Revival Kingdom〜天下戦乱〜第二話
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第二話「勇士、軍神、武神、契りを結ぶ」

 

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今回は、情勢について書かせていただこう。

 

現在は大陸の中心に値する朝廷が中心として中央政権を行っている。

 

大まかに地位を分けると、街を治めるのは「街長」。それら一帯を治めるのが「領主」。

 

大陸は四つの地域に分けられており、東西南北わけてある。

 

それぞれの方角には、「王」という立場があるが、朝廷の「皇帝」には遠く及ばない。

 

それは愚か、朝廷の文官達にも及ばないほど地位が低いものとなっている。

 

 

地域、とわけられているが、それよりも小さいのが「州」。

 

さらに小さいのが「郡」それ以下は「市町村」に当たる。

 

中央政権とは言ったが、最早・・・・

 

中央政権など崩れ落ちているだろう。

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各々、武器という名の相棒を握り締め、森の中を警戒して進んでいた。

一見見れば、軍隊のようにも見えるが、それはただの集まりにしか見えなかった。

 

「もうすぐ盗賊がいるっていいう所か・・・」

 

ヒューイは思わず、拳を強く握り締めた。

 

「怖いですか?」

 

リアナが唐突にそんな質問をした。

------この質問は、初めて、人を殺すという者に多く聞かれる言葉であった。

 

「そうですね・・・。人を殺したこともないし、殺したいなんて思いませんでしたから・・・。自分が、盗賊を倒そうって言ったのに、おかしなことですね」

 

ハハハ・・・と力無く笑った。

彼は無理をしている。リアナはそう悟った。

 

「--------ッ!」

 

不意に気配を察し、全員が立ち止まった。

木々を影にして、気配の元を探す。眼に入ったのはやはり盗賊であった。

思わず身を乗り出しそうになった義勇兵をヒューイが制する。

 

「(酒を飲んでるみたいだから、酔ってから攻めよう)」

 

慎重に小声で作戦を話し、その場にいた者は頷いた。

そして一刻(三十分ほど)すると、盗賊達の顔は酔ったのか紅く紅潮していた。

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(少し近付こう)

 

手で合図し、木々の間を通って廃屋の近くに潜んだ。

その時、ガサッと草が鳴る音が響いた。義勇兵の一人がぶつかってしまったのだろう。

 

「ん?なんだ?」

 

さすがにその音に気づいたようであった。

 

(やばい・・・)

 

このままリアナは斬りかかろうとするが、ヒューイが任せてと言った。

何をするのかわからなかった時、奇妙な行動に出た。

 

「チューチュー・・・チュー」

 

なんと、ネズミの鳴き真似し出したのだ。

リアナは拍子抜けし、呆ける。

 

「なんだ、ネズミか・・・」

 

ネズミの鳴き声を聞き、興味を無くしたのか、盗賊は再び、座りだした。

ヒューイが親指を立てると義勇兵は笑顔で返す。リアナだけは違うのだが。

 

「(な、何をなさったのですか?)

「(何って、ネズミの鳴き真似)」

 

思わず苦笑してしまうリアナであった。

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移動が官僚し、ヒューイ達は盗賊達の死角にあたる所に出る。

そして、そろそろ出るというのを促し、義勇兵はそれぞれ決心した面持ちである。

ヒューイはリアナも準備万端と、頷き、草むらから飛び出た。

 

「今だっ!討ち取れーっ!」

「なっ-------」

 

完全に不意打ちされたうえ、死角から飛び出たので混乱する盗賊。

ヒューイは前にいた男を------------斬った。

 

(くそっ・・・!)

 

彼は初めて人を斬った。

飛んでくる返り血や、人間の内部など、吐き気や精神的ダメージに十分な要素を眼にする。

人を斬った背徳感が全身を蝕む。

 

(こいつらは散々、人を殺してきたんだ・・・!だったら殺されても仕方ないはずだ・・・!)

 

自分に言い聞かせるようにする。

三人組の効果は大きく、数の少ない義勇軍でも盗賊達を圧倒していた。

 

「死ねぇー!」

「お前らなんて生きる価値ねえんだよ!」

 

義勇兵による盗賊達への罰倒が鳴り響く。

しかし、盗賊達も黙っていない。幸い、義勇軍に被害は出ていないが、怪我人も出ている。数の多さに有無を言わせていた。

 

「お前ら!雑魚なんか余裕じゃねえのか!?」

「お、親分!」

 

廃屋の奥からこの盗賊の集まり、頭であろう男が現れた。

その姿は醜く、酒により人相の悪さを更に引き立てていた。

 

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「リアナさん!」

「ああ!」

 

早速、ヒューイとリアナは頭の頸を取るために向かった。少しでも被害を減らすために。

 

「親分のとこにはいかせねえぜ!」

 

その前には盗賊達が立ちはだかった。

 

