東方 自来也が幻想入り |
もしも自来也が幻想入りしたら、という仮定のストーリーです。
とりあえず冒頭部分のみで続けるかどうかはまた別の問題ということで。
作者は原作未プレイなので、そこら辺も含めてよろしくお願いします。
というよりも矛盾や誤字のほうがひどいと思うのでそこら辺は勘弁してくださいっ!
──ふと、目が覚める
夜も深くなり、辺りは暗闇と静寂が支配する。
周囲には木々が生茂っており、人工的、或いは人為的に作られたモノは一切見られない。
肌に感じる雑草の感触、決して心地よいとは言えない土の感触からココは森林だと推測できる。
意識が徐々に覚醒し始めている人間と思われる者。
目蓋を薄くひらいているが、大地に伏せっている巨体、凡そ成人男性のそれは動かぬままであった。
──自来也、それが彼の名である。
とある世界で勇名を馳せ、いつしか伝説の三忍とも謳われた天才──否、努力家であった。
その自来也が広大な森林の中で地に伏せっている。
見た目では大きな外傷もなく、四肢もしっかりと恵まれている。
ならば何故か?
もしも現場を見かけたであろう人物がいたとし、それが普通の人間ならば、
疲れ果て眠ってしまったのか、或いは野宿でもしているのか、と思考を巡らせるであろう。
暫くすると、大地に伏せっていた自来也がその身体を起こす。
彼はうつ伏せに倒れていたので両の手を地面に、それを支えにして身体を起こす。
「──ぬぅ、ここは…」
意識を取り戻した時点で周りの状況を把握、確認していたであろう自来也。
うつ伏せに倒れていた時に確認したであろう状況と同じ、辺りは夜の暗闇に包まれていた。
それも、辺りには木々が生茂っている森林、それもかなりの深さの中にいるであろう事が推測できた。
周囲を見渡すだけでうんざりとする。
一面の樹木、雑草、そして視界を遮る闇黒である。
一歩踏み出すだけで迷宮にでも迷い込んだ事を錯覚させてしまうであろう程である。
「ワシは確か、あの時ペインに…」
意識が覚醒すると同時に、意識を失う前の記憶が脳に流れ込んでくる。
更に何かを思い出したかのように、身体の状態を確認する。
「腕が…」
自身に確認をとるのは、その一言だけで十分であった。
いつしかの死闘で自来也は左腕を失ってしまっていたのだ。
それが現在では再生しており腕を上に、横に、更には振り回してみても取れてしまう気配はしない。
しかし、ほんの少しの期間であったとはいえ、腕を失った時の感覚等が残っており
左腕を動かす度に言葉では言い表せない違和感を感じるのであった。
──ありえん、失くしてしまったはずの腕が再生しておる。
あの戦闘は初めからなかったのか?
いや、それならばワシの記憶にあの暗号は残っているはずがない。
ならば何故──いや、今は止そう。
現状、至急を要する事は──
「ここは一体、どこの世界かのォ」
あえて"世界"と表現するのは、彼は自らの話し…小説などを手掛けていた経験があるからだろう。
ド根性忍伝…彼が最初に書いた小説であるが、世間の目は厳しかったようだ。
そして次に書いた小説が爆発的にヒットした。
内容が内容であるだけに紳士には敬遠されがちだが、彼の世界では映画化してしまうほどの人気ぶりであった。
人世に悩む遊び人…というわけでもないが、それでも歌舞伎者である自来也なりの表現であった。
周囲は暗闇、そして吸い込まれてしまうような錯覚に陥ってしまうほどの一面の樹木。
それでも考え呆けているだけでは状況の打開にはならない。
そう考えた自来也は、まず身辺の確認に入る。
軽い掛け声と供に印を結ぶ。
「忍法『影分身の術』」
印を結び、チャクラを込める。
すると白煙と供に自身の分身が召還された。
顔も体躯も瓜二つの、知らない人がこの場を目撃したら双子かと見間違える程であった。
「ふむ、チャクラも扱えるし忍術も普通に発動できるのォ」
