真・恋姫†無双 十√ 30
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-呉side-

 

「孫策様、呂蒙様指揮する騎馬隊が敵前衛を突破っ!!、我が軍前衛はそれに続くように反撃し敵軍を押し戻しています!

さらに右翼の陸遜様甘寧様!左翼の黄蓋様周泰様の軍も敵軍を押し戻していますっ!!」

 

その報告がされた瞬間呉軍本陣は沸き上がる、すべては亞莎と冥琳の策通り、後は雪蓮率いる騎馬隊がその勢いのまま

敵本陣を突き北郷一刀の首級を取れば魏は崩壊し孫呉の天下になるだろうと

 

「冥琳、姉様は大丈夫よね…、きっと無事に帰ってきてくれるわよね?」

 

呉の攻勢に沸き返る中にあって雪蓮の心配をするのは妹の孫権こと蓮華、そんな蓮華に冥琳は

 

「確かに敵本陣には三万もの敵兵がいますが雪蓮ならばそれを突破し北郷一刀の首級を取ってくれましょう!

我らが今成すべき事は雪蓮と亞莎達に続き敵軍を打ち破り、雪蓮達を迎え入れる事です!」

 

「そうね…、そうよね!姉様だけを戦わせる訳にはいかないわっ!呉の勇者達よ皆聞けぇっ!

このまま魏兵共をこの神聖なる呉の大地より消し去るのだっ!!全軍突撃せよ!!!」

 

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

 

 

蓮華の号令にさらに盛り上がり攻勢を強める呉軍、そんな様子を見た冥琳は勝利を確信する、そして再び戦場を見る

魏軍に前がかりの攻勢を誘い虚を突いて敵陣を突破、それに混乱し恐慌状態に陥った魏軍を逆撃しこれを打ち破る!

その策に従い呉の将兵は魏軍へと一気呵成の総攻撃をする、すべてが上手くいった

 

 

 冥琳は想う、もう少し、もう少しで我ら孫呉の長年の夢が叶うと……

 

 

 

おおおおおおおおおおおおっ

 

ああああああああああっ

 

ぎゃああああああっ

 

どーーん、どーーん

 

 

 

(………)

 

 

戦場を見つめていた冥琳

 

 

(…………?)

 

 

それは、わずかな違和感、しかし大軍師周喩はそれを見逃さなかった

 

 

(……おかしい……)

 

 

冥琳は戦場に漂う気のようなものを敏感に感じ取る

 

 

(戦場があまり動いていない…、魏軍が逃げ遅れているのか?いや、違う、これは…)

 

 

そして戦場をくまなく見渡す、中央、左翼、右翼、どの戦場も呉軍が有利……のように見える

しかし注意深く見ている冥琳は各地で魏軍が呉軍の攻勢を抑えきっているのを感じ取る、実際には砂塵などで見えない、

しかし百戦錬磨の大軍師周喩だからこそそれを感じ取れた、そして結論する、間違いない!

 

 

(魏軍は……、まったく混乱していない!?)

 

 

汗が流れ手を握り締める冥琳、あらゆる事を考える、敵の軍師達が我が軍の攻勢を耐え切り瞬時に防衛線を作り出す、

いや、一度恐慌状態に陥った軍はそう簡単には立て直せるわけがない、なにより…

 

 

”亞莎の存在”

 

 

突然現れた騎馬隊による見事な敵陣突破、それは魏の将兵に衝撃を与え恐慌状態にするには十分なはず、なのに…

 

冥琳は考える、そして、その信じられない結論に達する

 

 

「まさかっ!!!」

 

 

 

-魏side-

 

右翼に布陣する風さんは呉軍騎馬隊を見て感嘆の声を上げる

 

「ほぅほぅ、見事なものですねぇ〜、あれだけ統率の取れた騎馬隊は魏にもそうはいないでしょうねぇ〜、

それに見事な中央突破、詠ちゃんはさぞかし苦労してるでしょうねぇ〜、ほんとぉに〜……」

 

 

一方左翼に展開する稟もまた呉軍騎馬隊を見て驚きを隠せないでいた

 

「見事なものです、南船北馬という言葉を改めねばいけませんね、呉には良馬は少なくまともな騎馬隊など存在

しないと思っていましたがどうして中々、さらにその騎馬隊を指揮する将、あれだけ統率できる者は魏にも

数えるほどしかいないでしょうね、まったく……」

 

 

前衛の詠もまた

 

「ああもうっ!結局貧乏くじを引くのはいっつもいつもボクじゃないのっ!もーーーっ!!!」

 

「え、詠様落ち着いてくださいっ「わかってるわよっ!」」

 

地団駄踏んで悔しがる詠を必死でなだめる凪につい強い口調になってしまう詠、しかしすぐに呼吸を整え

 

「ふーーーっ、ごめんなさい凪、さ、陣を整えるわよ!中央を突破した敵は無視してくれていいわ、

それに続いて突破を試みる敵主力は無理に止めようとせず抑えて敵の力が弱まったら少しずつ削って力を弱めましょう、

後は両翼の風と稟が左右から敵を押し込んでくれるからそれまでも持たせてくれればいいわ!」

 

「はっ!」

 

「ふうっ、ほんとに……」

 

 

 

『『『呂蒙子明という人物の存在を知っていなければ危なかった』』』

 

 

 

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-時間は石頭城での軍議にまで遡る-

 

 

それは呉の罠を警戒して細作を通常の倍以上出した後の報告を皆で聞いていた時の事、呉軍の編成などを綿密に

話し合っていた時、一刀は呉に関連する報告を見直していた時言った言葉

 

 

『ところで皆、呂蒙子明って知ってるかい?』

 

 

その名前に皆は記憶を探る、しかし誰もその名前を知る者はいず首を振る、そして稟が一刀に尋ねる

 

「その人物は何者ですか?」

 

「呉の将だよ、俺の知ってる知識の中のだけどね、この世界…、ここにはいないのかなって思ってさ」

 

皆は一刀の言葉が一瞬意味が分からなかったが、風はその意味を理解したらしくその呂蒙について尋ねる

 

「その呂蒙という人物はおにーさんの世界ではどのような方なのでしょうか〜」

 

「そうだな、俺の知ってる知識での呂蒙は知勇兼ね備えた優れた呉の将でね、大都督にまでなるほどの人物なんだ、

魏国の重要拠点を奪ったり魏の大軍から味方を逃がしたりと数々の武功を重ねるほどのね、そして…」

 

 

「蜀の関羽を討ち取るほどの傑士なんだ」

 

 

その言葉に皆が息を呑む、特に霞は今の言葉に信じられないといった表情で、あの”万人の敵関羽”を

討ち取るほどの人物!?

 

「ちょ、ちょお待ちいや!そんな奴おったら今頃あっちこっちで名を馳せてるんやないんか!?」

 

「うん、だから皆に聞いたんだ、他にも俺の知ってる知識の中で名の知れた呉の将を調べては見たがもう死んでいたり

すでに呉の幕下にいたりしてる、けど呂蒙の名前だけはまったく出てこなくてね、ちょっと気になったんだ」

 

「それは、呉が隠してるって言いたいの?」

 

「わからないな、この世界にはいないのかもしれないし、もしいても才がなく使い物にならないとか、

でも俺はなんとなく思うんだ、呂蒙はいるんじゃないかって」

 

一刀の言葉に聞き入る皆、春蘭や季衣は頭が「?」となっていたが他の面々、特に軍師の桂花、稟、風、詠などは

半信半疑といった感じだった

 

「あんたの話って時々意味がわからないのよね、天の知識かなんだかわからないけど、でもそのわからない知識が

今まで魏の危機を救ってきたってのも事実な訳だし」

 

「そうですね、想像や空想のような非現実的なものは正直信用する気にはなれませんが一刀殿が言われるならば

一考する価値はあると考えます、実際そのような人物がいた場合を考えて」

 

「そうですね〜、風はその呂蒙という人の事を知りませんが、もしいるとするならばきっと次の戦いで出てくる

のではないかと思います〜」

 

「その呂蒙ってのが呉の切り札って言いたい訳?」

 

「他にも色々あるかもしれないけどね、雪蓮じゃないけど”勘”ってやつかな、何か胸騒ぎがするんだよ」

 

その一刀の言葉に軍師達は何か話をする、そして桂花が

 

「一応その名前は覚えておくわ、呉の強力な一手として、まぁ正直眉唾ものだけど」

 

「ありがと」

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

魏軍本陣の物見台より戦場の呉軍騎馬隊を見る一刀と桂花、桂花は軍議での事を改めて思い出し

 

「『呂』の旗…、あれがあんたの言っていた呂蒙って奴か、ほんとにいたのね」

 

「みたいだね」

 

「あんたの言う通りかなりの将のようね、事前に聞いてなかったら周喩の策にまんまと嵌められて中央を突破された

挙句恐慌状態に陥った兵の建て直しに時間がかかって壊走してたかもしれないわね、まったく嫌らしい奴」

 

「それが軍師ってやつだろ、さて、こちらの筆頭軍師様はその嫌らしい奴の対策は準備できてるかい?」

 

「当然でしょ!この天才軍師荀文若の構える陣は鉄壁なんだからっ!」

 

(さすが胸が絶壁軍師)

 

「……今、何か失礼な事考えなかった?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「マサカ!カンガエテナイヨ!ケイファサン!!」

 

 

どーーんどーーんどーーん

 

 

桂花と一刀が仲良くじゃれあってる(?)と陣太鼓が大きく鳴り響く、一刀と桂花はこちらに向かってくる

白い呉軍騎馬隊の報告を聞き

 

「先頭でくるのはその呂蒙って奴…と孫策ですって!? まさか呉の王が自ら突っ込んでくるなんて…

あんた、これも読んでたの?」

 

「なんとなくね、彼女は俺との決着を付けたがってるからどこかで突破を試みてくるとは思ってた、

まぁ中央から突っ込んでくるとは思わなかったけど雪蓮らしいっちゃらしいか」

 

「呆れた…、まぁあんたのその読みと孫策の蛮勇のおかげでこちらの策が上手く嵌りそうだからいいけど」

 

