真・恋姫無双〜妄想してみた・改〜第四十二話
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「北郷さま、入るわよ」

「ああ、どうぞ……小喬だけか?」

「ええ。お姉ちゃんは月さまのお手伝いをしているわ」

 

 

ドンドンッ、とノックをしてから部屋に入ってきた小喬inメイドさん。

その手には山積みになった竹簡があって、今日もどうやって仕事をサボろうかと考えていたら、

ふと小喬が俺の後ろの“モノ”を凝視した。

 

「……朝からいいご身分ね?」

「まあ、王様だし……というのは冗談で、真桜とは約束があるからなぁ」

 

そう。

後ろを振り返ると、俺の頭を乳房で挟むようにして悦に入っている真桜がいるのだ。

乳で挟むのがそんなに嬉しいのか? 時折“にゅふふー(*´ω`*)”と声を漏らしている。

 

「にゅふふー……お、小喬やん。お努めごくろーさーん♪」

「嫌味っぽいわねぇ。コイツが起きてからずっと居るわけ?」

「たいちょのことを“コイツ”呼ばわりは関心せえへんなぁー。でも朝からっちゅーのは間違いやで?」

「へぇ……一応あなたにも節度はあったのね」

 

関心したように俺のことを見直す小喬……なんだが。

 

「昨日の夜からずーっといっしょやったもん」

「……はぁ!?」

 

見直されたと思ったら、侮蔑の眼差しで見られた。

真Oh……!

 

 

 

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昨日、二喬の今後のことについて決めてからというもの、真桜は常に傍にいた。

食事の時も、

 

「たいちょ、あーん♪」

「あ、あーん……」

 

―ぱくっ

 

「んん〜! ひな鳥に餌付けしてる気分やわー♪ うちにもしてして♪」

「か、勘弁してくれよ……」

「たいちょー……」

「……はぁ。分かったよ……ほら、あーん」

「あーん♪」

 

―あむっ

 

 

 

「んん〜! んまいわぁー♪ たいちょたいちょ、うちな? 次はこれ食べたいねん。食べさせてー♪」

 

 

 

皆が見つめるなかで―蓮華や華琳、シャオらは特に恨めしそうに見ていた―イチャイチャしていたり。

寝る時も、

 

「たいちょ……不束者ですけど、よろしくたのんます……な〜んてな♪ とうっ!!」

「ふじこちゃんっ!?」

 

床に三つ指を立てて珍しく礼儀良くしていたと思ったら、次の瞬間にはベッドにダイブをする真桜。

例えるなら、不二子がベッドに横になっているルパンに向かってダイブするような……感じかな?(スタイル的に)

 

 

そんな感じで、二日目の今日を迎えたわけである。

回想している間も小喬さんに冷たい目で見られていた。泣いてもいいかな……。

 

「……まぁそんなことはどうでもいいわよ。それよりも……呉のこと、どうするつもり?」

「どうするつもりって? 今回君達が起こしたことは不問だと言ったろ?」

「違うわよ! まだ冥琳さまから信用を得られていないんでしょ? ……袁紹軍は大きいわよ」

 

――ああ、なるほど。

彼女なりに心配していてくれてるのか。

暗に“今の状態だと危ない”と言ってくれている。

 

「確かにね。でも、言ったからにはやり遂げてみせるさ」

「ふぅん……あっそ。なら別にいいわ」

「なーんか、たいちょに刺々しいないかぁ?」

 

辛辣に言い放つ小喬に、後ろの真桜はちょっとカチンときたようだ。

そんな真桜の言葉は聞き流し、どさどさっと竹簡を机に置いて部屋から出ていこうとする。

 

「小喬」

「……なによ」

「君ならどうする?」

 

 

 

俺が問いかけた瞬間。

 

 

 

 

 

「わたしなら、冥琳さまに協力を仰ぐわ」

 

彼女は“にやぁ”と、黒い笑みを浮かべながらこちらに向いた。

 

 

 

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「周喩に? だが小喬も知っているように、俺たちは――」

「あんたはそうでしょうね。でもわたしたち姉妹は違うわ。

逐一冥琳さまにあんたのことを密告していたし、冥琳さまに捧げた情報に嘘偽りはない」

「ならだめやん。どーせあることないことチクっとるんやろ?」

 

やな子やわー、と後ろでぶつぶつ言っている真桜は放っておいて。

 

