恋姫無双 新年特別年賀状小説 第一弾
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 俺と愛紗達三国の武将達が三国志の外史から俺が思い描いたこの外史に来てから、約半年が経ち、もうすぐ今年も終わりだ。

 

 

 

 この世界に来てから色々あったけど、最初はもう大変だった・・・。

 

 彼女達にこの世界のルールを教えなきゃならなかったのはもちろんだが、一番大変だったのは勉強だ。元々時代が違うのもあるが、戦乱に明け暮れた時代で数学だの化学だのを彼女達が勉強しているはずがないのだ。そのため俺は、彼女達に一から勉強を教えることになった。

 朱里や華琳のような秀才組は飲み込みが早くてそこまで大変じゃなかったけど、問題は翠や春蘭のような少々頭が・・・・アレな組である。(ここで何ではっきり馬鹿と言わないのかって?それは気にするな)彼女達は生来武芸一貫の為、本当に頭を使うのが苦手である。その為勉強を教えるのには朱里達の手も借りなくてはならなかった。

 

 そして、現在、俺は彼女達と共に聖フランチェスカで、結構楽しい学生生活を過ごしている。

 

 これから話すのは、その中でもかなり印象に残ったシーンである。

 

 

 

・・・俺としては、思い出したくないのもあるけれど・・・。

 

 

 

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  第一話 華蝶仮面の師匠、現るのこと

 

 

 「悪い、三人とも待ったか?」

 

 「大丈夫よ。まだ待って一分も経ってないわ」

 

 「ああ!この程度は待たされたうちには入らん!!私は気が長いからな!!」

 

 「・・・一分以上経つと遅いと当り散らすのが、なんで気が長いと言えるんだ?」

 

 「ぐっ・・・・」

 

 俺の目の前には、私服姿の華琳、春蘭、秋蘭が立っていた。んで、春蘭と秋蘭はいつも通り漫才をしている。

 

 今日は華琳達と一緒にカラオケに行こうと考えていた。まあ要するにデートだ。

 

 ちなみに言い出したのは華琳だけど。

 

 

 「それじゃあ、そろそろ行きましょうか?」

 

 「いや、その前にまず、コンビニのATMで現金を引き出さないと。バイト代とかいつも貯金しているからな」

 

 「なんだ、面倒なことをするものだな!!」

 

 「それだけ北郷殿は金銭の無駄遣いをしないということさ。姉者も見習って欲しい・・・」

 

「な、なんだと秋蘭!!わ、私が金遣いが荒いとでも言いたいのか!!」

 

 「さんざん給料を使い切った挙句、私から金を借りているのはどこの誰だ?」

 

 「うっ・・・・」

 

 何かまたふたりで漫才を始めているし。っていうか春蘭、秋蘭から借金していたのかよ。

 

 「なあ華琳、二人の話、マジか?」

 

 「大マジよ。ついでに私からも借りてるわよ」

 

 「おいおい・・・・」

 

 春蘭一体どういう金の使い方したんだ?

 今度貯金や節約の方法でも教えてやろうかな・・・。

 

 まあそれはともかくとして、俺達はまずお金を引き出す為に近くのコンビニに行った・・・・・んだけど・・・。

 

 

 

 

 

 

 「動くな!!今すぐ金をだしやがれ!!」

 

 

 

 

 

 

 な〜んでコンビニ強盗に巻き込まれるのかね・・・。

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 俺がATMで現金を引き出していて、華琳がファッション雑誌を、春蘭が少年ジャ○プを立ち読みして、秋蘭が胃薬を買っていると、突然覆面姿の6人組の男がコンビニに乗り込んできて、拳銃を構えて、あとはお決まりのパターン、金を出せ、動くと撃つぞ、だ。

 

 「まったく、何でこんな災難に巻き込まれるかね・・・」

 

 「あら、案外落ち着いてるのね」

 

 「以前の世界じゃあ結構修羅場潜ってるからな。それに爺ちゃんや父さんから修行も受けたし、ただ銃を持ってる奴なら問題なく倒せる」

 

 俺の言葉を聞いた華琳は、納得して頷いた。

 

 俺は夏休みに皆と一緒に鹿児島の実家に戻った。

 

 これだけの美女軍団見て爺ちゃんや父さんどう思うんだろう、と心配していたんだが・・・。

 

 なんと爺ちゃんと俺の両親は俺が嫁候補を大量に連れてきたと大喜び。

 

 俺の心配は杞憂に終わったわけだ。

 

 そして俺は爺ちゃんと父さんから修行を受け、愛紗、華琳、蓮華達は母さんから家事等の花嫁修業を受けることになった。

 