ならば、と再び術を発動する体勢に入る。
指を軽く噛み、そこから溢れる血を墨に、取り出した契約の巻物に名を連ねる。
「『口寄せの術』」
忍術空しく、辺りには自来也の発した言葉のみが残るだけであった。
「ぬぅ、忍術は発動できるが口寄せができなくなっとるのォ…」
忍術が使用できるのに何故か口寄せは使用できない。
自来也にとっては解からない事だらけであった。
意識を取り戻すとそこは見知らぬ大地、夜の暗闇に深い森林で出口も解からぬ。
そして口寄せ不発の件……もう考えるだけで億劫になってしまう程である。
「ま、術さえ使えれば道中は安心だしの、今は現状の打開に入るとするかの」
言葉には笑みが含まれており、柔らかいものであったが表情は至って真面目である。
笑う角には福来る、自分に不利な状況であっても下を向いていては解決に向かわない。
そう考えていた自来也は歩みを進める。
歩けど歩けどつい先ほど見た事のある風景が広がるのみ。
自来也もただ森の出口を探し歩いているわけではない。
自らの分身を何体か召還させ、本体とは違う方向に向けて出口を探している。
一人より二人、二人より三人。迷いの森の出口を探すのならば人数は多いことに越した事はない。
出口を探し、只管に夜道を歩き続ける自来也の足が止まる。
辺りが急に暗くなりだし、自らの足元さえも視認するのが困難になったのだ。
「むっ、これは…幻術か?」
すぐさま戦闘の構えに入る自来也。
──敵は一人、それもフラフラと此方に向かってきているのが気配でわかる。
幾多の修羅場を潜り抜けてきた自来也程の忍びになれば、目を使わずとも気配で何となく相手の位置を特定する事ができる。
「…ねぇ」
不意に声をかけられる。
自来也としては奇襲を仕掛けられるものだと思っていたので拍子抜けであった。
「あなたは食べてもいい人類?」
あなたは食べてもいい人類
奇襲を警戒していた自来也の本日二度目となる、拍子抜けであった。
敵の言葉の意味に拍子抜けしたのではなく、敵の言葉に拍子抜けした。
言葉から察するに、敵の性別は女性であろう。
それも年端も行かぬ、女性と表現するにはあまりにもおこがましい、女の子であった。
自来也のいた世界では女性忍者というのも珍しくなく、むしろ暗部などの暗殺業に勤める女性も多いほどである。
理由としては、説明するまでもなかろう。男には男の、女には女の武器があるからだ。
敵の正体が女の子という事もあり、若干警戒を緩める自来也。
「ふぅ…、食べるも何も、ワシなど食っても美味くないだろうよ」
言葉尻に笑みを含めながらそう敵の正体である女の子に伝える自来也。
「あなたは美味しくない人類?」
自来也の言葉に反応した女の子がそう言葉を戻す。
もしやこの子、本当にワシを食べる気なのか?
自来也の脳裏に一抹の不安と供にそう考えたが、
あまりにも馬鹿らしい話だと思い女の子に言葉を返す。
「ふっ、お主がもっと熟しておればワシが美味しく頂いておったがのォ!」
高笑いをあげながら冗談交じりに女の子に伝える。
それを聞いた女の子は、まるで面白いものでも見たかのように表情を変え、
「おじさんは私を食べる気なのかー?」
女の子からの予想と反した応答に思わず表情が渋る自来也。
冒頭の発言といい、この応答といい、もしやこの子は阿呆か。
これ以上会話を続けても話が滅茶苦茶になるだろうと判断した自来也が話題を変える。
「食べはせんよ。それよりもワシは、早いところこの森を抜け出したいんじゃがのォ」
「お兄さんは道に迷っちゃったの?」
女の子の"お兄さん"という言葉に思わず笑みがこぼれる。
お兄さんなどと呼ばれるのは心外、まではいかずとも想像の範疇にはなかった。
「見ての通りワシは爺、お世辞にもお兄さんなどと呼んでも何も出んぞ」
「お兄さんは爺さんなの?」
思わず心の中で溜息を漏らす自来也。