「冥琳さまを見くびらないでくれる? 例え自分に有利な情報だとしても、それが疑報かどうかをまず見極めるわ。

……それに、わたしたちはこれまでに三度、密偵を使って冥琳さまに情報を届けていたけど、どれも北郷さまをけなすようなものではなかったわ。

むしろ逆よ。“配下をうまく使って平原を治めている”、“城下に赴き、民の声を聞ける……まるで孫策さまの再来のよう”、“『北郷』の将は全て北郷の愛人”。

…………粗を探しても見つからないもの。気に入らないけど、冥琳さまには嘘つきたくないし」

 

いや、三つ目はどうかと思うの。まぁ否定はできないけど……。

結構見張られてたんだなぁ。

 

「それで?」

「密偵に四つ目の情報を冥琳さまに届けてもらうわ。“孫策さまと共に来られたり”と」

「それで彼女は来るか?」

「……少なくとも、様子見の為に少数の軍は送ってくれると思うわ。でも流石に総力をあげて来られたりはしないと思う。

そこだけ覚えておいて」

「ああ、分かった。今は猫の手でも借りたい状況だからな……。正直、凄く助かった」

 

真桜の乳枕から離れて彼女の元に近寄り、頭を撫でてやる。

 

「!? ちょ、ちょっと! 何すんのよ!!」

「ははは、照れるな照れるな」

 

―なでなで

 

「……………」

「お? その表情はまんざらでもないな?」

「うん――って違うわよ!」

「ありがとう、小喬」

「〜〜〜〜〜ッ! ま、まま、まだ仕事が溜まってるから失礼するわよ!!」

 

―バタンッ

 

「あー、怒らせちゃったかな?」

「……たいちょ」

「ん? ……うぇ!?」

「ほんまええ加減にせんと……掘るで?」

 

そ、その手にあるのは! あの「お菊ちゃん」ではないか!?

 

「正直スマンカッタ」

「態度で表してもらわなこまるで、ほんま……。こりゃ誠意として一日追加やな」

「……勘弁してくれ……」

 

ずっとほったらかしにされていたのが気に喰わなかったのだろう。

真桜さんはおかんむりでした(つд`)

 

 

 

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―バタンッ

 

強く扉を閉め、自分の部屋へ走った。

あのままあそこにいたら、とんでもないことを口走ってしまうかもしれなかったから。

 

 

 

アイツに撫でられた頭を触ってみる。

もうぬくもりは残っていないはずなのに。

次に両頬に手を当ててみる。そこには熱があった。

 

 

 

(大きくて、暖かい手……まるで全てを包んでくれる陽の光みたい)

 

 

 

アイツに撫でられたとき、不覚にも昔のことを思い出してしまった。

冥琳さまに、アイツを骨抜きにしろと命じられた頃のことを。

姉と共に“北郷”に赴き、一生懸命色仕掛けを仕掛けていたけど。

アイツはいっこうに堕ちなくて。

それどころか、過ごす時間が増えれば増える分だけ、アイツに溺れていった。

 

 

姉は元々、アイツのことが嫌いじゃなかった。

わたしは嫌いだった。冥琳さまの敵だったアイツが。

お姉ちゃんが夢中になったアイツが嫌いだった。

冥琳さま亡き後も、アイツの傍にいようとした自分が――嫌いだった。

 

 

 

(ほんと……全然変わってない……)

 

 

 

アイツの笑顔も。撫でてくる手の温度も。そして、中身も。

 

 

 

「…………」

 

(ありがとう、小喬)

 

「〜〜〜〜〜ッ!!」

 

ベッドに飛び込み、思わずゴロゴロ。

いちいちこんなことを思い出して、勝手に悶えているわたしは間違いなく変人だ。断言できる。

でもアイツも変人だし。

 

 

(もう……ワケが分からない……。わたしはどうしたいのよ)

 

 

 

 

熱く火照った顔を冷ますように、手で煽ぎながら天井を眺めていた。

 

 

 

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「真桜、ちょっと来てくれ」

「んー? なんや凪、うちこれからたいちょ起こしに行くんやけど」

「真桜……頼む!! 隊長の独占権利を売ってくれ!!!」

 

―にやぁ……

 

「どないしょかなー。うちぃ、もっとたいちょとおりたいしぃー」

「給金三ヶ月分出す! ……この頃隊長と一緒にいる時間がないんだ……」

 

その必死さに、真桜は“相変わらず真っ直ぐやなぁ”と関心する。

 

