真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第31話「訪問者」
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真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第31話「訪問者」

 

 

 

藍里「あ、雪蓮様、思春ちゃん!」

 

赤斗を追って行った雪蓮たちの姿を見つけ、藍里が声を上げた。

 

雪蓮「藍里。母様は?」

 

藍里「今、医師が診ていますが……」

 

藍里の表情は暗い。

 

雪蓮「……蓮華とシャオは?」

 

藍里「火蓮様のお側にいらっしゃいます」

 

雪蓮「藍里。母様のところに案内してちょうだい」

 

藍里「はい。……あの、雪蓮様。赤斗様はどうされたのですか?」

 

思春「…………」

 

雪蓮「赤斗は……」

 

兵士「何だ! お前たちは!!」

 

その時、兵士の騒ぎ声が聞こえてきた。

 

思春「何ごとだ!?」

 

兵士「はっ。それが、怪しい連中がいきなり」

 

思春「怪しい連中だと? ちっ、こんな時に」

 

?「俺は医者だ。通してくれっ!」

 

雪蓮たちの前に、若い男と中年の男の二人が現れた。

 

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思春「医者だと?」

 

若い男「俺は華佗。ここにケガ人がいると言われて来たんだ。ケガ人はどこだ?」

 

雪蓮「あなた、医者なの?」

 

華佗「そうだ。早くケガ人の所に案内してくれ!」

 

雪蓮「分かったわ。藍里。案内しなさい」

 

藍里「は、はい。分かりました。こちらにどうぞ」

 

華佗「ああ」

 

華佗は藍里の案内のもと、火蓮のところに向かった。

 

思春「あんな怪しい者に、文台様をまかせてよろしいのですか?」

 

中年の男「華佗は優秀だ。任せておけば、大丈夫だろ」

 

思春「何っ?」

 

雪蓮「……あなた、何処かで会ったことあるかしら?」

 

中年の男「会うのは初めてだぞ」

 

雪蓮「あなたは医者じゃないのよね?」

 

中年の男「ああ。俺は別件でここに来たんだが……」

 

思春「別件だと?」

 

思春は中年の男を警戒した。

 

雪蓮「別件って、何かしら?」

 

中年の男「忙しいようだから、落ち着いてからで良いぞ」

 

雪蓮「構わないわ。……あなたの別件というのに、興味があるわ」

 

鴉の件もあって、雪蓮は男の別件の内容が気になった。

 

中年の男「そうか。ならば……ここに」

 

華佗「げ・ん・き・に・なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

思春「な、何だ?」

 

雪蓮「今の声、華佗?」

 

中年の男「どうやら、治療が終わったようだな」

 

雪蓮「えっ?」

 

中年の男「気になるなら、行ってこい」

 

そう言われた雪蓮は、華佗の声が聞こえた方へと走っていった。

 

中年の男「お前は行かないのか?」

 

思春「貴様を一人にさせておけるか」

 

中年の男「なるほど。なら俺たちも、華佗のところに行こうか」

 

そう言って中年の男も、華佗の声が聞こえた方へと向かった。

 

思春「おい、待て!」

 

思春も急いで男のあとを追って行った。

 

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雪蓮「母様っ!!」

 

雪蓮が火蓮の治療をしている部屋に駆け込んできた。

 

蓮華「姉様っ!」

 

冥琳「雪蓮」

 

火蓮「ん……雪蓮、か?」

 

寝台に横になったまま火蓮が、入ってきた雪蓮の方を見る。

 

雪蓮「母様、もう大丈夫なの?」

 

火蓮「ああ、何とかな。皆も心配をかけた」

 

小蓮「母様〜」

 

小蓮が泣きながら、火蓮に抱きつく。

 

火蓮「シャオ。……これも華佗のおかげだな。礼を言うぞ」

 

華佗「いや、俺は医者として当然のことをしたまでだ。それに的確な応急手当だった。見たことがない傷だったが、あんたたちがやったのか?」

 

華佗は火蓮の治療をしていた医者たちに尋ねる。

 

冥琳「いや。応急手当をした者はここにはいない。そこの医者たちも、その者の指示で治療していたにすぎん」

 

華佗「それは、ぜひとも会ってみたい。その人物は、今どこに?」

 

