真・恋姫†無双〜愛雛恋華伝〜 28:【漢朝回天】 夜を駆ける |
◆真・恋姫†無双〜愛雛恋華伝〜
28:【漢朝回天】 夜を駆ける
西園八校尉に採り上げられた軍閥として、董卓は宦官外戚を問わず注目を受けていた。
もっともそれは、使えるのならばこき使ってやろうという程度の興味でしかない。
北夷を抑えていたとはいえ、たかが地方の田舎太守。
そんな捉え方をされている中、董卓勢は他の軍閥に遅れて上洛する。
朝廷の中でも、涼州における黄巾賊討伐の実績などもあり、董卓の名はそれなりに知られている。だがそれでも、彼女がどんな人物なのかはまでは知られていなかった。それこそ、呼び寄せた何進だけしか知らなかったといっても過言ではない。
事実、上洛した董卓と顔を合わせた人たち、そのほとんどは「え、この人が?」という反応を返していた。
思いもよらぬほど線の細い風貌、そしてその腰の低い受け答えにも、それぞれが持っていた先入観を覆されている。高い地位を得た以上、面通しをすべきところは数多くある。董卓はそのひとつひとつに自ら赴く。その律儀さと、やはりその見た目に、顔を合わせる面々はそれぞれ驚いてみせた。
そんな反応を前にして、董卓は初めこそ「そんなに頼りなく見えるのか」と落ち込んだりもしていたが。そこは、地方とはいえ仮にも太守を務めていた彼女である。ある種の厚顔さというか、逞しさというべきか、そんなものが備わっている。
気持ちを切り替えたのか、普段の彼女の持つ温厚な笑顔を周囲に振りまきつつ、朝廷内のあらゆる場所に挨拶回りをする董卓。そんな親友の後に付き従いながら、賈駆は何度も溜め息を吐き、同じく同行する鳳灯に宥められるのだった。
ちなみに。
董卓と共に上洛した将は、賈駆、張遼、華雄。それに客将として、鳳灯と華祐が付き従っている。
呂布と陳宮は、河東にて留守を任されていた。上洛と共に兵力の半数以上を連れ出してしまったが、留守を守っているのは、天下無双の呂布である。こと呂布の動かし方には非凡なものがある陳宮がいることもあり、多少の兵力差なら負けはしないという、兵の数以上の安心感を生み出していた。そのことが、後顧の憂いを生むこともなく、董卓らを洛陽に向かわせたといっていいだろう。
さて。
そんな背景をもって上洛した董卓らは、もともといる将兵たちも組み込み、改めて朝廷軍を編成する。そして、外からの脅威に備えるべく、洛陽の守護に当たる。
洛陽を守護する朝廷軍、といえば聞こえはいいのだが。普段から彼女らがすることべきことはそう多くない。
司州周辺の警護に出向くこともあるが、それは彼女らとは別の軍勢が担当している。基本的に、西園八校尉という役職は、有事に備えて待機することこそが仕事だといってもいい。将兵を再編成し、関係各所への挨拶回りを終えると、董卓は途端に暇になってしまった。
その一方で、賈駆と鳳灯のふたりはなにやら忙しなく動き回っている。
朝廷内における地盤を確固たるものにするため、賈駆は智謀を巡らす。すべては、董卓が望むものを手に入れるために。
彼女が望むものは、民の笑顔。それには、私欲に溺れ、民を省みようとしない愚者たちの存在が邪魔になる。
ならば、董卓が代わってその地位に立てばいい。望みを実現できるほどの高みまで上らせてみせる。そんな未来を見据えて、賈駆は、情報の収集や根回し、布石作りに暗躍する。親友である"月"の望む治世を、広く、もっと広くするために。
鳳灯の望むものも、戦などで人が不要に傷つかないような世界である。董卓や賈駆が目指すものに同調し、彼女らの手助けをする。
だが鳳灯は、他の世界で体験した"未来"を知っている。ゆえに、賈駆とはまた違う動きをする。賈駆が主に表立った動きをするなら、鳳灯は裏から手を回す。正確には董卓の臣下ではないという立場が、大っぴらには口に出来ないやり取りを円滑にさせていた。
賈駆や鳳灯だけに限らず、朝廷内においてこういった裏工作は珍しいものではない。
だが上洛した他の軍閥らと比較して、董卓勢のそういった動きは、慎重ながらも実に素早いものがあった。
実際に動ける人材という意味では、他の勢力も数は変わりはしない。
人材を動かす案や策を練る頭脳役の存在。それが、董卓を他の勢力から一歩先に進ませる大きな要因となっていた。
