みらいけ 才編 第三話 |
病院
才が倒れ、病院に運ばれてから数時間
命に関わる事は無く、治療は無事に終わった
「おい、向(むかい)あの小僧は大丈夫なんだろうな」
「・・・・あの、せめて病院内では『過去先生』と呼んで下さいよ・・・・未来さん」
病院の入り口では白衣を纏った男性、この病院の院長、過去向と青いコートをを着た女性、未来孤児院の院長、未来賢が立っていた
「それで、あの小僧の親は分かったのか?」
「・・一様彼の携帯電話からそれらしき人物がかけてきましたから・・・・もうじき来ると・・『才お坊ちゃまああああああああ』・・・来たみたいです」
病院の入り口から黒服の老人がものすごい勢いで走ってきた
「・・・あの、あなたが電話をかけてきた・・・善弥さんですか?」
「才お坊ちゃまはどこですか!坊ちゃまは・・・坊ちゃまは・・・・・坊ちゃまをどこに隠したあああああああああ」
老人は向の襟を掴みグオングオンと振り回した
「いい加減にしろこの暴走ジジイが」
賢は呆れて、老人の頭に踵落としを食らわした
「ぐおふ、おのれ〜貴様が才お坊ちゃまを・・・・・」
「いい加減にしろ、ここは病院だ!」
「・・・・・む、失敬・・・・・それで、才お坊ちゃまをどこに隠した!」
「テメェ・・一度、病院にいけ!・・・・あ、ここが病院か」
賢はそのままアッパーを食らわし、善弥が泡を吹きながら倒れた
「み、未来さん!何をしているんですか!」
「ふん、うるさい奴を黙らせただけだ・・・・とにかく、コイツをあの小僧のところに連れて行くぞ」
賢は軽々と老人を担ぎ、才がいる病室に向かった
才がいる病室
「・・・・ここは」
「気が付きましたか、先輩」
「・・・・お前、未来光」
「びっくりしましたよ、先輩がヤクザに絡まれているところを見たときは」
「ああ・・・そうだった、俺はヤクザと喧嘩をしていて・・・・・っつ!」
才が起き上がろうとうると、全身に痛みが走りベッドに倒れた
「安静にしていてください。先輩、血を流しすぎたんですから」
「・・・・・すまんな・・・・俺のせいで」
「どうしてです?・・・・・俺は助けたいと思ったから先輩を助けたんです。先輩が謝る必要はありません」
「だが、俺に関わらなければ・・・・・・こんな面倒な事には・・『才お坊ちゃまああああ』・・・善弥?」
才が光と会話していると、突然ドアを思いっきり開け、黒服の老人が入ってきた
「才お坊ちゃま!!!!!ご無事ですか!!!おのれ〜誰がこのようなことを・・・・・そこの少年!貴様が才お坊ちゃまに傷を付けたのか!」
「え?あの?・ちが・・・・って、お坊ちゃま?!」
「善弥!落ち着け!光は俺の命の恩人だ!無礼な行為はやめろ!」
「っは!これは失礼しました!・・・私は才お坊ちゃまの執事の善弥と申します」
「あ・・・・はい、自分は未来光といいます。・・・・先輩って、実はすごくお金持ちなの?」
「・・・まあ、元な。・・・今は借金を返済して金持ちとはいえないが」
「何を言いますか!我が地天財閥は平成財閥の兄弟!そこらの一流企業に勤めている者の比ではありません」
「地天財閥・・・・平成財閥・・・・ああ!あの世界各国から取り寄せた様々な商品を売るあの?・・・この世に平成財閥で売れないものは無いって言われているわけの分からない会社だね」
「・・・・わけの分からないのは余計ですが・・・まあ、その通り!そして、才お坊ちゃまはその財閥の後継者候補なのです」
「うわ〜先輩って本当にすごい人だったんだ」
「・・・もういいだろ善弥。俺は継がなし。姫のほうが向いてるって」
そして、息を切らした医者と孤児院の院長が入ってきた
「・・・はあ、善弥さんやっと見つけましたよ。何で逃げたりしたんですか!散々探しましたよ」
「ったく、この爺!やっと、見つけたぞ。今度は首輪でも付けてやろうか!」
「賢さん・・・それに空のお父さんどうしたんですか?」
「ああ光君・・・・善弥さんがいきなり暴れて病院を走り出すから追いかけているうちに逸れて・・・・・」
「なるほど」
「地天才君だね・・僕は過去向、この病院の院長さ・・・外傷は目立つけど、すぐ治るから安心してね」
「あ・・・ありがとうございます。あの、俺はどれくらい安静にしていればいいんですか?」
「そうだね・・・・最低でも五日ぐらいこの病院にいる必要があるね」
「五日・・・・まだ、間に合うか」
「え?」
「いえ、こっちの話です・・・・・分かりました、ありがとうございます」
「それじゃ、先輩。俺は家に戻ります・・・・・留学がんばってください」
「・・・・ああ、じゃあな」
そう言って、光たちは部屋から退出した
残ったのは善弥のみ
「そうだったな、俺は留学するっていう設定だったな」
「才お坊ちゃまこの事は本家には・・・・」
「伝えるな・・・・こんな事があいつらに知られたら今度こそ光たち・・・・いや、この病院にすら迷惑をかける。とりあずお前は本家から連絡があっても、俺はいつものように外でブラブラしていると伝えて置け」
「かしこまりました・・・・本家の養子の件・・・本当に断るのですか」
「ああ、本家にいても俺はあそこでこき使われるに決まっている。金もあるから庶民の暮らしをする分には問題は無い。善弥にはそれなりにいい仕事を渡すように説得はするが」
「それなら、私も本家には行きません・・・・私は才お坊ちゃまの執事。たとえ火の中、水の中、才お坊ちゃまがいるところにはこの善弥全力で付き添います」
「・・・・ありがとう」
「それでは、私はホテルに戻ります。おそらく本家の者が来ると思いますので」
「分かった、そっちは頼む」
「かしこまりました」
善弥は一度お辞儀をして部屋を出た
そして、空を見るとすでに暗くなっていた
「もう、こんな時間なんだな・・・・・月がきれいだ」
才が見上げる空には燦然と輝く星と町を照らす月があった
「こんな、気持ちで月を見るのも悪くないな」
才はそんな風に空を眺め・・・・そして、安らかに深い眠りについた
それから、この四日間才にとって価値のある日々を送った
体調は良くなり、二日で歩けるようになった
光たちは毎日のように見舞いに来てくれ・・・さらには親友の雷牙までもが来てくれた
だが、留学の件の話をされると心が痛かった
自分が嘘をついていることに
だが、そんな風にも才は友人達が来てくれた事にすごく嬉しく思えた
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未来才の過去話、第三話目です 2011年もよろしくお願いします |
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