恋姫無双〜天の断罪者〜4 |
どうもです。
いやはや、自分の文章力のなさにほとほと呆れながらも書いてみました。
読んで頂いて面白いと思ってもらえれば幸いです。
陳留の街を出てしばらくして貂蝉が一刀に尋ねた
「そういえば、先ほどの戦闘でなんで身体に負担の掛かる神衣なんて使ったのかしら?別に使わなくても勝てたでしょう」
神衣に限らず彼らが使う技の極みは身体に異常に負担がかかる。使い手によっては使った後暫くは力が落ちてしまう(普通は全く動けない)
「…それが全力で来る彼女に対しての礼儀だと思ったからこそ使ったまでだ。それに、力が落ちても別段問題もないしな。彼女達にも負けることもないし」
貂蝉は相手の気持ちをくみ取り、全力で答える姿勢は確かにすばらしいが、一刀がどこか生き急いでいるように感じていた。
「まあ、ご主人様がそういうなら私からはもう何も言わないわ」
「…助かる。そういえば貂蝉「なにかしらん」…俺の得物はどうした?」
華琳とのことでどたばたしていて得物と案内役を後から送るといわれていたことをすっかりと忘れていた
「…ああ、そのことね。よっこいしょっと」
そういって12個のキーホルダーと3尺位の剣、グローブを投げつけた。一刀はそれを受け取り、剣とグローブを見て「…桜花、光靱 (こうじん)か…なんでこの2つを持って来た」
「半分は面白そうだからよ〜、そしてもう半分がせっかくあの子が、貴方達が持っている特殊な鉱石を使い貴方専用の武器を作ったんじゃない。あの子の為にも使ってあげるべきじゃないかしら。」
「…わかった。その代わり、獲物はこの2つでいい。残りは今はいい」
そういって、剣(桜花)とグローブ(光靱)以外を返そうとしたが貂蝉が受け取らず
「その大きさじゃ邪魔にならないんだし、もっておいていいんじゃないかしら。…それに、あの時のように後悔しなくてすむかもしれないわよ」
「…しかしだなあ……誰か近づいてくるな」
近づいてくる強い氣と砂煙に気付きそちらを見ると……卑弥呼だった。なにかあったと思いよく見ると、2人ほど担いでいた。…というよりも拉致してきたような格好であった。
「…おお、そこにおったか。…実は言い難いのだが、荀ケ殿を見失ってしまったのだ」
「…何があったんだ?あんたが人を見失うとは意外だな…で、そちらの御二方は誰なんだ。まあ、一人は気を失っているが」
一刀が不思議そうにしていると
「…ああ、すまない俺は医者を生業としている者で名は華陀だ、よろしく君達は誰だ?卑弥呼の知り合いなのか?」
「(この人が有名な名医の華陀か…別に全員が性別転換しているわけではないのか)此方こそよろしく。自己紹介の前に卑弥呼何故、見失ったんだ。それと、この2人が此処にいる経緯は?」
軽く挨拶を済ますと卑弥呼に理由を問いただす
卑弥呼曰く、袁紹から盗賊討伐に向かうように言われたらしく、森に入るところまでは確認したが、この男性がいて、討伐対象とは別の野党と何かもめているのを見かけ、ついつい好みの男性のほうを助けてしまったらしい。
「えーと…まあ、それはご愁傷様だな…野党が。で、この女性は」
未だに気を失っている女性に目を向けると
「うむ、実はよく分からん。「…しばくぞこら」そう怒るでない。きちんと説明するわ。気の短い男よそんなんでは真の漢女にはなれんぞ「別になりたくはない」…短く説明するとだな、わしを見たとたん斬り掛かってきたので気絶させたのだ」
何処をどう突っ込めばよいか分からないがとりあえず「卑弥呼あんたの格好を見れば大抵の人間は気絶するか、斬りかかると思うぞ。ちなみに貂蝉もだが」
いきなり話を降られた貂蝉と納得いかない卑弥呼が講義する
「「何処をどう見たらそうなるのよ(なるのじゃ)」」
「そのまんまの意味だ」