曹操の筆頭軍師である荀ケは、州牧代理のひとりとして陳留に留まっている。共に上洛した夏侯淵も、知に秀でているとはいえ本来は武将である。政治的な駆け引きといった働きが出来るかというと心許ない。
袁紹は軍師らしい人物を連れていない。袁家の示威を誇るかのごとく、二枚看板と称する武将ふたりを始めとした親衛隊を常に引き連れ、何進に付き従い王城内を闊歩している。
袁術はどちらかといえば、常に傍らに置く張勲を始めとした軍師・文官が配下に目立つ。だが、地下工作といった活動もこれといって派手なものは見受けられず。傍目には目前の任務を無難にこなしているだけのように見えた。
上に挙げた三勢力と比べて、董卓は手元に軍師をふたり抱えている。その両名が共に、相当に質の高い指示を、先を読んだ上で常に出せるのだ。他の軍閥は、情報の収集は出来ても、それを次にどうするかを練り上げ指示まで出せる人材に欠けていた。
目的を持ちなにか事を成そうとすれば、勢力として、柔軟かつ機敏に動かすことが出来る。そんな状況判断の機微と、それにあわせることが出来る身軽さ。それらが、朝廷の中にある新興勢力として抜きん出ることを可能にし。朝廷内の見えないところで深く広く、勢力としての影響力を少しずつ拡げていた。
董卓もこういった軍師たちの動きを把握はしている。
自分の、自分たちのために働きかけていることは、十分に理解している。
しかし、彼女はその詳しい内情にまでは係われない。そんな自分に思い悩んだりもしたのだが。
「月は、大枠が分かっていればいいわよ。
細かいところをあれこれ悩むのは、ボクたちみたいな下の人間がやることだし」
勢力の長らしくどっしりと構えていろ、と、キツいのだか優しいのだか分からない口調で賈駆はいう。
董卓も、そんな親友のことや、ひょんなことで友誼を得た客将のことは信用している。
だから、必要だと思うとき意外は口を挟まない。内緒で動いているというのなら話は別だが、やろうとしていることの報告は受けているし、必要なときは意見も求められている。ならば彼女たちの望む立ち居振る舞いをすることこそが、自分のすべきことなのだろうと考えていた。
とはいうものの。
当面、董卓自身がすべきことが少ないことは事実。暇なことには変わりない。
やることもなく行ける場所も限られた董卓は、自然、仲間のいる場所に足を運ぶことになる。
張遼や華雄、そして華祐らが詰める修練場だ。
董卓は、彼女らが行う将兵たちの鍛錬にしきりと顔を出すようになった。
重ねていうが、董卓軍に属する将兵の大多数は男性である。
自らの属する軍の長が頻繁に顔を見せる。しかもそれは、可憐な少女といっていい董卓なのだ。
となるとどうなるか。
それはもう、将兵たちのやる気と気合も増しに増すというもの。
華祐が煽り、張遼がそれを更に煽ることもあり。董卓のいるときの修練場は、皆が皆、己が主にいいところを見せようと、本気かつ真剣さに満ちた空気に満たされる。そんな修練の繰り返しが、軍閥の中でもことさら士気も実力も高い一団を作り上げていった。
それが果たして賈駆の狙いだったのかどうかは分からない。
だが、新たに組み込まれた朝廷軍も含めて、董卓勢の兵力は着実に上がっている。
命令を出すだけの大将軍と、顔を見せながら叱咤激励する西園八校尉。
いざ動くとなったときに、兵が従う声はどちらのものか。
考えるまでもないだろう。
董卓勢の客将という扱いであることから、鳳灯は朝廷内においては多く知られることのない存在である。賈駆とは違い公的な場所に出ることもないため、己を主張することに熱心な宦官や外戚などの視野に入らないのだ。
敵であれ味方であれ、コマともいえる"一般人"が動き回っても気にかけない。地位に胡坐をかく人たちの多くはそんなものであった。
それを幸いとばかりに、鳳灯は根回しに朝廷内を駆け回る。主に下部の将兵たちに働きかける。
目的は反董卓連合の阻止。
その要因となる霊帝の後継者争いに際して、将兵たちが連動して動かないようにするのだ。
結局、人を殺すのは人である。武器を手にする人間が減るほどに、死ぬ人間は減っていく。いざというときになって武器を取る人間を少しでも削るため、鳳灯は情にかけて利にかけて、騒乱を起こす愚かさを説いて回る。
そんな鳳灯は、今日も朝廷内を歩く。