「仕方ない……うちと凪の仲や!」

「お、おぉ! では――」

「給金五カ月分で売ったろ! 愛しのたいちょの為なら、安いモンやろぉ?」

「う、うぐぐ……だ、だがそれはさすがに高――」

「ほー、ほならいいんやでー別にぃ。恋はんや蓮華さま、霞姐さんあたりに売りこんでくるかー」

 

口笛を吹きながら凪の前から去ろうとする真桜。

しかし、恋に狂った凪が逃がすわけもなく……。

 

「――分がっだ、買おう゛」

「……そない泣かんでもええやん……んじゃあたいちょに言ってくるから、ちょい待っててなー」

 

一刀に、今日一日は凪と過ごして欲しいと頼むため、その人がいる部屋へ向かう真桜。

 

―こんこんっ

 

「たいちょー、起きとるかー?」

 

返事を待たずに扉を開けると、一刀はベッドの上でぐっすり寝ていた。

悪戯心で頬をちょん、ちょんっ、とつつくがむにゃむにゃと言うだけ。

しかしその反応が可愛らしくてもう一度しようか……と思ったが、後ろに漂う気配に気付きやめた。

 

(凪、こわっ! 約束取り次がんと、凪に殺されるんちゃうか……?)

 

「たいちょー、たいちょー! うちの命のために起きてーなー!」

「こ、こら! 人聞きの悪い!」

「んんぅ……」

「! 凪!! おはようのちゅーや!!! ちゅーして起こしたれ!!!!」

「え、ええええ!? きゅ、急にそんなこと言われても――」

「凪がしないならうちやる! ん〜〜……」

 

―ドンッ

 

「ん〜〜……ぐぇっ!?」

「だめだ! わ、わたしが……。た、隊長……」

 

―チュッ♪

 

「ん……」

「…………」

「いたた……あ、たいちょ。おはよー」

「ああ、おはよう真桜、凪」

「…………」

「凪?」

「(ボンッ!!)」

「凪ぃぃぃ!?」

「あーらら……純情っ娘にはムチャやったか……。たいちょ、今日一日は凪と一緒に居たってな!」

「え? 真桜はいいのか?」

「三日間はちゃんと一緒に過ごさせてもろたし、誠意の一日は凪に譲ってやらんとな♪ ほな、うちはこれからやることあるからさいならー」

 

そう言って部屋から出ていく真桜。

…………。

 

「凪?」

「きゅぅ……」

 

暫くはベッドから動けないな……凪が上に乗っかってるこの状態じゃあ。

 

 

 

 

 

◆          ◆          ◆

 

 

 

「にゅふふ……この金でかこーとん人形にかこーえん人形、そーそー人形……。

夢がいっぱいやー! ぐふふ、ぐふふふふ!」

 

 

 

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「周喩様、これを」

「うむ、御苦労」

 

密偵らしき者から文を預かった周喩。

早速自室に戻り、それを読んだ。

 

「……」

 

雪蓮と共に来い……か。小喬の情報と密偵の情報からすると、危険性はない。

小喬が北郷に籠絡されている線も、密偵の情報からして有り得ないだろう。

様子を見に行くくらいならば良いかもしれんな……。

 

「だれかあるか!」

「はっ」

「主な将を玉座に集めろ」

「御意」

 

近衛兵が見えなくなり、自らも玉座に向かおうとした瞬間、立ち眩みがした。

 

「む……?」

 

最近仕事ばかりしていたせいか、疲れやすくなっているのか?

 

―めい……りん……かず……と……あとは………お願い……ね……

 

「!?」

 

(な、なんだ!?肩に致命傷を負った雪蓮だと!?)

 

その幻視を皮切りに、次々と情景が走馬灯のように頭を駆けた。

 

 

 

 

 

―お前の子を育てるのもいいな……。ふふ、“そのとき”に備えて書物を買っておこう。

 

 

 

 

―成すべき事を成す。でなければ先に散っていった者へ顔向けできない。

 

 

 

 

―北郷…………呉を………任せた……ぞ……

 

 

 

 

 

 

気付けば、私は涙を流していた。

 

 

 

<つづく>

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【恋姫★学園】

 

 

 

―ピンポーンッ ピンポピンポーンッ

 

「はいはーい」

 

―ガチャッ

 

「おっはよー一刀」

「おす、猪々子。今日は一人なのか?」

「おう、あたいが一番乗りだ!」

「ふーん……もうちょっとで支度終わるから、中で待ってなよ」

「おっじゃまー」

 

 

 

