そらのおとしものf 番外編 『カオスのとある日常(いちにち)』
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今日は平日、学生は基本的に学校、大人も仕事に出かけてます。

しかしここ桜井智樹の家では一人の少女がいた。

 

「♪〜♪〜」

 

その少女の名はカオス。正式名称は第2世代エンジェロイドタイプε(イプシロン)カオスであった。

カオスはかつて空に存在するシナプスのマスターに命令され、イカロスとニンフの破壊を命じられたが、カオスはそれを無視。二人が裏切るきっかけと言われた「愛」と言うものに興味を示しながらも二人を苦しめた。

イカロスの決死の攻撃により、カオスは海深くへと沈められたが、その際にイカロスは自身のマスターである桜井智樹の事を考えると動力炉(人間で言う心臓部)が痛いとカオスに告白。

カオスは痛みを愛だと間違った見解をしてしまい、海の中で魚を大量に殺し、エネルギーを吸収し、一時は大人の女性くらいにまで成長した。

そしてカオスは自力で海から脱出。イカロス達と再び戦い、そして敗北した。

その時のカオスは自分を愛して殺して欲しいと言ったが、智樹がカオスを説得。

カオスはその時イカロスと同じように動力炉に痛みを感じたが、暖かさも感じ、自分が考えていた愛が違うものだと悟った。

それからイカロス、ニンフ、アストレアの製作者のダイダロスの手により、最初の子供の姿に戻った。

カオスは戻ってすぐに智樹の所にやって来て、そのまま桜井家に住むことになったのだ。

しかしカオスは生まれてからまだ1年も経っていない。そのためかかなり世間に疎い。それもイカロス以上に…。

それに見た目が明らか幼稚園児、よくても小学校低学年くらいの見た目である。見た目がまだかなりギリギリのニンフ以上の幼なさである。

そのため智樹には学校には来ないように言われ、1人で留守番をしており、今はお絵かきをしている。

 

「お兄ちゃん達、まだかな〜」

 

カオスは絵を描きながら、智樹達の帰りを待っていた。

 

 

 

 

 

『カオスのとある日常(いちにち)』

 

 

 

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カオスが別の紙で絵を描いていると…。

 

「うん?」

 

何やら台所付近から物音が聞こえてきた。

 

「もしかしてお兄ちゃん?」

 

カオスがそう思いながら台所に向かった。

しかし家主なら普通玄関から帰って来るもの。それをわざわざ台所の方から帰って来るのはおかしい。

そもそもこの家の台所の方には勝手口はないはずなのだ。

カオスはそんなことを全然考えず、台所の方に行った。

台所には二人の見知らぬ男がいた。

 

「台所に出ちまったか」

「兄貴、どうします? 思ったより金目のものなさそうですぜ」

「いや、案外あったりするぜ。世の中どこに金があるか分からねえからな」

 

男達は泥棒であった。

しかしこの泥棒達は最悪と言ってもいいほど運が無かった。

何故なら今家には3人のエンジェロイドに匹敵するほどの力を持つエンジェロイド、カオスがいるのだから…。

 

「おじちゃん達、誰?」

 

そこへカオスがやって来た。

 

「「うわぁああああああ!?」」

「おじちゃん達、何でここから来てるの?」

「何だ、まだ子供か…」

「ひょっとして遊んでくれるの?」

「どうします? 兄貴」

 

兄貴と呼ばれた男は考えて、答えを出す。

 

「お譲ちゃん、御免だけどおじちゃん達は忙しいんだ。後にしてくれない?」

「嫌だ、嫌だ、遊んで欲しい」

 

カオスが駄々をこねて両腕を振る。

 

「お、お譲ちゃん、静かに……」

 

子分の男がカオスを抑えようとしたら、カオスの腕により天井から外へと放り出された。

それもものすごい勢いで……。

 

「な、何!?」

「あ、飛んじゃった」

 

カオスは思わず飛ばしてしまったと思った。

 

「な、なんだこのガキ!」

 

男は銃を取り出す。

 

「それって本物?」

「本物だ! 動くんじゃねえ! 動くと撃つぞ!」

「撃ったらどうだ?」

 

そこに何といつの間にか秋山がカオスの側に来ていた。

 

「な、何だ手前!?」

「あ、秋山お兄ちゃん」

「よう、カオス。暇だから遊びに来てやったぞ」

 

とは言っても秋山は本来は学校に行っているのだ。それも臨時教員として……。

秋山はイカロスとニンフが学校に行ってみたいと思った時に一緒に臨時教員として学校に行き始めていたのだ。

イカロスとニンフはカードの力を使って学校の先生達の記憶をいじったのに対し、秋山は世界全体に自分の存在を認識させると言う若干大がかりだがいつも異世界に行った時はやっている行動であった。