表向きは董卓と賈駆の補佐をするという立場にある彼女。方々であれこれと話しを聞き、現状を知り把握しようと努めることは対外的にも不自然なものではない。
そうして知れば知るほどに、思い知らされる現状。
朝廷内の腐敗振り、あまりに利己的な考えの横行に、鳳灯は呆れるやら感心するやら。思わずお腹の辺りがキリキリ痛み出しそうなほどだった。
そんな中で、唯一といってもいい希望は、実質的な宦官の長、張譲の存在。
彼の目指すものが、鳳灯の、董卓らの望む未来に近しいことを知ることが出来た。
まさに一条の光のように思えた。
朗報ではある。だがこれからどうするか。
朝廷内において、鳳灯の存在は最下部にあるといっていい。西園八校尉の一角たる董卓の下にいるとはいえ、正確には彼女に仕えているわけでもない。出来ることは限られてくる。対して相手は、宦官勢力にとって事実上の頂点である。話をするどころか、普通に考えれば顔を合わせることすら困難だ。
張譲はこの朝廷の中で長く生き抜いてきた人間である。
周囲の評価をそのまま真に受けるわけにも行かないだろう。
話を聞いてみたい。彼女はそう考えていた。
そんな鳳灯に、好機が訪れる。
王城の中を歩いている際に、曹操と出会ったのだ。
「あら、鳳灯?」
これは曹操にとっても好ましい邂逅であった。
張譲との話に挙がった、董卓の下にやって来たという内政官。
予想はしていたが、やはり鳳灯のことだったか、と。
曹操は知らず喜色を浮かべる。
自陣に引き入れたい人材のひとりとして、本格的に勧誘しようと心に決める。
それはさておき。
「話には聞いていたけれど、董卓のところにいるのは本当のようね」
「話題になるようなことをしているつもりはないのですが……」
曹操の言葉にとぼけるような言葉を返し、幾ばくか会話を交わす鳳灯。
あくまで意見役を求められて董卓に同行しているのだ、という立場を通すつもりでいたのだが。
自分が董卓の下に知るという話を聞いた相手、それが張譲だと知り、鳳灯はさすがに驚きの顔を見せる。
それなりに広く深く動き回っている自覚はある。
だが、まさか宦官勢力の長たる張譲に知られているとは彼女も思ってもいなかったのだ。
小さな事象も漏らさぬ性格なのか、それとも目をつけられたのか。あるいはその両方かもしれないが。
長く立ち話をしているわけにもいかず。積もる話もあるということから、夜にまた改めて会うことになった。
それは曹操からの提案だったが、鳳灯にしてもこれは渡りに船といえた。
張譲との友誼を持つ彼女に、顔合わせの場を設けられないか、頼み込もうかと一考する。
将兵への根回しといっても、下部だけではやはり限界がある。行動を決め指示を出す層にどこかで食い込まなくてはならない。
それを考えれば、いきなりその頂点へと繋がる糸口が現れたのは、まさに好機といっていいだろう。
これを逃す手はない。
対価を求められるのならば、自分が曹操陣営に出向いてもいいと彼女は思う。
でも閨に誘われたら噛み付いてでも逃げ出そう。
以前の世界での曹操を性癖まで知るがゆえに、あれこれ要らぬことまで考えてしまう鳳灯だった。
曹操との会合の約束。このことはすぐさま賈駆に伝えられる。
張譲の目指しているものを知り、なんとか味方にすることが出来ないかと、賈駆と鳳灯は考えていた。
かの大宦官と友誼のある曹操。そして曹操と縁のあった鳳灯。
その線をつなげることが出来ればよもや、という思いはあった。
ひとまず鳳灯がなんとか渡りを付け、次いで賈駆に、場合によっては董卓に直接出向いてもらわねばならなくなるだろう。その点はかねてから賈駆や董卓にも話はつけている。行動するに際しての問題はない。
なによりもまずは、今夜だ。
「雛里、身の危険を感じたら直ぐ逃げるのよ」
「へぅ……、雛里さん、頑張ってください」
聞き様によっては妙な意味にも取れかねない、そんな言葉をふたりから受け。
鳳灯は、闇夜の中を歩き出した。
夜の帳も下り、人気も退いた王城の中。高官や将軍位に割り当てられている部屋のひとつから灯りが漏れている。
部屋の中にいるのはふたり。部屋の主である曹操と、彼女の元を訪れた鳳灯である。
ちなみに部屋の外では、曹操の腹心である夏侯淵が警備兵よろしく周囲を窺っていた。
「改めて。久しいわね、鳳灯」
「はい。ご無沙汰しております」
