お姫様抱っこ |
『ねぇ、ミク』
『なんですか? ルカさん』
ひょいっ。
『ひゃっ!? な、なな、何ですか!?』
『なんとなくお姫様抱っこをしたくなったの』
『なんなんですか、もう……』
『あら? ミクはこういうの嫌?』
『い、嫌じゃないですけど……もう少しムードとかを……』
『ふふっ♪ それは、ごめんなさいね』
『あうぅ……ルカさんはズルイです。そんな顔でそんな風に言われてしまったら――』
「――と、いう夢を見たんです!」
「へ、へぇ……そう」
真剣な表情で大事な話があるっていうから、何事かと思ったら夢の中の話なのね。
しかも、すっごく恥ずかしい夢。
そんな内容の事に対して、真剣に構えて損をしたじゃない。
「それで、ですねルカさん!」
「……なにかしら?」
あまりいい予感はしないわね。
ミクの期待に満ちた表情。絶対に面倒な事を考えている顔だわ。
「お姫様抱っこをしてください!」
やっぱり、面倒な事を考えてたのね。
「嫌よ……」
私がお姫様抱っこをするなんて、恥ずかしすぎるわ。
「え〜どうしてもダメなんですかぁ?」
「だ、ダメよ!」
「あうぅ……」
うっ!? そんな可愛らしい表情で落ち込まないでよ。
なんだか私が悪い事をしてるみたいじゃない。
「…………おひめさま、だっこ……」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!」
あーもう! 仕方ないわね。やればいいんでしょ、やれば。
ったく、恨めしそうな顔でボソッと言わないでよ。
本当に私が悪者みたいじゃない。
「はぁ……ミク」
「……なんです――きゃっ!?」
ミクの望み通りにお姫様抱っこをする。
「る、ルカ……さん?」
「こ、これでいいんでしょ?」
あ〜、いま私の顔赤くなってるわよね? だから嫌だったのよ、こんな恥ずかしいこと。
「ルカさん……♪」
「な、なによ?」
凄く嬉しそうな笑みを浮かべてるミク。
そんなにお姫様抱っこをされたのが嬉しいのかしら?
「えへへっ♪ ありがとうございます」
「――――――――っ!?」
もう、なに。なんなのよ。
凄く幸せそうな顔をして……そんな顔をされたら――
「ルカさん?」
「ふふっ。なんでもないわよ♪」
「……?」
このお姫様を永遠に離したくなるなるわね。
説明 | ||
とある企画で書いたボカロの百合です。 手抜きじゃないよほんとだよ? |
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