やはりまともな会話をしようとすると、どこかズレてしまうようだ。
一呼吸おき、再び自来也が女の子に質問をする。
「それで、この森の出口を知っていたら教えてほしいのだが」
「それなら簡単、飛んでいけばいいよ」
やはりこの子、阿呆か…と思っているうちに視界が晴れてゆく。
晴れるといっても、先ほどまでは足元すら視認するのが困難な状況だったのが、
通常の夜、つまりは月灯りのある元の暗闇に戻った程度である。
視界が晴れると同時に、目の前には先ほどまで会話していた女の子がいた。
その女の子を目視で確認した結果、自来也は先ほどまで考えていた女の子に対する阿呆という言葉を撤回する。
「ほら、こんな風に」
そう言って女の子は両の腕を横に広げ、ふわりふわりと宙に浮かぶ。
「丑三つ時のうちは、この森からは出られないよ」
語尾に十中八九ね、と付け加えケタケタと笑う女の子。
「何故出られんのじゃ?」
真っ先に思い浮かんだ疑問を女の子にぶつける自来也。
「そんなの決まってるよ、暗いと周りが見えないじゃん?」
自来也の疑問に対する答えは、非常にあっさりとした単純なものであった。
「なるほど、だから飛んでゆけと。面白い事を考えるのう、お嬢ちゃん」
「お嬢ちゃんじゃないよー、私はルーミア」
「そうかい、面白い事を教えてくれてありがとうのォ。ワシはちょいと出かけてくるよ」
そうルーミアと名乗る女の子に自来也は伝えると、その場から跳躍し──
「あっ!!」
その場から大きく跳躍した自来也を見ていたルーミアは驚きに思わず声をあげる。
跳躍の限界に達し、そろそろ下降を始めるであろうと思った頃に、突然一人が四人に。
四人の人間が四方へと分散する。
影分身を利用し、更に忍者なりの移動方法で再び森の出口を捜索する自来也。
その場に残されたルーミアが呟く。
「…行っちゃった。あのおじさん、結局名前教えてくれなかったなー」
そう呟きながらフラフラと浮かび、夜の暗闇に消えていった。
「ぬぅ、いつつ……」
ぼやけた視界に広がる太陽の光。
結局夜のうちに森を抜け出すことができなかった自来也。
仕方なしと野宿するハメになったのは、予想していたとすればその通りである。
「やれやれ、野宿するのは慣れているつもりだったんだがのォ…、これも歳かの」
そう誰に言うでもなく呟きながら腰を一つ、二つと叩き、伸びをする。
欠伸と供に体中の骨がバキッと音を鳴らしながらも、それには快感を覚えずにはいられない。
「朝日も拝んだ事だし、いっちょ頑張りますかのォ!」
自分に言い聞かせつつも、気合を入れなおす自来也。
昨夜は何も成果は無しという訳ではなかった。
影分身のうちの一体が、木々が薄くなっている箇所を見つけたのだ。
恐らく森の出口が近い証拠だろうと思い、そこに向かっていたのだが
疲労困憊、そのうえ本体とはまるで正反対に位置していたので、止む無しと睡眠をとる事にしたのだ。
目的地に位置する影分身の元へ行こうとする自来也。
侮る無かれ、太陽の恵みがあるといえどそこは迷いの森。
何度か迷いながらもやっとの思いで森の出口に到着する自来也。
木々を飛び移りながらもかなりの時間を要する辺り、広大な森だと思わせられる。
「さて、森を抜けたとなれば…まずは腹ごしらえとするかの!」
自来也の目の前に広がるのは、繁栄と衰退を繰り返す人間の里──人里であった。
反対には昨夜迷い込んだ森が遠くに生茂っているのがよくわかる。
人里に着いた自来也に向けられるのは人々の奇異の視線。
勿論、村の入り口から歩いて人里に入ったので危険視されているわけではない。
問題なのはその格好であった。
自来也の格好は、外来人にしては人里に溶け込める服装だ。
しかし、白銀の長髪に、中には薄いながらも鎖帷子を着込んでいる始末だ。
とても一般人が着込むようなモノではないので、視線を集める理由にはもってこいであろう。
