恋姫†学園 ver1.00 第4部 第一章(後編)
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恋姫†学園 ver1.00 第4部 第一章(後編)

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「そこまでだっ!!」

 声のするほうに視線を向けて見るとそこには二人の女性が立っていた

「まったく、アナタがたはここが学校の廊下だと知った上でそのようなバカ騒ぎをしているのか?」

 そういったのは、この学園の風紀委員長にして学園の近づきがたい美人ランキング上位に毎回入ってくる愛紗だ。

 毎回美人ランキングに入るのと同時に、その裏で開催される近づきがたいオーラを放つ美人ランキングにも上位に入ってくるほどの美人だ。

 まぁ近づきがたい美人ランキング上位入賞者が実はこの場に他に三人いるわけだが…

「何?一刀、私の顔に何かついてる?」

「まさか用もないのに華琳様の顔を見ているわけではないだろうな?」

「ふん!どうせ女にうつつを抜かしていたわけではないだろうな?」

 そういいながら三人からの絶対零度の視線に俺の体は凍りついた…

「まったく、風紀委員会を目の前にして不順異性交遊を働こうとは、隊…一刀先輩ふざけるのもいい加減にしてください」

 そう言って愛紗の斜め後ろに控えるのは、忠犬凪公こと風紀委員副委員長の凪だ。

「別に俺はふざけてたわけじゃ…」

 俺は言い訳をしようとしたが

「まったく、女遊びの現行犯を注意されて言い訳をされようとは。か、一刀殿も変わられた者だ…」

 愛紗にそう言われてしまった。

「変わられたって、俺変わってるか?」

 そこまで交友があるわけではなが周りにそう聞かざるおえなかった…

「あら?私は変わってないと思うけど。特に女にだらしのないところが…」

「確かに、こやつはまったく変わってないですね!」

「まったくだ!そのことに関しては春蘭に同意せざるおえない!」

「えっ!?…」

 あまりの三人の断言に絶句するしかない俺は唯一今のところ自分の見方でいてくれている蒲公英に助けを求めようと視線を向けたのだが…

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「……」

 その唯一の助けの蒲公英は難しい顔をしていた…

「蒲公英…さん?」

 俺は最後の希望を蒲公英にかけたのだが…

「ん〜一刀先輩を助けたいんだけど。そこだけは否定できないしな〜」

 俺の希望ははかなくも砕かれる結果になった

「あれ?一刀先輩?…ダメだ固まってる」

「あら、本当ね。まったくこの程度で根をあげるなんて一刀もまだまだね」

「まったく日ごろの鍛錬が足りてない証拠です!」

「そうだ日ごろから怠けてばかりいるからだ!」

「隊長、情けないです」

「この方が本当に私のご主人様だった方なのだろうか?」

 みなそれぞれに愚痴をもらした

「そんなことを言いながらこうやって生徒会室に通じる廊下に来るなんて、随分ご執心じゃない愛紗?」

「そうだよね、さりげなく「私の」なんていって自分だけのものにしちゃうし」

「なっ!?いきなり何を言い出すのだ二人とも!」

 図星をつかれたのか、愛紗の顔は見事な朱色に染め上がっていた

「あら?てっきり、今回の騒動を聞きつけていてもたってもいられなくなって今からあのバカの所に討ち入りにでも行くものと思っていたわ」

「私はただ、風紀委員長として今回の不順異性交遊を取り締まろうとだな!」

「そんな言い訳したって全然信憑性がないな〜」

「っ!」

 どうやらこの小悪魔二人を相手にして愛紗に勝ち目はないようだ

「愛紗先輩ここは潔く引きましょう」

 頃合を計ったのか凪が愛紗に進言した

「しかしだな…」

 愛紗は何とか食いつこうとするが

「どうやら華琳様もこれから生徒会室に向かう模様、ならば私たちが出向くのはかえって話がややこしくなるだけです」

「そうだ、ここは華琳様に全てまかせろ!」

「あんた本当にわかって言ってるの?」

 蒲公英が春蘭に尋ねたが

「華琳様が正しいことは天地がひっくり返っても変わらぬ真実だ!」

「「「「……」」」」

 春蘭のあまりの自信にそれ以上誰も何も言えなかった

