そらのおとしものf 番外編 『決戦! 鬼退治(まめまきたいかい)!!』 |
今日は2月3日である。
「節分ね〜」
外を見ながらそうつぶやく美香子。
「お譲」
「準備できた?」
「もちろん」
美香子は何かを子分(?)達に準備させていたようである。
「それじゃあ……行こうかしら」
美香子はどこかに行こうとしていた。
家の屋根から豆をまく智樹。
そのまかれる豆を口で受け止めて食べるアストレア。
そんな時に空から大量の豆がばら撒かれ、家と一緒に埋もれる智樹とアストレア。
大量の豆はカオスが羽を使って落としたものであり、空からタイトルと一緒にカオスも落ちてくる。
「決戦! 鬼退治(まめまきたいかい)!!」
空から豆入りマシンガンを連射するイカロス。
豆の山を上りながら、豆入りマシンガンを連射しながら戦う美香子と守形。
ここ桜井家は普通に生活していた。
「ふぅ〜」
智樹は平和を満喫していた。
「本日は節分……」
ニュースで今日が節分であることを告げる。
「今日は節分か……」
「お兄ちゃん、節分って何?」
居候しているエンジェロイドの一人のカオスが智樹に尋ねた。
「節分ってのはな、家についてる悪い鬼を豆で追い払うって日だ」
「この家にも居るの?」
「う〜ん」
ぶっちゃけた話、鬼よりもこの家に居るエンジェロイド達の方が危険ではないのかと智樹は思った。
「まあ鬼ってのは目に見えたりしないからな。それと鬼を追い払うの同時に福を家の中に呼び込むんだ」
「ふぅ〜ん」
智樹の話を聞いているニンフ。
「まあそれと自分の年の数だけ豆を食べるんだ」
「年の数……」
イカロスとニンフはその事を聞いて考える。
イカロスは既に7000万年近く生きており、ニンフは6500万年近く生きている。
対してカオスは生まれてまだ1年経っていない。
カオスはまだ豆を1つだけで済むだろうが、イカロス達は半端ない量の豆を食べないといけないことになる。
「いや、別に無理にそんなに食う必要は無いぞ」
智樹の家にたまたま一緒に居た秋山がそう言った。
「それにさ、智樹と一緒の学校というかクラスにいるんだ。だからそんなに多くの豆食わずに智樹と同じくらいでいいだろ。
つぅか、お前達分の豆用意するほうが大変だろ。俺は出来ないわけじゃないけどさ……」
「………」
そんな時であった。
家のインターホンがなる音が聞こえる。
「桜井く〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
外から女の子の声が聞こえてくる。
「うん? 女の子の声! は〜〜〜〜〜〜〜〜〜い♪」
智樹はルンルン気分で玄関へと向かった。
「声の調子は変えているが、あの声は……」
秋山は声の主に気付いていた。
智樹は気分よく玄関を開ける。
すると玄関に居たのは美香子と子分達(?)であった。
智樹の体から冷汗が流れる。
「連行よ〜〜〜〜」
「ひぃいいいいいいい!!」
智樹はなす術なく美香子に捕まり、連行された。
「あ〜あ、トモキ行っちゃった」
「マスター……」
「ねえねえ、追わなくていいの?」
カオスが黙ってみているイカロス達に尋ねる。
「まああいつのことだ。また何か祭りとかしようってことだろ。暇だし行ってみるか」
秋山が3人を連れて智樹達の後を追った。
秋山達が智樹達の後を追う。
すると智樹達はいつも祭りが行われている場所で作られた特設会場に入っていった。
「なんだこりゃ?」
「どうせ美香子がまた企んでるんでしょ」
「俺の力なしで一日でやるとは、相変わらずだな」
秋山達が会場に入る。
「放せーーーー!」
縄で縛られている智樹は泣き叫んでいた。
周りには商店街の人達や学校関係者など、要は空美町に居る人達の大半が集合していた。
「今度は何するんだろうな」
「皆さ〜〜〜〜〜ん」
美香子が会場の高いところからマイクで呼びかける。
「これから鬼ごっこをするわよ〜〜〜」
「鬼ごっこ…」
全員が鬼ごっこと聞いて、何のことだと思う。
「ルールは簡単よ〜。この会場内で鬼ごっこをするのよ。会場には隠れる場所もあるわよ〜」