「だな、さて、まずは呉軍騎馬隊の足を止めようか」

 

そう言うと一刀は陣に多数準備されたソレが準備されているのを確認すると大きく右手を上げ、そして命令する

 

 

「万鉤弩(ばんこうど)放てっ!」

 

 

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-呉side-

 

戦場を見つめる冥琳は小刻みに震え蒼白になっていた

 

 

” 間違いない!魏軍は亞莎の存在を知っている! ”

 

 

ありえない!という感じで結論する冥琳、それもそのはずだ、亞莎の存在は呉軍首脳でさえ知らなかった秘中の秘

冥琳がこの戦いまで隠し通してきたのだから、冥琳はあらゆる事を考え始める、魏の細作、内通者、離反、しかし

どれを考えても当てはまらない、何故なら呂蒙という名を知った所でその才を知る者はいないからだ、

戦場にも出た事のないような人物の本質を知る者などいるはずがない!……しかし、冥琳はある人物の存在を思い出す

 

 

『 北郷一刀 』

 

 

天の御遣い北郷一刀、かの者は人知を超えたものを持っている、先を見通しその為の布石を次々と打って来る、

冥琳もそれは知っていた、しかし亞莎の事まではわかるまいと考えていたのだ、だがその判断が甘かったと後悔する

 

「あ奴は…、一度も戦場に出ていない者の事まで知っているというのかっ!…その才までもっ!!…かはっ!」

 

その瞬間吐血しどっと膝をつく冥琳、異変に気付いた蓮華が駆け寄る

 

「冥琳!!待っててすぐ医者を呼ぶから!誰かあるっ!すぐに…「蓮華様…」」

 

蓮華の言葉を遮るように冥琳は言葉を発する、それは酷く恐れているような声で、そして

 

 

「蓮華様…、これは魏の…、いや、北郷の罠です!」

 

 

 

 

雪蓮率いる騎馬隊は魏軍中軍に今まさに突入しようとしていた、しかし雪蓮の勘は”危険”とささやき続ける、

 

”これ以上進めば自分は一刀の策に嵌められ命を落とすのではないか”と、

 

それでも雪蓮はここは突破を選ぶ、元々自力では魏の方が圧倒的に有利なうえ長引けば呉の勝つチャンスが

どんどん失われていくのは間違いないからだ、今ここで一刀を討たなければ孫呉には二度と勝利のチャンスはない!

たとえ自分の命が失われるような事があっても孫呉の勝利の為ならば構わないと!

 

そう決意し敵陣に突入しかけた時、それが呉軍騎馬隊を襲う

 

ひゅーーーーーーーーーーーーーーーーー どどどどどどどどどどどどど!!!!

 

呉軍を襲ったのは万鉤弩、普通の弩よりはるかに大きい弩である、通常は一射ごとに時間を要するのだが一刀はそれを

三段式攻撃を採用し連射の形を作り出す、さらに鉄疾藜(別名馬止め釘、4〜5cmの四つの鉤爪のついたもの)が魏軍

から呉軍騎馬隊の進行方向に向け無数に投げられる

 

次々と降り注ぐ万鉤弩と鉄疾藜によって呉軍騎馬隊は次々と落馬する者が続出、しかし雪蓮はそんな攻撃をものともせず

先頭きって魏軍中軍へと突入する

 

「でああああああああああああああああっ!!邪魔よっ!」

 

どどおおおおおおおおおおおおんん!

 

雪蓮の強烈な一撃に魏軍の兵士が吹き飛ばされる、それに続くかのように亞莎指揮する騎馬隊も突撃をする

しかし通常なら弩兵なども配する陣を盾を持たせ玄鎧(鉄の鎧)をつけた戟兵だけを配し、

一万五千の兵を三千ずつ縦五段並べた縦深陣は脆弱部分がなく桂花の言う通りまさに鉄壁であった

 

雪蓮は焦る、騎馬の長所は速度による突破、しかしそれを完全に潰しにかかるこの陣では騎馬は的になるだけだと、

そして雪蓮の心配の通り、速度を落とした呉軍騎馬隊は左右より戟によって落とされ次々と討たれていく

徐々に減らされていく味方に歯軋りをしながら、しかし雪蓮は味方を必死で鼓舞する

 

「皆、今一度気合を入れよ!ここは一気に突破よっ!」

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

 

雪蓮の号令に続く呉軍騎馬隊、そして、魏軍の縦深陣の突破を試みる、一段…、二段…、そして三段…、

雪蓮の突撃によってできた穴を亞莎が的確に騎馬を運用し確実に削っていく

 

「甘いわね一刀、私を止めるにはこの程度の縦深陣じゃ役不足よっ!」

 

 

その様子を見た本陣の一刀はまるで雪蓮の言葉が聞こえたかのように

 

「そのくらいわかってるさ雪蓮、だから二の矢をちゃんと用意してるよ」

 

そして”ソレ”が準備されているのを確認すると再び右手を挙げ命令する

 

 

 

雪蓮が魏軍中軍の五段目の陣を突破し中軍後曲の本陣が見えたと同時に陣太鼓が激しく鳴らされそれが現れる

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

地響きを上げ迫るのは漆黒の魏の騎馬隊、その重い地響きに雪蓮はこの騎馬隊が普通ではないと瞬時に悟る

数は三千騎、だがその威圧感がただものでないものは確認できた、そしてその騎馬隊は呉騎馬隊に突撃を開始する

 

があああんん!!!!

 

吹き飛ばされる呉軍騎馬隊、必死で防戦するものの力の差は歴然、しかし亞莎はすぐに態勢を整え反撃する

雪蓮も必死で血路を開く為奮戦するも

 

ぎいいいいいいん!!!

 

「!?」

 

突撃してきた騎馬兵を切り伏せた雪蓮はその違和感を感じる

 

「これはっ!… 玄鎧を重ねてっ!?」

 

その瞬間雪蓮はその騎馬隊の正体を知る、兵は玄鎧を重ね馬は馬具装で覆われた甲騎具装の”重装突騎”

魏軍の中でも精鋭中の精鋭、一人が百人の力を発揮するとまで言われる

 

『虎豹騎』

 

甲冑で覆われた騎馬隊は速度こそ出せないものの乱戦では部類の強さを発揮する、呉軍は奮戦するも徐々に押され、

さらに次々襲い掛かる虎豹騎にさすがの雪蓮も苦戦する、その様子を見た桂花は自信満々に

 

「これで孫策を止めれたわね!」

 

「いや、無理だな、雪蓮はこれじゃ止まらない」

 

自信満々の桂花とは逆に一刀は雪蓮が止められないと言い切る、それに対し桂花が

 

「あ、ありえないわよ!五段の縦深陣、万鉤弩、三千の虎豹騎!これで止められないなら化け物よっ!」

 

「それが雪蓮、小覇王孫策だ、桂花」

 

きっぱりと言い放つ一刀にさすがの桂花も焦りを感じ戦場を見る、しかし一刀はそんな桂花に優しく

 

「大丈夫だよ桂花、心配しなくてももうすぐ来てくれるから」

 

「来てくれるって、誰が?」

 

その問いに一刀は…

 

 

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雪蓮が桂花の指揮する縦深陣に止められている頃、魏呉の戦いは攻守が変わりつつあった

 

-魏軍右翼-

 

「くっ、何じゃ魏軍のこの守りの強さは!?中央を突破されたと言うに混乱さえせぬとはっ!」

 

「祭様!これ以上は被害が増すだけです、一旦建て直しを…」

 

「何を言うかっ!策殿が敵本陣に突入しているのじゃぞ!わしらがこんな所でまごついておったら策殿に笑われるわっ!

何よりっ……(このままでは策殿が孤立してしまう!)」

 

そう言うと祭は味方に攻勢を強めるように指示を出す、しかし魏軍はそんな呉軍の攻勢をまるで水のように受け流し

被害を最小限に抑えていく、呉軍騎馬隊が起こした驚愕と混乱は魏軍にはすでになく、少しずつ自分達の流れに

持っていっていたのだ、それを指揮するのは魏軍右翼を指揮する

 

「くふふふ、申し訳ありませんがこれ以上はやらせないのですよ〜」

 

そう言うと名の通り風のようにふんわりと舞う風さん、ゆったりとしたその姿から繰り出される指示はどれも敵の弱点

を瞬時に突き止め叩き潰す必殺、風さんはにこやかに微笑み味方の兵士に号令する

 

「ではでは皆さん、そろそろ殲滅戦といきましょうか〜」

 

 

-魏軍左翼-

 

「止められた…っ!」

 

陸遜こと穏は攻勢が止められた事に愕然とする、雪蓮の中央突破によって混乱したかにみえた魏軍に対し全面攻勢

をかけたのだが魏軍の混乱は思ったほど伝染せずあっという間に立て直したのだ、それでも必死に血路を開こうとする

甘寧こと思春であったがそれも霞、真桜によって止められる

 

(まずいですね、ここで押せないと勝つ為の布石がどんどんなくなっていってしまいます、

それに、このままでは雪蓮様と亞莎ちゃんが敵中に孤立してしまう!)

