ヘリ空母は悩めるお年頃☆彡
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★登場人物紹介★

 

ひゅうが

 

 海自最新鋭のひゅうが型ヘリ空母の一番艦。 二十歳には到底見えない

 童顔が悩みの種。

 陸自のチヌークに一目惚れ。事あるごとにモーションをかけているが、空振り

 に終わっている。対戦車ヘリのコブラにいじめられているらしい。

 

 

いせ

 

 ひゅうが型ヘリ空母の二番艦で、ひゅうがの僚艦。

 世間知らずで危なっかしいひゅうがのお守り役。

 

 

チヌーク

 

 ひゅうがの仮想彼女(笑)。

 陸自の大型輸送ヘリで、怪力の持ち主。ひゅうがにモーションをかけられて

 いるが、当の彼女は百里のイーグルに夢中vv

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「なぁ、いせ。どーして空母(オレたち)って飛べないのかな?」

 

 

ボチャン!!!!!

 

 

 

 ひゅうがの呟きに、隣で釣り糸を垂れていたいせは頭から海に落っこちた。

 

「わ! 大丈夫? いせ・・・」

 

 手を貸して引き上げてやりながらいせの答えを待つ。

 

「空母が飛ぶ必要性がオレにはわからないが?」

 

 ムスっとしてそう言うと、いせはぶるぶると体を振って水しぶきを飛ばした。

 

「呉のドッグで空中空母に改造して貰えないのかな?」

 

「何をムチャなこと言ってんだか」

 

「大和だって空飛んでんじゃんよ!」

 

「アニメと現実を一緒にするな、バカモノがっ!!」

 

「だって・・・」

 

 ひゅうがは消え入りそうな声でそう言うと、いせに縋るような目を向けた。

 

「チヌークちゃんが・・・」

 

「まぁだヘリと付き合ってんのか?」

 

 ひゅうがは激しく首を横に振った。

 

「まだ告ってもないしィ・・・・・・」

 

「ヘタレ」

 

「う・・・」

 

 いせのこの一言にひゅうがは涙目になった。

 

「この前さ、告ろうと思ったんだよね。したらさ、チヌークちゃん "飛べない男に興味はない" 

 

って」

 

 竿の引きを気にしつつ、いせはため息をついた。

 

「だから、ヘリなんかやめとけって言ったろ? 掃海艇とか可愛いコいくらでもいるだろーが」

 

「チヌークちゃんの方が一万倍カワイイもんっっ!!」

 

「あっそ。所詮、艦船と航空機じゃあ住む世界が違いすぎるんだよ」

 

 いせの醒めた物言いにひゅうがはいきり立った。

 

「ラ、ラプターと八九式はっ? あいつらだって異機種同士じゃん」

 

「あいつらはおかしいんだ」

 

 ミもフタもない台詞にさらにひゅうがはしょんぼりした。両手で膝を抱えていじけモードに突入し

 

ている。

 

「民間だけどしんかいなんかどうだ?」

 

「しんかいは男だろ!!」

 

「そんなものたいした問題じゃない」

 

 不毛なやり取りに疲れ果てたひゅうがは、押し黙ったまま釣り糸を垂れた。

 

 

 プルルルルッ・・・

 

 

 ひゅうがのケータイの呼び出し音が軽やかに鳴り響く。

 

「誰だろ?」

 

 ケータイを開くと、チヌークからだった。

 

「チヌークちゃんvv」

 

 さっきまで凹んでいたのがウソみたいにひゅうがは満面の笑みを浮かべた。

 

「うん、うん・・・わかった、今すぐ行くよっ!!」

 

 見えもしないのに敬礼して電話を切る。

 

「洋上着艦の訓練したいから今からすぐ来てって♪」

 

「お前・・・いいように利用されてんじゃないのか? あの女に」

 

 人がいいのか、世間知らずなのか・・・・・・

 

 いせは嬉々として身だしなみを整え始めた僚艦を呆れた面持ちで見つめるのだった。

 

 

 

 

                                      おしまい★

説明
去年の秋に出した兵器擬人化同人誌「とびものぱらだいす」に掲載したSSのうちの一本ですvv
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タグ
擬人化 自衛隊 海自 ヘリ空母 ひゅうが 

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