会場は何かしらの建物などがあり、隠れたり障害物がある。
「時間内に逃げ切ったら、鬼じゃない人の勝ち。全員捕まえたら鬼の勝ちよ〜。
今回は節分特別ルールとして鬼じゃない人は豆を持ってもらうわ〜」
すると美香子の子分(?)達が豆の入った箱を一式用意していた。
「豆で鬼が追いかけてくるのを妨害する事が可能なのよ〜。もちろん使わずに逃げ切るのもありよ。
ちなみに鬼は志願制。会長は鬼になるわよ〜」
「嫌だーーーーーー!!」
智樹が美香子の鬼宣言で更に嫌がる。
「時間制限までに2人以上が最後まで残っていたら最後の一人が決まるまで鬼ごっこをするわよ〜。
鬼が複数居る状態で全員捕まったら最後の勝負で優勝者を決めるわ〜」
「嫌だ〜」
「優勝した人は賞金2000万よ〜」
美香子の言った賞金金額は前にやったサバイバルの時よりも2倍であった。
「賞金……」
「2000万……」
その事を聞いて全員の反応が完全に変わった。
それは智樹も同じであった。
「ふふふ………」
智樹はやる気を出し始めていた。
「それじゃあ、参加する人はあっちで鬼か逃げる方かを決めてもらうわよ」
子分(?)達に案内され、参加者達は誰にも知られないようにどちらで参加するかを申告し始めた。
参加者達の一部がどちらかを決めて部屋から出てくる。
その様子を見るイカロス達。
「あ、イカロスさん達だ。イカロスさ〜〜〜〜ん」
イカロス達を見かけたそはらがやって来る。
「イカロスさん達は参加しないの?」
「今どうしようか考えてるところなのよ」
「あら、イカロスちゃん達、参加しないの〜?」
そはらとイカロス達のところに美香子が来る。
「俺は止めておく。能力なしでもいけるが、めんどくさいからな。監視員でもやってるさ」
秋山はそう言って断った。
「カオスちゃんはどうする?」
「う〜んと……鬼になる♪」
「鬼ね」
美香子が用紙にカオスが鬼役になると書く。
「それでね、お兄ちゃんと追いかけっこするの♪」
カオスの発言にイカロス、ニンフ、アストレア、そしてそはらが反応する。
(マスターと……)
(追い……)
(かけっこ……)
(智ちゃんと追いかけっこ………)
4人の心は激しく揺らぐ。
「それでイカロスちゃん達は……」
「参加します!」
「参加するわよ美香子!」
「はいはーい、師匠、私も参加しまーーーーす!!」
「私も鬼になります!」
4人はカオスの鬼宣言もとい智樹の追いかけっこ発言により、鬼として参加することになった。
そして参加者達が決まる。結局鬼は美香子、そはら、イカロス、ニンフ、アストレア、カオスのみとなり、残りは全員逃げる方となった。
「げっ……」
鬼の面々が明らかに人並み外れた能力持ちに声を漏らす智樹。
「それじゃあ、俺が開始の合図をやる。鬼じゃない人は逃げてくれ」
秋山が開始の合図をすると宣言し、鬼以外の参加者達は建物の中に隠れたりして逃げる。
「分かっているだろうが、羽を使うのはなしだからな」
「分かってるわよ」
「それでは、レディイイイイイイイイゴーーーーーーーー!!」
秋山の開始の合図とともに鬼達はスタートを始めた。
美香子以外の鬼は全員智樹の逃げて行った方に走り出す。
「さてと……どうなるかな、智樹の奴……」
秋山は智樹の後を追いかけるイカロス達を見てつぶやいた。
「智ちゃーーーーーん!!」
「待ちなさい、トモキ!」
「お兄ちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
そはら達が智樹の名前を呼びながら、智樹を追う。
「ここまでくれば……」
智樹は全速力で走って、建物の影に隠れて休む。
しかし5人はすぐに智樹を捕捉した。
「げっ! なんで会長以外全員こっちに来るんだよ!」
智樹は再び走り出す。
「待ちなさい!」
ニンフ達は智樹を追う。
「ニンフちゃ〜〜〜〜ん♪」
「アストレアちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん♪」
