茜色に染まる外史 |
『発端』
茜「まったく、先輩も人が悪いですよ・・・こんなところに呼び出さなくても私にはもう覚悟できてるのに・・・」
薄暗い室内を独り言を言いながら少女が歩いていた
茜「それにしても、暗いですね。せんぱーい!」
ここに呼び出したであろう先輩を呼んでみるが・・・返事はない
茜「私だまされた!?ううん、先輩のことだし・・・また優しくして遅れてるだけだよね」
あの優しい先輩が私を・・・人をだますなんてこれっぽっちも思ってない
すると部屋の片すみに丸い鏡?を見つけた
茜「なに、これ?」
明らかにわざとだろうと思いつつ、その鏡を持ち上げると・・・
鏡から光が・・・・
茜「まぶしっ」
思わず手を離してしまった・・・
『ガシャン』
鏡がその場で割れ・・・それと同時に私は意識を失った
茜「ん・・んん・・・ここは・・・?」
目が覚めると・・・荒野にいた
茜「え?新手のドッキリ?」
最初はドッキリも考えたが・・・どうも違うらしい
茜「夢でも見てるのかな?」
現実逃避をしてみた 案外たのしい
??「こりゃこりゃ・・・何、考えることをやめとるのか」
茜「だれ?」
周りを見渡すが・・・誰も居ない
??「おぬし、失礼じゃな・・・こっちじゃ、こっち」
茜「こっち?」
??「むぅ・・・すこし視線をさげておくれ」
視線を下げた先には・・・
??「ようやくみつけたようじゃな」
小さい女の子がいた
茜(言い方は仙人みたいだけど、体が子供だよね?○探偵でもそんな痛い設定じゃないような)
??「おぬし、今よからぬことを思ったじゃろ?」
茜「い、いえ・・・それで、あの・・・ここどこですか?」
??「ん、まぁよい・・・ここはのう、外史 発端の地じゃ」
茜「発端の地?」
??「そうじゃ・・・おぬし、三国時代は知っておるじゃろ?」
茜「まぁ・・・魏、呉、蜀が乱世をどうこうする話でしたっけ?」
??「そうじゃ・・・まぁここはその世界に似たような世界だと思えばええのう」
茜「似たような?つまり同じじゃない?」
??「ふむ、頭は回るようじゃな・・・茜よ」
茜「はっはい」
??「これからおぬしはこの世界のどこかの勢力に入ってもらう」
茜「どこかの?自分で選べるの?」
??「そうじゃ・・じゃが、ドノ道も困難、つらい道のりじゃ・・・今すぐにでも元の世界に返せるが」
茜「え?本当!?」
??「ああ、じゃが・・・記憶はない」
茜「記憶が・・・ない?」
??「そのままの意味じゃ・・・この世界を平定して、帰るか。今すぐに帰り、記憶のないまま生きるか・・・それはおぬしが決めることじゃ」
茜「記憶が・・・・」
??「時間はまだある・・・ゆっくり決めることじゃな・・・・」
茜「あ、あなたは一体」
??「わしは管路・・・この大陸で占い師をしとる・・・茜よ、どうしても前に進めないときはわしの名を思い出せ・・・わしの弟子たちがお前を助けてくれるじゃろう」
茜「は、はい」
管路「いい返事じゃ」
次第に管路の姿が薄れ・・・消えていった
茜「あれ?私、いま、誰と話してたのかな?」
(わしはおぬしを見守っておるぞ)