互いに顔を合わせたのは、幽州遼西での僅かな時間、ほんの数日でしかない。
それでも、過ごした時間の密度はそこらの友よりも濃いものであったと曹操は思っている。
鳳灯もまた、同様の想いを抱いていた。
以前の世界の彼女と同様に、この世界の曹操も相当に"濃い"。
同じ人間なのだから当然といえばそれまでだが、鳳灯は改めて、曹操から、人として将として、そして民の上に立つ王としての格や器のようなものを感じたものだった。
互いが互いを評価し、無視することは難しい人物だと捉え。
だからこそ、今、目の前にいる者をよく知ろうと試みる。
一本だけの蝋燭を間に挟み、ふたりは互いに言葉を交わす。
遼西でのこと、取り入れた治世案のこと、治安の改善案などなど。そういったことを皮切りに、曹操や公孫?の州牧としての今後の予想や、呂扶の武才、呂布と華祐の修練風景や、はたまた関雨の給仕姿や酔って暴れる夏侯惇についてなどなど。話題は硬軟を織り交ぜながら、様々なものが挙がる。
そのひとつひとつに、お互い真剣に案を出し合ったり、笑みを浮かべたりしながら。
時間は緩やかに過ぎていった。
しばし、まるで手の内を探り合うかのような会話が続いていたのだが。
「さて、鳳灯?」
不意に、話題を切る。
先に動き出したのは、曹操。
「貴女は"此処"に、なにをしに来たのかしら」
なにかを試すような、そしてなにか悪戯を仕掛けるような、笑み。
そんなものを浮かべながら、彼女は問いかける。
その問いに、鳳灯は。
「民を、兵を、いたずらに死なせないための根回しに」
先ほどまでと同じような口調で応える。ただ、目には強い力を込めつつ。
これから更に荒れていくであろう、朝廷内での権力争い。その引き金となるのは、時の帝たる霊帝の崩御である。
体調が思わしくないことが公然と囁かれる中、その後を巡って争いが起きることは想像に難くない。
後継者問題という建前をもって、十常侍ら宦官勢と、大将軍何進らの軍部勢が、より激しく対立する。
それぞれが、自分たちの権力欲と私欲を満たすためだけに争うのだ。
私欲に満ちた争い。その過程で散っていく命は、彼らにとって気に留める価値のないもので。
どれだけ死のうとも、将兵は"兵数"が少なくなるだけであり、民草は数さえ数えられることはない。
鳳灯は、それをよしとすることが出来なかった。
「戦を起こさないこと。それが、私の望みです」
考えたことは、高官たちにとっての手足を奪うこと。
戦において、実際に動くのは末端の将兵たちだ。
彼ら彼女らが、高官たちの思う通りに動かなければ、戦は起こらないのではないか。
現状を見、推論を重ね。鳳灯、賈駆、そして董卓は、宦官と外戚、両勢力を下から崩すべく動き出す。
表側からは賈駆が、裏側からは鳳灯が、そして地位という権威が必要な場面では董卓が。情を、理を、そして利をもって話し説得を試みる。
裏切れというのではなく、このまま高官たちに従っていればどうなるのか、自分や友人そして家族らのことも踏まえて考えてみて欲しい、と、問いかける。
同じように、勢力に関係なく多くの将兵に会っているということも添えて。
朝廷の上層部がどれだけいきり立ったとしても、兵が動かなければ戦にならない。それが両勢力で起きれば、なにも起こらぬまま終わってしまうだろう。
極端にいえば、下につく兵たち全員が武器を取らなければ戦にまでは発展しない。高官たちがどれだけ暗躍しようとも、それが当人たちだけで生き死にを巡っているのならばわざわざ止める必要はない、と、彼女は考えている。
むしろ腐敗した面々が同士討ちをするのであれば、却って手間が省けるとまで思っていた。
もちろん、それをこの場で口にすることはない。
代わりに、問う。
曹孟徳の求める姿を。
「官と、民。曹操さんはどちらを取りますか?」
一拍の間を経て。曹操は応える。
「民を味方につけ、官を取るわ」
自信に満ちた声で。
「今の高官どもは、己の保身ばかりで民をまったく省みず、民が荒んでいる。
それは上に立つ者が持つべき理想、それを生す気概がないからよ。
私は、目の届く限りの民を、私の目に適う姿にしてみせる。そして、いずれはそれを大陸中に広めてみせる」
まず自分の理想ありき。それを現実にすることが、民の幸せに繋がると。曹操は信じている。
傲慢ともいえる思考、その在り方。
