恋姫†転生〜太史慈伝〜 其の三
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「母さーん」

 

「なぁに?」

 

「俺、明日から親父の知り合いの人の所で修業してくるねー」

 

「あらあら、急ねぇ?」

 

「いやさー、親父が急に言ってきてさ。まぁしてみたかったし」

 

「わかりました。ではさっそく荷造りしちゃいましょー」

 

「了〜解ぃ」

 

「私が必要なモノ出しときますからね」

 

「ありがと〜。なら武器の手入れでもしよっかな〜♪」

 

「じゃあ「母さん!!!」・・・どうしましたー?」

 

親父が割り込んで来た

 

「いいのか!?一人息子が旅にでるのだぞ!?軽すぎないか!?」

 

「良いも悪いも、アナタがおっしゃったのではなかったの?」

 

「うぐ!・・・確かに俺が言ったが・・・ぐぬぬっ!!」

 

親父がなんかもがいてる

 

「可愛い子には旅をさせなさい、って言うじゃありませんか?」

 

「確かにそうだが・・・」

 

「いい機会じゃありませんか」

 

「・・・はぁ、そうだな」

 

親父はあきらめたようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「猛」

 

親父が話しかけてきた

 

「なにー?」

 

武器を磨きながら答える

 

「頑張れよ」

 

何やら親父は、深刻な顔をしていた

 

「・・・お、おう」

 

それだけ言って、親父は背を向け母さんと共に荷造りを手伝いに行った

 

「(何だったんだ・・・?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「村長ー。いるかー?」

 

この村の中央に経つ家が村長の家だ

 

ちなみに俺の家は、村の外れで、入口から一番遠い所だ

 

それにこの村一の豪華さを誇る

 

なんでも父母共にどっかのお偉いさんに仕えていて、それなりに偉かったらしい

 

詳しくは聞いたことないが・・・

 

 

「おぉおぉ。いるぞい」

 

「よっ。村長」

 

家の奥から仙人みたいな顎ひげを揺らしながら出迎え来た

 

「こんなところではなんじゃ。上がんなさい」

 

「いや、いいよ。報告だけだからさ」

 

「報告?なんかあったかのぉ?」

 

「俺明日から修行の旅にでるんだ」

 

「ほぉほぉ!これは立派じゃなー」

 

「それだけなんだ。つまり挨拶に来たわけ」

 

「そおか、そおか。寂しくなるのー・・・」

 

「まぁ一生会えないわけじゃないんだからさ」

 

「ワシが死ぬわい」

 

「嘘つけぇ!俺が生まれた頃から何も変わって無いじゃんか!」

 

親の話によるとここに初めて来た頃から何も変って無いらしい

 

「ふぉっふぉっふぉ!そうじゃなー。あと100年は生きるかもしれんなー」

 

どこまで生きる気ですか・・・

 

「そ、そっかぁ。・・・じゃあ話はこれだけだからじゃあなー」

 

「おおー」

 

手を振りながら家を出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いただきます!」」

 

「召し上がれー」

 

食卓を囲み、この家最後の晩御飯に挨拶をする

 

「「うめぇえ!!」」

 

親父と感想という魂の叫びが重なる

 

「あ、テメェ!それは俺んだ!」

 

「うるせェー!とられた方が悪いんだよ!」

 

「ならいただきい!」

 

「親父、テメェ!!」

 

「めっちゃうめぇえ!!」

 

「この野郎おおお!!俺の唐揚げがああぁ!!!」

 

「はっはっは!!・・・って俺の煮魚が無い・・・だと!!?」

 

「煮魚うめええ!!」

 

「ぬっころす!!」

 

「無駄ァ!無駄ァ!」

 

 

バン!!!

 

 

机が強く叩かれ、食器たちが一瞬浮く

 

「食事中はシーですよー?」

 

やさしい口調で、指に人差し指を当て注意をする

 

だが目は笑っていない

 

「「は、はい・・・」」

 

一瞬だが、母さんの背中から般若も裸足で逃げ出すような化け物が見えた

 

これがかのスタンドか・・・!

 

 

 

  

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

 

 

 

 

「おはよ〜・・・」

 

俺は朝に弱い

 

なのでメッチャ機嫌が悪かったり、眠気がいつまでたっても覚める気配が無い

 

「おはよう」

 

「あ、母さん。おはよ〜」

 

「あらあら。外で顔を洗ってきなさい」

 

「うん・・・」

 

 

 

 

 

 

「おはよう!我が息子よ!」

 

「おはよう。無駄に元気のいい親父様」

 

「なんだ!折角の旅たちの日に元気がないではないか」

 

「朝は機嫌が悪いんだいよー・・・」

 

「シャキッとせんか!シャキッと!」

 

俺の背中をバンバンと叩く

 

の、脳が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「できた・・・」

 

「何ができたの?母さん」

 

昨日から何かを縫っていたようなんだ

 

何を作ってたのかは、明日の秘密って言われて知らずじまいだった

 

「貴方の外套(がいとう(コート))よ」

 

「俺の外套?」

 

「ええ」

 

広げて見せてくれる

 

真っ白な生地でできていて、薄ら太陽の光を反射して輝いている

 

長さは着れば膝位になるだろう

 

「着てみなさい」

 

「うん!」

 

外套はまだ生暖かく温もりを感じさせる

 

「おおー!ピッタリだ」

 

まるで機械のように正確な寸法であり、見事にジャストフィットしたいた

 

「自分の息子の丈くらい簡単よ」

 

ニッコリとほほ笑む

 

だが目の下には隈ができていて、どうやら徹夜で頑張ってくれたらしい

 

「母さん・・・ありがとう!俺、大事にするよ!」

 

「気に入ってもらえてよっかたわ」

 

 

 

 

 

 

 

「「いただきます!」」

 

「召し上がれー」

 

「あ、それ俺の唐揚げだぞ!!」

 

「うっさいわー!細かいこと一々気にするな!」

 

「親父、貴様ああああ!!」

 

「かかってこいやああああ!!」

 

〜以下略〜

 

 

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

「お粗末さまー」

 

なぜか食事なのにボロボロな親子(父子)がそこには居た

 

説明
今日も元気な太史家
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コメント
母強しですね。(aki)
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