真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第22話「虎牢関の戦い 恋と呂布」
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真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第22話「虎牢関の戦い 恋と呂布」

 

 

 

火蓮「虎牢関の戦況はどうだ?」

 

兵士「袁紹、曹操の部隊が虎牢関に取り付き、戦闘を開始しました!」

 

火蓮「昨日と同じか。まったく代わり映えのない戦い方だな」

 

冥琳「あの袁紹ですからな。仕方ありません。それより火蓮様。動くなら今かと」

 

火蓮「わかった。皆、いくぞ!!」

 

一同「応!!」

 

僕たちは虎牢関に向かって出陣した。

 

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――――虎牢関 曹操の部隊――――

 

曹操「……さすが虎牢関と言うべきか。すぐには落とせないわね」

 

夏候淵「水関から退却した華雄、張遼。……それに飛将軍呂布も居ますからね」

 

荀ケ「昨日のように無理に攻めても被害が大きくなるだけかと……」

 

曹操「虎牢関から引っ張り出すのが上策、か……」

 

荀ケ「しかし、その策を実行する場合、袁紹軍が連携を取ってくれないと意味が無いでしょう」

 

曹操「あのバカは攻めることしか頭に無いようね。……昨日から同じことを何度繰り返して……迷惑だわ」

 

夏候惇「御意。城門の前に陣取り、めったやたらに攻め立てているようですが……邪魔ですなぁ」

 

曹操「砦からの攻撃を一身に受けてくれているから、楽と言えば楽だけど……これではラチが明かないわね」

 

荀ケ「何か……この状況を変える一石があれば良いのですが……」

 

兵士「も、申し上げます! 後方より砂塵! 旗印は孫一文字!」

 

夏候惇「孫堅の部隊だと? 奴ら、後方で待機していたはずでは無いのか?」

 

夏候淵「何をしにきた……?」

 

荀ケ「あの勢いから見るに、こちらの戦場に乱入するつもりじゃないかしら」

 

夏候惇「乱入だと? ……ただでさえ袁紹の動きが邪魔だというのに面倒な」

 

曹操「……乱入、か。……なるほどね」

 

夏候淵「華琳様は孫堅の考えがお分かりで?」

 

曹操「ある程度はね。……孫堅が今、排除したがっている人間は誰?」

 

荀ケ「それは袁術でしょう。……あ!」

 

曹操「そういうことよ。……我らはこの一石に乗じましょう。春蘭、秋蘭。孫堅の動きに合わせ、敗走するフリをしながら後退する。準備をしておきなさい」

 

夏候淵「……なるほど。孫堅の意図はそこにありますか。……了解しました」

 

夏候惇「えっ? えっ? どういうことだ?」

 

夏候淵「後で説明してやる。今はすぐに軍を動かすぞ」

 

夏候惇「わ、分かった」

 

曹操(それにしても、随分と大胆な作戦を取ったものね。一歩間違えれば、連合軍の全滅もありえるわよ)

 

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赤斗「火蓮さん、曹操の部隊が道をあけてくれたみたいだ」

 

火蓮「どうやら曹操は、私たちの意図に気づいたようだな」

 

赤斗「こんな無謀な作戦に気づくなんて……さすが覇王曹操だな」

 

雪蓮「赤斗。関心している場合じゃないわよ!」

 

赤斗「分かっているよ!」

 

そのまま僕たちは先陣に乱入した。

 

いきなり僕たちに乱入された先陣の袁紹の部隊は大混乱に陥る。

 

暫くして、僕たちが後方に下がり始めると、同時に曹操の部隊も下がり始めた。

 

そして、戦線は崩壊し袁紹の部隊を殿にして、戦線全体が大きく後退していった。

 

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呂布「……ちんきゅ、出る。…………今が好機」

 

戦場の混乱を見て、呂布は言った。

 

陳宮「分かりました。飛将軍呂布殿の出陣ですぞっ!!者共後に続くのですーーーっ!」

 

兵士「おおおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーっ!!」

 

深紅の呂旗を掲げて、飛将軍呂布が戦場という舞台に上がった。

 

 

 

兵士「申し上げます! 呂布将軍と華雄将軍が出撃されました!」

 

張遼「なんやとっ!」

 

賈駆「ちょっ、ボクはそんな命令出して無いわよっ!」

 

張遼「どないするん?」

 

賈駆「今、ここであの二人を失うわけにはいかない。霞、私たちも出るわよ」

 

張遼「わかった。けど最悪の場合は、賈駆っちだけでも一足先に洛陽に逃げるんやで。あーもう、何でこんなにウチらの軍には猪が多いんやっ!」

 

