真・恋姫†無双 外伝 − 鬼を従えし、天の御遣い −
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乱世の胎動は各地で徐々に表れ始める。

 

黄巾党の一斉蜂起により、大陸を覆い尽くさんとばかり各地に爆発的な広がり見せ始めた。

 

 

 

 

だが、この黄巾の乱は各地の諸侯が帝の勅命を受けて次第に鎮圧の方向へと向かっていく。

 

この戦いで、もっとも名を上げた者。それこそが……

 

 

 

陳留刺史の曹操 孟徳 。善政を敷き民に信頼を受けており、将・兵力・兵糧等がどれをとっても潤沢である事。

後に、覇王・乱世の奸雄とも称されるほど覇道を突き進む英傑として名が広まることになった。

 

 

 

その一端が表れ始めたのが首謀者である張角・張宝・張梁を討伐した事柄であるが、

諸侯達の中では、曹操が秘密裏に捕らえたのではないかという噂もながれている。

 

 

 

その証拠は、曹操自身が人材好きという事をどの勢力も知っていた。

あれだけの求心力を目の前にして、むざむざ殺す筈が無いだろうと。

色々な情報はあれど、確定する情報もなし。

 

 

 

民の不安を消し去った曹操を非難すれば、風評に悪影響を及ぼしてしまう。

その為、各諸侯は何も言い出せずにいたのだ。

 

 

 

ただ、曹操を恐れてという事もありうるだろうが……

 

 

 

 

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真・恋姫†無双 外伝 − 鬼を従えし、天の御遣い −

 

 

第二話 『虎穴に入らんずんば虎児を得ず』

 

 

 

 

「ふぁ〜、昨日は全然眠れんかったな……」

 

「樹夜? さては昨晩、あまり眠れなかったのか?」

 

「睡蓮さん、樹夜さんは私達に囲まれて悶々した夜を過ごしたということですよ。ふふっ……」

 

 

睡蓮は納得したかのように笑みを浮かべ、樹夜は顔を赤くして俯いている。

 

 

「それにしても、なんで建業に向かうんや? 今、あっちに向こうたら危ないんちゃうんか?」

 

 

樹夜の言う通りで未だ戦が続いているかもしれず、生存が分かればこぞって襲いかかってくるだろう。

それこそ、黄祖の部下だけではなく金目当ての黄巾賊の残党等も狙ってくる。

 

 

「確かにな。 だが、私が今の内に生存だけでも伝えておかなければ孫呉は更なる危機に陥る。

 これは最後の王である責務としても、何としてでも伝えねばいかん。

 

 それにな、今回の事は、ある程度は裏付けされた理由があるのだ。

 私が、対策を急務として進めればよかったのだが……雑兵にやられる事はないと慢心していたのが原因だ。

 

 その結果が、娘達を窮地に追い込んでしまったんだ……情けないものだ」

 

 

睡蓮は悲しげにしていたが、その理由を話してくれた。

 

 

孫呉は周辺の諸侯連合との結びつきが硬いゆえに敵国に隙を見せる事はなく、

今までは揚州を狙っていた袁術に対しても有利な状況で勧められていた。

 

 

虎視眈眈と狙いをつけていた袁術は、今かとばかりに機をまっていたのである。

そして、今回の孫堅の訃報が流れた事により周辺の諸侯連合を浮足立たせるには十分であり、

若い孫策が王を引き継いでも繋ぎ止めれるのは僅かであった。

 

 

孫呉の窮地を好機とばかりに、恩を売りつけ手懐けようと画策したのが袁術である。

孫策達は、袁術に頼らざる負えない状況なので事実上は傘下に入ってしまう事になる。

 

 

睡蓮が考えるには、そこで自分の安否を知らせれれば袁術からの独立の準備を滞りなく行えるのではないかという事だ。

ただし、自分の存在が死んだと思われているからこそ隙をつけるのであってばれてしまっては意味がない。

直接的に傍では手伝えないが、間接的に繋がりさえ持っていればいついかなる時でも反撃は出来る事になる。

 

 

 

それには、相手の監視がもっときついとされる建業に向かわねばならない。

まさしく虎穴に入らんずんば虎児を得ずである。

 