 

必死に血路を開く為に策をめぐらす穏であったがそれをさせまいとする魏軍左翼を指揮する稟

彼女は風とはまた違い、まるでゲームのように堅実に兵を動かしていく、それは一種芸術品のようでもあった

 

「申し訳ありませんが、貴女方の策はすでに看破しています」

 

そう言うと稟は風と同じように呉軍を的確に潰していく、突出してきた呉軍は進撃を阻まれ右往左往する、

それを見た稟はほくそえみ

 

「ふふっ…、貴女達は私の掌で踊るのみ、さぁ駒を進めましょう!」

 

 

-そして魏軍前衛-

 

「詠様、両翼が!」

 

「さすがは風と稟ね、もう敵を抑えて反撃を開始してるなんて…(本当にあの二人が味方で良かったって思うわ)

凪、こちらもそろそろ反撃を開始するわよ」

 

「はっ!」

 

そう言うと詠はてきぱきと指示を出し、凪はそれに従い兵を動かしていく両翼の援護を受けた魏軍前衛は雪蓮の突破で

空けられた穴を徐々に塞いでいく、そして呉軍の反攻を抑えきり陣容を整えると

 

「さぁ今までの鬱憤晴らさせてもらうわよ!」

 

 

「全軍突撃!叩き潰せっ!粉砕せよっ!臆するな進めぇ!!!」

 

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

 

 

元々攻勢に定評のある詠である、魏軍の怒涛の反撃に呉軍は一気に劣勢となり守るのが精一杯となっていく

 

その頃魏軍中軍では…

 

 

 

がぎいいいいいいいいいいいいん

 

襲い続ける虎豹騎を次々に相手にする雪蓮、必死で突破を試みようとするものの中々進めず

 

「(くっ、このままじゃ突破に時間がかかり過ぎてしまう!)亞莎!こいつらをなんとかしてっ!」

 

「はいっ!奇軍第一陣第二陣は雪蓮様の進路の確保を!伏軍第一陣は右側面を!伏軍第二陣は左側面を援護!

備軍第一陣は殿を!備軍第二陣は弩で援護射撃をっ!!」

 

的確に指示する亞莎のおかげで雪蓮の前に立ち塞がる虎豹騎は少しずつ排除されていく、

雪蓮は改めて亞莎の才に感心し、配下である事を頼もしく思うのだった、そして雪蓮は再び咆哮を上げ

 

「どけえええええええ!!!!」

 

どがあああああああああああ!!!

 

吹き飛ばされる虎豹騎、再び一刀の元へ突撃を行おうとした雪蓮、しかしその時!

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

「孫策ーーーーーー!!」

 

「!?」

 

がぎいいいいいいいいいいいいいいんん!!!!

 

「くっ、貴方はっ!」

 

「勝負はまだついてないだろうが孫策っ!!!」

 

「夏候惇!!」

 

前衛からとって返した春蘭に押さえ込まれ雪蓮は身動きが取れなくなる

 

(ここで夏候惇…、くっ!止められたかっ!)

 

 

 

「やっぱり春蘭が来てくれたか、これで雪蓮は抑えられるな」

 

「ほんとに来たわ、何?これも天の知識とかそういうの?」

 

「そんなもんないよ、ただ今回春蘭は絶対雪蓮を討つって約束してくれたからね、きっと来ると信じてたんだよ」

 

「……ちなみにその約束ってどこでしたの?」

 

「………」

 

一刀は無言になり嫌な汗を流しながら口笛なんかを吹く、ちなみに答えは閨での事、桂花さんもそうだろうとわかって

 

「これ以上近寄らないでよね、孕むから、この変態孕ませ精液覇王!」

 

「はい」

 

激戦の中でもいつもの桂花さんと一刀さんだった、こほんっと一息をついた一刀は戦況を見

 

 

「これで切り離し成功だ、さて、そろそろ稟に渡した書簡が開封される頃かな」

 

 

-5ページ-

 

 

魏軍左翼で戦いを有利に進める稟はこの戦いの前に一刀からある一通の書簡を受け取っていた、それは霞には

教えないようにと一刀と稟だけの二人の約束、そんな約束が嬉しい稟さん、そして一刀からの言葉を思い出す

 

”これはこの戦いの分岐点で稟の判断で開けてほしい、結構無茶な命令だから霞には内緒で頼む”

 

その言葉を思い出す稟はこの命令書がかなり危険なものだと判断していた、今現在魏軍は総反撃をし、

呉軍を一気に押し返している所、しかし呉軍の必死の守りで戦況は今だ余談を許さないものだった、稟はその分岐点が

今だと判断する、一呼吸し一刀からの書簡を開封する稟、そして読み終わった後に

 

(……成る程、これは確かに無茶な命令ですね、しかし、これはあまりにも……)

 

その命令書の真意を精査する稟、命令したものかどうか迷っていたのだ、しかしそこに

 

「なーーんかおもろそうな事考えてる顔してんなーー」

 

はっ!として見るとそこには休息の為戻ってきていた霞の姿、霞は稟が何やら考え込んでるのを見てやってきたのだが

直感で”なんかおもろそうな事考えてるな!”と感じ取ったのだった

 

「い、いえ別に…」

 

「白々しいで稟、あんたとは死地を何度も一緒に回った仲やん、水臭い事はなしにしようや!」

 

霞の言葉に稟はうつむく、この命令書に書かれていた事、確かに霞であれば成し遂げるかもしれない、しかし一歩

間違えれば霞の命にかかわるほどの命令、一刀は何故こんな無茶な命令をと稟は考え続ける、しかし一呼吸おき

 

「この戦いの前に一刀殿より預けられた命令書があり、戦況を見るにいまだと判断しそれを今開封したのです、

そこに霞殿への命令が書かれていたのですが…」

 

「特命か」

 

「はい…」

 

「おもろいな、聞かせぇな」

 

稟は考えるものの霞は今か今かと待ち構えている、拒否すれば力づくで奪うだろうと判断した稟は覚悟を決め

 

「一刀殿から霞殿への特命はこの戦いの分岐点と思われるその時に…」

 

「その時に?」

 

 

 

”呉軍本陣ヲ直撃セヨ”

 

 

 

一瞬の静寂の後

 

「く、くくく…、あはははははははは!!!ええなっ!ええわそれ!さすが一刀や!うちの事ようわかっとる!

敵本陣直撃か!おもろいっ!おもろいなぁ!!」

 

この反応を見た瞬間、稟は一刀が何故この命令書を霞に見せないように言ったかを理解する、おそらくこれを事前に

知っていれば霞は自身の判断で全力で敵本陣へ突っ込む無茶をして命を落としていたかもしれないだろうと

 

「霞殿この命令書の意味がわかっているのですか?確かに今は我が軍が有利に戦いを進めていますが今だ敵は

多くこのような博打まがいの攻撃を今やる意味が正直私には理解できないのです」

 

「確かに今はこっちが有利に戦こうとるな、けど向こうも必死で守って戦況はどっちに転ぶかわからん状態やん、

一刀はそれをうちになんとかせぇゆうてこの命令したんやろ、ならやってやろうやないか!」

 

「霞殿…」

 

「稟、一刀がなんでこんな命令出したかわかるか?それはな、うちならやってくれるってわかっとるからや!

うちの事を信じて、ほんでこの命令を出してくれたんや、ならうちはそれに答えるのが筋ゆうもんやないか?」

 

霞の言葉に稟は一刀の霞への信頼を感じ、少し嫉妬してしまう、と同時に一刀が自分にこの命令書を渡したのは

霞の為に自分が策を講じてくれると信じていてくれるとも、稟は一息つくと眼鏡をクイッッと上げ

 

「わかりました、もうこれ以上は言いますまい、ですが先ほどもいった通り敵は多く敵本陣を突くなどは

容易くありません、無謀と言ってもいい、命の保障もありませんがよろしいのですね?」

 

「大丈夫やって、うちを信用しぃ!」

 

「わかりました、では…」

 

そして稟は戦況を見回し霞に策を授けるのだった

 

 

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-呉side-

 

「今は守りを固めてください!敵の突出に合わせて盾で防ぎ弓隊で敵を退けてください!疾藜車を前に!」

 

呉軍右翼を指揮する陸遜こと穏はこちらの攻勢が止められ魏軍の反攻が苛烈なものと判断すると素早く防御の陣を敷く、

さすがに冥琳の愛弟子であり軍師としての才も並外れていた、しかしそれでも魏軍の攻勢を抑えるのが精一杯だった

 

「とにかく今は守るしかないですね、しかし早く活路を見出さないと雪蓮様と亞莎ちゃんが…」

 

穏は必死に考える、呉の前衛、左翼も魏軍の攻勢で守るのが精一杯の状況、穏が次の一手を考えようとしていたその時

 

「陸遜様!敵騎馬隊が来ます!数は二百騎ほどの隊が十!分散して攻撃を仕掛けてきています!」

 

「防衛を!、敵の意図は撹乱でしょう、後続に続く戟兵が本命でしょうから弓隊で押さえて……」

 

そこまで命令した瞬間穏に軍師の勘が働く、あまりにも正攻法すぎると、敵軍師郭奉孝は騎馬の運用に特化した軍師

、だとすれば騎馬隊を撹乱に使うより突破に使うのではないかと、しかも魏軍左翼には”神速の張遼”がいる、

穏は考え、そして

 

「!、張遼は!?敵の張遼は確認できますか!?」

 

穏の言葉に兵達は情報を集める、そして前線で戦っていた張遼が一旦退いたのを確認したとの報告がなされると

 

「しまった!思春ちゃん…甘寧将軍をすぐここにっ!敵の狙いはこちらではありませんっ!」

 

 

-魏side-

 

「敵は先ほどの攻勢時魚鱗の陣を敷いておりましたが突破できないとわかるとすぐに防衛の車輪の陣に変じました、

さすがは陸遜といった手並みですが兵が対応しきれてないようです、敵前衛の動きも遅く連携が悪い、

敵右翼と前衛の間にわずかに隙間があり少数ならば霞殿の突破力で抜く事が可能でしょう、ですが…」

 

「大軍で動いたら敵にそっこー気取られてそこを閉められる、っちゅう事か?」

 

「はい、ですので気取られないよう突破する兵力は二百騎が限界でしょう、できれば一千騎は使いたい所ですが」

 

「十分や!ほなさっそくやろうやないか、稟はなんも心配せんと指揮しとり!」

 

「……はい、では霞殿、ご武運を!」

 

「おう!」

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

「張遼です!数は二百騎!我が軍右翼と前衛の間を突破しようとしております!」

 

「止めてくださいっ!張遼の狙いは我が軍の本陣ですっ!弓隊斉…!」

 

穏は必死で止めようとするも稟の指揮が一手早かった

 

「弓隊斉射!霞殿の援護を!前曲突撃!霞殿を防ごうとする敵の注意をこちらに!」

 

稟に援護された霞率いる二百騎の騎馬隊は呉軍のわずかな隙間に突入し突破していく

 