リアナは苦もなく、剣を舞うように振り、切り裂いた。

ヒューイも、太刀筋を見極め、剣を振るう。

そこに、

 

「あぐっ!」

「ヒューイ殿!?」

 

風を斬る音共に、矢がヒューイに命中した。

ヒューイに一瞬気を取られたリアナは突然降りかかってきた刃を剣で受け止める。

 

「よくやったなぁ!」

「へへ、あたりましたぜ」

 

見ると盗賊一人が弓を手にしていた。

ヒューイが負傷したことにより、義勇兵にも動揺が走る。

盗賊の数は、義勇軍によりほとんど殲滅され、残るのは、弓を持った男と、頭だけであった。

 

「やっちまえっ!」

 

矢に立ちすくむ、ヒューイに頭の声を共に、第二者を射った。

 

「ヒューイ殿!」『ヒューイ!』

 

義勇兵とリアナの声が重なった。

 

「フッ---------」

 

その声に、突然、何かが起こった。

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/ヒューイ

 

矢が刺さったのには驚いた。まさか矢を使ってくるとは・・・。

しかし、なぜか刺さっているのにも関わらず、致命的な痛みはなかった。

 

(これは・・・)

 

奇跡はあると俺はそこで確信した。

なんと、あの時に、ミイから貰ったお守りの中にある青燕石に矢が当たり、深くまで矢が刺さらなかったのだ。

 

(神のご加護か・・・いや、ミイのおかげだな)

 

妹分の顔を思い浮かべながら隙を見つけるために、俺はわざと致命的ダメージを追うフリをした。

盗賊の数はもう二人。力任せでもいけるが、負傷者を出しかねない。

 

「ヒューイ殿!」『ヒューイ!』

 

皆の声が、聞こえる。

弓による第二射が来る時、俺は思いっきり大地を蹴った。

 

「フッ----------」

 

力を入れすぎて、声すら上げられない。思いっきり、剣を振って、盗賊の頭の-------頸を取った。

頭を無くした、胴体は鮮血を吹き上げた。

とても見たくない赤色の噴水だった。

俺は、残る盗賊を見て、義勇兵やリアナさんを横目に言った。

 

 

 

「盗賊の頭!このヒューイ・ピースが討ち取った!!」

 

 

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/リアナ・ウィング

 

私はその時、間抜けな顔をしていただろう。

ヒューイ殿が盗賊の頭を討ち取ったことではない。

私は”ヒューイ殿の姓”に驚いたのだ。

 

(まさかここで会えるとは・・・)

 

思わず眼から涙が流れそうだ。

過去の旅立ちの日からがまるで走馬灯のように蘇ってくる。

姓だけで探した人物。

あまりの情報の少なさに私はどれだけくじけそうになったことか・・・。

 

(これで一歩進めます・・・)

 

私が探した人物。

それは・・・

 

”ピース-peace-の姓を持つ者”

 

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盗賊を討伐した彼らの表情は晴れなかった。

村人達はみな、宴をやってくれているが、義勇兵の表情に笑顔はなかった。

 

(やはり人を殺すのは辛い、か・・・)

 

義勇兵は初めて人を斬った。

その重圧がのしかかっているのであろうとリアナは感じた。

 

(今回の出来事には私にとっても有益であったな)

 

なんといっても探している人物を見つけたのだから。

 

「兄ちゃ〜〜〜〜ん!!」

「おお、ミイか。ただいま」

「心配したんだよぉ〜」

「ありがとう。ミイのくれたお守りのおかげで助かったよ」

「うあ〜ん」

 

泣き出した妹分をよしよしと頭を撫でて抱きしめる。

 

(本当に助かったな・・・)

 

あのお守りがなかったら矢は心臓に当たり、絶命していただろうという最悪な予想が頭に思い浮かぶ。

 

「ヒューイ殿」

「ん?どうしたんだいリアナさん」

「ちょっとお話が・・・ここでは話しにくいので」

「?分かった。じゃあミイ。ちょっと待っててね」

「うん」

 

ミイを降ろし、ヒューイとリアナは家屋の影に向かった。

そして、人影のない場所にたどり着くと-------

 

「な!?」

「これまでの非礼、深くお詫び申し上げます」

 

突然、リアナがヒューイに膝ま付いたのだった。

 

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「ど、どうしたの!?」

 

突然の出来事に、当然ヒューイは困惑する。

 

「あなた様のご先祖様は、かつて平和の象徴と言われた初代皇帝の末裔でございます」

「お、俺が・・・?」

「いかにも。私はその末裔を探すために、旅に出ました」

「で、でも確か、皇帝の末裔って今の朝廷の皇帝じゃなくて・・・?」

「現在の皇帝は初代皇帝陛下の叔父である二代目皇帝に当たる方の末裔です」

「じゃ、じゃあ・・・」

「私が探していたのは、初代皇帝陛下の直系の末裔の方です」

「それが・・・俺・・・」

「お願いします!私はこの世に、再び泰平を齎すために戦っております!あなた様には人を惹きつける魅力を持っています」

「だ、だけど、俺はそんな強いわけでも学問に通じているわけではないし・・・」

「そのようなものは関係ありません!あなたは人の上に立つべきお方です」

 

