真・恋姫無双 夜の王 第39話
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この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

 

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洛陽、新天城

 

此処は敵が多くなった今でも、安全な場所だと思っていた。

少なくとも、一刀を傷つける奴は居ないと。

けれど、全ては勘違いだったことに今になって気づく。

 

獅堂「屑だな、、俺は」

 

無駄にでかい王宮を改築した城で、俺達は逃げ回っていた。

一刀を襲う、魔の手から。

 

獅堂「逆狗、敵が何処に居るか分かんねえのか」

逆狗「無理だ。ほとんどの者が気配を消している」

獅堂「ちっ、使えねえな」

逆狗「うるさい、それより、今は主を安全な場所へ」

 

その言葉で視線を横に向ければ、柄にもなく疲労を顔に出す姿が映る。

当然か、あんなことがあったんだ。

肉体的疲労より、精神疲労が大きいんだろう。

 

獅堂「分かってんだよ、うるせえな。さっさと行くぞ」

逆狗「いや、此処から先は獅堂と主だけで行ってくれ」

獅堂「はあ?何言って、、、」

 

否定の言葉を言おうとして、途中で止まる。

 

獅堂「つっ、なんで、気づかなかった、、」

 

自責の言葉が口から零れる。

芝生の奥から、決して出会いたくなかった者の姿が現れる。

 

逸早く気づいていた逆狗は、懐から暗器一式を取り出し、

 

逆狗「仮にも主に手を出そうとは、、、落ちたな。大将軍殿」

 

皮肉げに口を歪めていた。

 

 

恋 「、、、そこを退け」

逆狗「無理。お前が戟を降ろさない限りは」

恋 「 フルフル それは出来ない」

逆狗「何故、こんなことを」

恋 「もっと早く、こうすれば良かった」

逆狗「会話が成り立ってないぞ」

恋 「一刀が悪い。悪いのは一刀。だから、だから、だから」

 

そう呟く眼には何時もの様な純粋さは無く。

濁り、淀んでいた。

 

恋 「だから、退いて。恋は、一刀が欲しいだけ」

逆狗「主を、どうするつもりだ」

恋 「動けなくして、連れてく。それで、全部終わり」

逆狗「話し合いは、無駄みたいだな!」

 

不意を突き逆狗の放った三撃の暗器を赤毛は苦も無く打ち落とす。

 

逆狗「行け、獅堂」

獅堂「ふざけんな、三人でもヤバい相手だ」

逆狗「三人?横を見ろ、獅堂」

 

そこには赤毛の登場に悲しみを浮かべ、苦しむ一刀の姿があった。

 

逆狗「今の状態では、主は戦えない。ならば、どちらかが犠牲になるほかない」

獅堂「なら、お前が一刀を連れて行け。俺のが強えんだ、足止めは俺がやる」

逆狗「正攻法で勝てる相手じゃ無いだろう。奇手なら俺のが長けてる」

獅堂「ちっ、理屈をごちゃごちゃ、うぜえんだよ!」

逆狗「、、、安心しろ、逃げ足だけなら大陸一だと自負してる」

獅堂「、、死ぬんじゃねえぞ」

逆狗「ああ、」

獅堂「行くぞ、一刀」

一刀「くっ、逆狗、すまない」

逆狗「いえ、逃げ切ってください。我が主よ」

 

そんな言葉を背に聞きながら、俺と一刀は走っていった。

 

 

友と主を背で見送り、立ちつくす男が一人。

対するは天下無双の武、天軍軍事最高責任者、大将軍呂奉先。

 

逆狗「味方で有れば心強いが、敵になると此処まで恐怖をそそるのか」

 

放たれる覇気を浴びながら、無理に笑みを浮かべる。

 

恋 「そこを、、退け」

逆狗「何度も言わせるな。無理だ」

恋 「急がないといけない、、」

逆狗「無理だと言っている」

恋 「大勢が一刀を狙ってる。、、なら、一刀は恋が!」  

 

叫びながら放たれる一撃が当たる瞬間、後ろに跳び衝撃を緩和する。

だが、そんなことを無視して、戟を防いだ四つの暗器が砕け、吹き飛ばされる。

 

逆狗「ぐっ、、」

恋 「弱い、、、それじゃ、恋は止められない」

逆狗「それでもなお、退くわけには、、主を守る為に!」

 

無謀と分かりながら、敵の懐に飛び込んでいった。

 

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逆狗「はあああ!」  

 

  ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン

 

恋 「無駄無駄無駄無駄」

 

  キンッ キンッ キンッ キンッ キンッ

 

既に放った暗器の数は数十、その全てがかすり傷一つ付けること無く叩き落されていく。

打ち落とされ、木々に、地面に刺さるそれが無力な自分のようで笑いたくなる。

 

逆狗「しかし、、俺はそれで良い!」

 

懐に残る暗器の数、残り二十、その全てをただひたすらに打ち出していく。

 

恋 「無駄、、どうして、恋の邪魔をするの?」

逆狗「お前こそ、何故、こんなことを」

恋 「恋は、、こうする為に、今まで一刀について来た」

 

上の空で、濁った眼で、ただ呟く。

 

逆狗「そうか、残念だ。恋!」

  

  ヒュン

 

恋「、、、うるさい」

 

  ガキンッ

 

最後の一撃も打ち落とされた、これで終わりだ。

全身の力を抜いた俺に恋は悲しげに話しかけて来る。

 

恋 「逆狗は、、可哀想」

逆狗「なにだが」

恋 「夜を飛ぶ蝶にも、黒天で狩る獣にもなれない」

逆狗「、、、、」

恋 「それは全部、一刀の責」

 

突然呟かれる、慈愛に満ちた声。

 

恋 「だから、一緒に行かない?」

 

心の中で苦笑する。

なんて魅力的な提案だろう。

確かに、そうすれば俺も栄光を手に出来るかも、幸福になるやもしれぬ。

 

逆狗「だが、答えは否だ」

恋 「どうして?一刀が憎くないの?」

逆狗「まさか。何度も思ったよ、何で主の横に居るのがあの二人なんだって。俺も、ずっと仕えてきたのに。憎みもするさ」

 