「くっ!迂闊でした、郭奉孝がこんな無茶な突撃をさせるなんてっ!」

 

穏は歯軋りをして悔しがる、穏とて稟の事を徹底的に調べ上げている、数々の戦いから稟が本能ではなく理詰めで

軍を動かす事、烏丸での戦いでも一見無茶とも思える戦いもちゃんと理に適った戦い方だったと、そんな稟が

この魏軍有利な状況で張遼という将に博打まがいの命令を下すなどありえないと、しかし穏はある人物を思い出す

 

『北郷一刀』

 

おそらく、いや間違いなくこの命令を下したのは北郷一刀であると穏は結論づける、そして

 

「やはり恐ろしい人物ですね、北郷一刀という人は…」

 

穏が一刀の事を改めて恐るべきと考えてる時、稟もまた

 

「実があるから虚が生きる、一刀殿の指示がなければこんな命令下す事はなかったでしょうね…

まったく、初めて貴方を恐ろしいと思ってしまいましたよ一刀殿…」

 

 

 

「敵襲ーーーーーーーーーーーーー!!」

 

報告されるその言葉に呉軍本陣は浮き足立つ、そんな中冥琳はただ一言

 

「やはりか…」

 

冥琳はただただ後悔していた、一刀の目的がこの本陣、いや孫権こと蓮華だという事を

おそらくは雪蓮と蓮華を切り離す策を考え、呉軍はそれにまんまと乗せられたのだと

 

「敵の数はどのくらいかっ!」

 

「数は約二百騎!我が軍の右翼と前衛の間を突破しこちらに向かってきております!」

 

「たった二百騎?ならば押し包んで蹴散らせ!」

 

蓮華は兵達に指示をする、そして呉軍兵士達は命令通り突入してくる魏軍騎馬隊に立ち塞がる、

わずか二百騎、土塁で守られた呉軍本陣であれば退けるのは容易いと思われた、だが…

 

 

どどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんんん!!!

 

 

「邪魔やどかんかぁい!!!」

 

霞の一撃が重囲しようとする前の呉軍を蹴散らす、その速さはまさに神速の名に相応しかった

 

霞の前には呉軍が幾重にも築いた土塁があった、冥琳の築いた陣はまさに要塞、しかし霞はそれをものともせず

懐かしく感じていた、烏丸追撃戦の山中を騎馬で駆け抜けた時と似ていたからだ

 

(あん時も結構無茶やったけど今回はそれ以上に厳しいかもな、せやけど……)

 

 

「めっちゃおもろいわっ!!!!」

 

 

霞はその武を叩きつける、霞の飛龍偃月刀が振るわれる度に吹き飛ぶ呉軍の兵士

 

「何をしている!早く張遼を止めろっ!!!」

 

呉の兵を指揮する将達は励声し兵を鼓舞する、しかし霞を止める事ができない、必死で重囲を計ろうとする呉軍を

嘲笑うかのように霞率いる二百騎は呉軍を寸断していく、一歩、また一歩と蓮華のいる土塁へと近づく霞

 

「孫権様、ここは危険です!ご避難をっ!」

 

「馬鹿を言えっ!姉様が敵陣へ、味方が必死で敵と戦ってるのに私だけが逃げる事ができるものかっ!」

 

呉の将兵が蓮華に避難を求めるもそれを一蹴する蓮華、本陣を守る者として、そして次代の呉の王になる為にもここは

退く訳にはいかないのだ、しかし

 

 

どがああああああああああああああああ!!

 

「!!」

 

本陣を幾重にも守る土塁をものともせずに突破してくる霞はついに蓮華を目視できる所まで近づく

 

「見つけたでぇ〜、あんたが孫権やなぁっ!!!」

 

「張遼!!!」

 

「何をしている!弩兵斉射!張遼を近づけさせるなっ!!!」

 

冥琳は必死で防衛を命じるものの霞は愛馬黒捷を蹴り一気に速度を上げ呉軍本陣に突入し乱戦となる

呉軍弩兵は神速の名に相応しい霞の速さに追いつけず弩を撃てずにいた、下手をすれば味方への誤射となるからだ、

冥琳はそんな状況に歯軋りをする、霞と二百騎の魏騎馬隊は土塁を次々と越え近づく

 

どかっ!ばしゅっ!

 

霞の飛龍偃月刀が揮われる度に呉の兵士達が血飛沫を上げ吹き飛ばされていく、その姿はまさに鬼神の如く!

誰にも止められないその姿に呉の兵士達は恐怖を植えつけられていく

 

「もうちょいやな、よっしゃ黒捷、あんたの本気呉の兵士共に焼き付けたろうやないかっ!!」

 

ヒヒィィィーーーーーン!!

 

霞の言葉に黒捷は嘶きを上げる、人馬一体、霞と黒捷がまさに一体となった瞬間であった、そして霞は叫ぶ!

 

 

「よっしゃ跳べぇ!!黒捷っ!!!」

 

 

ガカァッ!

 

 

雲霞の如き呉の兵、そして幾重にも作られた土塁を霞と黒捷は飛び越える、そのあまりにも現実離れした姿に

呉の兵士達はただただ絶句する、呉の兵士達、いや味方の魏の兵士達もその姿、そして名を刻み付ける!

 

 

「うちが張文遠やああああああ!!!!」

 

 

どどおおおおおおおおおおおおおおおんん!!!

 

そしてついに霞と黒捷は蓮華、冥琳のいる土塁の中に突入する、必死で防衛しようとする呉の兵士達を飛龍偃月刀で

一閃し吹き飛ばすと黒捷を駆け蓮華をその間合いに捉える

 

 

「孫権その首もらったぁっ!!」

 

 

霞の飛龍偃月刀の鋭い一閃が蓮華を襲う!

 

 

-7ページ-

 

 

「させんっ!!」

 

 

がぎいいいいいいいいいいいいいいいんんん!!!

 

 

霞と蓮華の間に割って入ったのは穏の命によって本陣へ取って返した思春であった

 

「思春!!」

 

「ちいっ!邪魔やっ!どかんかい甘寧っ!!」

 

「どかぬっ!!!」

 

がぎいいん!!ぎいいいいん!!

 

霞の飛龍偃月刀から放たれる連撃を必死で受けきる思春、しかし霞の鋭い攻撃に思春は劣勢になっていき、そして

 

ばぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!!

 

「ぐっっ!!!」

 

「思春!!!」

 

霞の強烈な一撃は必死で守る思春を吹き飛ばす、吹き飛ばされた思春に駆け寄ろうとする蓮華、しかし霞はそれを

見逃さない、再び蓮華を間合いに捉えると飛龍偃月刀を振り下ろす!

 

「今度こそ孫権往生せぇやあああ!!!」

 

「くっ!!!」

 

 

 

 

「させんと……   言ったぞっ!!!」

 

 

 

 

がぎいいいいいいいいんん!!!

 

 

噴出す血飛沫、蓮華に放たれようとした飛龍偃月刀、しかしそれは霞と蓮華との間に割って入った思春に

再び止められる、霞の飛龍偃月刀をその愛刀鈴音と身体で必死で受けきった思春、そして力を振り絞り

渾身の一撃を霞に放つ!

 

「覇ああああああああっ!!!」

 

ざしゅっ!!

 

「くっ!」

 

その一撃は霞のわき腹を突く、苦痛に歪む霞、態勢を整え再び蓮華を攻撃しようとするものの駆けつけた呉軍の兵達に

邪魔をされる、予想以上の深手と命をかけ必死に守る呉軍の兵達にさすがにこれ以上は無理と判断した霞

 

「ちいっ、ここまでかい!しゃあない、孫権の首は無理やったけど孫の牙旗は倒させてもらうでっ!!」

 

そう言うと霞は愛馬黒捷を駆け孫の牙門旗を一閃!倒れる旗を見つつ

 

 

「絶望せえっ!」

 

 

そういい残すと霞は黒捷と共に土塁を飛び越え再び味方と合流すると呉軍本陣を突き破り自陣に戻っていく、

呆然と立ち尽くす呉の兵達、一方蓮華は傷つき倒れた思春の元に駆け寄り必死で声をかける

 

「思春っ!思春っ!しっかりしてっ!お願い思春っ!!!」

 

「れ……蓮華…さま、ご…ぶ…じで……」

 

「ええ!貴方のおかげよ!だからしっかりして思春っ!すぐに医者が来るわっ!」

 

「ほん…と、に、ご…、じで…よかっ…た…」

 

「思春っ、思春ーーーーっ!!」

 

 

涙を流し悲痛なまでの声を思春にかけ続ける蓮華、その様子を見つめる冥琳はまた、呉の兵達から戦意のようなものが

消えかかっていくのを感じる、あまりにも効果的、そして…

 

 

”絶望せえっ!”

 

 

倒された牙門旗が、張遼の言葉が、呉軍の兵士達から力を奪っていく…

 

 

 

 

霞率いる二百騎の騎馬隊は呉軍の陣を突破していた、孫の牙門旗が倒されたのを見た呉兵達はあまりの事に呆然とし、

突破している霞達を迎撃する事ができなかった、一方霞達もこれ以上の無茶を避け突破だけを目指す

 

「張遼様ご無事ですか!」

 

「おう、結構きっついのをもらったけどとりあえずは大丈夫や、このまま突っ切んでっ!」

 

「「「御意!!」」

 

霞は思春に突き刺されたわき腹に手を当て、噴出す血と痛みをこらえ敵陣を突破していく

 

(甘寧…ゆうたか、あんたの事は忘れへんで!)

 

 

-8ページ-

 

 

”本陣張遼ニ急襲サル”

 

慌ててやってきた兵士のその報告を聞いた祭は言葉を失う、そして報告をしてきた兵に掴みかかり

 

「権殿はっ!権殿はご無事なのかっ!!!」

 

「は、はい!孫権様はご無事でございます!で、ですが孫権様を守ろうとした甘寧様がっ…!」

 

「思春が…、そうか…(身体を張って権殿を守ったのじゃな……)」

 

「祭様…」

 

報告を聞き沈痛な面持ちな祭に声をかけたのは明命、その顔は今にも泣きそうだった、そんな明命を

 

 

ゴンッ!!!