「なー一刀ー。あたいおなかぺこぺこー」

「テーブルの上にあるでしょ」

「これ食べてもいいのか!?」

「なんだよ、いつも遠慮無しに食いに来てるくせに……ヘンな猪々子だなぁ」

「あ、あはは……んじゃいただきまーす」

 

―もぐもぐ

 

「あいっかわらず平凡な味付けだなぁ。あたいもうちょっと濃い目なのがいいなー」

「ダメ。健康に悪いよ」

「ちぇー……」

 

―ずずずー

 

「ごっそさーん」

「早っ!?」

「支度終わった?」

「あ、ああ。……お待たせ、行こうか」

 

 

 

 

 

 

「おー。一刀、猪々子、おはよう」

「おはよう一刀、猪々子。チッ、今日の一番は猪々子か(ぼそっ)」

「おはよう白蓮、桂花」

「おっはー白蓮。桂花、聞こえてんぞー」

「今朝、珍しく猪々子だけだったんだけど二人とも何してたんだ?」

「え、あ、いや、私は寝坊しちゃったんだ! あ、あはは!」

「わ、私もよ! そこの暇人みたいに時間が有り余ってるわけじゃないんだから!」

「な、なんだとー!? あたいだってなぁ! 好きで暇人やってねーよ!! 誰か忙しさプリーズ!!!」

「よく言うよ……頼まれごとをしても理由付けて拒否るくせに」

「あん? なんか言ったか一刀」

「べつにー」

 

―キーンコーンカーンコーン.....

 

「ほら、鐘鳴ったぞ! ダッシュだ!!」

「あ、こら待て一刀ー!」

「はぁ、朝から騒がしいやつらだ」

「全くね。あんなのと幼馴染だなんて不幸よ」

 

 

 

 

「俺、教室ここだから」

「ん。じゃ、お昼に屋上な」

「か、一刀! 昼飯買ってこなくていいからな!! 私が用意してるから!!!」

「お、まじか。悪いな、助かる」

「一刀! わ、私も多めに作り過ぎたから分けてあげるわ!!」

「げっ、お前ら二人とも作ってきたのかよ……朝来なかったのはそのせいか……やられた……」

「あ、ああ。助かるよ、桂花」

(なんか猪々子がガッカリしてるけど……どうしたんだ?)

 

 

 

 

 

 

「おーっほっほっほ! スタンダーップ!! シッダーン!!!」

 

―ちょいちょい

 

「ん? どうしたの? 蓮華」

「あ、あの、一刀……その、教科書忘れちゃって……み、見せてくれる……?」

「ああ、いいよ」

「つ、机……くっつけましょう……?」

「ほい(がらら)」

「んー? 蓮華、教科書忘れたんならウチが見せたろかー?」

「いいわ。一刀に見せてもらうから」

「ちぇー。乙女しとんねんなー」

「ち、違うわよっ!! ばか霞!!!」

「そこー! シャラーップ!! ですわ!!!」

 

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

 

「――授業は以上で終わりですわ。明日までに課題をやっておくように。スタンダーッ!! シッダー!!!

……一刀さんは放課後、指導室に来るように」

「うぇぇ!? 俺なんかしました!?」

「個人的なお話があります」

「……ハイ」

「かわいそーな一刀……ぷぷ」

「こら。茶化さないの、霞」

 

 

 

 

 

「ってことがあってさー」

「そ、そうか。それは大変だったな」

「気付かないうちになんかやってたんじゃないの? 主に変態的なこととか」

「俺は紳士だからそういうことは有り得ないの」

「変態という名の紳士だけどなー、コイツの場合」

「うっせ」

 

―もぐもぐ

 

「うん、んまいな。やっぱり白蓮と桂花“は”料理がうまいな」

「……“は”ってなんだこら。あたいに喧嘩売ってんのか?」

「料理できんの?」

「無理。あたい食う専門だし」

「胸張って言うことじゃないから」

「コイツは張る胸ないけどね」

「そーそー、あたいぺちゃぱ――桂花、表出ろ」

「もう出てるじゃない。バカなの?」

「うっきー! 今日こそはその口もいでやる!!」

「やれるもんならやってみなさいよ!」

「ははは……騒がしいな」

「いつものことだろ。それより、まだ残ってるぞ。結構な量作ってきたから残してもいいけど」

「いやいや、とんでもない。全部食べるよ」

「〜〜〜〜〜ッ」

 

 

―ぴーんぽーんぱーんぽーん

 

 

「こんにちは、正義の味方委員長の星です。大人気の華蝶マスクを食堂の方で販売中です。

お買い求めの方はお急ぎ下さ――」

 

―おい、また正義の味方委員長に放送室が乗っ取られてるぞ!