そうだ、主は俺を選ばなかった。

俺じゃ無くて、獅堂と一蝶を選んだ。

手に出来るかと思った隠密機動隊の隊長の座すら、明命に与えた。

こんなに無下にされて、屈辱を与えられて。

 

逆狗「だが、俺はそれで良い。むしろ嬉しい!」

恋 「、、、、マゾ?」

 

声を荒げた俺は、真顔でそう呟かれた、、

 

逆狗「主の隣で、信頼を受けていたい。それはお前達、武人の考えだろう」

恋 「否定しないの?」

逆狗「だが、俺は隠密。舞うことも、狩ることも望まない。黒天の闇の中、溶け込む影で良い」

恋 「、、恋はそんな趣味じゃない」

逆狗「だろうな」

 

もう、話は無駄だと分かったのだろう。

恋は戟を上げ、振り降ろそうとする。

 

恋 「これで、終わり」

逆狗「ああ、終わりだ」

 

そう呟くと、俺は近くの木に刺さっていた暗器を引っ張った。

 

 

恋 「っっ、体、おかしい」

 

振り下ろす筈だった戟が進まず、体の異変に気づくが、もう遅い。

 

恋 「糸」

逆狗「ああ、そうだ。お前の体はもう、動かない」

 

体中を縛るように張り巡らされた糸に恋は体の動きを制限されていた。

 

逆狗「俺の暗器に付けていた糸だ。無造作に打ち落としてくれたおかげで、うまく絡まったな」

恋 「くっ、、くう」

逆狗「無駄。幾重にも絡まった糸をこれで絞めたんだ」

 

全ての糸と繋がり、木に刺さっていた暗器を握り。

抜けようと足掻く恋に俺は勝利を宣告する。

 

逆狗「俺は真っ向勝負じゃ一蝶や獅堂には勝てない。だが、一対一、遮蔽物が多く、薄暗い場所でなら」

恋 「くっ、、」

逆狗「言っただろう。奇手ならば、あの二人を凌駕すると!」

 

 

逆狗「安心しろ。命までは取らない。ことが終わるまで大人しくして居ろ」

恋 「う、うううあああああ!」

 

俺が勝利を確信し、そう呟いた瞬間、恋が再び暴れはじめる。

 

恋 「ことが終わるまで?、、駄目、駄目、駄目!」

逆狗「暴れるな、恋。手足が千切れるぞ!」

恋 「一刀は、恋が。一刀は、恋の、、」

 

そう言い、暴れる恋、聞こえる音は手足の千切れる音では無く。

 

  ブチッ ブチブチッ

 

逆狗「な、馬鹿な、鉄の強度を持つ糸だぞ、、」

 

俺の手練手管の全てを賭けた束縛すら、全て無意味に引き千切られる。

 

恋 「一刀、、」  

 

   ダダッ

 

逆狗「な、、、」

 

束縛を破られ、やられると思い身を背けた瞬間、恋は駈けて行った。

 

逆狗「、、抜かれたか、、まあ、持った方だよな」

 

茫然とそう呟いて、地面に落ちた糸を見る。

 

逆狗「はは、まさかこれを腕力だけでちぎるとはな。そこまで、主を」

 

恋に捕まった主がどうなるのか、考えると冷や汗が出る。

 

逆狗「主、逃げてくだされ。もし、捕まれば貴方は確実に、、」

 

 

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何故、こんな事態になったのか。

それは、数刻前にさかのぼる。

 

 

新天城、執務室

 

漢王朝の治めていた領、全てを手にした俺は。

新たに舞込む、案件の山を捌いていた。

 

一刀「、、、多いな」

 

朝から昼までかけ、ようやく半分に減ったそれを見れば、思わずため息が出る。

 

詠 「仕方ないでしょ。今は大切な時なんだから」

音々「そうですぞ!文句なんて言うなです!」

一刀「分かってる。何事も始めが肝心だからな」

 

両脇に座り、手伝ってくれる二人にそう返した時。

部屋の扉が開いた。

 

一刀「どうした?」

月 「えっと、お茶を入れてきました。少し、休憩にしませんか?」

詠 「そうね。ありがとう、月」

音々「ご厚意、ありがたく頂きますぞ」

月 「一刀さんは、どうしますか、、」

一刀「ああ、貰う。ありがとう、月」

 

そう言って頭を撫でてやれば、

 

月 「へ、へう〜」

 

赤くなる顔をとてつもなく苛めたくなった。

両側から放たれる視線(光線)?を無視して。

膝の上に月を置きながら、貴重な休憩を楽しんでいると。

 

 

それは、突然訪れた。

 

  『逃げろ!一刀!』

 

城の何処かで響いたその言葉で、部屋に緊張が走った。

 

詠 「な、何、今の声」

音々「な、ななな、、」

月 「へうー、、」

一刀「三人とも落ち着け。それと、俺の後ろに居ろ」

 

突然の出来事に驚く月達を宥め。

傍に置いてあった刀を取り、扉の前に立つ。

 

一刀「、、、、、」

 

扉の向こうから気配を感じる。

それに、今、聞こえ声は獅堂のもの。

アイツがあそこまで取り乱す事態が起きているのか。

 

一刀「用があるなら、入ったらどうだ?」

 

声を掛ければ、扉がゆっくりと開いて行く。

そして、そこに立っていたのは。

 

一刀「、、一蝶」

一蝶「、、、、」

 

瞳に映る姿は見知った顔。

ただ、その瞳に光は無かった。

 

一刀「どうしたんだ?一蝶」

一蝶「いえ、、少し、」

 

顔を赤らめ、ぽつぽつと喋る姿に違和感を覚える。

 

一刀「顔が赤いぞ。熱でもあるんじゃ?!」

 

そう言いきる前に、突然背中が地面に着く。

見上げれば、一蝶の顔が目の前にあった。

簡単に言えば、俺は、、、一蝶に押し倒されていた?