いままでこのやり取りを見ていた華陀が申し訳なさそうに
「盛り上がっているところすまん。話を元に戻すが、改めて君達は名何者なんだ?」
一刀たちは自己紹介の途中だったことを思い出しせきをひとつして
「すみません。俺の名は北郷一刀といいます。好きに呼んでくれてかまわない。で、こっちのば…ではなく、漢女が貂蝉で、君を助けたのが卑弥呼詳しく話している時間が余りないのである程度は省くが、この世界を安定させる者といったところか」
この言葉に卑弥呼、貂蝉が驚きつつ「あら〜、安定させることに決めたのね〜」と貂蝉が「しかし、まだ全てを見定める前に決めてよいのか?」と卑弥呼が一刀の言葉に食い下がる
「いいんだよ。まだ見定めてはいないが、この世界を消すには惜しいと感じたまでだ」
「そ〜よね〜。あの曹操ちゃんだっけ、なんとなく貴方が愛した人の妹に似ているものね。そう考えてもおかしくはないわね」
「なんと、もう少し公平な目で見るべきではないか」
貂蝉、卑弥呼が色々というが当の本人は
「(卑弥呼お前が言える立場か)…そうじゃない。此処に来て詳しく分かったが、この世界を軸に様々な世界が生まれているんだ。もし、この世界を消滅させるということは、今まで安定していた世界を壊すということに繋がる。そんなことは俺達の領分じゃないし趣味でもない」
もっともらしいことをいってはいるが一刀からすれば確かに貂蝉の言う通り最愛の人の妹と瓜二つの人がいる世界を消滅させたくはないと言うのが本音であったりなかったりする。それを見抜いているこの2人もさすがというべきか
「…まあよい。おぬしがそう決めたのだ…ところで見失った荀ケ殿はどうする。探すのは簡単だが、助ける為の仕掛けをする時間はないぞ」
「…(元をただせば見失った張本人が言うか)そのことならどうとでもなるだろう。幸い俺の獲物も来た事だし、探そうと思えば何処にいても探せる」
話を聞きながら華陀は一刀の体を見て
「その身体で何ができるというんだ。俺が見た限りでは立っているのがやっとという感じだぞ…無理をするのは医者としてほっとけないな」
体の不調を感じ取り止めようとするが意外な言葉が返ってきた
「別に無理ではない。確かに普通の人ならば立っているのがやっとだろうが、俺達からすれば普段と変わらない状態といえる。最も、若干戦闘に支障をきたすが特に問題ない」
一刀の言葉に卑弥呼、貂蝉が共に頷き
「そうだ、ダーリンが気にする必要はないは。こやつからすればこの程度はいつものことよ」
「そう〜ね、これくらいで、動けなくなるようなら戦う側としては楽なんでしょうけど」
卑弥呼と貂蝉の言葉にただ驚きを隠せない華陀だが
「…そうか、だが無理をするのはよくないぞ、もし無理をしていると感じたならどんな事をしてでも止めさせてもらう」
華陀の強い意志のこもった眼を見てこの男はとても強いと感じた…妹と同じくらい
「…分かった。探す前に、気絶しているふりをしているこの子の話を聞こうか」
一刀と卑弥呼そして貂蝉はもう一人の少女に視線を向けると少女が体を起こした
「…何時から気がついてたんです?」
「そうだな、俺達が自己紹介し始めたあたりからかな。それで、どうして目をそらす」
「…私の名は曹仁といいます。その、えっとそこにいるものをできるだけ見たくないからといいますか、視界に入れたくないといいますか」
そういって貂蝉達を指差す姿に一刀は内心納得していたがまだありそうな気がして
「まあ、確かにあいつ等は視界に入れたくなくなるのは分かるが、それだけなら、俺や華陀とも目をあわさないようにしているのは何故だ」
曹仁の髪を掻き分ける目が合うと悲鳴と共に斬りかかった
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああ」