しかし、それも一瞬。まじまじと見られるような事でもないのもまた然りである。
暫く歩くと、目の前には繁盛しているであろう団子屋が一軒。
ここなら丁度良い腹ごしらえになるだろう、と勇んで入店しようとしたところにある光景が目に飛び込む。
「まいどありィッ!」
目の前を若い男性が通り過ぎる。
どうやら勘定を済ませ、退店したところのようだ。
自来也はふと考える。──ワシの持っている金は使えるのか、と。
そして、結果としては入店すらしなかった。
もしも使えなかったとして、無銭飲食として厄介になるのだけは勘弁だったからだ。
それならば何かしら模索し、これからの動向を考えたほうが良かった。
一か八かの大博打は最後になっても可能であろう、という考えである。
人里を闊歩する自来也。
近所の悪ガキが闊歩しようともなれば里の勇ましい大人に叱られでもされるだろう。
しかし、自来也程の体躯の良い大人がすればそれも様になるというもの。
町並みを眺めつつ、初めて訪れた人里に平和を覚えつつも歩き続ける。
暫くすると、里の入り口のほうから大人が数人走ってくるのが見える。
何事か、と思いつつも歩みを止めぬ自来也。
血相を変えた男達が走ってくるのに気がついた村の若い衆がそれを迎え入れる。
「おい、何があったんだ?」
若い衆はすぐに異変と気付き、冷静に状況の把握に出る。
自来也、こう見えても聞き耳を立てるのは得意であった。
「それがよォ、里の入り口付近…魔法の森方面にだが巨大な蜘蛛の妖怪が…」
「なんだって?」
「と言ってもまだ里のずっと外だから問題はなさそうなんだが…」
「俺、一応慧音さんに報告してくるぜ!」
「ああ、里の人たちにも外には出ないよう促してくる。特に子供達にはな」
「じゃ俺は入口の警備をする!」
自来也が聞き取れたのはここまでだが、すぐに数人の屈強な若い衆が自来也を追い抜き
里の入り口方面へ向かってゆくのがわかる。
「やれやれ、これは一波乱起こりそうじゃのォ」
そう言いつつも、自来也自身も里の入り口へと向かってゆくのであった。
「お、おい、……うわぁっ!!」
巨大な蜘蛛と思われる妖怪は既に里の入り口にいた。
当然妖怪のとる行動は決まっていた。
それは食事の為である。
妖怪の主食は人間と言っても過言ではなく、勇ましくも散っていく人間を食するのが目的だ。
特に若い、子供や赤ん坊などは、食に例えるならば新鮮であり、妖怪や鬼の好物でもある。
勿論、そういった弱気者らが里の入り口付近にいるはずもなく、それも妖怪は理解していた。
好物な子供は村の中心へ──、その思いだけで妖怪の士気を上げるのには十分過ぎるものであった。
「──くっ、遅かったか。」
村人からの報告を受け、超特急で現場にやってきた女性。
彼女こそ、里の守護者である上白沢慧音その人である。
大蜘蛛妖怪の猛攻を受け、里の入り口は混沌とした状態であった。
既に何人かがやられてしまっている状況のようであり、逃げる者、勇んで戦う者と場は混乱していた。
「これ以上被害が広がる前に、私の能力で…」
慧音が何やら能力を発動しようとしたその時であった。
「土遁『黄泉沼』」
突如として大蜘蛛妖怪の巨体が地面に沈み込む。
妖怪の叫び声が辺りに響き渡る。勿論、それは痛みや恐怖によるものではなく、激昂によるものであるのは明確である。
「怒りに溢れた血の涙ァ!三忍語りて仙人に!妙木山のガマ妖怪!!自来也様たァ〜…」
自来也が大蜘蛛妖怪の前に着地し、自来也自慢の見得台詞をあげている途中で大蜘蛛妖怪からの反撃が来る。
怒りによる叫びをあげながら、グロテスクな口元から蜘蛛特有の糸を吐き出す。
「コラぁ!大見得切ってるところに反撃してくるなってのォ!」
自来也がやり場のない怒りを大蜘蛛妖怪に向けている最中に、状況を理解しようと必死な者もいた。
「あ、あれは…外来人、なのか?」
