恋姫†転生〜太史慈伝〜 其の五
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「ぜぇ・・・ぜぇ・・・意外と・・・多かった・・・!」

 

戦闘開始してから30分くらい経っただろうか、正直数が多すぎて最後の方はやけくそ気味に終わってしまい綺麗に追われたとは言い難かった

 

「いやはや、大した武をお持ちですなぁ」

 

肩で息している俺に、趙雲・・・さんが話しかけてきた

 

「ぜぇ・・・ちょ、ちょっとまって」

 

このままじゃ、しゃべることもままならないので、深呼吸をする

 

「スゥウー・・・ハァー・・・げほっげほっ・・・おえぇ」

 

「助けられておいてなんですが、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫大丈夫」

 

ぬぅ、スタミナが足りないか。鍛錬のメニューを見直そう

 

 

 

「えっと、俺は太史慈、字は子義。君の名は?」

 

「申し遅れました。性は趙、名は雲、字は子龍です。そして真名は星。この真名貴方に預けましょう」

 

「俺なんかに真名預けてもいいの?」

 

「お礼とはいきませぬが、私なりの礼です。どうか」

 

「うん、ありがと。俺の真名は猛、よろしくね、星」

 

「こちらこそ」

 

「ここではなんだから、近くに川があるからそこに行こうか」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで星はあいつらに襲われてたの?」

 

肩を貸している星に聞いてみる

 

星は片足をねん挫してたみたいだ

 

「道中、賊らしきものがいまして、成敗してくれようとしたらあまりに数が多すぎて・・・」

 

「なるほどね」

 

「それでも追い詰めはしたのですが、その途中で木の根に足を引っ掛けあのような状況に」

 

「それは大変だったね・・・。でも、星」

 

「なんでしょう?」

 

「今回は俺がいたからよかったかもしれないけど、次はないかもしれないんだよ?」

 

「はい・・・」

 

「何も調べないで突撃するのは賊と変わりない」

 

「・・・はい」

 

「君が死んだら、君が救うはずだった命はどうなるんだい?」

 

「・・・」

 

「君は正義心に溢れている。だから君は賊みたいなのが許せないだろう」

 

「・・・はい」

 

「それと一緒のように、俺は命を無下にする人は一番許せない」

 

「・・・はい」

 

「だから、絶対に死にに行くようなことはしないでくれ。頼む」

 

「・・・誓いましょう。この命はもう主のモノ、。私はもう主を残して死にに行くようなことはしません」

 

「・・・?主?」

 

「はい。私は主に一生の忠義を誓います」

 

「・・・どこで間違えた、俺!?」

 

「何を言いますか。アレは世に言う臣礼の儀ではありませんか」

 

「ちっげぇし!それに俺、主と呼ばれるほど偉くないし!」

 

ゼロに近いしね!

 

「はっはっは!良いではありませぬか。主に損があるというわけではないわけですし」

 

「良くないよ!!・・・あぁ、もういいや、それで・・・」

 

本当は良くないよ?いや、マジで

 

ただ星は絶対引くような娘じゃないと思ったからさ

 

「ただし俺はそんな偉くもない。だから今は保留で」

 

「嫌です」

 

「ならせめて今は仲間ということで、どうかお願いします!」

 

「それが落とし所でしょう。わかりました」

 

あれ?なんかそっちが上ジャナイ?

