真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part10 ハチミツ姫 |
「頼むからまって!服をそんなに引っ張ったら一張羅が」
「うるさい奴じゃのぅ、なんじゃ一体」
「ふぅ・・・・七乃さんを探すのはわかったから、これからどこへ行くの?」
「お主は何を言うておる。七乃のところにきまっておるじゃろ」
「七乃さんはどこにいるの?」
「その七乃を探すのがお主の仕事であろ」
「うん、なら君は今どこへ行こうと・・・」
「じゃーかーらー!七乃のところと言うておるではないか!何度も同じことを言わすでない!」
あれ、だんだん俺が間違えてる気がしてきた
「ええーい!七乃さんがいなくなったことに気づいたのはどこ?」
「いなくなったことに?・・・むぅ〜〜〜〜〜〜確かあっちじゃ」
聞いてよかった逆方向じゃないか
「よし、まずはそこへ行こう」
彼女主導で動いたら見つかりそうも無い
ここは俺が主導で動かないと
「こ、これ!勝手に手を握るでない・・・ゴニョゴニョ」
俺達二人は七乃さんとはぐれたと思われる場所へやってきた
そこは市場のメインストリート
人の数が一番多く、一番広い道
「人が多いな。ねえ、君達は何を買いに市場に来たの?」
「ほぇ?ま、真名はまだ早いのではないかの・・・」
「ん?ああ、名前をまだ言ってなかったな。俺は・・・・」
と、危ない、北郷一刀を名乗っちゃまずいか
「俺は・・・・助左衛門、助さんと呼んでくれ」
「助さん?変わった名じゃのう。わらわは袁術、真名は美羽じゃ、頼りにしておるぞ助さん」
「・・・・ちょっとまった、袁術だって?それに真名も?」
「わらわを知っておるのかの助さん。ふふーん、いかにもわらわが袁術じゃ」
この子が袁術だったのか
確か、反董卓連合の時にいたけど、う〜ん、この子もいろいろと成長してるな
「そんな簡単に真名を預けちゃっていいの?」
「うむ、わらわは助さんを信用するのじゃ、特別じゃぞ?」
う、心が痛い・・・・
「・・・・ごめん美羽、俺嘘つきました」
「嘘?わらわに嘘をついたのかえ?」
「うん、俺の本当の名前は北郷一刀、真名はない。真名を預けてくれる相手に偽名を使うなんて、自分が情けないよ」
「助さんではなかったのかや?ふむ、きっと理由があって偽名を使ったのであろう?許すのじゃ」
「ありがとう、やさしいんだね」
「ふ、ふん!部下に優しくするのは当たり前なのじゃ。さっさと七乃を探すのじゃ、一刀」
と、言われても手がかりが何もない
まずはそこの魚屋さんに聞き込みしてみよっかな
「あのー」 「らっしゃーい」
「すいません、ここら辺で迷子の女の子を捜してる人見ませんでしたか?」
「迷子を?おーい、迷子の女の子を捜してる人みなかったっかって」 「迷子?見てないねぇ」
夫婦で営業してるみたいで、奥さんにも聞いてくれた
「七乃はとってもやさしくてとってもいい匂いがするのじゃ、見なかったかや?」
「悪いけどみてないな」
「フミュゥ・・・・あ、おぬしは、一刀離れるのじゃ!!」
「え?くっ!!」
魚屋に警戒を見せた美羽
俺は咄嗟に美羽を背後に回すと、魚屋にいつでも反撃できる態勢を取った
「おぬし、魚屋ではないな!?」
「なんだって!?」
まさか、七乃さんはこいつらに捕まったとでも言うのか
「お主、一体何者じゃ!」
「魚屋ですよ」
「ふむ、魚屋らしいのじゃ、一刀次いくぞ〜」
盛大にずっこけた俺を放置して、美羽はさっさと行ってしまった
それからも七乃さんにぶつかる情報は何もなく、むなしく時間がすぎて行った
「ひぃ、ふぃ、一刀〜もう歩けないのじゃ〜〜」
「そうだな、もうすぐ日が落ちるしそろそろ戻らないと・・・・ってあああああああああああああああ」
「なんじゃ突然大きな声だして」
「春蘭達のこと忘れてた・・・・」
まずい、これはまずい、どうする俺、どうすんの俺
「一刀、一刀、かーずーとー!」
「あ、ごめん、何かな?」
「七乃とはぐれてしまって、帰るとこがないのじゃ・・・・一刀のところへ行ってもいいかのう?」
それだけはだめだ!
これで美羽を連れて春蘭と秋蘭の元へ帰ったら・・・・それだけはだめだ!!
「殺される・・・・」
「だめかのぅ?」
そんな上目遣いで頼まれたら・・・・
「おう、どんとこい」
俺は覚悟を決めた
さて、こうして俺は美羽を連れて宿の近くまで来たわけだけど
「とてつもない殺気を感じるんだが・・・・」
「お、鬼がおる・・・・鬼がおるぞ。ガクガクブルブルガクガクブルブル」
宿の前で仁王立ちする春蘭、そしてその後方から殺気を放つ秋蘭
くそ、俺だけならいいけど、美羽まで巻き込むことはできない
「どうしたらいいんだ」
「困りましたねぇ〜。お嬢様に怪我をさせるわけには行きませんからぁ」
「ガクガクブルブルガクガクブルブル・・・ほぇ?」
そこにはいつぞや見た女の人がいて、やっぱこの人が七乃さんだったか
「七乃〜〜〜」 「お嬢様〜〜〜」
涙の再会だった
そんな美羽と七乃さんを見ていると、俺の恐怖心も薄らぐ気がした
「俺は北郷一刀といいます。あなたのことを探していました」
「ふふ、お嬢様がお世話になったみたいで。私は張勲、真名は七乃と言います」
「うむ、一刀はよく働いてくれたのじゃ」
「そんな簡単に真名を・・・いいんですか?」
「いいんですよ〜、と〜ってもかわいいお嬢様をたくさん見せてくれましたから」
「は?」
「実は、お二人を近くから見てたんですよ。もぉ〜お嬢様がかわいすぎて声がかけられなくてぇ」
「・・・・」
「一刀さん、お嬢様のこと本当にありがとうございました。これ以上ご迷惑はおかけできませんのでこの辺で〜」
「ちょっと待つのじゃ七乃、あ、一刀〜〜〜」
「それでは〜」
行っちゃった
なんだったんだよ本当に
「ま、いっか」
もう疲れた
休もう
「ふぅ・・・・あ」
「ほんごうぉ〜、今まで、どこを、ほっつき歩いていたのかな?」
「北郷、私達を置いて何をしていたのか、聞かせてもらおうか」
不幸だ
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迷子の元王女様 | ||
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コメント | ||
七乃はやっぱりフリーダム。一瞬かみやんいなかったかにゃ〜?(kabuto) この後一刀はしば・・・・・しば・・・搾られる?www(2828) 相変わらず奇行の多い七乃さんwww一刀の運命や如何にwww(シグシグ) さすが七乃さん 尾行なんてお手の物だぜ(きの) あほだけど素直だなぁ・・・美羽たんいいこw そしてしばかれる一刀君・・・でもほんとは二人とも寂しかったんですよね?・・・素直に言ってくれたらすごく可愛いなぁw(よーぜふ) |
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