妹と共に 52 |
『魏武の大剣と神速』
春蘭「一刀ー!どこだー!」
一刀「ここだよ・・・どうしたの?」
春蘭「おお、そんなところにいたか・・・一刀、私と仕合え」
一刀「いきなりだな・・・でもなんで?」
春蘭「霞から聞いたぞ・・・妖術紛いの力ではなくちゃんとした武器で趙雲を負かしたらしいじゃないか」
一刀「あ〜・・・なんだもうばれたのか」
春蘭「その力、私にも見せてみろ」
一刀「見せてみろって・・・見てわからないか?」
春蘭「わからん」
『コケッ』
一刀「とりあえず、今すぐにってのは無理だね・・・報告書もやらないといけないし」
春蘭「うぬぬ〜」
一刀「まぁ急がなくても機会はそのうちくるんじゃないか?」
春蘭「そうか・・・ならば、しばらく待ってよう」
一刀「そうしてくれ」
春蘭「しかし・・・気になる」
霞「あれ。惇ちゃんやないか」
春蘭「ああ、霞か」
霞「どないしたん?こんなところで」
春蘭「いや、一刀に仕合を申し込んだのだがな・・・」
霞「あっさりかわされたっちゅうことか」
春蘭「うむ」
霞「そらしゃーないわ、本人は否定しとるが軍師も兼任してるようなものやもん」
春蘭「確かに・・・しかし、霞」
霞「なんや?」
春蘭「お前のやり裁きでさえ一刀に敵わなかったのか?仮にも神速と言われているだろ?」
霞「あー・・・たしかに敵わんかったわ〜」
春蘭「実際はどうなのだ?一刀のアレをうけたのはお前と趙雲しかおらぬのであろう?」
霞「うちのときは何とか一度は耐えたが・・・そのあとはてんでだめやったな」
春蘭「お前の武は知っているが・・・やはり無理なのか?」
霞「一刀がただ立ってるならふせげるんやけど・・・動いてしまうとなぁ」
春蘭「あんなうすっぺらい剣など数合で折れてしまうだろ」
霞「うちもそう考えたやけども・・・」
春蘭「けど・・・なんだ」
霞「あの状態の一刀は・・・凪みたいなものや」
春蘭「凪?」
霞「そうや・・・あの『刀』といわれる武器に注意してるとな・・・拳やら蹴りやらが紛れ込んでくるねん」
春蘭「それで凪か・・・だが」
霞「惇ちゃんの言いたいこともわかるでぇ〜・・・うちの説明不足やね・・・速度がおかしいんよ」
春蘭「おかしいとは?」
霞「言葉で説明するんわむずかしいわ・・・・惇ちゃん、ちょっちつきあってぇな」
春蘭「いいが・・・どこにいくのだ?」
霞「明命のところや」
明命「では・・・各自準備運動してください「明命」あ、霞さま」
霞「さまはいらんといってるやろ・・・まぁええわ」
明命「あう・・・それでどうしたのですか?」
霞「ちょっちな・・・惇ちゃん、明命に勝てるか?」
春蘭「馬鹿にするな・・・明命には毎回勝ってるぞ」
明命「あうあう・・・どうしても勝てないです」
霞「ほんなら、一刀のまねしてみたらええ」
明命「一刀様の真似ですか?」
霞「そうや・・・二日にいっぺんは一緒に訓練やってるんやろ?」
明命「はい!・・・ですが・・・」
霞「何か問題でもあるんか?」
明命「あ・・・あのですね・・・」
一刀「こんなとこでなにやってんだ?」
明命「あ、一刀様」
霞「調度よかったわ・・・一刀、惇ちゃんと「無理だ」なんでや」
一刀「今日は刀は持ってきてないからな・・・それにコレだし」
春蘭「それは・・・華琳様の愛刀・・・絶」
霞「華琳の武器なんかもってなにするん?」
一刀「最近なまってるからね・・・すこし戦の恐怖を再確認させようかと思って」
副長「周泰様・・・配置完了しました」
明命「は、はい・・・では、一刀様・・・おねがいします」
一刀「ああ、わかった」
霞「なにするん?」
一刀「見てればわかるよ・・・たぶん」
霞・春蘭「?」
一刀「それじゃぁ・・・・銅鑼を鳴らしてくれないか」
兵「はっ!」
『ガァァァン!・・・・ガァァァン!・・・ガァァァン!』
一刀「さて・・・いきますか」
2刻後
一刀「はい、明命の負け」
明命「あう〜・・・逃げ切れませんでした〜」
霞「なんやすごかったなぁ」
一刀「まぁこんなことして訓練になるか不思議だけどね」
明命「そんなことないです!一刀様に比べたら他国の武将など・・・」
一刀「それって・・・どうゆうことかな?」
明命「あ・・・あうあう、ごめんなさい」
一刀「別に起こってるわけじゃないから・・・春蘭?」
春蘭「一刀・・・私と仕合してくれ」
一刀「絶で?」
春蘭「ダメか?」
一刀「・・・・わかった・・・広い場所に行こう」
一刀「・・・ここでいいかな」
春蘭「ああ・・・では・・・いくぞ」
一刀「ああ、いつでもどうぞ」
春蘭「はぁぁぁぁぁぁ!」
一刀「遅い」
こうして始まった魏武の大剣対神速の仕合
そして春蘭は自ら願ってしまった
死神の恐怖を・・・
一刀「まだまだ強くなるよね」
春蘭「当たり前だ!」
仕合の真相は・・・・