秋山が最初に来た時の短い黒髪が今の長い白髪になっても誰も気にとめないのはそれが原因。

そのため秋山は智樹達が通っている学校では臨時教員として行っているのだが……。

 

「秋山お兄ちゃん、学校は?」

「ずる休みだ」

「ずる休み?」

「まあ本当は行けないことなんだけどな。っても俺は認識を色々変えれるから智樹達以外からは休んだことになってないさ」

「手前ら! 何なごんでやがるんだ! これが目に見えないのか!?」

 

男が自分が完全に無視されているとして怒る。

 

「あ? これってその手に持っている銃のことか?」

「そうだ!」

「本物のようだな」

「そうだ!」

「で、それがどうした?」

「な、何?」

「さっきも言ったが、撃ったらどうだ?」

「撃ったらってお前……」

「俺とカオスのどっちでもいいぞ。ここ狙ってみたらどうだ?」

 

秋山が額に指を当てる。つまりは額を撃ってみろと言っているのだ。

 

「あ、当たったら死んじまうぞ!」

「そうかどうか、確めてみろよ」

「うんうん」

 

カオスもうなづく。

 

「手前ら! 本当に撃つぞ!」

「どうぞ」

「ふざけやがって!」

 

男は引き金を引き、弾は発射され、弾はカオスの額に当たった。

しかしカオスはけろっとしていた。それもそうだ。イカロスの最終兵器のAPOLLONを受けても体が無事なのだから、そこらへんの銃で傷一つ与えられるわけがない。

 

「ば、ば、ば、ば……」

「それ以上言うな」

 

秋山は手をかざすと男の意識は突然途絶えた。

 

「何したの?」

「ちょっとした力を出しただけさ。まあマンガで言うフォー○だな。それはそうと適当に警察に引き渡すか」

 

秋山は適当に警察に泥棒二人の身柄を引き渡した。

 

「ねえねえ秋山お兄ちゃん」

 

智樹の家に戻ったカオスと秋山。

 

「何だ?」

「お人形遊びしよ」

「それはどういう意味のお人形遊びだ?」

 

カオスは最初「お人形遊び」と言う名でイカロスとニンフを痛めつけた経緯があり、秋山はその時は怒りに任せて今の状態である「真モード」を越えるとてつもないモードを発動しかけたことがある。

 

「え、お人形遊びってこれでしょ?」

 

カオスはそう言うとどこからか本物の人形を出す。

 

「ちゃんと学習したんだな」

「うん♪」

「っても俺はあんまりする気はないけどな」

「ええ〜」

「まあ代わりにこいつでもしてみるか」

 

秋山が絵本を出す。

 

「それ、絵本だよ」

「ああ。こいつの世界に入り込む」

「どうやって?」

「俺の力なら大丈夫だ。それに物語をちっと面白おかしくしようと思ってな」

「面白そう」

 

そしてカオスと秋山は絵本の世界に入り込んだ。

二人は「ももたろう」の世界に行きました。

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昔々ある所に智樹似のおじいさんとそらは似のおばあさんが住んでいたのかもしれない。

それはともかく二人はよく喧嘩と言う名のおじいさんのセクハラ的行為とその行為のために怒ったおばあさんの一方的な殺人チョップをくらうという生活をしていました。

そんなある日のこと、おじいさんは山へエロ本を集めに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川を洗濯をしていると普通のサイズの桃が流れてきました。

 

「あれ? 何で桃が?」

 

おばあさんが桃を拾う。そして川上のほうを見るとなんととても大きい見たこともない大きさの桃が流れてきた。

その桃は赤ん坊の一人は余裕で入っていられるくらいの大きさであった。

おばあさんは何とかその大きな桃を持って家に帰りました。

 

「おじいさん、遅いな〜」

 

おばあさんはいつもなら帰っているおじいさんがなかなか帰ってこないので痺れを切らしました。

 

「仕方ない、先に切って待ってよ」

 

おばあさんはいつもおじいさんに当てている殺人チョップで桃を切りました。

すると桃の中から男の子の赤ん坊が入ってました!