事実を疑問詞にしたくなるほど混乱した頭を回転させながら言葉を紡ぐ。

 

一刀「な、何してるんだ。早く退け」

一蝶「はあ、はあ、良いじゃありませんか。一刀様」

一刀「何が、、良いんだ?」

一蝶「ご安心ください。痛いのが嫌なら私が受けで良いですから」 ニコッ

一刀「話が噛み合って無いぞ!」

 

身の危険を感じ、置いてあった刀を取ろうとするが、

押し倒された?時に飛ばされたのか、手の届かない所にあった。

うろたえている俺の顔を見て、一蝶の顔に赤みが増していく。

 

一刀「じょ、冗談、だよな?」

一蝶「ああ、困った顔もそそりますね」

一刀「つっう」

 

戦場でも感じたことのない震えを感じ。

訳の分からない声がこぼれる。

助けを求め、月達の方を見れば。

三人とも、赤くなりながら、

 

音々「な、なな、男同士で何を、、」

詠 「あ、あんた達、そういう関係だったの」

月 「へう〜、、、、、、やっぱり」

 

などと言っている。

月、、やっぱりってどういう意味だ!

 

一刀「ち、違う!俺にそんな趣味は無い!」

 

月達の誤解を解くためそう叫んだが、事態は好転しない。

 

一蝶「一刀様、、ずっと、おしたいしていました」

 

そう言いながら、’男’の一蝶は。

’男’にしては女性的に整っている顔を近づけてくる。

あまりに突然のことで’男’の俺は体が硬直して動かない。

 

一刀「ま、待て、落ち着け」

 

そうしている間にも、一蝶の顔は近づいてくる。

全てを諦めかけたその時、救いは訪れた。

 

一蝶「一刀さ、、「死ね!」ぐがっ!」

獅堂「無事か、一刀!」

一刀「駄目かと、思った、、」

 

振るえる手を見つめながら安堵の息をもらす。

獅堂の飛び蹴りを喰らった一蝶は壁にぶつかり蠢いている。

 

獅堂「ぼさっとしてねえで逃げるぞ!」

一刀「あ、ああ、分かった」

獅堂「テメーらも来い!」

詠 「う、うん」

音々「はいですぞ!」

月 「へう〜」

 

そうして俺達は部屋から出て行った。

 

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一刀「獅堂、一蝶に何かあったのか?」

 

冷静さを取り戻しつつある頭でそう尋ねれば。

獅堂は、

 

獅堂「後で言う。それよりこれ持ってろ」

 

そう言って。

酒瓶を渡して来た。

両腕が自由になった獅堂は一蝶を閉じ込める為だろう。

どこからか縄を出し、扉の取っ手部分を縛り始める。

 

 

詠「ね、ねえ。アンタ達ってそういう関係だったの?」

 

その様子を見ていると、顔を赤らめた詠がおずおずと聞いてくる。

 

一刀「そんな訳あるか」

詠 「だって、さっきまで、一蝶と、、、」

一刀「そうだが、、とにかく、俺にそんな趣味は無い」

詠 「そっか、、良かった」 ボソッ

一刀「何か言ったか?」

詠 「何でも無い!それより、勘違いさせないでよね!」

音々「そうですぞ!紛らわしい真似するなです!」

月 「へう、」

一刀「勝手にお前達が勘違いしたんだろ」

詠 「だ、だって、急にあんなことするから、、、」

 

さっきの現場を思いだしたのか。

詠達三人は顔を赤らめ始めた。

 

詠 「ああ、もう!なんか喉かわいた。ちょっとそれ寄こしなさい」

一刀「あ、待て。それは獅堂の、」

 

詠は酒瓶を奪い飲み始める。

 

音々「音々も少し、頭を冷やすのです」

月 「へう〜、私も、、」

 

そう言いながら、音々達も飲み始めてしまった。

 

 

一刀「まあ、良いか。獅堂に買い替えてやれば」

 

アイツが飲むの酒は質より量だったことを思い出し、そんなことを思っていると。

扉を縛り終えた獅堂が戻ってくる。

 

獅堂「これで暫くは出てこれねえ筈だ」

一刀「そうか、助かった。それで、一蝶に何かあったのか?」

獅堂「それが、今日、南蛮の猫どもから酒が送られて来たんだ」

一刀「それで?」

獅堂「それ飲んだら、突然発情しやがった」

一刀「、、、訳が分からないんだが」

獅堂「俺だって知るかよ。ともかく、モクモク実だかモキュモキュ実だがで出来た酒飲んだら、ああなったんだよ」

一刀「そうか。一蝶はそこまで酒癖は悪くなかった。その酒が特殊だったのかもな、、ん?」

 

腕を組みながらそう呟くと、手に持った酒瓶が目に映る。

嫌な汗が背中を流れる。

 

一刀「なあ、まさか。これがその酒か?」

獅堂「そうだが、どうかしたのか?」

一刀「まずい、、月達に飲ませてしまった、、」

獅堂「んな!」

 

獅堂の妙な声と共に、後ろの方を向けば、

 

月 「へう〜」

 

顔を赤くした月が居た。

 

一刀「大丈夫か?月」

月 「? はい」

 

どうやら何とも無いらしい。

安心して自然と笑みが零れる。

月も自然な笑顔で自然と服を脱ぎ始め、、

 

一刀「待て、全然自然じゃない。何やってるんだ」

月 「へう?一刀さんに全部見てもらおうと」

一刀「此処は、、廊下だぞ」

 

眉間に皺を寄せ、そう呟くが月の奇行は止まらない。

むしろ、顔の赤みが増している気がする。

 

月 「へう、興奮しますね」

一刀「悪い、少し寝ててくれ」

月 「へう?」

 

その言葉を聞いて、即座に首に手刀を入れ。

月を気絶させた。

 

 

一蝶が奇行に走ったのは、間違いなく、この酒のせいだ。

月の行動でそのことを確信した俺は、とりあえず月を壁づたいに座らせておく。

そんな時、

 

獅堂「おい、まだ終わってねえぞ」

 