 

―だ、誰かこの人抑えてー!

 

―む! この正義の味方に立ち向かってくるその心意気や良し! ヘン・シン!! 学園の平和を守るカチョオオオオォォォ………!!!

 

 

 

―プツンッ

 

 

「……相変わらず騒がしいな」

「っていうかあの人、“正義の味方委員長”じゃなくて“風紀委員長”だろ? むしろ風紀を乱しているような……」

「まー面白いからいんじゃねー」

「お、喧嘩は終わったのか」

「餌付けしたら勝ったわ」

「悔しいけど桂花の作る飯、うまくて……ビクンビクンッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、今日も一日終わったなぁ……って先生に呼び出されてたんだ」

 

―コンコンッ

 

「入ってくださいまし」

「失礼しまーす」

 

 

「せ、先生?」

「なんですの?」

「な、なんではだ――」

「あ、ああ。この服は馬鹿にしか見えない服ですの。そんなことより一刀さん……」

「90超えのFカップ、90超えのFカップ、90超えのFカップ」

「今日こそお返事、聞かせてくださるかしら……? もう一月もお返事を待っているんですけれど」

「……ハッ!? だ、ダメですって! そんな、教師と生徒がなんて……ッ」

「そうですの……あくまで拒むつもりなら、もう手段を選びませんわ! 拉致・監禁してわたくし色に染め――」

 

 

―ゴンッ

 

 

「……キュゥゥ……」

「せ、先生!?」

「……………………みねうち?」

「お、俺に聞かれましても……」

「一刀、今から部活?」

「あ、はい。先生の話を聞いてから行こうと思ってたんですけど」

「……………恋もいく」

「いいですけど……。その前に先生に服を着せなきゃ」

「いい。ちじょは裸が似合ってる」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おー、北郷! 遅かったではないか!! 今日もたっぷりしごいて――恋さん!?」

「…………………」

「遅れました、春蘭先輩」

「私は恋さんと話すことがあるから、お前は準備運動をしていろ」

「りょーかいっす」

 

 

「恋さん、珍しいですね? いつもは来ないでそのまま直帰されるのに」

「一刀、見にきた」

「あー……なるほど。でもあやつは根性はありますが、腕っ節の方は全然ですよ?」

「一刀が汗を流すのを見てるのが好き」

「は、はぁ……そうですか」

 

 

「準備運動終わりましたよー」

「あ、ああ。では他の部員が集まるまで私と打ってろ!」

「ええ!? そんな無茶な!」

「ええい、行くぞぉぉぉ!!」

 

 

―メェンッ タイッ コォッ!

 

 

 

「ぎゃー」

 

 

 

―カァッ ラァッ シメンタイコォッ!

 

 

 

「ぎゃー」

 

 

 

……。

 

 

…………。

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……い、一本も取れなかった……」

「ふん。軟弱者め」

「……………次、恋がやる」

「! ふふ……30戦30敗ですが、今日こそは勝たせてもらいますよ。その為に一刀をコテンパンにして挑発してたんですから」

「一刀の仇、取る」

 

 

 

―メェンッ タイッ コォッ!

―恋ッはッ明太子ッ嫌いッ

 

 

 

「ぎゃー」

 

 

 

―カァッ ラァッ シメンタイコォッ!

―恋ッはッ辛いッのッ嫌いッ

 

 

 

「ぎゃー」

 

 

……。

 

 

…………。

 

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……い、一本も取れなかった……」

「一刀の仇取った」

「……一筋も見えなかった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ということがあったのさ」

「へー。だからんな打撲だらけなわけか」

「ムチャしやがって……」

「もうそんな部やめたら?」

「いや、もう少しで何かに目覚めそうだから頑張る」

「「「え゛」」」

 

 

 

 

 