 

「え、ええーーーー!?」

 

おばあさんはとても驚きました。

 

「ど、ど、ど、どうしよう……」

 

おじいさんとおばあさんは一度も子育てをしたことないので赤ん坊がいきなり出てきたことにおばあさんはとても驚きました。

 

「おじいさんになんて言ようか……」

 

おばあさんがその赤ん坊を抱えながら、おじいさんの帰りを待つことにしました。

 

「ただいま〜」

 

おじいさんが帰ってきました。

 

「おかえ……り……」

 

おばあさんは言う言葉がありませんでした。

何故ならおじいさんもとても小さい女の子を連れて帰ってきたからです。

 

「おじいさん……」

 

おばあさんは有無を言わずに殺人チョップをおじいさんに当て、おじいさんはしばらく死んだ状態になりました。

しばらくしておじいさんは復活して、おばあさんはおじいさんに少女のことを聞きました。

おじいさんはいつものようにエロ本を探していたら突然空から女の子が降ってきたとの事。

小さい女の子はカオスと名乗った。

 

「おうちは?」

「ないよ」

 

カオスは家がないとして桃から生まれた男の子と一緒に育てる事になりました。

ちなみに男の名は桃太郎とかなり安直な名前になりました。

それからおじいさんとおばあさんはカオスと桃太郎を15年かけて育てました。

15年経ち、桃太郎は立派な紳士な男性になり、カオスはとても体つきのいい女性となりました。

おじいさんはそんな体つきのいいカオスをセクハラしようとするたびにおばあさんの殺人チョップをくらうのが日常となっていました。

そんなある日の事、都で最近新しく現れた鬼が今までの鬼以上に激しく暴れ、金銀財宝を奪い、鬼ヶ島へ戻ったとの事。

それを聞いた桃太郎とカオスは鬼退治すると言い出し、おじいさんとおばあさんはエロ本数冊と黍団子を渡し、二人は鬼ヶ島へと向かいました。

二人は鬼ヶ島に向かう途中、サル、イヌ、キジと会いました。桃太郎は三匹に黍団子を分け与えましたが、仲間になるとは言いませんでした。

カオスはそれではダメと言い、おじいさんから貰っていたエロ本数冊を渡すとあっさり仲間になりました。

桃太郎とカオスはサル、イヌ、キジをお供にし、何とか海まで着きました。

 

「さてとどうするか…」

「船を手に入れないと……」

 

桃太郎が困ってキジを見ますが…。

 

「いくらなんでも私の力じゃ…」

「出来るよ」

 

カオスが出来ると言い出し、カオスは背中から翼を出しました。

 

「「「「ええええええ!?」」」」

 

サル、イヌ、キジだけでなく桃太郎も非常に驚きました。

 

「この翼、折りたたみ式だから♪」

「「「「ええええ?」」」」

 

カオスが桃太郎とサル、イヌ、キジを持って、鬼ヶ島まで飛んで行きました。

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2人と3匹は鬼ヶ島まで着きました。

そこで子分の鬼達と頭目である赤鬼と青鬼を退治しました。

 

「やったーーーー!」

「都から奪った財宝はどこだ?」

 

桃太郎が鬼達に尋ねる。

 

「それならあの洞窟だ。だがお前達は絶対に取れないぞ」

「何でだ?」

「あの洞窟には……」

「俺がいるから」

 

そこに一人の白くて長い髪をした男の人間が現れました。

 

「あなたは?」

「げっ! ボス!」

 

なんと赤鬼はその人間をボスと言いました。

 

「ボス?」

「お前達が頭目じゃないのか?」

「そいつらは頭目だ。こいつらが勝手に俺をボスと言ってるだけだ」

「気をつけな、ボスは俺達以上……だ」

 

赤鬼と青鬼は息絶えました。

 

「さてと、初めましてだな」

「貴様……まさか最近強いと言ってた鬼って……」

「俺だ」

「許さん!」

 

イヌ達が怒るが……。

 

「雑魚に興味はない。カオス」

「何? 秋山お兄ちゃん」

「かなり久しぶりだが、思いっきりやろうか。あの時みたいに……」

 

あの時というのは秋山が初めてカオスと戦った時と、2回目にカオスが現れ、戦った事である。

あの時のカオスは悪意そのものと言っても良いほどの存在であり、秋山はそれに怒りを覚えていた。

その時秋山は真モードを越えるモードになりかけたが、そのモードの力の一部を真モードでも使える状態「真モード 滅フォーム」で戦っていました。

秋山はモードのほかに付加効果のようなものでフォームと言うのが存在する。

最初の通常モードの時にもフォームは存在するが、真モードと比べると力は劣る。

滅フォームと言うのは真モードを越えるモードの一つ「滅モード」の力の一部を使えるようにするフォームである。

滅モードは一度発動してしまうと、発動した世界を破壊するか、滅モードを超える更なるモードを発動しないと解除できない。

しかも滅モードを越えるモードはとても複雑な条件が必要であるために秋山が任意で発動できない。そのため滅モードはとても危険なモードであった。

滅フォームは任意で解除できるようにするために存在すると言ってもよい。

 

「あの時か……」

「俺は今でもあの時をすぐに思いだせるぜ。あの時のお前や、あの時の俺をな……」

 

秋山はそう言うと顔が少し凶悪な顔になりました。

秋山が滅フォームを発動させた証拠である。

 

「今のお前は2回目にあった時の良い女だな」

「そうかな…」

「俺はそう思うけどな、まあそれはそうと思いっきりやろうか」

「うん♪」

 

秋山とカオスは高速で拳を当て、激突する!

