吹寄さんの……その4
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 さて、明日はどんな料理を上条当麻に作ってあげようかしら?

 眠りにつく前にご飯のおかずを考える。

 彼に美味しい料理を食べて欲しい。

 いつからかそんな風に考えるようになっていた。

 作り手としては、美味しく食べてもらうのは嬉しい事だし、励みになる。

 なのに……この気持ちは何なんだろう?

 上条当麻にご飯を作るのが楽しみになっている。

 美味しそうに料理を食べる上条当麻。

 それを見て微笑んでいる私。

 どうして……? 何故、私は微笑んでいるの?

 私と上条当麻はただのクラスメイトで、お金を落とした彼にご飯を作ってあげているだけ。

 それだけの関係なのに――

 

「もしかしたら私は――」

 いやいや、そんなことあるはずがないわ。

 私が上条当麻に恋をするなんて……

「あるはずがないわ」

 そうよ。上条当麻に対して私が、そんな感情を抱くわけがないわ。

 きっと疲れているのよ。

 さっさと寝ましょう。そうすれば、こんな気持ちなんてすぐに忘れるでしょう。

 

 

「いやー、本当に吹寄が作る料理は美味しいな」

「……別に褒められるような物じゃないわ」

 嬉しそうにご飯を頬張る上条当麻。

「ほんと、ずっと食べていたいくらいだ」

「甘えすぎよ」

 ただのクラスメイトにどこまで甘えるつもりなのよ。

 私は貴様の彼女でも親でもないのよ。

「ははっ。でも吹寄の彼氏になるやつが羨ましいよ」

「……え?」

「気立てもよくて、料理も上手い。そして胸も大き――」

「ふんっ!」

「いでっ!?」

「貴様から邪な空気を感じたわ」

 酷く不愉快な空気を感じた。

「じょ、冗談だったのに……」

「あまりふざけたことを言うものじゃないわ」

「わ、悪い……」

 やはり上条当麻は上条当麻ね。

 こんなやつが気になるなんて、どうかしてるわ。

 ただのお調子者のバカ。

 それだけよ。

「でもまぁ、ありがとうな吹寄」

「――きゅ、急にどうしたのよ?」

「いや、上条さんは吹寄のおかげで、飢え死にしなくて済んでるからな。お礼を言ったっていいだろ?」

「そ、そう……」

 急に真面目な顔でお礼なんて言わないでよ。

 そんな顔で真剣に言われたら――

 

「上条当麻。貴様は危険だわ」

「はぁ?」

 数々の女性を毒牙にかける。そして、自分は無自覚のまま。

 ほんと危険過ぎるわ。

 だって、こんなにも私の心を乱すのだから。

 

説明
黒子ネタが書きたくなったので、足早に進みます。
なので、次かその次で吹寄さんの話は終わります。
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コメント
もう、自覚しちゃって・・・。吹寄かわいい。(kabuto)
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とある魔術の禁書目録 二次創作 上条当麻 吹寄制理 

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