獅堂の言葉を聞き。

振り返れば、残りの二人も顔を赤らめて立っていた。

 

一刀「音々、詠、正気はあるか?」

 

表立っては月の様な奇行を起こさない二人。

正直、対処に困る。

 

 

その時、音々が泣きだした。

 

音々「音々は、音々は、悪いことをしてしまったのです、」

一刀「何をしたんだ?」

 

突然のことに困惑しながらも自然と慰めるように頭に手を置いた。

 

音々「実は、、恋殿に頼まれて、蔵の食糧を、、」

 

最近、目録と在庫の数が合わないと報告を受けていたのを思い出す。

 

音々「音々は、悪いことを、、ぐす、ひっく、」

一刀「確かに褒められたことじゃないが、それくらいなら別に」

音々「だから、前みたいに恋殿とお仕置きして欲しいのです!」

一刀「は?」

 

許そう。と、言おうとした瞬間。

さっきまでの涙は何処に行ったのか、

目を輝かせながら、音々がそう叫んだ。

 

音々「縄で縛って前みたいに恋殿と音々に痛い、お仕置きを」

詠 「ちょ、あんた何言ってるのよ!」

一刀「分かった。お前にも寝てて貰おう」

 

音々にも酒が効いていることに落ち込み。

同時に、詠は正気を保っていることに安堵していると。

 

詠 「ご主人様にお仕置きしてもらうのは僕なんだから!」

一刀「なに?」

詠 「ご主人様。その、今度はちゃんと咥えますし、のっ飲みますから」

一刀「分かった。二人とも眠っていろ」

 

安堵が落胆に変わった俺は有無を言わせず。

妙なことを口走った二人を気絶させた。

 

 

獅堂「、、、、、」

一刀「、、、、、」

 

音々と詠を気絶させた後、獅堂の方を見れば。

なんともいえない表情で俺を見ていた。

 

一刀「なんだ?」

獅堂「いや、別にお前もう一蝶に掘られても良いんじゃねえの?十分良い思いしてるみたいだし」

一刀「俺を見捨てるのか?」

獅堂「世界半分の奴は見捨てても俺を責めねえよ」

一刀「そうか。それより、月達を運ぶ。手伝え」

獅堂「待て、先に言っとくことがあんだよ」

一刀「後にしろ、月達を此処には置いとけない。運んだ後に聞く」

獅堂「ちっ、わーたよ」

 

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一刀「なに、送られてきた酒はこれだけじゃないのか?」

 

月達をそれぞれの部屋に運び込んだ後、衝撃の報告を受けていた。

獅堂は苦虫を噛んだような表情をしている。

 

獅堂「ああ、全部で三つ送られて来たんだよ」

一刀「残りの二つは?」

獅堂「金色とガキに渡しちまった」

一刀「そうか、、忌々しき事態だな。逆狗」

 

忌々しげに顔を歪めた後、天井に向かい声をかける。

そうすると、何処からか逆狗が降りてきた

 

逆狗「何でしょう」

一刀「最重要任務だ。隠密機動を率いて劉協に渡された酒を奪還して来い」

逆狗「麗羽さん達に渡された物の方は?」

一刀「それは俺がなんとかする」

逆狗「お言葉ですが、俺も同行した方が良いと思う」

一刀「俺が信じられないのか?」

逆狗「いえ、危険性の問題。劉協様達の居る離宮より、武将の徘徊する此処の方がその任務、重いと思う。なら、離宮の方は俺の部下に任せ、俺は主と共に」

一刀「そうだな。一理ある。分かった、そうしよう」

逆狗「御意に」

 

戦場顔負けのやり取りをしていると獅堂が横から。

 

獅堂「おい、何か本気になり過ぎじゃねえか?」

逆狗「獅堂ことの重大さが分かってないのか」

獅堂「飲んだって女どもが変になるだけだろ」

逆狗「その姿を兵が見れば士気に関わるかも知れないんだぞ」

獅堂「そうか、、そうかもな」

一刀「その通りだ。それに、、」

獅堂「それに?」

一刀「もし月のように突然服を脱ぎだすことが有れば、それを見た者を殺さなきゃいけなくなる」

獅堂「、、、、、」

逆狗「、、、、、」

 

俺の言葉で何故か、二人は茫然としているがそれにかまっている暇は無い。

その光景を考えただけで頭痛が走る。

 

一刀「さすがに味方の兵士を殺すのは気が引ける」

獅堂「待て、アイツらの裸を不可抗力で見た奴が居たら、殺すのか?」

一刀「当然だろう。俺以外に彼女達の裸を見た男を生かしておけるか」

 

平然とそう返せば。

獅堂は若干引いたような表情で。

逆狗は苦笑いを浮かべながら俺を見ている。

 

一刀「なんだ?」

逆狗「いや、何でもありません」

獅堂「とりあえず、急ぐぞ。、、、、、、死人が出ねえうちに」

一刀「ああ、そうだな」

 

そうして、俺達三人は駈けて行った。

 

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一刀「とりあえず、麗羽達を探すぞ」

逆狗「いえ、その必要はないみたいだ」

獅堂「ああ、なんか中庭の方が騒がしいぞ」

一刀「、、、そうだな」

 

耳を澄ませてみれば、中庭からあの高笑いが聞こえて来る。

とりあえず様子を窺う為、身を隠しながら中庭へと向かった。

 

獅堂「なんで俺がこんなコソコソしなきゃなんねえんだ、、」

逆狗「うるさいぞ、静かにしろ」

一刀「静かに、、、兵士を集めてるみたいだな」

 

中庭に着くと、多くの兵士が整列していた。

ただ、兵士のほとんどが困惑した表情で視線を一点に集めている。

何かあるのだろうかと思い。

視線を上にあげ、追ってみると。

 

一刀「、、、、、」

獅堂「、、、、、」

逆狗「、、、、、」

 

三人の間に沈黙が訪れる。

 

獅堂「おい、今の、見たか?」

逆狗「い、いや、何にも見てない。むしろ見る物なんて無かった」

一刀「ああ、さすがにあれは無いだろ。見間違いだ」

 