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赤斗「どうやら上手くいったみたいだね」

 

雪蓮「そうね。袁術ちゃん、良い感じにまき込まれてるわね♪」

 

作戦は僕たちの思惑通りに、袁術の部隊に損害を与える事に成功した。

 

雪蓮「あーあ。もっと近くで袁術ちゃんの慌てふためく顔が見たかったなぁ」

 

赤斗「雪蓮。それって趣味悪いぞ」

 

雪蓮「ぶぅーー。それぐらい良いじゃないの」

 

火蓮「お前たち! 作戦は成功したが、まだ戦いは終っていないんだぞ。油断していると死ぬぞっ!!」

 

赤斗・雪蓮「はーい」

 

雪蓮とおしゃべりしていたら、火蓮さんに怒られてしまった。

 

火蓮「まったく、あの二人は。……冥琳。戦場の様子はどうだ?」

 

冥琳「どうやら、華雄は関羽に討ち取られたようです」

 

火蓮「……そうか。……もう一度くらい遊んでやっても良かったのにな」

 

華雄が討ち取られたと聞いて、火蓮さんは少し残念そうに呟いていた。

 

冥琳「今、奮戦しているのは、神速張遼と飛将軍呂布の部隊です」

 

赤斗「冥琳。……どれが呂布の部隊なの?」

 

以前、呂布の名前を聞いて感じた違和感を思い出し、実際の呂布が何処にいるか冥琳に尋ねた。

 

冥琳「あれだ。あそこに見える深紅の呂旗。あれが呂布だ」

 

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冥琳が指差した先に見えたのは、まぎれもなく深紅の呂旗。そして……

 

赤斗「まさか、……あれは」

 

夢で見た少女がいた。

 

赤斗「…………恋っ!?」

 

自分の目を疑った。

 

以前、犬になった夢を見た際、その夢に出てきた少女が、すぐ近くで戦っている。

 

それも、なんと“呂布”として戦っているのだ。

 

雪蓮「あれが、飛将軍呂布か。一度戦ってみたかったのよね」

 

冥琳「ダメよ!!」

 

雪蓮「冥琳のケチーー!」

 

冥琳「好きに言ってなさい。ん……風見、どうかしたのか?」

 

冥琳は雪蓮の抗議を軽く受け流すと、ただ呆然としている僕に気がついて、声をかけてくれた。

 

赤斗「……あっ、ごめん」

 

火蓮「どうした? いきなりボーとして」

 

赤斗「…………」

 

どうするか僕は迷った。

 

夢で見た“恋”とあそこで戦っている“呂布”が、同一人物かもしれない。

 

そんな事バカバカしいと思ったが、犬のセキトになって、恋の一緒に暮らしたあの夢は妙な現実感があった。

 

だから、もう一度“恋”に会ってみたいと、夢から覚めた時も思ったのだ。

 

その“恋”かもしれない“呂布”が目の前にいる。

 

ならば……………。

 

赤斗「火蓮さん」

 

火蓮「うん?」

 

赤斗「……ちょっと行ってきます」

 

火蓮「何?」

 

そう言って僕は、深紅の呂旗に向かって馬で駆け出して行った。

 

火蓮「おい、赤斗っ! 何処に行くのだ!!」

 

雪蓮「ちょっと、赤斗!?」

 

冥琳「まさか、呂布のもとへ行く気なのか!?」

 

火蓮「この前から、呂布の名前が話に出たるたびに様子がおかしかったが、赤斗め一体どうしたのだ?」

 

冥琳「とにかく、風見一人を行かせるわけにはいかない。興覇、幼平。風見を連れ戻せ!」

 

思春・明命「はっ!」

 

冥琳の命令で、思春と明命が僕のあとを追った。

 

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呂布「…………来る」

 

今日一日で何百、何千、もしかして何万の敵を葬った呂布は、少し前から感じていた“懐かしさ”が近づいてくる事に気がつき、その手を止めた。

 

その“懐かしさ”が、何なのかは呂布自身も分からなかったが、それは確実に近づいてくる。

 

 

 

つづく

 

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〜あとがき〜

 

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

次回は赤斗と呂布の再会です。

説明
この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。
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コメント
あらら〜・・・・自殺行為(スターダスト)
nameneko様へ:ご指摘ありがとうございます。訂正しました。(ryo)
2連続スイマセン。やっぱりそうなったか。会った時の反応が楽しみです(VVV計画の被験者)
2p、「しかし、その策を実行する場合、のところで袁紹の話をしてるのに言ってるのが袁紹になってます(VVV計画の被験者)
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真・恋姫無双 恋姫  孫堅 孫策 孫権 曹操 諸葛瑾 赤龍 呂布 

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