一刀は逆に押さえ込んだその格好が逆に貂蝉達を刺激した
「ちょっっっっと、なんて格好しているのよ。私と代わりなさいよ」
「そうじゃ、何と羨ましい格好をしておるのじゃ」
「…その、いつになったら放してくれるのかしら」
「…その獲物をさげてくれるなら考えてもいいが」
両者は睨み合いというより目を見ないようにしながら、一刀は押さえ込み曹仁は、逃げ出そうと足掻いている
「…なあ、いっせいに放すということでどうだ」
「…それでいいでしょう。あと、もう私と目を合わせないようにしてくれないかしら」
「分かった。では、放そう」
そういい、一刀は技をとき曹仁は武器をさげると改めて自分のことを話し始めた
「ようは、過度の期待と注目を浴びたせいで人と目を合わせることができなくなってしまったと。それを治そうと武術を学んだが治らずある意味逆効果になってしまったというわけか。で、いまは荀ケと一緒にいるわけだ」
一刀の言葉に頷く曹仁がふと疑問に思ったことを聞くことにした。後ろで口論している2人は視界に入れないようにして
「ところで、ケイ…荀ケさんを探しに行かなくていいんですか?」
「ああ、それなんだが一つ確認したいことがあるんだが。この2人のどちらかに担がれるのと、俺が担ぐのどっちがいい?」
質問の答えではなくいまいち分からない質問をされ「どういうことですか?」と逆に聞き返した。
「いやなに、俺達が担いで運んだほうが早いから、連れて行かれるなら誰がいいかなあと…そう思ったわけです」
「…なあ、俺には聞かないのか?なんだか蚊帳の外なんだが」
今迄見守っていた華陀がなんだか決まっているような気がしたがいちよう聞いたみた
「悪いんだが、華陀のことはこの2人が運びたいと思っているらしく、さっきからその口論に代わっているんだ「馬を使えばその心配はないんじゃ」普通はそう考えるが、馬よりも早く隠密性がある俺達が直接移動したほうが早いんだ」
曹仁は信じられないといった雰囲気だが此処までつれてこられた華陀は「なるほど」と頷いていて…それから思い出したように「しかし、俺はこの先の街に用があるんだが」
それを聞き貂蝉達はこの世の終わりであるかのような顔をしてうなだれた。同情はしたくないが今後のことも考え
「…なんだったら華陀についていってもいいんだぞ「本当か!!」…ただし、仕事はきちんとしろよ」
「それは大丈夫だ!!しかし、今後はお主だけとは、彼らに報告する際どうすればいいのか」
卑弥呼は嬉しさ反面、連絡役としての役目を放棄するようで若干心苦しかった…ように見える
「そ〜ね〜。私も踊り子じゃなくて服屋の経営がきになるし。どうしたものかしらね〜」
貂蝉にしてはもはや自分のことで頭が一杯のようだそこへ一刀が
「問題ない。あいつ等の事だから時々確認はしているだろうし、来ようとすればこれるんだから問題ないだろう。それに案内役といってもこの世界をどうするかどうか選定するまでの間のはずだからな」
一刀がそういうな否や曹仁が別のところで反発してきた
「じゃあ、さっきの質問は意味がないじゃないのよ」
「…ああ、そうだったな。けれど、この2人がどうしてもついてくるんだったら意味はあるんだが…それについては謝罪しよう。すまん」
「それではわしはダーリンについていこうかのう」「俺は別にかまわないんだがいいんだろうか」なんとなく疑問に思っているが
「なら私は、経営していた服屋にでも戻ろうかしら?ご主人様、気が向いたら覗いてね〜」
「華陀あんたは気にする必要はない。こいつそれを望んだんだから。あと、気が向いたら覗くとしよう。それじゃお三方いつかめぐり合える日を楽しみにしているよ…じゃかん会いたくないのもいるが…それじゃ曹仁さん時間がないから飛ばすよ」