 そして夏休み終了後、ようやく地獄の修行が終わり、学園での日常が戻ってくる、と、思っていたんだけど・・・・。

 

 なんと爺ちゃんが面白そうだから着いていくとか言い出して、現在俺の地獄の修行生活は目下継続中である。

 

 ちなみに爺ちゃんの実力なんだが、この前、恋と愛紗、鈴々に星の四人が手合わせをしたんだけど、四人とも爺ちゃんに一瞬でやられていた。しかもあれでまだ本気でないのである。四人は本気を出していたにも関わらず、である。

 

 まあそんな爺ちゃんから特訓を受けているんだ、嫌でも上達はする。今の俺の実力は、大体華琳と同等といった位だ。

 

 まあその気になればこんな強盗団なんか倒せるんだけど・・・。

 

 「・・・あの人質がネックだな・・・」

 

 そう、強盗団は店員を人質にとっているのだ。もし下手に動けば人質にまで被害が及ぶ。そこで俺達は人質を助けつつ、強盗団を倒す策を考案中であった。

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 「・・・現在俺達は武器を持っていない。だから素手でやるしかない。しかし連中はピストルを持っている。このハンデが痛いな・・・」

 

 「そうね・・・、せめて何か武器になるような物があれば・・・」

 

 「くそ〜・・・まだトリコとぬらりひょんの孫を読んでないのに・・・」

 

 「姉者・・・もう少し空気を読んで発言してくれ・・・」

 

 と、(約一名以外)作戦会議中だったんだが・・・。

 

 

 

 

 「ハ〜ハッハッハッハッハ!!!」

 

 

 

 

 突然どこかから笑い声が聞こえてきた。その声は俺がよ〜く知っている声だった。

 

 「だ、誰だ!!どこに居やがる!!」

 

 「ボ、ボ・・ギャフ!!」

 

 と、突然店員さんを人質に取っていた強盗が、何者かによってぶっ飛ばされた。

 

 壁に激突したその強盗は、どうやら気を失ったらしい。

 

 と、いつの間にか店員の隣には、蝶々マスクをつけ、武装錬金のパピヨンそのままの服を着た変人(それ以外の形容法がない)が立っていた。

 

 「な、何だてめえは!!俺達は変態に用はないんだよ!!」

 

 「変態とは失礼な。私の名は美と愛と正義の使者、華蝶仮面BLACK!!貴様ら悪漢を掃除しにやってきたのだ!!」

 

・・・華蝶仮面BLACKって・・・。

 

そういやあ星、仮面ライダーシリーズ、昭和、平成全部見尽くしていたからな・・・。

 

よくよく見たらBLACKの変身ベルトが腰に巻かれてるし・・・。

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「く、くそ、おい。やっちまえ!!」

 

と、強盗団は星、もとい華蝶仮面BLACKに銃口を向ける、が・・・、

 

「な!?き、消えた!!」

 

「ボ、ボス!!上で、うごぱあ!!!」

 

「ハ〜ハッハッハッハ!!!遅い!!遅すぎるわ!!」

 

突如上空に飛び上がった華蝶仮面BLACKは、強盗団の目の前に飛び降りると、手に持っていた槍で強盗団を一瞬で蹴散らした。

 

「さて、残るは貴様一人になってしまったが・・・、どうするつもりだ?」

 

「く、くそ・・・・!」

 

と、突然俺の方を見た強盗団のボスが、俺の首根っこを掴み上げ、頭に銃口を押し付ける。

 

「む?また人質か。なんとも卑怯なものだな」

 

「だ、黙りやがれ!!よくもやってくれやがったな!!いますぐ武器を捨てやがれ!!」

 

「ふっ、武器を捨てろ?何を言っている。たとえ武器を捨てても貴様を痛めつけるのにはこの素手で充分なのだぞ?貴様を守る仲間も、もう居まい?」

 

華蝶仮面BLACKの言葉を聞いた強盗団のボスは、にやりと笑みを浮かべると、一回口笛を吹いた。すると裏口から強盗団と同じ格好の人間が20人以上出てきた。

 

「む、まだこれだけいたか。驚きだな」

 

「当たり前だ!!もしものことも考えてあるんだよ!!さあ、武器をさっさと捨てやが・・・「ぬはははははははははは!!!」・・・な、またか!?」

 

と、強盗団のボスがわめき散らしていると、再び笑い声が響き渡った。

 

こ、この笑い声は、ま、まさか・・・・。

 

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「な、なんだて・・・ひでぶ!!」

 

「お、おい、こいつ、つよ・・・あべし!!」

 

と、次々と侵入してきた強盗団が蹴散らされていく。あるものは天井に突き刺さり、あるものは壁に突き刺さり、とにかくあっという間に20人以上いた強盗団は10人程度に減っていた。

 

そして、店の裏口の前には、二メートル以上の筋肉ムキムキのどこかバッタを模した仮面とベルトを装着した爺さんが立っていた。仮面で顔を隠していても、俺はその人物が誰だかよ〜く知っていた。

 

 

 

(なにやってんだ爺ちゃん〜〜〜〜〜〜!!!!!)