数秒、現実逃避をしてみる。

だが、やはり視線を上げると、

 

麗羽「おーほっほっほ」

猪々子「はーっはっはっは」

斗詩「うう〜、、恥ずかしいよ〜」

 

三人共、黒を基調とし露出度が高く、

肌にピッタリとくっつく構造をした、

有体にいえば、ボルテージ服?着ている。

 

麗羽は腕を組みながら高笑いしていて。

猪々子は腕を腰に当て大笑いしてる。

二人に付き合わされたであろう斗詩は恥ずかしそうに肌を隠している。

 

正直、直視するのが辛い。

似合っていない訳じゃ無く、似合いすぎていて見ていて恥ずかしい。

そんなことを考えていると、獅堂が引き攣った顔で話しかけて来る。

 

獅堂「、、どうする。気絶させるか?」

一刀「いや、良く見ろ。三人とも酒瓶を持ってはいない」

逆狗「本当だ。飲んだ後、別の誰かに渡したのか?」

一刀「だろうな。探しに行くぞ」

 

そう言ってその場を去ろうとする。

逆狗はなにも言わずに付いてくるが獅堂は、

 

獅堂「おい、アレ放置すんのかよ」

逆狗「、、良く見ろ。獅堂」

 

逆狗は背を向けたまま呟く。

 

獅堂「何をだ?」

逆狗「麗羽さんと猪々子さんはおそらく飲んで正気を失ってるが、斗詩さんは正常だ」

獅堂「、、そうみたいだな」

逆狗「正気の状態の斗詩さんがあの姿を主に見られたらどう思うか。分かるだろう」

獅堂「まあ、な。でも、もう見ちまったぞ」

 

獅堂の視線が俺を見る。

俺はゆっくりとその場を立ち去って行く。

 

逆狗「世界には、知らなければ幸せなことの方が多いんだ」

獅堂「、、、武士の情けってやつか」

逆狗「ああ、そうだ」

 

沈黙の後、逆狗の返事を聞いた獅堂は、真面目な顔で

 

獅堂「そうか。わーたよ、俺は何にも見てねえ」

逆狗「俺も、何も見ていない」

 

そんなやり取りを背で聞いていた俺は静かに呟く。

 

一刀「行くぞ、二人とも。これ以上、無益な涙を流させてはならない」

 

  「「御意」」

 

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獅堂「で、これからどうすんだ?」

一刀「とりあえず、手当たりしだいに探すしか無いだろ」

 

酒の行方の手掛かりが無くなった俺達は、

行くあても無く廊下を歩いていた。

 

逆狗「そうなると、骨が折れるな」

一刀「麗羽のことだ。誰か近しい人物に与えたと思うんだが、、」

一蝶「そうなると、謎チビか?」

一刀「そうだな。第一候補は風だが、あまり時間も掛けられんし、もう少し手掛かりが欲しい」

逆狗「誰かに聞くか?」

獅堂「誰かって誰だよ。ん?、おい、誰だ、あの小娘」

 

逆狗の言葉にとりあえず文句を言っていた獅堂が

訝しげに目を顰めながら前を見る。

視線を送れば、一人の少女が歩いていた。

 

逆狗「さあ?俺は知らないが」

獅堂「不審者か?」

逆狗「どう見ても子供だぞ」

獅堂「じゃあ、不審子だな」

逆狗「訳が分からん」

 

そんなやり取りを背で聞きながら、俺は少女に近づいて行く。

その子も、此方に気づいたようで、見上げるように俺を見ていた。

 

どちらかと言えば活発そうな雰囲気で、綺麗な薄紫の髪に映える桃色の服を着ている。

この服を選んだであろう親のコーディネートは見事と言うほかない。

 

一刀「こんにちは」

??「、、こんにちは」

 

挨拶をすれば、首を可愛らしく傾げながら返してくれた。

そんなことをしていると、後ろから獅堂達が追いついて来た。

 

獅堂「おい、テメーこんなことで何やってんだ」

??「 ビクッ おさ、、ぽ、、」

獅堂「ああ?聞こえねえよ」

??「、ひっ、えっと、、その、、」

 

獅堂に悪気は無いんだろうが。

傍から見ると、小さい子を苛めている大人にしか見えない。

 

獅堂「なんとか言えよ」

??「ひくっ、、うう、、、、」

 

怯えきった少女は、ついに泣きだしてしまった。

 

一刀「何やってるんだ。獅堂」

獅堂「俺の責かよ」

逆狗「当たり前だろ!大丈夫か?」

 

逆狗が獅堂を怒鳴った後、少女に話しかけるが、

 

??「ひく、、真っ黒、、ゴキブリみたい、、うう、」

逆狗「ご、ゴキブリ、、だと」

 

格好が悪かったのか、さらに泣かせる結果になってしまった。

 

獅堂「ゴキブリ。ぷっ、ははは!確かにそうだなあ、黒いし、暗いとこ居るし!は、ははははははやべ、腹痛い、、はははっはは」

 

その言葉で獅堂は腹を抱えて大笑いし。

 

逆狗「ゴキブリ、、ゴキブリに見えるのか?俺は、、」

 

逆狗はショックが大き過ぎたのか、空を見上げてブツブツ呟いていた。

 

 

そんな二人にため息をつきながら、いまだ泣いている少女前に行く。

俺が近づくと、少し体を振るわせた。

目線の高さが同じになるよう、しゃがんでから声をかける。

 

一刀「怖がらせて悪い。けど、大丈夫だ。別に苛めたりしないから」

??「ひくっ、、ひくっ、、ほんと?」

一刀「ああ、約束だ」

??「うん、、」

 

そういうと、落ち着いたのか泣きやんでくれた。

 

一刀「名前はなんて言うんだ?」

??「璃々、」

一刀「そうか。本当に御免な、璃々」

 

改めて謝りながら、頭を撫でてやれば、

緊張が解けたのか、少し笑みを浮かべてくれた。

 

一刀「アイツらも悪い奴じゃないんだ。許してやってくれ」

 