相違って曹仁を誘拐するかのごとく問答無用で連れて行った。それも、なぜか担ぐのではなくお姫様抱っこの状態で…
「いったか。ダーリンそれではわしらも行くとするかの。貂蝉途中まで一緒行くか」
「いいわよ〜。2人の邪魔をするつもりはないわ〜。それじゃ2人とも元気でね〜」
「…ああ」
華陀は卑弥呼と一緒に近くの街へ、貂蝉は洛陽にある服屋に戻る事にした。
一方、一刀に拉致られた曹仁は内心驚きと恥ずかしさで戸惑っていた
(こ、この格好は意外と恥ずかしいんですが。いえ、それよりもどうしてこんなに早く移動できるんですか。それにしても、なんでしょうこの気持ちい感覚は…)
そんなことを考えていることも知らず一刀は卑弥呼が見失ったと思われる場所に着くとあっさりと下ろした。
「ついたぞ。しかし、ここからが若干大変だが。ところで、なんで睨みつけてるんだ」
「…何でもありません。けれど、どうやって探すんですか。ここ意外と広いですよ?やっぱり、さっきの2人にも来てもらったほうが良かったのではないのですか?」
すぐ下ろされたことには不満はあるが今は友達のことが心配である。が、やはり、もう少しはあのままでいたかったと思ってしまう。
「その辺は心配ない…さて、これを使うのは久しぶりだな…獅幻流鋼糸術探索式大海…」
そういうと光靱を装着した手をあわせ気を込めるとそこから無数の鋼糸があふれ出し大地へと吸い込まれていった。
「??…なんなのただ、糸状の物が地面に吸い込まれただけじゃない。そんな物がなんの役に立つって言うのよ」
先ほどの氣の量には正直驚いたが、今はそれ所ではなく一刻も早く探し出し合流しなければならないという感情からどうしても焦りが見えはじめていた
(…この男は何をやっているのだろうか。桂花の言う通り男を信用しないほうが良かったのかしら?もしかして、探すのは口実で人目のつかないところで襲うつもりなの?もしそうなら先ほどのやり取りも全部芝居ということ…こうなったら気付く前に逃げようかしら?でも、さっきの速さから逃げられるかな……弱気になっては駄目よ鈴華。逃げないと私の貞操が危ない…)
そんなことを考えて武器を構えながら後ろに下がろうとした矢先
「…おい「は、はい」、見つけたぞ。ここからそう遠くないな。だいたい3町ぐらい先だ…って何で戦闘態勢のまま後ずさりしてるんだ…」
「…これは、気にしないで下さい。それよりもほっっっっっっっっっっとうに見つけたんですか?なんか信用できなくなったんですが?」
「…何故信用できなくなったのかは疑問だが、ここに来るまでに教えてもらった荀ケの特徴とおおまかの兵士の状態から推測して間違いないはずだが。だからなんで後ろに下がるんだ??」
話している最中も後ろに下がっている曹仁に対して疑問を浮かべる一刀に対し
「…だって、荀ケさんが男は女性と見たら見境なく襲ってくるって言っていたものですから。先ほど糸状の物が大地に吸い込まれただけで探そうともしなかったので…もしかしたら襲う為の口実かと思ったわけでして…」
「…男がみなそうじゃないとは言えないが「やっぱり襲う気ですか」話を聞け。…俺としては前の恋人に失恋?して若干恋愛に臆病になっていて不安で逆に女性を遠ざけようとしているんだが…ここへ来たのも休暇中というか、それを克服する為であって襲ったら意味がないじゃないか」
一刀の話を聞き曹仁は視線を合わすのは得意ではないがとりあえず目を見てみた。武を教えてくれた師匠がウソをついている人の眼は淀んでいるといっていたのを思い出したからだ。
「…今はその言葉を信じます。嘘をついている眼ではないので。それでは急いで、荀ケさんに合流しましょう」
