呉乃章 周魴伝 |
北郷浮ついてます・・ご注意ください。
拝啓
愛しの北郷さま、ずっと前からあなたを思うと胸の高まりが止まりません。
もしよろしければ町外れの茶屋「皖」にてお逢いできませんでしょうか・・。
周魴より
にへへへへ〜・・我ながら、俺も捨てたもんじゃないな〜。
女の子から、ラブレターを貰うなんて・・。
しかも・・周魴さんって結構可愛い娘だし〜。
ただ・・俺には呉の娘達がいるしな〜。
もし、俺が周魴さんのラブレターに惹かれて会いにいったのが露見したら・・俺、袋叩きにされるな。
まっ〜♪ばれない様にやれば・・ねっ。
にへへへへ〜、今から楽しみだな。
・・でも、周魴さんと「皖」っていう茶屋の組み合わせ。
なんか〜胸騒ぎがするんだよな〜。
数刻後
「この浮気物!!しんじゃえ!!」
「浮気とはいい度胸ね・・代償は高くつくわよ〜一刀」
「貴様!!蓮華様がいる身で・・まだ他の女手を出すとは天誅!」
あの後、俺は茶屋「皖」に居た周魴さんに話しかけた・・。
だが、次の瞬間・・呉の女の子たちが現れ、捕獲→包囲→服叩きにされている。
その輪から周魴と孫権の二人が、外れてなにか話している。
「周魴・・囮役見事に果たしてくれたわね」
「これでほんとによかったのですか?孫権様」
周魴はボコボコニされている、北郷を哀れそうに見る。
まあ・・北郷の自業自得なので呆れ半分だが。
「近頃・・あの種馬は、「女」となれば見境無く手を出しはじめてるわ」
孫権は仏頂面で答えながら言葉を続ける。
「だから、流血騒ぎになる前に・・ちょっと痛い目にあわせて、しつけをしないと駄目なのよ」
「そ、そうですか・・」
「あと、これは「ついで」なのだけど・・私との昨日の逢引をすっぽかした罰もね」
孫権はそう言いながら、あくまで「ついで」を強調するが・・。
「(ああ・・「ついで」のほうが本音か)」
曹操も認めた魏将曹休を「皖」城まで誘い嵌めた周魴が相手だ・・簡単に心を見透かされた。
「(ふっふふふ・・・孫権様も可愛らしいものだ〜拗ねてこんな罠を仕掛けるとは)」
そう思いながら周魴は北郷たちのほうを見る・・そうすると偶然北郷と目線があった。
「ひええーー!周魴さんたすけてー!!」
「あんな可愛らしい方を拗ねさせたのだ・・自業自得、甘んじて叩きのめされよ北郷殿」
「そ、そんなーーーー!!」