空美町にいるニンフやアストレアのファン達が鬼である彼女らの前に立ちふさがる。
彼らはわざとニンフ達に捕まろうと出てきたのだが……。
「「邪魔よ!」」
ファン達は思いっきりはたかれて会場の外へと吹っ飛んだ。
「まったく……」
「智ちゃん!」
5人は再び追いかけっこをする。
「俺が何したんだーーーーーーーー!!」
智樹の叫びを聞いて秋山はこうぼやく。
「罪を作ったことだな。あの罪な男は……」
智樹を追うイカロス達。智樹と同じ方向で逃げていた参加者達はイカロス達に豆をまいて防衛行動をとるも簡単に防がれる上に邪魔者扱いとして会場の外に吹き飛ばされていた。
そしてイカロス達はとうとう智樹を追い詰めた。
「くそ、逃げ切れねえ……」
イカロス達は智樹を囲む。
「お兄ちゃ〜〜〜〜〜〜ん」
まず動いたのはカオスであり、カオスは智樹に抱きつこうとする。
「させないわよ!」
ニンフは近くにおいてあった障害物となる木材を広い、それでカオスを吹き飛ばそうとするもカオスの体は丈夫なため木材は粉々砕けた。
「ニンフお姉様……」
「どっせええええええい!!」
アストレアがchrysaor(クリュサオル)を出し、それを使い、ニンフとカオスを会場の外へと吹き飛ばそうとするが……。
「『Artemis(アルテミス)』フルファイヤー!!」
イカロスがArtemisを用いて、3人を会場の外へと吹き飛ばした!
「マスター……」
「な、なんだよイカロス……」
(マスターと追いかけっこ……マスターと追いかけっこ……)
イカロスはその後のことを考え始める。
(マスターに頭をなでてもらう……)
(このまま優勝したら、智ちゃんと……)
そはらはそはらで智樹との夢もとい妄想に浸っていた。
「智ちゃん…」
「マスター……」
「「覚悟!!」」
二人が智樹に襲いかかろうとすると……。
「しゅうりょーーーーーーーーーう!!」
秋山の終了の言葉が会場に響く。
「え?」
智樹達は時間のことなど全く頭に入っていなかったために残り制限時間が分かっていなかった。
終了の合図を聞いて智樹達が会場の外へと出てくる。
「あれ? 先輩も捕まったんすか」
「ああ」
守形もあと少しのところで豆が切れ、美香子に時間ギリギリで捕まったのだ。
「ってことはもしかして……」
「ええ、桜井君の優勝よ〜〜〜」
「マジでか!」
智樹は喜びに浸る。
「これで賞金は俺の……」
「それじゃあ、桜井君には鬼と決戦してもらうわよ〜」
「へ?」
するとそこにいつもの夜店のおっさんが鬼の面をしてやって来た。
「い、居たのかよ……」
「もちろんよ〜」
美香子が祭りの時に夜店のおっさんを呼んでないわけがなかった。
「かまーん……」
数分後、智樹は血だるまになり、賞金は結局夜店のおっさんのものになったのは言うまでもない。
「鬼は〜外、福は〜うち」
倒れている智樹の近くで豆をまくカオス。
その言葉は智樹の心にとても響くものであった。
説明 | ||
この作品はアニメ「そらのおとしものf」の最終回後を二次創作で考えたものです。 そのため映画に出てくるであろう要素は一切入りません。 原作キャラクターの性格や口調が一部変わっていたりするかもしれませんが、その事はご了承下さい。 またこの小説には作者の分身とも言えるオリジナルキャラクター(秋山総司郎)も出てきます。 今回は原作でもありそうなネタです。 原作でもやりそうな事を考慮したため、内容はかなり雑になっていることをご了承願います。 |
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コメント | ||
やっぱり鬼役は複数の可愛い女の子を囲っている鬼畜外道の桜井智樹君以外にありえないですよねぇ。(tk) 若干逃走中が混じってるな。(アーマイル) 時事ネタを作品にうまく組み込みましたね。萌えポイントはカオスでしょうけど(枡久野恭(ますくのきょー)) |
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