「ありがとう。…しかし、俺は合流しないぞ「何故です?」…まず、その荀ケさんに信用されていないことと、彼女らの後方に約1,000ほどの賊が潜んでいること、これは俺が引き受けるとして…まあ、後は彼女がどんな戦いをするのか興味があるからかな。あ、心配しなくても君のことは近くまで送るから安心してくれ」
笑顔でそういわれ、なぜかは分からないが大丈夫なような気がした曹仁だが、いくらなんでも無謀ではないかと一抹不安があるのも事実である
「送ってくれるのはありがたいが、本当に大丈夫なのか?確かに武にいたっては先ほどのやり取りから問題ないだろうが、本調子ではないのだろう?」
先ほどの華陀の会話の内容を思い出しそんな状態でいくら賊でも約1,000人を相手にできるのかとあったばかりの人を心配してしまう。…そんな自分に驚いているのも事実だ
「まあ、問題ない念のために先ほどの技は解いていないしすぐに終るだろう。そうだな、荀ケさんには大きな爆発があったら後方の憂いはなくなったと伝えてくれ。あと、このあたりの戦闘が修了し次第伺うとも」
「…わかったわ。それなら早く送ってくれないかしら?急ぐんでしょう」
この状況で笑顔でいられるこの人をなぜか信用したくなったが、ほんの少し納得はできていない。しかし、これ以上言っても無駄であろうと感じ取れるし、もし可能なら後で助けに行けばすむと考え、今は早く合流することにした
「それじゃ運ぶぞ」
そういって再びお姫様抱っこの状態で近くまで運ばれることになった。といっても瞬く間に荀ケの部隊が見える位置に到着し、曹仁はすぐさま部隊に戻っていった。それを見届けると一刀は後方の賊を片付けに向かった。
一刀が曹仁と分かれたときと同じくして荀ケは不安と困惑の感情でぶつぶつとつぶやき続けていた
「全く、あの子は何処にいったのかしら?まあ、あの子の事だから何も問題ないとは思うけど…それにしてもここまで帰ってこないなんてやっぱり何かあったのかしら…はっ、もしかして、途中で大勢の男に襲われているんじゃ。そうね、それしか鈴華(曹仁の真名)がいなくなる理由なんて、そして……」
荀ケがなにやら不穏当なことを考え出した頃
「荀ケ様「……」荀ケ様「…は、なによ」ただいま、曹仁様が戻られました」
「なんでっすって。ちょっと早くここに連れてきなさいよ。まったく、この私にこんなに心配かけるなんて……どうしてくれようかしら」
とそこに曹仁が申し訳なさそうな表情ではあるが、戻ってきた。若干頬が赤いのが気になるが、今はそれど頃ではない。
「一体今まで何処に行っていたのよ。まったく、離れるなら一言いってからにして欲しいわ。…それで、一体何処にいたのよ説明して頂戴」
「ええとですね……」
荀ケは曹仁からこれまでの経緯を聞いて若干頭が痛くなった。しかも、よりによっても男なんかにここまで送ってもらったなんて、考えたくもなかったがそれよりも大切なことがあった。
「しかし、後ろの敵はどうしようかしら?「あの、一刀さんは任せろいっていたんですが」そんなの信じられるわけ…何事よ」
今後のことを話し合おうとしようとした矢先、後方から大きな爆発が起きた。兵の1人が「後方で大きな爆発がありましてどういたしましょうか?」そのように報告してきて荀ケは「すぐに確認してきなさいよ。全く愚図ね」と指示を出したところで矢文が足元に突き刺さる。
「何夜こんな忙しいときに」「なんでしょうかこれは…手紙が付いてますね」
曹仁は手紙を広げると
『ええと、細かい話は抜きとして荀ケ殿が疑問に思っている後方の賊は全て片付けたことを報告しようとした次第でして。
なにぶん信用していない様子でしたから。まあ、確認したければどうぞご自由に
追伸
曹仁殿、いつから名前で呼ぶようになったのでしょうか?