俺はショックからようやく立ち直った逆狗と、

いまだ笑いがとれていない獅堂を見ながら言う。

璃々は、

 

璃々「ううん。璃々も、いきなり泣いたり変なこと言って御免なさい」

 

そう言って小さい頭を下げてくれた。

 

獅堂「いや、ふは、、別にいい。くっくは」

逆狗「はい、、、気にしてませんから、、、、」

一刀「それで?璃々はどうしてこんな所に居るんだ?」

璃々「えっとね、お部屋に居るだけじゃ詰まんないから、お散歩してたら迷っちゃったの」

逆狗「散歩、、、なるほど、そういうことですか」

獅堂「何がだ?」

一刀「、、、そうか」

 

璃々の言葉で、離宮に軟禁している黄忠に子供が居たことを思い出した。

 

一刀「なら、この廊下の突き当りを右に真っ直ぐ行け。お母さん達が居る所に着ける」

璃々「ほんと!」

一刀「ああ、本当だ」

璃々「ありがと!お兄ちゃん!」

一刀「どういたしまして」

 

そう言いながらもう一度頭を撫でれば、璃々は溢れんばかりの笑顔を向けてくれた。

そんな様子を見ていた逆狗が思い出したように璃々に尋ねる。

 

逆狗「そういえば。璃々さん、ここらへんで金色の女性なかったか?」

璃々「??えっと、くるくる髪のお姉ちゃんのこと?」

逆狗「はい。それで、その人が何か持っているのを誰かに渡すとことか見てないか?」

璃々「えっと、、瓶なら、緑の服を着た髪のながーいお姉ちゃんの渡してたかな??」

逆狗「主、」

一刀「ああ、酒は翆に渡ってたか。ありがとう璃々」

璃々「うん♪」

一刀「急ぐぞ。獅堂、逆狗」

 

徳利の在りかを知った俺達が行こうとすると、

 

璃々「待って、お兄ちゃん」

 

璃々が手を引いて引きとめてきた。

 

一刀「どうした?」

璃々「えっと、お名前、教えて」

一刀「ああ、そうだな。璃々に名前を聞いたんだ。俺も名乗らなきゃな、俺の名前は、、」

 

少し、考え、間を開けた後に、

 

一刀「一刀だ」

璃々「一刀?」

一刀「ああ、一刀」

 

首をかしげた璃々にわかりやすいようにもう一度呟く。

 

逆狗「主、、よろしいのですか?」

一刀「良いだろ。別に、」

逆狗「主がそういうなら。璃々さん、俺は逆狗だ」

獅堂「獅堂でいいぞ、小娘」

璃々「うん。一刀お兄ちゃん、逆狗お兄ちゃん、獅堂お兄ちゃん」

 

逆狗達も俺に続き教えると、笑顔でそう呼んできた。

 

逆狗「俺達まで、お兄ちゃんか、、」

獅堂「はっ、どう呼ばれようがどうでもいいだろ。それより急ぐんだろ。一刀」

一刀「ああ、それじゃまたな、璃々」

璃々「うん、ばいばーい」

 

そう言って手を振ってくる璃々を見ながら、俺達は翆の元に急いだ。

 

-9ページ-

 

翆の居場所を探していると、翆は馬舎で馬の世話をしていた。

探すのに時間が掛った為か不機嫌な獅堂は、

 

獅堂「おい!」

翆 「なんだよ。いきなり」

獅堂「お前、酒持ってるか?」」

翆 「麗羽がくれたやつか?持ってないけど、、」

獅堂「ちっ、馬鹿が」

翆 「なっ、いま馬鹿って言ったか!」

獅堂「言ったよ。馬鹿に馬鹿つって何がわりーんだ。ばーか」

翆 「なぅ、ばっ馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ!」

獅堂「はっ、じゃあ今、二回言ったテメーは二回馬鹿だな」

翆 「お前の方が多く馬鹿馬鹿言ってるだろ!お前の方が馬鹿だ!」

獅堂「うるせえ!誰が馬鹿だ!馬女!」

翆 「あー!お前、今馬女って言って馬鹿って読んだな!」

獅堂「なんで分かんだよ!」

 

翆と吠えあっていた。

 

逆狗「二人は仲が良いのか?」

一刀「そうだな。良いみたいだ」

獅堂、翆「「良くない!」」

 

 

息のピッタリ合った二人を引き離してから、翆に問う。

 

一刀「で、麗羽に貰った酒はどうしたんだ?」

翆 「あ、ああ、その劉備達に、あげちゃったんだけど」

逆狗「劉備達に?何故、そんなことを」

 

不満げに顔を顰める逆狗に翆はおずおずと話し始める。

何故かチラチラと俺の顔を見ながら。

 

翆 「その、似てるだろ。私と劉備達って立場とかがさ」

逆狗「まあ、それは、、」

翆 「だからさ、何か分かるんだよ。迷いとか戸惑いとか、」

獅堂「けっ、、」

翆 「結構苦しいんだよな。負けても死ねないのって、、だから、少しでも気が紛れればと」

 

そう呟くと、不安に満ちた顔で俺を見て来る。

 

翆 「その、怒ってるか?」

一刀「? 何でだ?」

翆 「だって、普通捕虜にそんなことしないだろ、、」

一刀「いや、別に良いだろ。俺としても劉備達とは仲良くしたいと思ってる」

翆 「、、、本当か?」

一刀「何故疑う」

翆 「だって、そんなこと笑顔で言われても、何か悪だくみしてるみたいに見えるし」

一刀「ふ、否定はしないが」

翆 「しないのかよ!」

一刀「それなりに本心だぞ。どんな形であれ、いがみ合っているよりは良いだろう。お前みたいに分かり合えるかもしれないしな」

翆 「一刀、、」

 

そう言った瞬間に、獅堂の顔に少し怒りが籠る。

 

獅堂「は、分かり合えるかよ。蟻も喰わねえような幻想を抱いたアイツらと、この馬女は違げーだろ」

一刀「ああ、だから、『それなりに』って着けただろ」

獅堂「うっせーな、行くぞ、酒」

一刀「分かってるよ」

 