 

 

 

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「さて、見つからずに行くとなると服装をなんとかして誤魔化さへんと目立ってしょうがあらへんな……」

 

「そうですね。でも、樹夜さん・家ちゃん・春日さん・私こと道雪は明らかにこちらじゃ不審者として見られますし……」

 

「うぅ、孫堅さんも隠れていなきゃ駄目なんですよね」

 

「んー、この4人じゃ凄い目立っちゃうよね。お兄ちゃんが、女の人を侍らしてるようにも見えるし……にひひ」

 

「い、家ちゃん!? そ、それは関係あらへんやろ!」

 

 

一行は答えも出ず、どうするべきかと悩んでいる所に一人の男が走ってくる。

 

 

「おーい姐さん、こんなとこでどうしたんで?」

 

「んっ、元義か。久しぶりよの、先の戦で流れ矢に当たってしまってな。この者達に、命を助けられたのだ。

 今から建業に向かおうと思っていたのだが、どうしたものかと悩んでいたところだったのだ」

 

「なるほど……姐さんの命を救ってくれたのはありがてぇ。この人は、俺の命の恩人だからな。

 俺の名前は馬元義だ。好きに呼べばいいぞ」

 

「元義さん、よろしゅうな! 俺の名前は、姓は時雨で名前は樹夜や」

 

 

挨拶もそこそこに終わり、先程の話の内容にもどる。

 

 

「今の建業は、確かに危険だな。何故かはしらねぇが重税をとる様になり農民達の反発も強くなってな、

 その結果かはわからねぇけど警備が強化されておりやす。

 

 姉さんや旦那達みたいな珍しい格好してるやつは不審者として見られるにちがいねぇです。

 それに最近じゃ、袁術には猛将 紀霊に華雄?とかいう客将がいるらしいって噂だ。

 今まで、猛将なんているとは聞いた事はなかったのにな……」

 

 

「確かに紀霊は袁術の中でも古参の老将とは知っていたが、表舞台に出てきたのは余裕が出てきたおかげか。

 董卓の武将である華雄が何故に袁術の配下をしているのかは不思議だがな」

 

 

「元義さん、なんか建業に行く手立ては無いもんやろか?」

 

 

元義は顎に手を当てながら考え、一つの提案する。

 

 

「確かに、俺らが見つからないようにする事はできる。まずは、服装を漁民に替える。

 それから、江夏から船に乗って水路で建業まで向かう。

 

 建業周辺では孫呉の水軍がそのまま巡回に使われてるらしいんで、

 上手くいけば甘寧の姐さんと会えるかもしれねぇってことです。

 

 問題は、それまでにこの長い長江を渡っていけるかということだな」

 

「ふむ。思春に会えさえすれば、間違いなく安全に伝えてくれるだろう。

 確かに、この長江は我が水軍であれ常の鍛練があって渡れるものだからな。

 

 元義、お前の事だ。すでに手配はしてあるのだろう?」

 

 

樹夜達は、小首をかしげる。

 

 

「流石は姐さん。はい、以前に姐さんに鍛練をつけて貰った仲間や張燕と波才には声をかけておりやす。

 程遠志とケ茂の奴らは、黄巾の乱の終結の際にはぐれちまって今はどうしてるか……

 

 姐さんに道案内さえしてもらえりゃ、あっし達が漕ぎますんで」

 

「ほぅ、あの者達であれば頼りになるな。張燕がいれば、あやつの力はそうそう残党等に負けんからな。

 波才は理解力があり、水軍の指揮をあっという間に覚えおったからな。

 

 うむ、私が船頭に立ち水路の案内をする」

 

 

睡蓮と元義がこれからについて話を終え、樹夜達を加えて休息をとる事にした。

 

 

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「元義さん、おおきに!」

 

「なぁ〜に、いいってことよ! 恩人には礼を3倍返しにしても気がすまねぇくらいなんだ。

 旦那は、姐さんの傍にいってやってくれ!」

 

 

にやにやと睡蓮の方を向いて視線を向けている。

 

 

「な、なっ!? げ、元義、何を言っておるか!! 私は、樹夜に助けて貰った礼をだな……」

 

「それじゃぁ、なんですかい? 他のお三方は、恩人じゃないんですかい?