まあその辺は気にしないのでいいんですが。では、貴女方の活躍を楽しみにしています。
北郷一刀』
「いつから見ていたのよ。この文だと爆発よりも前ということになるんだけど…まあ、いいわ、誰か確認に何名か出てくれないかしら。後は、目の前の敵に集中するわよ。…鈴華、貴女には期待しているわよ」
「はい」
曹仁が自分の成り行きを説明し終わった時、北郷一刀は近くで2人を見守っていた。
「さてはて、意外と早く終ってきてみれば何やってるんだか。まあそろそろ無効の仕掛けも動く頃だし場合によっては、手紙でも書くかな?にしても、いつから名前を呼ぶようになっているんだ。ま、いいか。さて、向こうの仕掛けがそろそろ発動する頃か」
一刀は荀ケたちに出す手紙を書き始めた頃後方1町では賊たちが一つの繭の中で張り付けられていた。繭といっても最早手の平サイズとなっていた。そして、数秒後いきなり繭が爆発し、張り付けられた状態で賊たちは四散した。
兵士の何人かが爆発のあった場所を捜索すると息を引き取った賊たちを発見しすぐさま報告に戻った。報告を聞き荀ケは
「そう。どうせなら後方とは言わず全員片付けてくれると楽なんだけど。やっぱり男って融通か利かないわね。まあいいわ。このふざけた奴に会うためにも手っ取り早く終らせるわよ」
二刻後戦闘が修了し荀ケ達は帰路についている
「さすがは王佐の才といった所か。さて、どうやってあったほうが面白いかな?…やっぱり最初の案で行くかな。じゃ、準備準備と」
一刀は未だに荀ケに会っていなかった、曹仁との出会いが面白おかしかった為、荀ケにはどうやって会った方が面白いかばかり考えていたころ当の本人たちは
「…で、この変な手紙をよこした本人はいつ現れるのかしら。全く、何が『戦闘が修了次第伺う』よ。ぜんぜんその気配もないじゃない。どうして男ってこう愚図ばかりなのかしら。ねえ、鈴華その北郷一刀が今何処にいるか分からないの」
「すみません。…ただ近くにいることだけは確かみたいです。でも、何で会いにこないのでしょうか?」
「全く、どうせくだらない理由でしょうけど。まあ、男なんかに会わなくて済むならそれに越したことはないけど……何かしら何かこう悪寒がするんだけど。元はといえば袁紹も袁紹よこんなことにこの私を使うなんて、頭のネジがどうかしてるんじゃないかしら」
その言葉に周囲がある意味同意とも取れるため息を付いた。人が一人は入るくらいの袋が上から落ちてきた。…何の前触れも無くしかし、なんだと周囲の兵が集まりだした。荀ケは…
「…どうしてこんなところで袋が落ちてくるのよ。意外と袋の中にいるんじゃないかしら?もしそうなら滑稽ね。やっぱり男なんて袋につめてどこかに埋めた方がいいわ」
「そうだよなあ。けど、一番かわいそうなのは袋詰めにされた彼女だな。しかし、埋めるとなるとどの辺にしようか?きちんと自己紹介する前に人の名前を言うんだからこれくらいはしょうがないだろう。」
「そうよねえ。勝手に名前を言われるのは腹が立つね。あなたも言うじゃ……ない……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁちょっと、誰よあなた。それよりも、鈴華は何処に行ったのよ。すぐに答えなさい。だからといって近づかないでよ、この変態、バカ、うつるでしょうってちょっと無視しないでよ」
いままで曹仁がいた場所になぜか見知らぬ男性が立っていた。その男北郷一刀は荀ケを無視してもぞもぞと動く袋の口をあけると中からなぜか曹仁がでてきた。しっかりと手足が縛られて、猿ぐつわがはめられている。一刀はそれを外すと
「ちょっといくらなんでも酷くないですか?一様女の子なのにこの扱いわ。手紙では許すみたいなことを書いてたじゃないですか」
「いやあ。よくよく考えたら俺からきちんと自己紹介していない状況で、いきなり名前を言われると若干悪戯したくなると言うか。…まあ、自己紹介しても好きに呼べとは言うが」
そこへいままで意図的?に無視され続けられていたのに荀ケの我慢の限界がきた。自分に会いに来たにも拘らず、話しかけるどころか無視してくれているこの人に対する嫌悪感が増してきた