吐き捨てるように言って歩き出す獅堂を見て、自然と顔が綻ぶ。

 

一刀「本当に仲が良いな」

翆 「? 何処がだよ」

一刀「いや、気づかないならそれでいい」

 

言った獅堂も気づいてないんだろうと思う。

今の言葉中に含まれた信頼の現われに。

 

 

 

と、いう美談があった。

その後、離宮の入り口まで来たんだが、そのから聞こえてきたのが、、

 

 『おっ、お放しください!桃香様!』

 『えへへ、やだよー、愛紗ちゃんの体気持ちいんだもん』

 『な、あっ、だめです、、そこは、、んん』

 『ほう、今日の桃香様は随分とさかっておられるな』

 『ええ、これは私達もこの楽しみを知らない子達に教えてあげた方が良いのかしら、ふふ』

 『かも知れんの、、じゅる』

 『はわわ!』

 『あわわ!』

 『??ねえ、えんやお姉ちゃん。お母さんたち、なにやってるの?』

 『り、りりり璃理は知らなくていい。とりあえず部屋から出よう!』

 『にゃはは、何だか鈴々も体が熱くなって来たのだ。愛紗ー』

 『なあっ、やめ、鈴々、お前まで、、ああっ』

 『あはは、可愛い声だね。愛紗ちゃん はあはあ 』

 『くっ、何故このような、、はっ、さては先ほどの酒に毒が!鳳薦め、我らを辱める為にあのよ  うな物を!』

 『にゃー、愛紗−、なにをごちゃごちゃ言ってるのだ? にゃははは』

 『くっ、決して許さぬぞ!鳳ーーーー薦ーーー!!!」

 

 

一刀「、、、、」

獅堂「、、、、」

逆狗「、、、、」

 

本日二度目の沈黙、、

 

逆狗「主、行き、ますか?」

一刀「いや、いいだろ。むしろ行けるか!」

獅堂「だな。離宮にゃほとんど誰も居ねえから問題ねえだろ。おい!」

警備兵1「はっはい」

警備兵2「な、なんでしょうか」

獅堂「間違っても、さかんじゃねえぞ、、」

一刀「もし、間違えが起きれば、、手足ちぎって穴という穴に蛇入れて殺すぞ、、」

警備1、2「「は、はははいぃぃ」」

 

-10ページ-

 

一刀「とりあえず、良かったのかもな」

獅堂「劉備達の喘ぎ声が聞けたことが?」

一刀「また地方の城にでも飛ばすか、、」

獅堂「冗談だよ」

 

全てが終わったと安心しきっていた俺達は部屋に戻りお茶を飲んでいた。

獅堂が持っていた酒は処理したし、二本目も離宮での処理?に成功した、

後は逆狗の部下が劉協の元から戻ってくるのを待つだけだ。

と、思ってたんだが、、

 

隠密「ほっ、報告、、先の任務、失敗いたしました」

 

扉を開け、入って来たその姿はボロボロだった。

 

逆狗「なに?なにがあったんだ」

獅堂「おつかいも出来ねえのか?テメーらは」

隠密「いっ、いえ、劉協様からの奪還は成功しました。まったく気づかれぬよう別の酒と交換しましたから」

逆狗「なら、何故?」

隠密「それが、帰還の途中、お腹を空かせた呂布殿と出くわし、奪われました、、」

逆狗「、、、、それは、しょうがないな、、」

獅堂「ああ、天災だ天災」

 

頷き合う二人にため息をつきながら、

 

一刀「まあいい。なら恋が飲む前に呼んで来い。俺が呼んでいると言えば素直に「ほ、報告!」」

一刀「なんだ」

兵1「そ、それが理由は不明ですが呂布大将軍が壁や塀を壊し回りながら、鳳薦様を探しているようで」

兵2「なんでも、鳳薦様は自分の物だ!と、叫んでいるようで」

 

この辺りから部屋の空気が悪くなる。

 

獅堂「遅かったな」

一刀「仕方ない。俺が行って直接止めて「ほっ報告」、、、なんだ!」

兵3「ひぃ、その袁紹様が何故か荒縄と鞭を持ちながら、何故か兵士を率いて、何故か鳳薦様を探しているのですが、どういたしましょう」

 

もはや、頭が痛くなってきた。

 

獅堂「ちっ、放置してたのが間違ったな。そっちは俺が行く、テメーは赤毛を「報告!」んだよ、こらー!」

兵4「ひぃいいい」

獅堂「びびってねえでささっと言え!」

兵4「は、はい。寛項将軍が拘束を破り脱走しました!笑いながら鳳薦様を探し回っています!」

 

なんだか、泣きたくなってくる。

 

一刀「天よ、俺がなにをした、、、」

 

そう呟いてから、良く考えれば色々やってたことに気づく。

 

逆狗「まずい。このままでは主が恋さんの獣欲でピーーされた後、麗羽さんの歪んだ欲望をピーーされた上、一蝶の禁断の愛でピーーされてしまう」

一刀「逆狗、、お前はそんなに俺を泣かせたいのか?」

逆狗「まさか、ともかく主よ、一度身を隠しましょう。ことが収まるまで」

獅堂「だな、行くぞ。とりあえず部屋に居るのはまじーだろ」

一刀「ああ、分かった、、」

 

 

こうして、戦いに飲まれる筈の俺達の、非日常は過ぎていく。

 

 

一刀「ある意味、これが平和なのかもな、、」      

 

 

         完

 

-11ページ-

 

後書き?