藍里「そうです! 赤斗様です。雪蓮様!」

 

蓮華「姉様! 赤斗は何処に行ったんですか?」

 

雪蓮「……赤斗は」

 

雪蓮は先ほどまでの出来事を話した。しかし、“狂神”を発動したことは、雪蓮は伏せた。

 

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蓮華「なっ! 連れ…去られた……」

 

藍里「そんな……」

 

小蓮「赤斗……」

 

冥琳「…………」

 

火蓮「それは本当か?」

 

雪蓮「……本当よ」

 

火蓮「そうか……」

 

その場の雰囲気が暗くなる。

 

中年の男「邪魔するぞ」

 

思春「おいっ! 待て、勝手に入るな!」

 

その時、思春の制止を振り切って、中年の男が部屋に入ってきた。

 

冥琳「誰だお前は?」

 

いきなり入ってきた男に、全員が警戒を強めた。

 

中年の男「何だ? 華佗、治療は終わったんだろ?」

 

部屋全員の視線を感じ取った男が、華佗に尋ねる。

 

華佗「ああ。治療なら終わった。そっちも終わったのか?」

 

中年の男「いや、まだだ。何やら忙しそうだったからな」

 

雪蓮「待たせたわね。何か用があってここに来たのよね?」

 

中年の男「まあな」

 

火蓮「ん、お前は………」

 

藍里「火蓮様、この方をご存じなんですか?」

 

火蓮「いや。会ったことはないが、知っている顔だ。雪蓮や藍里も、知っているはずだぞ」

 

藍里「えっ………あーーーっ!」

 

雪蓮「そうだ! 何処かで見たことがあると思ったら!」

 

冥琳「なるほど……」

 

中年の男「……何なんだ、一体?」

 

先程とは違う視線に男は戸惑ってしまった。

 

火蓮「はじめましてだな。赤斗の師匠殿。噂は赤斗から聞いていたぞ」

 

中年の男「そうか。赤斗から……。で、その赤斗は何処だ?」

 

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中年の男「敵の手に落ちたか」

 

雪蓮から、赤斗が鴉に連れ去られたことを聞いた赤斗の師匠が小さく呟く。

 

火蓮「お主も天の世界から飛ばされてきたのだろ。今まで何処にいたのだ?」

 

中年の男「最初は河北という所に居た。それからは用心棒なんかをしながら、色々と辺りを転々としていた。そんな時、天の御遣いの噂を聞いてな。もしかしてと思って、ここまで来たんだが……」

 

火蓮「……一足違いになってしまったな」

 

中年の男「仕方がないさ……」

 

祭「入るぞ!」

 

そこに祭・嶺上・穏・明命・亞莎の五人が部屋に入ってきた。

 

火蓮「……祭か」

 

祭「堅殿! もう身体は良いのか?」

 

火蓮「ああ。祭たちにも心配をかけたな」

 

穏「安心しました〜」

 

嶺上「ほんと、心配したんだぜ」

 

明命「でも、火蓮様がご無事で何よりでした」

 

亞莎「本当ですね」

 

冥琳「亞莎! 城の制圧状況はどうなった?」

 

亞莎「はい! 城内は完全に制圧しました。残って抵抗していた袁術の軍も、全員投降しました」

 

冥琳「うむ」

 

火蓮「よくやった亞莎」

 

亞莎「はい。ありがとうございます!」

 

明命「あのー、こちらの方はどちら様ですか?」

 

明命が赤斗の師匠に気がついて尋ねる。

 

雪蓮「赤斗の師匠よ。えーと名前は……」

 

中年の男「そう言えば、まだ名乗っていなかったな。俺は宮本虎徹だ」

 

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祭「赤斗の師匠じゃと!」

 

明命「赤斗様がお喜びになりますね!」

 

亞莎「そういえば、赤斗様はまだ戻られないんですか?」

 

明命と亞莎が赤斗の姿を捜す。

 

穏「確かに赤斗さん、遅いですねぇ」

 

火蓮「赤斗は………連れ去られた」

 

祭「何じゃと!!」

 

明命「赤斗…様が……連れ…去られた!?」

 

亞莎「そんな!」

 

嶺上「あいつが……」

 