 

 樹夜だけとその手を繋いでるのは、どうしてで?」

 

「!?」

 

 

 

睡蓮は顔や耳まで真っ赤にして俯いており、

樹夜は、なんと返していいかわからずにとまどっている。

そんな二人を道雪と家久はにやにやとしつつ、生温かい視線送っていたが一人は違っていた。

 

 

そう、春日だけは極寒の視線。否、嫉妬による黒化現象を引き起こしている。

黒春日になる日も近いだろう。

 

 

 

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「ふぅ、なんとか準備は整ったわ」

 

「そうだな。樹夜には世話になってばかりですまんな……」

 

『……ギロ』

 

 

 

「っ!?」

 

「んっ、どうした?」

 

「何や、凄い寒気っていうか背筋が凍るっていうか変な感じがしたんや」

 

「ふふっ、では私が人肌で温めるのも一興か」

 

「ちょっ!あー!?」

 

 

 

 

樹夜達は予想よりも早く船着き場につけたが、食糧等を運び込み乗船を終えた頃には日が落ちていた。

さて、今夜も穏やかに寝れたかは謎である。

 

 

 

 

 

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あとがきぽいです

 

 

えと、少しブランクがあるので改行具合や……の数の調整などがテストしつつですいません><

 

 

あと、孫堅(睡蓮)さんに関しては俺から私に変えました。

 

 

黄蓋(祭)さんとは親友関係で、黄蓋(祭)さんが大人で余裕のある女性という立ち位置であり。

孫堅(睡蓮)さんは、虎の皮を被る仔羊という所です。実は強気な女性に見えて肝心な所は初心です。

 

噛み砕いて言えば、自分から誘う分にはよくて相手からの強引さには弱いという事です。

あとは恋愛関係についての不意打ち的なからかいとかですな。

 

 

最後になりましたが、オリ主の能力。箇条書きで書いていきます。

 

・体力は、山籠り等のお爺さんとの散策(修行?)等をしていた為に、

 賊等よりはあり精錬された兵よりは下という所です。

 

・武力は、避ける、逃げる、耐える、この分野においては秀でた部分はありますが。

 精錬した兵士であれば何とか耐えれるが、武将が相手では数合が限界でしょう。

 もちろん、武将、兵士であれ、攻めたりはできません。ただ防いで耐えたり逃げたりです。

 

 

 賊程度であれば、何とか倒せます。 ただ、殺すのにとまどいを感じるのはあります。

 

 

・知力は、一般的に高校2年生の学力と大差ないです。(現代知識を使う事柄は限られています。)

 

 

・医術は、薬草等の話もありましたが応急措置ができるだけです。(薬草が万能という訳ではないという事です)

     

 

・総合的に、生き残れるが勝ちは難しいということです。ですが、成長フラグもあります。

 

 

 

 

メモ:薬草に関しては軽傷などを手当てしたり、重傷の場合は血を止める程度はできても

   完全に治す事は不可能です。ですので、孫堅さんも、酷い怪我負っているので戦える状態ではないです。

   これ以上言ってしまうとネタバレになるので、ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
注意書き

誹謗中傷コメントは削除対象にしています。

マナーを守った方のコメントをしっかりと見逃さずに読むためです。
皆さまが不快な思いする原因であります。

この物語は、オリ主が主人公であり北郷一刀ではありません。
何故、北郷一刀しないかという理由は中途半端な一刀にしたくないからです。

自分はまだ性格描写が苦手なので、名前だけ一刀にするよりオリ主にする事を選びました。能力につきましたは、あとがきにてかかせていただきます。

コメント返しは、基本無しの方針です。
できるだけ作品で答えていきますので、頑張ります。

皆さまのコメントはしっかりと見させて貰い、
コメントが書かれるたびに作者がとても喜んでいますので!
何とぞよろしくお願いします。

長い文になりましたが、作品をゆっくりとお楽しみください。
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もし、続きを書いていただければ、読ませていただきます! (いた)
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