

 

《ザシュッ!!ドシュッ!!ザクッ!!・・・・・・・》

 

 

 

「ぬぁ!!」

 

 

 

「ぎゃぁ!!」

 

 

 

「ぎぃっ!!!」

 

 

 

 

螺羅とすれ違う人々が、次々と『肉塊』と成り果てていく。

 

 

 

 

「じゃあ、僕も始めるかな。ランラン、気をつけてね。」

 

 

《ブォン・・・・・ドォォォォン!!!!》

 

 

晋は大剣を振り回し、近くの建物の扉を破壊する。

 

 

「ひぃっ!?」

 

 

すると、恐怖に駆られた人々が、建物から飛び出していく。

 

 

 

「うおりゃぁ!!!」

 

 

逃げる人々に対して、大剣を水平に薙ぎ払う。

 

 

《ブォン!!・・・・・・ビチャビチャ・・・・!!》

 

 

逃げていた人達の上半身は吹き飛び、払われた大剣が、血で真っ赤に染まる。

 

 

 

「あははは☆、楽しいなぁ!!!」

 

 

 

 

『狂気』が、この街を壊し始めた。

 

 

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その頃、一刀と周泰は宿にいた。

 

 

 

 

「一刀様、明日からどうしましょう??」

 

 

「まぁ・・・・聞き込みからやろう。地味だが、『掘り出し物』が出てくる可能性がある。」

 

 

 

二人は、明日の予定を立てていた。

 

 

 

「ですが、聞き込みだと時間がかかり過――――・・・・・。!!」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

 

その時、『何か』が二人を刺激した。

 

 

その刺激は、聴覚と嗅覚から傍受され、二人に『異変』を伝達する。

 

 

 

 

「周泰。」

 

 

「はい・・・・。下の階から『たくさんの足音』と、『叫び声』が聞こえました。」

 

 

「それだけじゃねぇ。『血』の臭いがしやがる・・・・。」

 

 

 

一刀は立ち上がり、MP7を手にする。

 

 

 

 

一刀は、耳を澄ませて、音で状況を把握していく。

 

 

 

「(小刻みな足音・・・・階段を上がってるのか。叫び声は聞こえねぇ。逃げたか・・・・・死んだのか?)」

 

 

 

 

MP7の銃口が、扉に向けられた。

 

 

 

 

《ドタドタドタドタドタドタ・・・・・》

 

 

 

近づく足音。

 

 

 

「(来る・・・・。)」

 

 

 

《バァン!!》

 

 

勢いよくあけられた扉。

 

 

扉の向こうには、複数の『武装した』男達がいた。

 

 

 

「うらぁぁぁぁぁ!!」

 

 

勢いそのままに襲い掛かる男達。

 

 

 

 

《タタタタタタタタタタァン!!!!》

 

 

 

放たれた銃弾が、無慈悲に男達の身体を貫通する。

 

 

 

だが、その死体を押しのけるように、次々と男達が襲い掛かってくる。

 

 

 

一刀は銃身の加熱を気遣いながら引き金を引き、扉を制圧する。

 

 

 

 

 

 

「キリがねぇ!!周泰!!」

 

 

「はいっ!!」

 

 

 

《ドスッ!!!》

 

 

周泰は、長刀を壁に深く突き刺す。高さは、ちょうど人間の膝くらいの位置。

 

 

 

「はぁっ!!!」

 

 

 

そして、刀を壁の突き当りまで運ぶ。

 

 

《ズッ・・・ザザザザザザザザザンッ!》

 

 

 

刀の刃が、壁の向こう側にいる男達の膝をまとめて刈り取る。

 

 

「「「「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!」」」」

 

 

 

激痛を訴える男達の、悲痛な叫び声が、宿に響き渡る。

 

 

 

 

 

「周泰、今のうちに窓から屋根に行こう。先に上れ。」

 

 

「はいっ!」

 

 

周泰は屋根に向かう。

 

 

 

続いて一刀も、屋根に上る。

 

 

 

「・・・・っこらせ。」

 

 

屋根に上ると、街を見つめる周泰の姿があった。

 

 

つられて一刀も周囲を見渡す。

 

 

「んだこれ・・・・・・何が・・・・・」

 

 

 

 

 

 

街は、瓦礫の山と成りつつあり

 

 

 

街は、火の海と成りつつあり

 

 

 

街は、壊れつつあった。

 

 

 

 

 

 

説明
明後日はクリスマスですね。


皆さんは彼女とデートですか?友達とクリスマスパーティですか??


え?作者??作者は整形外科で定期診察だよチクショー!!


まぁ、イブは終業式の後で友達と遊ぶけど。それが唯一の救い。
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コメント
↓兵士だけじゃなくてその土地まで死んでしまうわw(スターダスト)
最後の武器は核兵器とか?W(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
まさか銃弾弾かないよなコイツら、さすがに呂布でもマシンガンは防げないだろうしそれ使えば勝てるか(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
最後の武器は実は、ロケットランチャーだったり・・・んなわけないか、さてさて次回は「抗争」この中で一刀の銃の実力ではなく剣の方の実力は?(黄昏☆ハリマエ)
ついに牙おむいた・・・一刀たちはどうする・・・続きを待ちます(スターダスト)
更新お疲れ様です。続きを期待して待ってます!!(poyy)
更新お疲れ様です!!いやぁ〜続きが気になる!!早く書いて下さい!!(森羅)
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