 

 

 

「と、着いたよ」

 

俺がさっきまで居た場所に着いた

 

「ほお。これは中々な場所ですな」

 

「まぁね。じゃあ、そこで座っててね」

 

「すみませぬ」

 

「いいのいいの」

 

星を降ろし、木を背にし座らせ、布を濡らしに川に行く

 

 

 

 

「冷たいけど我慢しててなー」

 

ねん挫して腫れているとこに濡れた布をあてがう

 

「何から何まですみません」

 

「いいってことよ、っとはい終わり」

 

一度布を搾り、それを腫れた足首と共に包帯で包む

 

まぁ、包帯って言っても細長い布なんだが

 

 

 

 

 

 

 

 

「星はどこに向かってたの?」

 

ひと段落して、俺も星の横に腰を下ろす

 

「洛陽に行こうかと考えていました」

 

「洛陽か・・・これまた遠いね」

 

洛陽はここからずーっと西にある所だ

 

ちなみに帝が居る所でもある

 

「ええ、まぁ。猛殿はどちらに?」

 

「俺は・・・えっと」

 

地図を広げる

 

「揚州だね」

 

「揚州ですか」

 

揚州はここから南に位置するんだが、海が邪魔して結果南西に進まなくてはならない

 

「途中まで御供しましょう」

 

「嫌って言っても付いてくるんでしょ?」

 

「おや?そんなに御嫌ですかな?」

 

「別に嫌ってわけじゃないさ」

 

「それはよかった」

 

星は微笑んだ

 

・・・べ、別にドキってなんかしてないんだからね!

 

 

「猛殿は揚州に何しに?」

 

「んー、簡単に言えば修行だね」

 

「修行、ですか」

 

「うん。親父の知り合いに会いに行って、そこで修業させてもらうんだ」

 

「それはいいですな」

 

「まぁね。星は何しに?」

 

「特に理由はないのですが、まぁしいて言うならば猛殿と同じ、修行の旅と見聞を広める為ですかな」

 

「なるほどねぇ」

 

「ええ」

 

 

 

 

 

星と世間話や身の回りの話をしていると、すでに日は沈みかけ徐々に暗くなっていった

 

 

 

 

 

 

 

「今日は野宿だね」

 

「そのようですな」

 

 

枯れ枝や自然に出来上がっていた干し草などに火をつける

 

 

「ふぅ、火起こしって大変だね」

 

苦笑しながら言う

 

正直、得意ではない

 

「簡単ですぞ?」

 

星の持つ直刀槍"龍牙"を石に叩きつけ火花を散らす

 

「スゲー・・・」

 

これはビックリだ

 

俺も今度やってみよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「用たしに行ってくるね」

 

 

と、木の棒で地面に書きこの場から離れる

 

え、星?とっくに寝てますよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっさん達、しつこすぎない?」

 

「うるせぇ!やられたまんまおめおめ帰れるかよぉ!」

 

おお!男らしい!これが

 

職業:盗賊

 

じゃなければなぁ・・・

 

ジョブチェンジしろよ、まったく

 

 

「えっーっと?まさかさっきと同じ手勢できたの?」

 

周りを見渡しながら言う

 

んー、10人そこらか?

 

「いいやぁ」

 

ニヤリと男は笑う

 

「先生!お願いします」

 

男は頭を下げながら、道を開く

 

「先生?」

 

え、何?まさか学校の先生?

 

教育委員会マジパネェ

 

 

「よろしくな、小僧」

 

奥から現れたのは学校の先生・・・じゃなく

 

白く輝く浴衣みたいな着物をきて大太刀を腰に添えている男だった

 

「でっけぇ・・・」

 

まず第一印象がそれです、大太刀です

 

長すぎじゃない?あの男が身長175p位と仮定して約175p(笑)

 

長すぎwwwワロタwwww

 

いかんいかん、気をしっかり持て、俺!

 

そして次に、あの服

 

 

 

 

 

 

「俺と若干キャラ被ってんだよおおおお!!」

 

 

すぐに懐に潜り込み、拳を打とうと構える

 

 

 

「(あれ・・・?俺、なんで前に出てんの?)」

 

 

 

自分でもわからない行動に戸惑っていた

 

「(やばっ!・・・一度離れなければ)」

 

攻撃から回避へと変わる、一瞬の隙が出てしまった

 

 

その一瞬をこの男は逃さなかった

 

 

 

「遅いっ!!!」

 

 

 

男の太刀が振るわれた

 

 

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忠義と殺意
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