 

この先は話しにまったく関係がありません。

調子に乗った作者が書いた物です。

若干のネタばれ有りです。それでも言い方のみどうぞ。

 

 

 

天軍の非日常、その舞台裏でのこと

 

真桜「いやー、やっと終わった」

沙和「そうなの、やっとなのー」

風 「今回の話は長かったですからねー」

沙和「なんでも今回の話は13608字あったんだってー。何時もは7000字ぐらいだから、これはすごいことなのー」

凪 「それなのに、私達には出番の一つも無かったな、、」

真桜「凪、それ言うたらあかん、悲しくなる」

風 「むう、しかし逆に良かったのでは?もし風達が出るとなるとおそらくお酒を飲む役でしょうしー」

小蓮「そうだよ、欲情した姿を一刀以外に見られるのは、嫌でしょ?」

凪 「確かに、、嫌だな」

真桜「せやな、贅沢行ったらアカンわ」

沙和「そうそう、沙和達以上に出番が無い人もいるの」

哀 「それは、私のことですか、、、」

風 「おお、これはこれは、前回久しぶりに出番が有ったのに今回は触れもされなかった哀ちゃんじゃないですかー」

哀 「く、痛いところを突きますね。風」

風 「事実なのです」

真桜「侍女の役も月に変わってたし」

哀 「八つ当たりはやめてください」

凪 「同じオリキャラの獅堂様や一蝶様に比べると明らかに出番がないですし」

哀 「ええ、そうですよ!出番がないですよ!その上、同じ地味オリキャラだと思ってた逆狗は冒頭で何故か本格的な戦いをやってましたよ!どうなってるんですか!」

小蓮「まあまあ、落ち着いてよ」

沙和「そうなの、怒っちゃやー、なの」

哀 「怒らせたのは貴方達でしょ。まあ、しかし良いでしょう。下には下が居ますし」 チラッ

沙和「そうだね」        チラッ

風 「むー、、」        チラッ

小蓮「確かに、」        チラッ

凪 「言われてみれば」     チラッ

真桜「可愛そうや、、」     チラッ

明命「はうわ!私のことですか!」

小蓮「だって最近本当に出番ないよね、、」

明命「それは諜報活動であまり国に居ないからです!」

凪 「なるほど、そういう設定か」

小蓮「けど、同じ隠密の逆狗は出番あったよ?」

明命「そ、それは〜、はうわ、、」

真桜「あー、ほらほら、落ち込んじゃあかん。きっと明日は来る!」

沙和「なんだか分からないけど、真桜ちゃんカッコイイの!」

明命「落ち込ませたのは貴方達なのです、、、」  ボソッ

小蓮「そうだよ明命、貴方以上に不憫な子も居るんだから!」 チラッ

明命「そうです。これぐらいでへこたれないのです!」    チラッ

蒲公英「蒲公英のこと!?」

小蓮「そうだよ♪せっかく天に降ったのに全然出番ないよね♪」

明命「はうわ、、小蓮様が黒いのです、、」

風 「確かに、対蜀編の時は完全無視でしたからねー」

凪 「姉の翆様はそれなりに出番が有ると言うのに、まったく出て無い」

哀 「作者の悪意を感じますね」

沙和「もう、みんなあんまり酷いこと言っちゃだけなの」

真桜「そや、蒲公英、落ち込んじゃあかん。きっと明日は、、って落ち込んでないな」

蒲公英「そりゃ蒲公英はそれ位じゃ落ち込まないよ(笑)」

哀 「随分余裕ですね」

蒲公英「皆は知らないだろうけど、実は次の次ぐらいの作品は蒲公英はメインになるんだよ!」

凪 「なっ、本当なのか?」

蒲公英「うん、さっき聞いたもん。まだ、書いては無いって言ってたけど」

哀 「しかし、メインが確定とは、何とも羨ましい」

小蓮「ずるい!」

明命「ずるいです!」

蒲公英「そんなの蒲公英に言われてもしらないもーん」

 

  パンパン(手を叩く音)

 

風 「はーい、皆さんそろそろお開きにするのです」

小蓮「えー、まだ文句言い足りないよー」

風 「むう、しかし時間が来てしまいましたし、、仕方ないのです」

凪 「それでは絞めの言葉を調子に乗ってる蒲公英さん、どうぞ」

真桜「凪、僻んでる?(笑)」

凪 「っっ、」

蒲公英「じゃあ蒲公英ファンのみんな!次の次の作をお楽しみに!これで舞台裏ぱーと1終了!」

 

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

真桜「ぱーと1って、次有るん?」

沙和「なんでも日陰者たちに太陽を!ってメッセージから生まれた企画だから、続くと思うの」

凪 「話に出て無い者たちが呼ばれるらしい」

真桜「そりゃ、もう出たくないなあ」

凪、沙和「「うん」」

 

 

説明
真恋姫無双夜の王第39話。
最終章、天軍戦線編2
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コメント
うん、 蒲公英のことすっかり 忘れてた、、、(qisheng)
まあ冒頭でなんとなくシリアルの方だというのは気付いたww(雪猫)
うん最高ですね^−^(雪蓮様)
てっきり華琳や雪蓮が倒そうとしてるのを知って…かと思ったらギャグだったw(ちくわの神)
シリアスかと思って身構えたらコメディだったでござる(きの)
始めシリアスだと思ったら、後半の内容見たらこうなってたのか、だれも悪くないようで誰も悪いような気がする。(黄昏☆ハリマエ)
腹筋崩壊、ゴチになりますww(JIN)
wwww今回の話面白すぎwwww(タケダム)
しかし作者の都合で日の目を見ることは無かった・・・なんて事になったら日陰者達はどう反応するんだろう?w(2828)
うん、平和平和。(ryu)
カオスwwwwww まあ、最終的には・・・・アーッ!(みっちー)
哀、本編に出番おー (月達の睨み合いやはり負けか…) カオスカオス(アレン★ゼロ)
最後の方の一刀が不憫すぎwww月と詠と音々の発情も面白かったwww(シグシグ)
シリアスを期待して読み進めたらカオスだった・・・。(KU−)
クソ笑わせて貰いましたwww(森番長)
なんというカオス・・・で、彫られるんですよね?w(よーぜふ)
おもしれぇ(ryou)
はははww続きを読んでみたい気もするのは何故だろう?ww(韻)
まぁある意味平和だなww(ROXSAS)
待てなんだこのカオスはwww(poyy)
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真恋姫無双 夜の王 非日常 

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