 

 

「い、いたぁっ!さ、祭様い、いきなりなにをするんで「まだ戦いは終わってはおらんのじゃぞ、しっかりせい!」

 

祭に思いっきりゲンコツで殴られた明命は痛さで大粒の涙を流しながらも祭の一喝に言葉を止める

 

「ワシらはまだ負けてはおらん、権殿も、そして策殿もまだご無事で戦っておられるのじゃぞ!王が戦っておると

いうのにワシらが弱気になってどうするかっ!!」

 

祭の怒号にも似た一喝に明命、そして周りにいる呉の兵士達もただただ言葉を失う、そして祭はさらに続ける

 

「王を信じよ!我らの王は誰にも負けはせん!そして北郷に勝利し帰ってくる我らが王の為にも我らはここで

踏ん張り続けなければならんのじゃ!」

 

「よいかっ!、敵を屠り、王を迎え入れ、我らの長年の夢を叶えるのじゃ!それまでは命の限り戦えっ!!

 

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

 

 

祭の号令に意気消沈していた呉の兵士達は一気に気合を取り戻す、明命も

 

「す、すみません祭様…」

 

しょぼーんとしている明命、そんな明命の頭をわしゃわしゃと力強く撫でると

 

「さぁいま少しの辛抱じゃ、この戦いが終われば好きなだけ猫を抱いて寝るがよい!」

 

「はぁっ!お、お猫様を♪わ、わかりました、明命はがんばりますっ!」

 

元気にそう答えると明命は再び戦場に向かう、そんな様子をまるで我が子のように優しく見守る祭、

そして祭も再び最前線に向かおうとしたその瞬間

 

 

どしゅっ!

 

 

祭の腹に突き刺さる一本の矢、祭はその矢を見る、その矢からは並々ならぬ力が感じられた、唯の一兵卒の矢ではない

おそらく、この矢を放ったのは

 

「夏候淵か…」

 

祭は戦場を見つめる、遥かに遠い敵陣の中並々ならぬ気を感じる将、弓を持つその将はまさしく夏候淵

 

「ふっ…、ワシとした事が隙をみせてしまうとはな…、

成る程、これが夏候淵の矢か、澄んで…、澱みのない…強く良い矢じゃ…」

 

そうつぶやくと矢をべきっとへし折る、そして近くにあった呉の旗を矢傷を隠すように自らに巻き付ける

祭のその素早い行動の為に矢が刺さった事に気付く兵はいなかった、それを確認した祭は

 

「攻撃を強めよっ!いいか、絶対に退くなっ!我らが辛い時は敵も辛い!しかし最後に勝つのは我々じゃっ!」

 

祭の言葉に再び息を吹き返す呉軍、祭は傷ついた事を感じさせないほどの力で自らの武器多幻双弓を構え矢を放ち続ける

その魂の篭った矢は魏兵を次々討ち果たしていく、さらに明命も決死の覚悟で戦い、そしてついに

攻勢を強めてきた魏軍を止める事に成功する、その様子を見た祭は

 

「これで、しばらくは耐え切れるな…」

 

そう呟くと手を折れた矢の残る腹に当てる、そこからは血が滴り落ちていた、痛みは尋常ではなかったろう、

しかし祭はそれをひた隠す、蒼穹をみつめる祭は想う、それは蓮華、雪蓮の母孫堅と共に戦場を駆け巡った時の事、

 

 

”祭!私は必ず大陸を制覇して孫呉の国を作って見せるわよ!!”

 

 

今は亡き江東の虎孫堅の声がはっきりと聞こえる、懐かしさに笑みがこぼれる祭は楽しげに、そして懐かしむように

 

「堅殿…、貴方は良いお子を残された、策殿、そして権殿は必ず貴方の夢を継ぎ、美しい呉の国を

作ってくれましょう…」

 

 

「じゃが…」

 

 

 

”どうやらわしはそれを見届ける事はできんようじゃ…”

 

 

 

血があふれ出し祭を覆っていた呉の旗が徐々に赤く染まっていく、そこに

 

「さ、祭様やりましたっ!魏軍を追い払いましたよっ!!」

 

元気に報告にやってくる明命の声を聞きながら祭は微笑み、そして目をつぶり一言

 

 

”ようやった…”

 

 

と、しかしその言葉は声にはならなかった、祭の様子が変なのに気づいた明命はどうしたのかなと近づき

 

 

 

 

「祭様?」

 

 

 

-9ページ-

 

「!!」

 

春蘭と戦う雪蓮はその瞬間自らの陣地のある方向を向く

 

「思春…、祭…」

 

見えはしない、しかし雪蓮はそれを感じる、今にも消えていきそうな大切な家族の灯火を

 

 

「覇あああああああああああああああああああああ!!!」

 

「!?」

 

がぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!!!

 

 

瞬間、春蘭から放たれる強烈な一撃、それまで必死に耐えてきた雪蓮であったが一瞬の気の緩みによって

防ぐ事ができなかった、それでも瞬時の判断で南海覇王で剣撃を受けきった、が!

 

「ぐっ!!」

 

五花馬から吹き飛ばされる雪蓮、あまりにも強烈な一撃、地面に叩きつけられ砂塵の中苦痛に歪みながら

必死で立ち上がろうとする雪蓮、しかし

 

ビキィッ!!

 

「くっ!右…腕がっ…」

 

春蘭の強烈な一撃を剣で耐え切ったもののその衝撃は雪蓮の右腕を破壊するには十分だった

雪蓮の右腕は動かす度に激痛が走る、恐らくは複雑骨折のような状態、左腕で持つ南海覇王で支えながら

ゆっくりと立ち上がろうとする雪蓮、そこに春蘭が愛馬凱影を降り止めを刺そうと近づく

 

「雪蓮様ぁっ!!!」

 

その様子に気付いた亞莎が悲痛な声を上げる、数万の魏軍に囲まれながらも必死で活路を見出す為に奮戦していた亞莎、

しかし雪蓮の危機に身体が動く、魏軍の中へ突入し雪蓮の元へ馬を駆ける、しかし虎豹騎がそれを遮る

 

「邪魔、しないでぇぇぇ!!!」

 

どかあああああ

 

自らの武器人解を揮い必死で虎豹騎を討ち果たしていく亞紗、必死に、必死に、ただひたすら雪蓮を助ける為に!

そして獅子奮迅の活躍で魏軍の囲みを突破し雪蓮の姿を確認すると雪蓮が生きている事に安堵し

 

「よ、よかった…、雪蓮様、今お助けいたしま……」

 

 

どしゅっ!!!

 

 

「かはっ!!」

 

わずかなその隙を虎豹騎の一撃が襲う、背中を切りつけられ苦痛に歪みながらも反撃しその虎豹騎を打ち倒す亞莎、

しかし背中の傷口からは血が溢れる、それでも亞莎は力を振り絞り雪蓮の元に向かおうとする

 

「はぁ、はぁ…、い、今お助け…いたします…雪蓮様、はぁ、はぁ…雪…、れ…さ……」

 

どさっ…、亞紗は乗っていた騎馬から力なく崩れ落ちる

 

「亞莎!!」

 

それに気付いた雪蓮が叫ぶ、痛みを堪え亞莎の元に向かおうとする雪蓮、しかしその前に春蘭が立ちふさがる

 

「終わりだ、孫策」

 

「 …悪いけど、まだ終わらせる訳にはいかないのよ夏候惇!!」

 

がぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん!!

 

再び激しく打ち合う雪蓮と春蘭、しかし右手を潰され、痛みと左手だけで戦う雪蓮は防ぐので精一杯だった、そして

 

ばぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!

 

再び吹き飛ばされる雪蓮、もはや勝負は決していた、しかし、それでも雪蓮は必死で立ち上がり勝利を目指す、

だが戦場を見やった雪連は感じてしまう、呉軍はすでに壊滅的な状況にある事を、討ち果たされていく呉の将兵、

必死で守り続けるものの蹂躙されていく呉の陣地、突破を試みた呉の騎馬隊も完全に重囲され

次々と討ち果たされていく、ここにきてようやく雪蓮はずっと囁き続けてきた”勘”の正体に気付く

 

 

”赤壁の代償は孫呉の未来で贖ってもらう”

 

 

雪蓮は荊州での一刀の言葉を思い出す、雪蓮は北郷一刀という人物の本質をわかってはいたつもりだった、

彼は多くの仲間の無念をまるで自分のように悲しみ、そしてそれを成した敵には烈火の如き怒りを叩きつける

黄巾の乱、反董卓、対袁紹、本来なら斬獲の数は数十万にも達するはず、しかし一刀はその多くを許した、

甘えとも言える行為、非情になりきれない、それが北郷一刀という人物だった

 

後悔はしていない、しかし赤壁での戦いがきっと一刀を変えてしまった、赤壁の戦いにおいて七万もの魏兵が

呉と荊州の策によって無念の死を遂げていった事が一刀から甘えを消し去ってしまった

 

「一刀…」

 

これは魏の、いや一刀の怒り、見えずとも雪蓮にはそれが感じられた

見誤っていた、一刀は覇王なのだ、自分と同じ、抵抗する者には容赦なくその力を叩きつけ排除していく、

それは抵抗をやめ屈服するまで続くだろう

 

(自分を罠にかけ命を奪う、そんな生優しい危険ではなかった、無慈悲なまでの報復、呉の全てを抹殺する、

それがずっと危険だと囁き続けてきた勘の正体)

 

もはや退路はない、魏を倒すしか呉が生き残る道はないのだ、しかし戦場は既に魏軍が圧倒し蹂躙をし続ける

 

 

(ここまでなの…、私達の悲願…、孫呉の夢は……)

 

 

雪蓮は手を震わせ、自分の無力さを呪う、あまりにも非力な自分に

 

 

(終わらせたくない…、こんな所でっ!…)

 

 

 

”雪蓮…”

 

 

 