しかし、突然の出来事のうえに、農民である自分に自身が持てない。

 

「・・・ごめん。俺に君主とか無理だよ。俺はただの田舎者だし農民だし・・・」

 

そこにリアナがヒューイの両手を握る。

 

「身分とか、いいんです。お願いします。あなたは・・・世の中を変えてくれます・・・。どうか共に歩みませんか・・・?」

(-----ッ)

 

戦場ではあれだけ、男顔負けの彼女が、その瞳を潤わせる。上目遣いで自分を見ている。彼女は真剣だった。

 

「世の中は盗賊と賄賂に溢れ、強い者は弱い者を虐げ、その弱い者は更に弱い者を虐げます・・・。こんな世の中でいいんでしょうか・・・」

 

民を思っての涙が彼、ヒューイを決心させる。

 

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「・・・なぁ、リアナさん」

「・・・なんでしょうか」

「俺でもよかったらその・・・」

「我が君主となってくれるのですねっ!?」

「どわーっ!」

 

喜びの余り、リアナはヒューイに抱きつき、その勢いのまま転ぶ。

鎧を着けていないために、女性特有の柔らかさがヒューイを襲った。

 

「ちょ、ちょっとリアナさん・・・?」

 

彼女はハッと気がついたように頬を紅潮させて離れた。

 

「も、申し訳ありません」

「いやいや、いいよ・・・」

 

静まる空気。ヒューイは息を飲んで言った。

 

「俺でよかったら、君主になる。決して有能ではない。だけど、君の望む天下泰平の世界のためなら俺は絶対に挫けないで戦おうと思う。そのために------よろしく頼む、リアナ」

「はっ!我が名はリアナ・ウィング。我が主君のために身も心も差し上げます」

ああ、・・・いつまで隠れてるの?」

 

物陰から小さい影が現れる。

 

「にゃはははは、見つかっちゃった」

「どうしたのミイ?」

「兄ちゃん」

「聞いてたのか」

 

短い会話だが、ヒューイはミイが全て聞いていたことを悟った。

何を言い出すのだろうか。

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「ミイも連れてって!」

「・・・は?」

「だからミイも連れて行って!」

 

ミイは連れて行ってほしいらしい。

 

「確かにこの村に出ることになるけどさ・・・」

「どうするのですかご主人様」

「ご主人様?」

「はい、我が主君のことです」

「そ、そうなの・・・?」

 

真剣な表情から、深くは聞かなかった。

 

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補足

西国は今で言うヨーロッパ風なんです〜

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「つれってくれるよねぇ・・・兄ちゃん・・・?」

「・・・上目遣いは反則だろ。でも村の皆も反対するよなぁ・・・」

 

なんだかんだで妹に甘いヒューイなのであった。

 

「なら義兄弟の契りを交わそう!」

「なんでそうなる?」

「そうすれば、兄弟だから一緒にいけるのだ!」

「いいかもしれませんね・・・」

 

まさかのリアナまでミイに付いた。なんという伏兵。

 

「分かった。明日な?」

 

その後、村長に村を出る決意を立て、ミイとリアナと三人で義兄弟の契りを交わす旨趣となった。

村長も村人も手を叩いて笑っていた。

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「近くの桜が咲いていたのか・・・知らなかった」

 

翌日、馬を使って、村郊外にあった一本の桜の傍で契りを交わすことになった。

三人とも、なぜか梅園があったら・・・というのが頭に思い浮かべたとか。

 

「兄ちゃん!リアナお姉ちゃん!ミイの順番!」

「ご主人様が兄上ですか・・・」

「本当にやるとはな」

 

内心、苦笑しながらもこれからがとても喜ばしくなった。

 

「さあ始めようか-------」

 

杯を上げる。

そして、打ち合わせた通りに声を上げた。

 

「我ら三人!」

 

「姓は違えど、兄弟の契りを結びしからは!」

 

「三人、心を合わせてがんばる!」

 

「同年、同月、同日に生まれることを得ずとも!」

 

「願わくば同年、同月、同日に死せんことを!」

 

「乾杯なのだ!」

 

村長が言っていたやり方だった。

とても、何かを思いつく誓い。

ただの村人Aに過ぎなかったはずだったのに。

俺は頑張らなければいかない。

・・・たとえ、障害があったとしてもだ。

説明
第二話です。

やはり初戦なので、人数は少なめですね・・・。

あ、将軍としては初陣じゃありませんよ?



三国志好きの私にはこのパロディは入れたかった・・・!!!
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 争い 忠義 

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