「さてそれじゃ、今回の件は私に任せてもらうとして後はみな身を引きなさい」

「ハイッ!華琳様がそうおっしゃるなら」

「私も華琳様の言葉に従いましょう」

「凪、私を裏切る気か!」

 まだ愛紗は引き下がらない気だったが

「会長、まだ今年度の目標についての会議が終わってないんですからこれ以上粘らないでください」

「会議など、待たせておけば良い!」

「会長」

「だからな凪…」

「会長」

「……」

「会長」

「ハイ」

 だんだん目つきが鋭くなる凪に、不順異性交遊を止めるという大義名分を失った愛紗は引くしかなかった

「そう、風紀委員の方は話がまとまったようだし。蒲公英、焔耶を頼むわよ」

「アイアイサ〜」

「おい、なぜ蒲公英に私の面倒を任せるのだ!」

「あっ!あんなところに犬が…」

 そう蒲公英が言った瞬間焔耶の姿は廊下から消えていた

 ヒュ〜

 そして先ほどまで閉まっていた廊下の窓の一枚が開いていた…

「まぁとりあえず焔耶はいなくなったし、一刀先輩私も部活に行くね」

 そういって去っていく蒲公英に一刀は未だ固まったまま返事を返せなかった

「では私も、華琳様くれぐれもご注意ください」

「えぇ、また後であいましょう春蘭」

 春蘭も去っていった

 そうして残されたのは、華琳と一刀と愛紗と凪の四人となった

「ほら会長私たちも引きましょう」

「ん〜〜」

「会長、いい加減にしてください」

 凪の口調もだんだんときつくなってきた

「わかった、この場は潔く身を引くとしよう」

 ようやく愛紗も諦めがつい…

「この場は引く、だが!まだ納得はいっていない」

 ていなかったようだ…

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「会長!」

「はぁ〜、まったく一直線なのもたまに目障りね」

「えっ?それでどうなったんだ?」

 一刀もようやく回復した

「いいですか、ご…」

「ご?」

「一刀殿、この場は引きますが今日の放課後剣道場で決闘をあなたに申し込む!」

「「……はぁ」」

 二人はため息をつき

「…はぁ!」

 一刀は驚くしかなかった

「いや何で俺が愛紗さんと決闘しなきゃいけないの!?しかも今日!?」

「あぁ〜もうめんどくさい、いいから一刀放課後愛紗と決闘しなさい!」

「そうです一刀先輩、決闘は決定事項です」

「いや…だから俺の意思…」

「ということで一刀殿、放課後剣道場でまっておりますぞ!」

 そう言って一刀の意思は無視され、満足した愛紗たちは去っていってしまった

「なんで、俺が何を?」

「あら?女からの誘いを断るなんて良い男のすることじゃないわよ」

「はぁ〜最近俺流されてばかりだな…」

 一刀は落胆するしかなかった…

「それじゃ、一刀生徒会室に向かうわよ」

「あぁ、えっ!?ちょっと華琳さん!?」

「何?一刀」

「いやその俺の腕にまわしたその腕の意味は?」

 そういう一刀の腕には華琳の腕が回されていた

「あら、てっきり生徒会室までエスコートしてくれるものだと思っていたわ」

 そういう華琳の顔には悪戯が成功した子供のような笑みが浮かべられていた

「いやエスコートと言われても」

 一刀は反論しようとしたが

「あら?それじゃ離しましょうか?」

「……いや、いいです」

 煩悩に勝てなかった

「ふふっ、素直でよろしい」

 今度は欲しがっていたプレゼントをもらえた子供のような笑みが華琳の顔に浮かべられていた

(こんなおいしい状況を自ら捨てる男なんて、この世の中にいるはずないよな〜)

 そう一刀が鼻の下を伸ばしていると

 ピキーン!!

「っ!!」

 急に背中に悪寒が走った

 一刀は後ろを振り返ってみたが、そこには誰の姿もなかった

「どうしたの一刀?」

「いやなんでもない」

「そう」

 一刀は何事もなかったかのように振舞ったが、華琳の顔には全てを見透かしたような小悪魔の笑みが浮かべられていた……

 

恋姫†学園 ver1.00 第4部 第一章(後編)〜完〜

説明
まだ設定が確定してはいませんが、とりあえず前編でとまっていた部分は後編を書き上げました。久しぶりの長文なので誤字脱字あったらすいません。
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