「!」

 

 

はっと周りを見渡す雪蓮、しかし優しく自分の名前を呼んだその声の人物はいない、しかし雪蓮はその人物が

呼んでいる様に思えた、いや、きっと、間違いなくその人物は自分を求めていると!雪蓮は微笑み、そして

 

 

 

 

 

「…と…」

 

 

 

-10ページ-

 

 

 

「一刀ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

天にも届かんというほどの声で雪蓮は叫ぶ、その声に敵味方問わず雪蓮に注視する、それは戦いを止めるほどに、

それは今まさに攻撃しようとしていた春蘭でさえ、そして雪蓮は南海覇王を魏軍本陣のある方向に向け

 

 

「一刀、私と一騎討ちをしなさい!!」

 

 

雪蓮から放たれた言葉は一刀への一騎撃ちの申し出であった、その声は一刀のいる所まで聞こえ

桂花と季衣と流琉はそれを半ば呆然と聞いていた、しかし一刀は微動だにせずただじっと聞く

 

「一刀、約束したはずよ!、私は貴方を必ず殺す、そして貴方は私を殺すと!、その約束を守りなさい北郷一刀!!」

 

静寂、苦しそうに息をし、右手の痛みに堪える雪蓮

 

「一刀…」

 

魏軍本陣は誰も反応できないでいた、皆が雪蓮の言葉に対し一刀がどうするかを注視していたのだ、

長い静寂、しかしそんな中桂花が周りに聞こえるように

 

「ふ、ふぅっ、そ、孫策もヤキが回ったわね、今この状況で孫策と一騎討ちする利がこちらのどこにあるのよ!、

霞の本陣急襲で呉軍の士気は一気に落ちて戦線はどこもこちらが圧倒的に有利に展開し始めてる、

孫策自身も怪我してるみたいだし、今ここで危険を冒してまで北郷が孫策と一騎撃ちなんかする訳ないじゃないの!」

 

桂花の言う事は当然だ、魏は戦いを圧倒的優位に進めている、今ここで一刀が一騎討ちをするような危険な事をする

必要性はまったくないのだ、桂花は呆れ、春蘭にさっさと孫策を片付けなさいよ、と、プンプンと怒っていると席を立ち

物見台を降りようとする一刀に気付く

 

「ちょ、ちょっとあんたどこ行く気よ?」

 

 

「雪蓮と一騎討ちをしに行ってくる」

 

 

桂花の問いにさらっと答えた一刀に絶句する桂花、呆然としている桂花をよそに一刀は物見台から降りていく、

しばらくしてようやく我に返った桂花、そして季衣と流琉も一刀を追い

 

「な、何考えてるのよっ!さっき私の言った言葉が聞こえなかったのっ!?いい!私達は今圧倒的に勝ってるの!

もうすぐ呉を敗北させられるのよっ!なのにあんたがノコノコと出て行ってもし!…」

 

そこまで言って桂花は言葉を止める、そして言葉を選び震えるような声で

 

 

「もし…、あんたが殺されたらどうするのよ…」

 

 

苦しそうに話す桂花、季衣と流琉も心配そうに見ている、一刀はそんな三人に微笑み心配している桂花に

 

「それでも行かなきゃいけないんだよ桂花、魏と呉の戦いを本当に終わらすためにもね、

もしここで応じなかったら呉を屈服させてもきっと抵抗を続ける者達が現れると思う、そうなったら無駄な戦いを

続ける事になってしまう、それだけは避けなきゃいけないんだ、だからここで雪蓮を討たなきゃいけない

雪蓮が呉の為に命を懸けて戦うように、俺も魏の為に命を懸けて戦わなきゃいけないんだ」

 

「馬鹿じゃないのっ!!!罠よっ!誰が見てもこれは孫策の罠!もう勝てっこないってわかってあんたを一騎討ちで

殺そうとしているのっ!それしか呉が勝つ方法がないからっ!そんなものに乗せられるんじゃないわよこの馬鹿っ!!」

 

桂花が大声で一刀を罵倒する、桂花は必死で雪蓮との一騎撃ちの無意味さを語る、すべて当然の事、聞けば誰もが

桂花を支持するだろう、しかし一刀は

 

「ごめん、桂花、ごめん…、でも行かせくれ」

 

「ダメよっ!絶対ダメっ!!」

 

頑として一騎撃ちに行こうとする一刀の前に立ち両手を広げ必死で止めようとする桂花、しかし一刀はそんな桂花に

 

「ごめん」

 

そう心の底から謝ると桂花の横を通りすぎ雪蓮の元に行こうとする、しかし

 

がしっ!

 

「行かせない、絶対に行かせないからっ!」

 

桂花が背後からがっちりと一刀を掴み必死で止める、一刀は桂花の想いを痛いほど感じる、桂花は自分の事を

心から心配してくれているのだと、わかっている、一刀もそれはわかっている、しかしそれでも

 

「桂花…、いつも俺の為に戦ってくれてありがとうな、いつも俺の為に苦しんでくれてありがとうな、

でも今回だけは我侭を貫かせてくれ、大丈夫、俺は必ず雪蓮に勝って帰ってくるから、なんたって俺は」

 

 

「天の御遣いなんだぜ!」

 

 

一刀のその言葉に桂花の手が緩む、その瞬間一刀は優しく桂花の手を振り解くと桂花と向き合う、そこには

涙を流した桂花がいた、必死で声を押し殺しそれでも弱弱しく一刀を掴み止めようとする、一刀はそんな桂花に

 

「愛してるよ我が子房王佐の才荀文若、俺だけの軍師桂花」

 

そう言うと一刀は桂花を優しく抱きしめキスをする、そして優しく振りほどき桂花を季衣と流琉に託す

 

「季衣、流琉、桂花の事を頼むな」

 

「「は、はいっ!!」」

 

「誰か、絶影をっ!」

 

一刀は兵に自分の愛馬絶影を連れてくるように命令する、程なくして兵が絶影を連れてやってくる、

一刀はその絶影に騎乗すると

 

「じゃあ、行ってくる!」

 

そう言うと一刀は絶影の腹を蹴り走らす、その姿を心配そうに見つめる季衣と流琉、そして、桂花はどっと崩れ落ち、

涙を流し続ける

 

 

 

「馬鹿…、馬鹿…、ばかぁ… ひっぐ、ひっく……、かずとぉ……」

 

 

-11ページ-

 

 

 

ガカッ!ガカッ!

 

 

絶影に乗った一刀が味方の中を進む、魏の兵士達はそんな一刀を不安な目で見てしまう

何故なら一刀が今から一騎討ちをしようとするのは小覇王孫策なのだ、あの鬼神のような強さを持つ孫策

それに対し一刀の武は孫策には遠く及ばないと兵達は知っていた、まともに戦って勝てる事などできるのだろうかと

 

一刀はそんな味方の雰囲気を感じ

 

(まぁ、そうだろうな、実際雪蓮とまともに戦えそうなのって春蘭と霞と恋くらいだろうしな)

 

そんな事を考え、さらに今更ながら自分の無謀さについ笑みがこぼれてしまう、しかしそれでも一刀は雪蓮の挑戦

を受ける、何故ならそれはこの大陸を制覇し覇を唱える為には必要な儀式だからだ

 

 

 

その頃雪蓮は春蘭と対峙していた、春蘭は先ほどの雪蓮の言葉を聞いたものの一刀は来るとは考えてはいなかった、

しかし雪蓮は一刀が来ると信じ、ただその時を待っていた、そして、それは叶う事となる

 

「一刀…」

 

雪蓮の言葉に春蘭が振り向く、そこには魏軍の中から現れる北郷一刀の姿があった

威風堂々、一刀は臆する事なく絶影を進める、そして春蘭と雪蓮のいる所まで辿り着くと絶影から降り二人に近づく

 

「ほ、北郷!お前何をしに来た!」

 

言葉を発したのは春蘭、まさか来るとは思っていなかった一刀が来たのだから驚くのは当然だ

しかし一刀はそんな春蘭に

 

「春蘭悪い、選手交代だ、なんか武功を横取りするような事してごめんな」

 

「い、いやそれは別に…って、違うっ!何をしに来たのかと聞いておるのだっ!まさか孫策とやりおうなどと

考えて来たのではあるまいなっ!もしそうなら今すぐ帰れっ!お前が孫策に敵う訳が…「春蘭」」

 

 

「俺が負けると思ってるのか?」

 

 

「!」

 

春蘭は一刀を見て言葉を止めてしまう、確かに誰が見ても力の差は歴然、戦っても一刀には勝ち目はないだろうと、

しかし一刀はまったく負ける事を考えてはいないと春蘭は感じた、勝つ事しか考えていない、そんな一刀に

 

「勝てる…んだな」

 

「こんな所で終わらせる気はないよ、俺は必ずこの大陸を制覇するって皆と約束したんだからね」

 

春蘭は一刀を見つめ一刀から放たれる気、そしてその目からは並々ならぬ決意を感じとっていた、

覇王・北郷一刀、自分が王と決め、そして全てを捧げ、そして愛した男、春蘭は一刀を見つめふうっと一息し

 

「無様な姿は見せるなよ」

 

「うっ!、そ、それはちょっと約束できないかも…、なんせ相手は雪蓮だからね」

 

そう言ってハハッと笑う一刀、そんな一刀に優しく微笑む春蘭は手を挙げ

 

「行ってこい」

 

「おうっ!」

 

ぱんっ!