 

 

 

間違いない、その人物は俺の祖父、北郷玄刀だった。一体こんなところでなにやってるんだよ爺ちゃん!!

俺が心の中でそう叫んでいると・・・。

 

「なにをやっておる華蝶仮面BLACKよ!!お主の実力はそんなものか!!」

 

「これは・・・、師匠!!」

 

師匠〜!!?いつから爺ちゃんは星の師匠になったんだよ!?

 

「な、何だてめえは!!そいつの仲間か!?」

 

「わしか、貴様ら悪党に名乗る名前はないが・・・、よかろう名乗ってやろう!!

 

 

 わしこそ華蝶仮面の師匠、無双仮面である!!貴様ら悪漢を成敗しに参ったのじゃあああ!!」

 

 

 

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・・・・む、無双仮面って・・・。

 

まあ確かに爺ちゃんは無双だけどさ・・・。

 

「ふ、ふざけてんじゃねえぞ!!この爺!!今すぐ冥土に送ってやろうか!!」

 

「わしはまだ二十歳じゃ!!じじいでなくてお兄さんと呼べい!!!」

 

「うるせえ!!この人質が眼に入らねえか!!」

 

「人質じゃと?そんなもんどこに居る?」

 

「へ?ぐぎゃああああああ!!!」

 

ちなみに俺は爺ちゃんが出てきたときに強盗団のボスの腕の関節を外して既に脱出していた。あれだけ隙があれば、これくらい楽勝だ。

 

「あの一瞬で関節外して逃げるなんて、やるわね」

 

「これも日ごろの修行の賜物さ。華琳もやれば出来るようになるよ」

 

「冗談じゃないわ。私はまだ三途の川を渡りたくないの」

 

俺の言葉に華琳は顔をしかめる。まあそれもそうだろう。何しろ俺が爺ちゃんとの修行で何度も意識不明になったのを見ているから。

 

「ところで北郷殿、あの無双仮面なのですが・・・」

 

「・・・頼むから何も聞かないでくれ・・・」

 

「・・・左様ですか」

 

秋蘭が俺に質問してくるけど、俺の言葉を聞いて察してくれたのか、何も聞かなかった。それを見た華琳も、何か言いたそうだったが、こちらを一瞥しただけで何も言わなかった。むしろ俺としてはそっちのほうがありがたい。

 

「むう、あの無双仮面という老人、相当な使い手だ!!一刀の祖父殿と互角なのではないか!?」

 

・・・約一名、空気の読めないのがいたな。

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 そうこうしているうちに強盗団は爺ちゃんと星によって次々とぼこぼこにされていった。そりゃそうだ。一人は蜀の豪傑である趙雲子龍、もう一人は天下無双の剣豪、無双剣皇北郷玄刀だ、たかが銃で武装した強盗程度が勝てる相手じゃない。

   この二人に勝つのなら、せめて米軍と空母と核ミサイルを用意するべきだ、まじで。

 

    「う、嘘だろ・・・おい・・・」

 

    自分の手下が次々とやられていく光景に、強盗団のボスは信じられないという表情で見つめていた。やがて、強盗団が全滅した後、爺ちゃんと星がゆっくりと強盗団のボスを見据えた。

 

    「さて・・・覚悟はいいかのう?」

 

    「せいぜい辞世の句でも読むといい」

 

    「ひ、ひいいいいいいい!!!!」

 

    ついにパニックになった強盗団のボスは拳銃を爺ちゃんに向け、撃った。

 

    その弾丸はまっすぐに爺ちゃんの頭部目掛けて進んでいき、そのまま爺ちゃんの頭部を貫いた、かに見えた。

 

    「ふん!!」

 

    と、爺ちゃんが目の前で大きく手を鳴らす。そして手を開くとそこには発射された銃の弾丸が鈍く光っていた。

 

    「これぞ、無双流超絶無敵奥義、弾丸?み」

 

・・・・超絶すぎるだろ・・・・。

 

    この光景には華琳も唖然としていた。

 

   「ば、化け物おおおお!!!!」

 

   「む、失礼な奴じゃのう。ゆけい!BLACK!!」

 