額に嫌な汗を流しながらも、そう呆れ混じりに呟く慧音であった。
自来也の黄泉沼に嵌っている大蜘蛛妖怪は身動きが取れずに、ただもがくのみであった。
巨大な体躯な分、黄泉沼に引きずり込まれるのも相当なものであった。
黄泉沼の術者を特定した大蜘蛛妖怪は、すぐさま反撃に出るがそれも避けられてしまう。
「口寄せができればのう、面白いものが見れたかもしれなかったのに残念だの」
そう呟きながらも、大きく跳躍。
大蜘蛛妖怪の正面に立っていてた再び糸による反撃を食らってしまう為に、その背後に回りこむ自来也。
──あれ程の巨体ならば大丈夫だろう。だが、里に被害が出ぬよう加減加減っ…と
頬を膨らませ、右の手を口元に添える。
「火遁『大炎弾』」
燃え盛る炎特有の仰々しい音と供に、自来也の口元から巨大な炎が噴出される。
黄泉沼に引きずり込まれ、更には背後からの大炎。
大蜘蛛妖怪は為す術なく、自来也の放った大炎弾に包まれる。
妖怪が燃える強烈な臭い、そして妖怪のあげる断末魔が辺りに響く。
暫くすると真っ黒な墨になり、微塵も動かなくなった大蜘蛛妖怪が残っていた。
「う、うおぉぉぉぉぉぉ!!」
「流石は慧音さんだぜ!」
「わっしょい!わっしょい!」
次に起きたのは民衆の大歓声であった。
今まさに、妖怪と対峙しようとしていた慧音の目の前で突如起きた出来事。
民衆は慧音が起こしたものだとばかり思い込んでおり、歓声の矛先は慧音に向けられるのも必然であった。
「・・・」
民衆が喜びの歓声をあげる中、慧音だけは大蜘蛛妖怪の亡骸に視線が向いたままであった。
慧音は見逃していなかった。
自来也が事を終え、再び里内に…恐らくは目立たぬ個所から入るという事を。
いや、再び里内に戻るというのは慧音の推測である。
強者とはいえ、外来人が身一つで里外に出ることも考え難いからである。
慧音は歓声の中、自来也の後を追おうとするが…
「せんせー、スゴーイ!」
「やっぱけーねセンセーは僕たちのヒーローだ!」
「センセーったらサイキョーね!」
村の大人たちが先程の出来事に夢中なのだ。
当然、状況をよく理解していない子供達にとってはお祭り騒ぎだ。
「こら、お前達。外出したらダメだと村の大人たちに言われただろう?」
慧音が表情を締め、けれども口調は母のように優しくそう子供達に言う。
「ごめんなさーい!」
「まったく…」
子供達もまた、口調とは裏腹にそう答えた。
慧音もこれ以上咎めるつもりもないようで、この場はそれで落ち着いた。
再び慧音が視線を大蜘蛛妖怪の亡骸に向けると、そこに目的の人物は既にいなかった。
「まさか人外もおるとはのう、誰かが口寄せでも…いや、それならワシもできるはずだしのォ」
そう呟きながらシン、とした里の住宅通りを歩く自来也。
里の入り口では既にお祭り騒ぎ、当然事を知った村人達が野次馬に出払っているのだ。
「…ま、あれ程慕われている者がおるならこの里も安泰だろうよ」
笑みを含めながらそう呟く自来也の表情は、一仕事を終えた男のそれであった。
こうして、自来也の幻想郷での物語が始まるのであった。
説明 | ||
もしも自来也が幻想入りしたら〜と仮定のストーリーです。 とりあえず冒頭だけで続くかどうかは別問題さ! おかしな点や矛盾している点など多々ありますがどうぞ生暖かい目でお願いします。 というより作者は東方の原作未プレイという・・なんてこったい |
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コメント | ||
これにじファンに載せてるやつですね。(中原) 面白い!!自来也は原作でも大好きなキャラなので絶対に続けてください。(hishigi04) |
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