 

とハイタッチをする、春蘭に見送られ一刀はその足で雪蓮の元まで近づいていく、そして一刀は雪蓮の元まで行き

 

「お待たせ、雪蓮」

 

「………」

 

雪蓮は言葉を発する事ができないでいた

 

「右手が酷いな、大丈夫か雪蓮?手当てが必要なら少し待つけど」

 

「…大丈夫よ一刀、左手だけでも私は十分強いんだから」

 

「そっか、じゃあ始めるとするか雪蓮」

 

そう言うと剣を構える一刀、その姿をみる雪蓮は

 

 

「一刀…、ほんとうに…、貴方は…」

 

 

身体が火照るのを感じ胸が締め付けられる雪蓮、

戦いにあけくれ自由奔放に生きてきた雪蓮、しかし心惹かれるような男性には今まで出会った事はなかった、

誰もが小覇王と恐れ距離を置いてきた、対等の立場で向き合う者などいない、しかし今目の前にいる男は

全力で自分に向き合い、そして戦いを挑んでくる男、そんな男に雪蓮は想ってしまう

 

 

”私は一刀の事を愛してしまっている”

 

 

と、そしてまた、どうして貴方は敵になってしまったのだろうと…

何故、戦わねばならないのだろう、もし一刀が呉に降り立ってくれていたら、そんな事を考えてしまっていた

 

 

”シャオはきっと一刀にすぐ惚れるでしょうね、あの子はああ見えて男を見る目は持ってるし…”

 

”穏もきっとすぐに惚れちゃいそう、本を一緒に見たらどうなるかしら…”

 

”明命もすぐ惹かれるかしら、あの子庇護欲をそそるから一刀の方が放っておけないかも…”

 

”祭は間違いなく一刀を気に入るわ、その先は…祭の変化をちょっと見たいかも…”

 

”亞莎、あの子の事はまだわからないけど、きっと話すだけでも一杯一杯かもね…”

 

”蓮華はどうかしら…、ううん、きっと一刀に惹かれるわ、だって私の妹ですもの…”

 

”思春…、あの子は時間がかかるわね、けど一刀と触れ合えばきっと…”

 

”冥琳…、はまぁ素直じゃないか、でもきっと…、あら、なんか妬けちゃうわね… ”

 

 

楽しい情景を想像してしまう、でもきっと、そうなっていただろうと雪蓮は想う、きっと自分も…

 

 

”私は毎日一刀を困らせてるんでしょうね…”

 

 

笑みがこぼれてしまう、あまりにも楽しく、そして愛した男と共に歩む覇道、まるで夢のような世界

 

「一刀…」

 

雪蓮は一刀を見つめ…

 

 

 

”愛しているわ”

 

 

 

-12ページ-

 

 

ジャキィィ!!!

 

 

「一刀!さぁ決着をつけましょうっ!孫呉の悲願の為、私達について来てくれた民や家族の為にも!私は貴方を…」

 

 

 

「必ず殺してあげる!!!」

 

 

 

南海覇王を一刀に向け悲痛なまでの覚悟を示す雪蓮、そんな雪蓮に対し

 

 

「悪いけど俺はまだ死ぬつもりはないよ雪蓮、俺にも大切なもの、守りたいものがあるんだよ、だから…」

 

 

 

「雪蓮、俺はここで君を殺す!!!」

 

 

 

同じく決死の覚悟を決め剣を構え雪蓮と向き合う一刀

 

 

静寂、二人の近くで戦っていた両軍もいつしか戦いをやめ、この二人に注目していた

 

 

呉の兵士達は圧倒的劣勢の中に希望を見出し、魏の兵士達はただただ自分達の王の無事を祈り続ける

 

 

春蘭も剣を収め二人の戦いを見つめる

 

 

誰もが息を呑み、自分達の王を見つめる、このまま静寂が続くと思われた、次の瞬間

 

 

 

「はあああああああああああああああああああああああ!!!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

一刀と雪蓮が駆ける、徐々に距離が縮み、そして双方が互いの間合いに入る

 

 

「一刀!!!」

 

「雪蓮!!!」

 

 

ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん!!!

 

 

 

 

二人の覇王が初めて、そして最後の剣を交える

 

 

 

-13ページ-

 

あとがきのようなもの

 

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします、もう二月だけど気にしない!

 

一応次回で魏呉激突編は終了です

4話なのに何ヶ月かかってんだか・・・

 

そういや戦国恋姫が出るそうな、個人的には春秋戦国恋姫のがよかったなー

戦国あんまり知らないから

 

 

愚痴のようなもの

 

実は年明けにリアルでヤバイ事が起こってしまいまして、なんか去年からヤバイとは思ってたのが現実に…orz

なのでますます投稿遅くなるかもですが完結は目指しますので長い目でなにとぞ…

 

キュウべぇどこー( ? ?? ? )