二人はすぐに空中に上がった。

二人は空中に上がりながらも互いの拳を当てあってました。

 

「うおっら!」

「えい!」

 

秋山が脚を上げると、カオスも脚を上げて二人の脚はぶつかり合いました。

二人は拳だけでなく脚も使って、激しく空中でぶつかり合う!

 

「すげ……」

 

下から見ている桃太郎達は自分達の入れる領域でないことを悟る。

 

「えええい!!」

 

カオスは翼の先端を鋭くし、秋山を攻撃するも……。

 

「えゃぁああああ!!」

 

秋山は手のスピードを更に早くし、カオスの拳だけでなく、翼も対処する。

 

「み、みえねえ……」

 

下にいる面々はもう秋山とカオスの手と脚の動きはもはや常人では捉えられないレベルであった。

 

「中々強くなったな」

「秋山お兄ちゃんの戦い方を見てるからね」

「まあこの空間補正もあるか。だが俺はただの鬼じゃないぞ!」

 

秋山が拳をぶつけたと同時にかなり後方に下がる。

 

「こいつで一気に決めようぜ」

「うん♪」

 

秋山は手に氣を溜める。カオスも手にエネルギーを溜める。

 

「「…………」」

 

二人の手のエネルギー弾はとてつもなく大きくなる。

 

「はああああああ!!」

「んんんんんんん!!」

 

二人のエネルギー弾は自分達の顔の10倍近くの大きさになる。

 

「はあああああああああ!!!」

 

秋山が先に氣弾を投げた!

 

「ええええええええい!!」

 

カオスは土壇場で翼を大きくし、自身を囲みコロニーレーザーのようになり、そこからエネルギー波を放った!

コロニーレーザーのようになっていたため、そのエネルギー波は大きさと破壊力がましており、秋山の氣弾をかき消した!

 

「なっ!」

 

エネルギー波は秋山を包み込む!

 

「ばああああかああああなあああああああああああああああ!!」

 

秋山は消滅した。

カオスは終わったとして、地上に下りる。

 

「終わったよ♪」

「は、はい……」

 

正直な話、全員ちびりかけていた。

ここで桃太郎のお話は終わりです。

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現実世界に戻ったカオスと秋山。

カオスは元の小さな女の子に戻り、秋山も滅フォームを解除し、通常の真モードに戻っていた。

 

「ああ、楽しかった♪」

「まあ結構暴れたな」

 

二人が一息ついていると…。

 

「ただいま〜」

「あ、お兄ちゃん達だ」

 

カオスがすぐに玄関に行き、智樹達を出迎える。

 

「おかえりなさい」

「ただいま、カオス」

「よ、お邪魔してるぜ」

「秋山、あんた学校サボって家にいたの?」

 

ニンフが呆れるように言った。

 

「この家色々あったんだぞ」

「うん。泥棒って人が来たんだよ」

「泥棒?」

 

智樹は驚いた。

 

「でも簡単に逮捕されちゃった」

「…まあそれはな…」

 

智樹は逮捕された泥棒に同情した。

 

「それと秋山お兄ちゃんとこれで遊んでた♪」

 

カオスが桃太郎の絵本を見せる。

 

「桃太郎か」

「何それ?」

 

ニンフが興味を示す。

 

「まあおこちゃまが読むもんだ。でも懐かしいな……」

 

智樹が本を開け、中を見てみる。

すると中身が先ほどまで暴れていたカオスと秋山の戦いが描かれていた。

 

「な、なんじゃこりゃ……」

「てへっ」

 

カオスは笑顔を見せた。

その笑顔は歳相応に可愛いものであった。

説明
この作品はアニメ「そらのおとしものf」の最終回後を二次創作で考えたものです。
そのため映画に出てくるであろう要素は一切入りません。
原作キャラクターの性格や口調が一部変わっていたりするかもしれませんが、その事はご了承下さい。
またこの小説には作者の分身とも言えるオリジナルキャラクター(秋山総司郎)も出てきます。
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コメント
カオスは漫画原作だといまだ海に沈んだままですし、アニメだと最終回で幼女と化している割と両極端な扱いをされているキャラクターだと思います。この作品はアニメ版の解釈を更に大胆に踏み込んだものだなと思いました。(枡久野恭(ますくのきょー))
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そらのおとしものf カオス 秋山総司郎 そらのおとしもの 

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