   「はい、師匠!!」

 

   爺ちゃんの言葉を聞いた星が強盗団のボスに槍を向ける。

 

   「貴様のごとき外道、もはや許すわけにはいかん。我が奥義で葬ってやろう!!」

 

   「ま、待ってくれ!!俺がわる・・・」

 

   「無双流超極仰天奥義、星雲神妙千手観音撃!!!!!」

 

   「ぎやああああああああ!!!!」

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   そして、ようやく警察がやって来たとき、もう既に全ては終わった後であった。

 

   爺ちゃんと星は、強盗団を全滅させた後、「正義は勝つ!!」とか言ってどこかへ行ってしまった。

 

   その後俺達は、まあカラオケに行ったんだけど、今日の衝撃が凄まじかったせいであまりテンションが上がらなかった。

 

 

 

 

 

・・・訂正、春蘭はいつも通りだったな。

 

   そして俺達は夕方頃に家に帰ってきたんだけど・・・。

 

 

 

   「ご主人様!!華琳達とどこへ行っていたのです!!」

 

   「お兄ちゃん!!今度は鈴々も連れて行って欲しいのだ〜!!」

 

   「はわわ〜・・・、私もぜひ〜」

 

   

 

  皆にもみくちゃされました。

 

  その後俺は愛紗に二時間説教を喰らって、夜中に華琳達魏のメンバーに夜這いされて精も根も尽き果ててしまいましたとさ・・・・。

 

 

   しくしくしく・・・。

 

 

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   「いやはや、今日は助太刀、ありがとうございます。師匠」

 

   「フォッフォッフォ、気にするでないぞ星ちゃん。わしも少しばかり出番が欲しかったでのう」

 

   「はっはっは、なるほど。しかし主も今夜は大変でしょうなあ。今頃華琳達に搾り取られていることでしょう」

  

   「まあ大丈夫じゃろう。あやつはわしの孫じゃからのう。わしなどもっと凄かったぞ?」

 

   「ほう、そうですか。一体どれほどの女子を手篭めにしたので?」

 

   「う〜む、抱いたので言えば約100人、ただ惚れさせたので言えばもっといるかのう?」

 

   「なんと!さすがは主の祖父殿であらせられる。主を越える数の女子を抱いたとは!!」

 

   「まあ昔の話じゃよ。今でも昔の恋人達にしばしば会いに行っておるでのう。まあ、全員婆さんになってしまったがの」

 

   「はっはっは、しかし老いてもなお昔の女子を愛するとは、師匠は主と似ておりますな」

 

   「それもそうじゃ。一刀はわしの孫じゃからのう!フォッフォッフォ!!」

 

  月夜の中で二人の笑い声が響いていた。

 

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 あとがき

 

 どうも皆さん、いかがだったでしょうか?正月の年賀状小説第一弾。

 

 まだまだ作っていきますのでどうか楽しみにしてください。

 

 さてこの作品の舞台ですが、無印ハーレムエンド後の外史がメインになっています。

 

 その為現在連載中の作品とは全く・・・とは言い切れませんが、繋がりませんのでご注意を。

 

 今回のテーマは華蝶仮面とその師匠が出てくる話、まあ説明しなくてもいいですね。

 

 次回予告、題名は名付けて『一刀と学園祭とウェディング』です。

 

 どういうのかは・・・、見てのお楽しみで。

 

 何?想像できた?でもネタバレ禁止ですよ♪

 

説明
 皆さん、新年いかがお過ごしでしょうか。

 今回新年特別企画として、いつもご覧頂いている読者の方々への年賀状替わりに小説を投稿させていただきました。

 舞台は無印恋姫のハーレムエンド後の世界、残念ながら連載小説と一切関係ありませんが。

 では、どうぞご堪能ください。
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コメント
次の話ってもしかしてOOO&W&スカル? しかし思った以上に面白いな。(笑)そして春蘭、トリコはすぐに読め。掲載順的には早いほうだろ(笑)(BLACK)
これはこれで、話を続けて欲しい!!(シン)
…一刀の爺さんについて、さらっとトンデモナイ事が書かれてないか!?他の恋姫武将を3人位までなら一度に相手取れる、天下の飛将軍・呂布こと恋。更に蜀の五虎大将軍の内3人を加えた、恋姫武将でも上位級の4人で挑んで、一瞬で敗れたって…。マジで何処のサ〇ヤ人ですかい!?(クラスター・ジャドウ)
↓いいですね、星は個人的には苦手なキャラなので(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
ふぅ・・・平和じゃのうw (よーぜふ)
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恋姫無双 真・恋姫無双 新年特別企画 恋姫祭り 

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