説明
魏呉激突編その3 ばきゅーん

今年最初の投稿

なんか書いてる内に長くなってしまって読みにくいです
二話分くらい書いちゃったから、まぁこの辺は分けたくなかったもので

しかしペースが上がらない、月間ペースが精一杯・・
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コメント
明らかな愚将かつ愚王。はっきりわかんだね。(ユウキ)
>>rin様 ご心配ありがとうございます、自分は関東に住んではいますが今の所は無事です、ただニュースで原発関連がヤバそうなので今後はどうなるかという感じですね(kaz)
ご無事でよかったです。(rin)
>>sugi様 ご心配ありがとうございます、こちらは無事です、今後も色々注意して見守っていきたいと思ってます(kaz)
地震ありましたが、 そちらは大丈夫でしたか?(sugi)
>>よしお。様 ありがとうございますー、自分は熱いのが好きなんでどうしてもこんな感じになってしまいますw続きは…遅くなるかもです、今リアルがちょっと色々大変な事になってまして…(kaz)
読ませて頂きましたー。やー、もう展開が熱くて……続きが読みたいですw(よしお)
>>ジョージ様 この辺りをボカしてしまうとなんか物語が軽くなってしまいますから、まぁやりすぎないようにとは心がけてはいますが、一刀と雪蓮の戦いはずっと考えてたので、結末も考えてますが過度な期待なしでなにとぞ(kaz)
ふむ……皆様も仰ってますが、かなりシビアですね。しかし、故にその生き様が素晴らしく見えるというか、輝いているというか……二人の決着を、心待ちにしております。(峠崎丈二)
>>盛り塩様 物語も終盤に突入していますのできっちり絞める為にも多少ガチに進めています、個人的にはもっと明るい感じにしたいんですがそれやると終わらない気がしてw恋姫達の魅力をできるだけ引き出せるようには頑張っていますが中々難しいですね(kaz)
恋姫の二次でここまでシビアに描いた魏呉決戦はそうないでしょうね。だからこそ、一人一人の武将が輝いて見える。次回の結末も楽しみにしています。(盛り塩)
>>狩人様 ありがとうございます、色々考えてはいますがあまり過度な期待なしでなにとぞ、まぁいつ更新できるかわかりませんが(汗(kaz)
執筆お疲れ様です。 今後の展開が楽しみです。  (狩人)
>>タムル様 やっぱ熱い展開とか王道な感じのノリとか大好きなものでwまぁこの十√は基本ガチでやってはいますのでなんやかんやあるとは思います、とにかく次で色々終わらせますので過度な期待なしでなにとぞ(kaz)
>>ZERO様 とりあえず次で魏呉の戦いは決着させますので、着陸点は考えていますが上手く書けるかどうかで不安です、過度な期待なしでお待ちいただければと(kaz)
>>aki様 ありがとうございます!やっぱ遼来々がないとねぇという感じです、というか張遼大好きなんで!やっぱ人馬一体って感じが一番似合うのが張遼ですからね(kaz)
熱い展開ですね。わくわくします。さて死人が出てしまうのか・・・原作“真”からしても死人が出るのは呉だけなんですよね、そういうテーマでもあるのだろうか・・・(タムル)
むう、これはまたすごいですね。この先どうなるか楽しみです。(ZERO&ファルサ)
なんという張来々wwwとても緊張感があって面白いです!!(aki)
>>T.K69様 あまりネタバレができないので言えないですが、まぁ次で魏呉の戦いは決着いたしますので、という事だけ(kaz)
>>rin様 ほんとにそんなに読んでいただいたんですか!うう、稚拙な文章なのにありがとうございます><、元々マイペース更新ではあるんですが、ちょっと小説をちゃんと書く余裕がなくなってきたという感じで…(kaz)
この後、一刀と雪蓮のどちらかが地に伏すことになるんですね・・・(T.K69)
十回ほど しっかりねっとり読ませていただきました。                  続きをプ・リ・ィィィ・ズ     でも、無理はせず自分のペースで頑張ってください。(rin)
>>ヒトヤ犬様 そういや確かにTINAMIではあまり恋姫キャラが死んだのを見た事ないような、雪蓮が原作のように死ぬのはあったっけな(kaz)
>>紫炎様 なんか返信書いてるとついついネタバレしちゃいそうになってしまうwとりあえず全ては次回で!という事でなにとぞ(kaz)
>>きのすけ様 桂花さんはデレさせず、でも一刀さんの事を想う女の子、という感じでしょうか、決着は次回にて!という感じですので過度な期待なしでなにとぞ(kaz)
>>クラスター様 実はこの戦い孔明司馬懿の某戦いを参考にしてたり、仮に亞紗の存在を知らなかった場合中央から突破した騎馬隊に本陣を襲われた魏軍は敗走してたとゆう感じです、呉の将達や雪蓮と一刀とかについては次までノーコメントな感じで、まぁ過度な期待なしでなにとぞ、上手く書けるかわかんないですし(kaz)
>>ヒトヤ犬様 まぁ魏軍の中でも精鋭中の精鋭、鎧がなくても普通に強いという感じで考えてます、鎧は対雪蓮用に装備させる為と考えていただければ、と、甲騎具装は実は晋の時代のものだったりします(kaz)
>>320i様 まぁ決戦という事で結構色々やっちゃいました、自分的には軍師達にクローズアップして書いてる感じですけど、まぁ次で魏呉は決着させる予定ではありますので過度な期待なしでのんびりお待ちください(kaz)
>>PON様 張遼吶喊は10万の呉軍に800騎ですけどここはまぁ少なめでw基本オリキャラは出さないと自分で制約してるので、凌統さんいてもきっと韓当さんのようにあっさり死んでそうw(kaz)
>>下ネタ様 返信米飛ばしてました、すみませんmOm 桂花さんがある意味一番一刀さんを支えてきてますからね、なんかデレさせないようにしながらも一刀さんを想う感じで書いてみました(kaz)
というか殺したらブーイング来そうだからTINAMIでは殺さない暗黙の掟みたいなのありますからね、原作で死んだの以外(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
おおう呉の将が倒れていく……。うーん、後ろに医者王がいそうだ。一刀の性格からして。というかだれも死なせないでください!!(土下座 切実)(紫炎)
p10の桂花がとってもヒロインしてた。 一刀はいくら負傷してるっつっても孫策に勝てんのかねぇ?(きの)
…もう一つ、意見を言わせて貰うならば、一刀は孫策の事を本当に殺すつもりは無い気がします。あくまで、天下に覇を唱えようとする小覇王・孫策と言う「立場」を殺すだけで、雪蓮と言う一個人には生き延びてもらう、そんな腹積もりではないでしょうか?例えるなら、ガンダムWの主人公、ヒイロ・ユイの名台詞「お前を殺す」みたいな物かと。(クラスター・ジャドウ)
…ふぅむ、呂蒙の存在の看破一つで、こうも戦況が魏に有利になるとは…。正しく、「知識は最大の武器なり」ですなぁ。さて、魏vs呉の決戦もいよいよ大詰め、次々と呉将が倒れ伏してるようだけど、実は余り心配してません。一刀の性格上、呉将が死なない様に、医者王を控えさせる位の備えはしてると、俺はそう信じていますよ。(クラスター・ジャドウ)
虎豹騎ってつまり防具が頑丈だから強いってこと?(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
史実っぽいところがちらほらと散見できてニヤニヤです。凌統見せ場取られたけどw(PON)
>>村主様 ほんとは分けた方がよかったのかなとは思うのですがここは一気にやりたかったもので色々詰め込みすぎました、呉との戦いも次でようやく終わりですが過度な期待なしでなにとぞ(kaz)
>>達様 またしばらくお待ちください、という感じでw、とにかく早めに更新できないか頑張ってはみますので(kaz)
>>インダス様 申し訳ないです、基本魏√なものでどうしても魏以外は厳しく書いてしまいます、それでも貶める気はないのでもう少し観ててやってください(kaz)
>>hedorock様 MOBて言っちゃらめぇ、なんか安っぽくなっちゃうからぁwまぁ雪蓮と決着をつけないと呉との戦いは終わらない、とは考えてましたので、次は早めに投稿できるよう頑張りますです(kaz)
>>GLIDE様 うう、カンベンしてくださぁい、ほんと中々がっつり書く余裕がないもので…、とにかく早めに投稿できるようには頑張ります!(予定)(kaz)
ううむ 色々な意味で壮絶な流れが一気に押し寄せてきた感です 双方(雪蓮・一刀)どちらも譲れないが故の結末は・・・次回の決着編気長に待ってます(村主7)
呉のファン(特に雪蓮と冥琳)の自分としては、色々きついな…。しかしきつくても、面白いから読んでしまうこの作品の魔力。次回も超期待してます!(インダス)
赤壁で殺された万を超えるMOBの恨み辛みを考えたら孫策はアボーン確定 その他も恭順の姿勢を見せないならばアボーンかな 次回の更新もめちゃ楽しみにしています(bal)
最新話キターってまた続きが気になる終わり方ってw明日にでも続き見たいww(GLIDE)
>>無双様 そういっていただけるとほんと書いてよかったと思えます、中々更新しませんが過度な期待なしで気長にお待ちくださいです(kaz)
>>nameneko様 すいません、なんか続き物はどうしてもこういう形で切っちゃいますね、書いてる方もなんかこーゆーのが好きなもので…(kaz)
>>yosi様 でも種馬ですよw まぁここまで前に出ることは少なかったからあまり目立ちませんでしたがようやく主人公らしく動かせました(kaz)
>>tomato様 やっぱここでっ!って所で切るのが醍醐味という事で、ジャンプ的な感じでw早めに投稿したいですがほんとすんません(kaz)
やはり、おもしろい!! 次回もまってますww(無双)
>>poyy様 ふふふふ、これをずっとずっと考えていたのですよ、赤壁の時からたっぷり張った伏線とか、まぁ所々変な所がありますがその辺はスルーでなにとぞw(kaz)
>>aoirann様 ありがとうございます!燃える展開は大好きなんで書いてて楽しかったですが、多分それほど上手く書けてない気はしますw今後も過度な期待なしでなにとぞ(kaz)
>>gotou様 次で決着ですがなんとか上手く収まるように書きたいものです、呉のファンには申し訳ないですが今は耐えてください、とだけ(kaz)
>>hokuhin様 なんとか上手く書きたいですが中々…、過度な期待なしでお待ちください(kaz)
>>ロンロン様 なんか風って呼ぶと個人的に違和感があるものでwなんか風さんと書いてしまいます、単純に好きなキャラなせいかもしれませんがwとりあえず次で決着はさせるつもりです、過度な期待なしでなにとぞ(kaz)
>>ナルンバ様 ありがとうございますー! とりあえずもう話数は少ないので頑張りたいです、拠点とか入れればもう少し伸びるかもしれませんけどw(kaz)
>>うたまる様 ようやく主人公らしくなってきたでしょうかwまぁ武がないのであまり戦わせられなかったんですが、魏呉が命を懸けて戦う姿をかっこよく見せれればと思って書きました(kaz)
>>ほわちゃーなマリア様 いやぁ、切る所がほんと下手で(棒読み)、なんとか次で決着予定、でもどうかなーとか思ってたりして汗だくな状態です(kaz)
>>くらの様 ありがとうございますー、まぁ一刀と雪蓮の決闘はずっと決めてた事なので、それまでの伏線も一杯張ってましたからw(kaz)
>>KU−様 うう、ほんと遅くてすんません、なんか月刊十√になりつつあります、たまに隔月十√な感じでお待ちいただければと(汗(kaz)
>>サルルルル様 恋姫本編でもどの国もどの王もガチでやりあってるんですよね、その辺を上手く書けたらとか思ってるんですが下手なもので中々上手く書けなくて、とりあえず次できっちり魏呉戦は終わらせますので(kaz)
めっちゃいいところで終わったな。次回の更新を楽しみに待ってます(VVV計画の被験者)
>>samuraizero様 どうもですー、ほんとここ最近は色々あって更新頻度遅れまくりで…、とりあえず頑張って更新目指します!(kaz)
>>よーぜふ様 まぁ首刎ねとかしてませんので即死って訳ではないので、まぁそれでも簡単に死んじゃうのが戦争なんですけどね、とりあえず次までお待ちくださいとだけしか今は言えなくてすみませんです(kaz)
一刀さんカッコえぇ(yosi)
>>jern様 まぁこの時代の人達は皆規格外な感じですので、その辺の補正を少々、という感じでしょうか(kaz)
>>Ocean様 ご指摘ありがとうございました、修正しました、資料とか読んでて「北馬南舟」で出てたものでそれ使っちゃったもので、まぁ結構ベタな感じで進めてます、とりあえず赤壁回で張った伏線回収をやれてほっとしてます、一応次でまとめるつもりですがどうなるやらという感じですね(kaz)
>>rin様 ネタバレになっちゃいますのであまり言えませんけど、とりあえず次までお待ちください、とだけ、なんかこんな言い方しかできなくてすみません(kaz)
>>絢風 悠様 ええと、あの、ですね、まぁ9p目に「消えそうな灯火」と書いています、とだけ、まぁそれ以上はカンベンしてください(汗(kaz)
>>rin様 ああっ、あまりじっくり読まないでっ!なんか色々未熟な部分がありますのでさらっとみてやってください(kaz)
めっちゃイイ所で〜。くぅー!続きを!!!。次回の更新楽しみにしています(tomato)
ついにキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!何この展開熱すぎるんですけど!!(poyy)
キター、kazさんの作品待ってました。燃えますね今後も楽しみにしています(aoirann)
次回が楽しみ、だけど本編同様呉の武将だけ死ぬ?のはやるせない(gotou)
待ってました!後は雪蓮を下すのみ。次回の決着が楽しみです。(hokuhin)
4ページ 何故に風だけ「さん」付けなのか? 魏呉決戦の勝敗はいかに!!?(龍々)
やっぱり面白いです!気長に待つので完結目指して頑張ってください。(ナルンバ)
かっこいい一刀、そして魏呉の将達の魂に痺れます♪(うたまる)
にゃああああああ!!気になるところで、終わってる!いったい最後に立つのはどっちだ!(ほわちゃーなマリア)
つ、ついに一刀と雪蓮の一騎討ち! どうなるんだ? 続きが気になる。気長に待ってます。(くらの)
これが戦だよな〜。月間ペースだと次は3月頭かな?(KU−)
互いの信念が激突し護りたいモノの為に命すら投げ捨てる悲しいけど、それが戦争・・・ここまで死傷者を出して呉はこの先どうなるんでしょうか?恋姫のキャラが死ぬのは悲しいですけど非常に面白かったです。(サルルルル)
お久しぶりで待ってました、呉の武将達がどんどん死んでいく・・・次どうなるか楽しみです。(samuraizero)
一気に悲しくなってきましたな・・・ それでもコレがほんとの戦、本来の恋姫の世界ほど将がしなないのはありえないことですからね。 でも、それでも・・・やはり助かってほしいと思うのは傲慢なのでしょうか?(よーぜふ)
普通に考えれば死なない方がおかしいんだけどな。続きが楽しみだぜ(jern)
更新お疲れ様です。誤字ですが、「北馬何舟」になってますが「南船北馬」ではないでしょうか。一刀が呂蒙のことを示唆したがゆえに、魏軍は落ち着いて対処できたと軍師がかなり輝いて見えました。思春と祭はこのまま脱落なのか先が気になります。この戦いは王同士での一騎打ち、赤壁との約束と想いが籠ったこの一騎打ちの続きが楽しみです (Ocean)
救済策を求む(T T)(rin)
死者(仮)続出・・・ここまで原作の登場人物が死ぬ恋姫は珍しい。(絢風 悠)
お待ちしておりました。これから、ジックリ読ませていただきます。(rin)
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真・恋姫†無双 北郷一刀 雪蓮   

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