「ちょっと。私に会いに来たといいながら何よ、結局は鈴華に会いに来ただけじゃない。だから男はやなのよ。しかも、人を脅かすだけ脅かして無視して他の女と話しかけるって一体どういう神経してるんだが。っていい加減私の事を無視するのはやめなさいよ」
「ああ、すまない。自己紹介は落ち着いてからするとして、こうしてみると外見はかわいいが、中身は激しい気性だな。……外見通り猫みたいだな」
「ちょっと、外見通りってどういう意味よ「…だって、猫耳つけてるじゃ」これは別に狙ってるわけじゃないわよ。男は見た目だけで選ぶんだから嫌なのよ。死んでくれないかしら…今すぐ目の前で。は、やめてほしいわね。眼が穢れるから」
「えらい嫌われたものだな「…いつもあんな感じですが」…そうか。詳しい話はまた後で話すとして、まずは自己紹介をさせてくれ」
「まあ、いいわよ。5文字以内で話なさい。さもなくば息をしないで穢れるから」
「なんとなく貴女とのやり取りの仕方が分かった気がする。とりあえず、俺の名は北郷一刀といいます。詳しくは2人っきりになった時「ふざけんじゃないわよ」というのは冗談で、曹仁さんを交えて3人の時になったら話します。」
「分かったわよ。私は知っているかもしれないけど荀ケよ。そのかわり、袁紹に報告が終ったらちょっと付き合いなさいよ「ちょっと桂花まさか」そんなんじゃないわよ。ただ単に愚痴に付き合ってもらおうかと思っただけよ」
それくらいなら別に時間も取られないだろうとここで思ったことが後で後悔することになるのだがそんな事になると思わず安受けあいする一刀だが曹仁が重要なことを思い出した。
「ところで、いつまで縛られたままなんですか?ずっとこのまま何てことな無いですよね」
遊び半分で一刀は眼をそらすと「嘘ですよね。…でも、貴方が一生面倒見てくれるならそれでも」なにやら不穏当な発言が聞こえたので鋼糸を解く
「問題も片付いたことだし荀ケさんそろそろ移動しませんと街に着くのが遅れてしまいますよ」
「全く誰のせいよ。はあ〜なんだか余計な荷物を拾った気分だわ」
その後野営地にてきちんとした自己紹介と自信のことについて説明を行い、初めは嘘八百だといわれたが一刻による説明を聞くにつれて荀ケも納得した様子だった。それからは、荀ケに近づこうものなら罵詈雑言の嵐になるので出来るだけ近づくことなく街に着くことになった。
いやはや、キャラの個性が出せているかどうか不安な物となってしまったが、今回はこれでしまいです。
次回は、桂花が居酒屋で暴れます。それはもう誰もが呆れるくらいに…そういうものを書けたらいいかなと思っております。
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病気やらバイト疲れやらで随分かけない時期が続いたもので約1ヶ月ぶりです。 もし恋姫無双にこんな設定があったらと書いてみました。 世界の守護者の一人である一刀が外史と呼ばれる三国志の世界で魏・蜀・呉の人々と触れ合い?ながらその世界が破戒するのか、それとも存続するのかを見定めていく物語です。基本中立的な立場からどの勢力にも属しませんが、一時的に属することはあります。 今回は真・恋姫無双には出てこなかった曹仁を出そうかと思っています。 |
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獲物→得物 工具図→こう愚図(斑鳩弍號) 曹仁はすでに堕ちているのか(VVV計画の被験者) ヒトヤ犬様痛い思いというよりも桂花で遊んでみたいと思っております(ノエル) 「見た目だけで選ぶから嫌」・・・お前が言うな、たまには主人公キレて桂花に痛い思いさせる描写が欲しい(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) 桂花ってウザイから嫌なんだよね。(西湘カモメ) |
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