だがそれを生し得るだけの覇気も知識も力量も持っている。至らず足りないもがあれば、それを認めるだけの度量も具えていた。
鳳灯も、それは認める。認めている。
しかしその一方で、彼女の覇道に賛同しきれないことも自覚している。
道が交わるなら、共に歩むこともいいだろう。
だが進まんとする道を、あえて乗り換えようとは思わない。
「私は、曹操さんの生き方を否定はしません。
それが最善となる場合も、確かにあることは分かります。
でも」
鳳灯は、未来の覇王を正面から見据え。
「臨む先に害をなすようであれば。私は、貴女の前に立ち塞がります」
自らの在り様を示す。
曹操がなによりも重視する、誇りというものをもって。
「話は、一区切りついたのかな?」
不意に、部屋の入り口から聞こえる声。
夏侯淵が立ち塞がっているはずの戸口から、部屋の中を窺うようにして立つ男性がひとり。
「曹孟徳に向かってこうも啖呵を切るとは、いやいや、いいものを見せてもらったよ」
「女性同士の話の中に割って入るなんて、褒められたものではないわよ?」
「なに。空気を読まない厚顔さは、宦官の得意とするところだからね」
台詞の割には不機嫌さを感じない、曹操の口調。それに軽い調子で答えながら、彼はふたりの下に歩み寄る。
言葉を交わしたことはなかたとしても、朝廷の中に身を置いている以上その顔を知らない者はいない。
蝋燭の灯りに浮かんだのは、宦官勢力の長、張譲の姿であった。
「鳳灯君、だったね。君たちの話に、私も一枚噛ませてくれないか?」
漢王朝、その中枢が、大きく動き出す。
・あとがき
更新に間が開くと、どうも説明くさくなってしまうな。
槇村です。御機嫌如何。
鳳灯がいたために、董卓と曹操が顔を合わせることになった。
鳳灯がいたために、董卓が張譲を斬ることがなくなった。
原作では軽く地の文で流された部分。それが鳳灯の存在によって変化します。
じゃあ、どんな風になるの? というのがこれからのお話。
はてさてどうなることやら。
なんとか、今月中に次の更新をしたいとは思っています。
はてさてどうなることやら。
説明 | ||
ごぶさた。 槇村です。御機嫌如何。 これは『真・恋姫無双』の二次創作小説(SS)です。 『萌将伝』に関連する4人をフィーチャーしたお話。 簡単にいうと、愛紗・雛里・恋・華雄の四人が外史に跳ばされてさぁ大変、というストーリー。 ちなみに作中の彼女たちは偽名を使って世を忍んでいます。漢字の間違いじゃないのでよろしく。(七話参照のこと) 感想・ご意見及びご批評などありましたら大歓迎。ばしばし書き込んでいただけると槇村が喜びます。 少しでも楽しんでいただければコレ幸い。 また「Arcadia」「小説家になろう」にも同内容のものを投稿しております。 それではどうぞ。 |
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コメント | ||
O-kawaさま>このまま平和にして、終わらせてみようか?(ちょっと待て) でもそれだと、書きたいシーンが書けないんですよね。残念(だからちょっと待て)(makimura) ロンロンさま>いや本当に、原作からジワジワ離れて行きます。まぁ狙っているんですけど。(makimura) シグシグさま>一番続きが気になるのは槇村なんだぜ! 本当に、どうなることやら。(makimura) よーぜふさま>本当に、ごぶさた。更新頻度落ちまくり。 雛里さん、いざとなっても逃げ切れるような魔改造でも施しましょうか(え?)(makimura) 槇村です。御機嫌如何。書き込みありがとうございます。(makimura) さてさて、この外史に群雄割拠の時代は来るのか。(O-kawa) 小さな行動、されど大きな結果。違ってきた世界でどのような事態を迎えるのか。(龍々) 続きが気になる!月の慈愛、張譲の憂い、雛里の思惑、華琳の覇道・・・それぞれが思っている未来が「真・恋姫†無双」とどのように違ってくるか楽しみです。(シグシグ) ちょーぢょー! おっと、ごぶさたぶりんです、お待ちしておりました。 でもあれですな、ひなりんにげてー!っていえなくて残念です(ぇ(よーぜふ) |
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