<このお話は本編とは関係ありません>

説明
第四十二話をお送りします。

―見えた光明―

開幕
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コメント
PONさん>そう言って頂けると嬉しいです!(よしお)
ネタや記憶を徐々に取り戻していく描写、展開の熱さは相変わらず素晴らしいものです。(PON)
ko-ji@GMさん>ほ、本編も見てあげてくださいよぅwwでもオマケも読んでくれているなんて……嬉しい!(*ノェノ)(よしお)
カズマさん>この一刀 はそういう発想はないんじゃないっすかねー。(よしお)
この一刀には犯罪者を牢に入れるという発想はないんですかね(一刀の性格的に斬首は出来なくても二喬のやったことを考えればそれぐらいはしてもいいと思うんだけど)。(カズマ )
カズマさん>もし〜らばはあたしにだって分かりませんよー。反発があるかもしれませんし、受け入れてくれるかもしれませんし。(よしお)
また、もし国を揺らがした犯罪者の罰が「君主のメイドにする」だったことが民に知られたらどうなるんでしょうかね。大きな反発があってもおかしくないと思うけど。(カズマ )
もし今回のことを起こしたのが男性で一刀たちとは何の関係もない人物だったら一刀はどうしたんでしょうね。やっぱり何もしなかったのかな。(カズマ )
Raftclansさん>いやぁ、いちおー罰与えてますし。。これで許せる許せないとかは知りませんよ^^;(よしお)
さすがに「処刑」はあの二人の思う壺になりそうだけど、ここまで「不問」にするのも問題があると思う。ある程度は罰を与えないと。(Raftclans)
カズマさん>人によって受け止め方は違うんで、それでいーとおもいまーす。(よしお)
一刀の「不問」を聞いて、本当に不問にしたんだなと腹立たしく感じました。この一刀はこれからも個人的な感情で犯罪者を不問にしたりするのでしょうか。人の上に立つ者として終わってるな。(カズマ )
2828さん>それ意識して書きましたw(よしお)
チャーシューメーーーーーン・・・・・・ゴルフだったか?を思い出したwww(2828)
320iさん>そうですよー!続きを書くのが楽しいっす!(よしお)
甘露さん>SS書かれているんですか!あとで見に行きます!! 全然いいですよ(*´ω`*)にゅふふー(よしお)
出雲猫さん>まだ、まだですよ!(よしお)
村主さん>出番があまりなかったですもんねー(・д・`) 冥琳さんは惚れたら尽くすタイプだと思います。(よしお)
真桜の笑い方、にゅふふふ……だと!? そのネタもらったぁ!(蹴) と言う訳でぜひ僕のssで使わせてくださいorz(甘露)
ここで冥琳が! ……やっとか、やっと冥琳がデレるのか。(出雲猫)
二喬に関しては・・・メタで言うなら本編で拠点が少なかった上接点が余り無かったのがw こっから先は脳内補完で埋めるしか そして冥琳さん・・・早くあの頃の記憶が戻って欲しい限りですが、さてw(村主7)
ヒトヤ犬さん>ツンツンですから。(よしお)
dorieさん>ふふー、そこらへんはあたしなりのシナリオを考えていますので、どうなるかは続きをお読みくださいませー。(よしお)
アンプレゼントさん>いい具合にエロ先生になってくれました(*´д`*)え?違う?(よしお)
不問にしてもらってこの態度とは、もはや呆れてモノも言えんとはこのこと、能力は別として人としては下の下、性根が腐ってたということか(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
むむむ、冥琳の覚醒はもっと後だと思ってたのでやられました。冥琳の場合、無印の記憶だけ先に蘇ったらおもしろいかも、と個人的には思ってたので。皆のいう『記憶』があやふやなものではないという証明と自分の記憶に対して思うこともあっただろうにと。これからも目が離せないです、楽しみ。(dorie)
麗羽さんww(アンプレゼント)
よーぜふさん>まだですぜ……まだ!冥琳が!デレるとは!決まってない!!!でも兆候ですよねーwwどちらにせよ、最初の方で一刀や雪蓮に辛辣になっていたわけですし、悶えるのは確定かと!新連載しませんよぅ!(よしお)
なんというにゅふふ・・・目に浮かぶぜw そしてデレた小喬たん、かわいいのぅ。 そして冥琳のでれる兆候が・・・でもどうせならもう少し冥琳の一刀いびり→記憶戻って後悔に悶えるwがみたかった?ww ・・・おっと、なにか新連載という未来が見えた!?(よーぜふ)
namenekoさん>続き書くのが楽しみです。(よしお)
はりまえさん>続くってヴぁー(よしお)
秋月さん>続きます。(よしお)
ハセヲさん>遂に前兆が出てきましたね。一刀はもう手遅れなんですかね(・ω・)?(よしお)
ついに冥琳も思い出したのか。今後の展開が楽しみです(VVV計画の被験者)
いろいろと主力の人たちが見えなかった恋姫学園・・・・(黄昏☆ハリマエ)
ついに冥琳も。そして一刀はすでに何かに目覚めているきもするが・・・(ハセヲ)
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