祭「いったい誰に連れ去られたんじゃ!?」

 

雪蓮「母様をこんな目に会わせた、鴉って奴よ」

 

祭「何者じゃ、そ奴は?」

 

嶺上「袁術の助っ人だと言っていたな」

 

雪蓮「でも、袁術ちゃんの部下じゃないみたいだったし、それに赤斗が言っていたわね。あいつが持っていた変な筒は、天の世界の武器だって」

 

祭「天の世界のじゃと?」

 

虎徹「それは、どんな武器だった?」

 

雪蓮「これぐらいの大きさの鉄の筒で、それから音がしたら、母様が倒れていたわ」

 

虎徹「まさか拳銃か?」

 

祭「けんじゅじゃと?」

 

虎鉄「華佗。孫堅殿の傷は、どんな傷だった?」

 

華佗「小さい物体が高速で身体を貫いたような傷だったな」

 

虎徹「……孫堅殿が倒れた所を、よく探してくれ。きっと指先ぐらいの鉄の塊が落ちているはずだ」

 

冥琳「分かった……明命」

 

明命「はい!」

 

返事をして明命は部屋を出て行った。

 

冥琳「天の世界の武器を持っていたとなると、その鴉という男も、天の世界の人間なのか」

 

虎徹「さあな、それは何とも言えんな」

 

蓮華「それよりも、赤斗を探すのが先ではないか?」

 

藍里「そうです。早く探しましょう!」

 

火蓮「落ち着け。探すと言っても何処を探すのだ? それに天の力を持つ相手なら、下手に動くのは得策ではない」

 

蓮華・藍里「……うぅ」

 

冥琳「とりあえず、細作に風見の行方を調べさせましょう」

 

火蓮「そうしてくれ」

 

明命「冥琳様、見つけましたー!」

 

明命が拳銃の弾を見つけて、持って帰ってきた。

 

冥琳「ご苦労。……宮本殿、これが先ほど言っていた物か?」

 

虎徹「そうだ。確かに銃弾に間違いない。やはり鴉とやらが持っていた武器は、天の世界の武器だ」

 

蓮華「……やっと袁術を打倒したというのに、何だか混沌としてきましたね………」

 

一同「………………」

 

火蓮「…………皆、聞いてくれ。皆に話がある」

 

火蓮は静まり返っていた一同に話しかけた。

 

その後、火蓮から一同驚くことが口にされた。

 

 

 

つづく

 

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〜あとがき〜

 

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

ついに赤斗の師匠が登場しました。

 

 

真・恋姫†無双〜赤龍伝〜に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター@『風見赤斗』

 

姓 :風見(かざみ)

名 :赤斗(せきと)

字 :なし

真名:なし

武器:武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。

 

本編主人公の少年。

この外史では“北郷一刀”が主人公ではありません。

火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。

古武術を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。

学んでいる流派には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。

奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。

 

能力値:統率?・武力4・知力4・政治?・魅力?

 

 

 

オリジナルキャラクターA『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173a。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5

 

 

 

オリジナルキャラクターB『諸葛瑾』

 

姓 :諸葛

名 :瑾

字 :子瑜

真名:藍里(あいり)

武器:不明

 

諸葛亮(朱里)の姉。

諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。

温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。

一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。

政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、朱里には僅かに及ばない。

 

能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクターC『太史慈』

 

姓 :太史

名 :慈

字 :子義

真名:嶺上(りんしゃん)

武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。

 

非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。

孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。

それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。

また、諸葛瑾(藍里)と仲が良い。

弓の名手でもあり、その腕は百発百中。

 

能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3

 

 

※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。

説明
この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。
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コメント
kisuke様へ:マ●ター・ア●アじゃありませんよ♪(ryo)
東方不敗?(kisuke)
1p[待って!] [っ]は要らないと思います。 医者王出てきたwwwそして師匠も出たwwwww実力は一体どれくらい強いんだろうなwww ↓確かにwwまぁ〜次回に持ち越しということでww あれ?師匠の説明は無いのか? この展開は次回も楽しみだwww(スターダスト)
皆銃がどんな武器なのか聞かないが気にならないのかな(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
ついに先生、出てきたーーっ!!(かんがるーO)
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