お城 |
さくさく
ぺたぺた
エアリスは砂場で楽しげに山を作り 形を作り上げていく
「…楽しい?」
思わずザックスは聞いてしまう
「う〜ん 懐かしい かな」
器用に固めたり 削ったり そして出来上がったのは
「完成〜」
満足げなエアリスの笑顔
それは 小さなお城
「へぇ器用だな」
感心する 小さい窓もちゃんと出来ている
「…ありがと」
しかし エアリスはそれを崩し始めた
「もったいなくないか?」
エアリスの表情は先ほどの笑顔では無く
寂しげな どこか諦めた感じの表情
「…夢は夢」
ぽつりと呟く
ザックスの胸がチクリとする
似たような事を言われたことがあった
それはそうだろうか?
ザックスはエアリスの手を止め
「そうか?夢は叶うものじゃなく、叶えるものじゃねえ?努力すれば城だって手には入る」
エアリスはザックスの言葉を静かに聞いている
「叶えるもの?努力?」ザックスは頷く
「よし、俺がエアリスのために城作ってやる!」そう言うと
砂をかき集める
「今は砂だけど、いつか本物を作ってやる」
エアリスが壊した城を直し始める
その様子をぽかーんとしながら眺める
ー私 どこか 諦めてた
夢は夢って…
ザックスの言葉が胸の内を熱くする
「ザックス…ありがとう」
「うん?お礼言われるほどじゃないよ」
ザックスは砂遊びに夢中になっていった
ーザックスにとっては何気ない言葉 だったけど
私には心響く言葉だった
あなたは私に教えてくれた
諦めない その言葉を
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FF7(クライシスコア)の ザクエア短編です |
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