魔法少女リリカルなのはEA ―堕ちた天使― |
とても広く、なにか神聖さを感じる場所に僕は両手を結ばれて立たされていた。
両脇には剣を持って僕を監視する警備兵のような男が二人。
そして、僕より高いところから僕を見下ろしている男が二人。
何か報告している秘書のような男と、それを興味深そうに聞くやたら偉そうな老年の男だ。
直感的に僕は、その老人が神様であるとわかった。
長い間僕を珍獣でも見るような目で見ていた神様は、
「なぜお前は人間の運命を操った?」
と聞いてきた。
「それは・・・人間を、いや、彼を助けたかったからです。」
半分は本当、でも、その半分は嘘。
「本当か?それならなぜ他の死に瀕している人間を助けず、高町士郎と
いう人間を助けた?」
「それは・・・・・・・・」
・・・僕は答えることができなかった。
ただ、そのとき僕の脳裏に浮かんだのは、とても沈んだ表情の
茶髪の女の子だった。
「ふはははははッ!!!!」
今まで無表情だった神様は突然笑い出した。
それはもう笑いすぎて壊れた人間のように・・・
何事かと僕の脇に立つふたりの警備兵と秘書の男が神様を見る。
僕も思わず神様を見てしまった。
「そうかそうか!お前のその答え、よく分かった!」
「ふえッ!?」
僕は思わず変な声を出してしまった・・・
なんで僕の言っていない答えが分かったの!?
「うむ!神に不可能はない!」
・・・心を読まないでください・・・
「確かにこんな理由では、ワシに言うことはできんな!
本来ならもっと重い罰が下るはずじゃが、今日のワシは気分がいい!
よって、この件のオヌシの罰は人間界に追放ということで決定じゃ!」
「神様!?」
僕は驚いた表情で神様を見た。
言っている言葉の内容と彼の態度がまったく逆だからだ。
だから、僕は
「・・・それは堕天使になれということですよね?
それなのになぜ笑っておられるのですか?」
といった。
「おお!これはすまんかった!
何せ、お前のような者はここ最近、滅多に居らんかったからな!
つい笑ってしまったんじゃ!
なに、気にするでない!」
・・・本当に悪いと思っているのだろうか・・・
面白くてたまらないという表情の神様をみて思わずそう思ってしまった。
「・・・神様。彼の罰は[人間界に追放]ということでよろしいですか?」
秘書の男が神様に問うた。
「うむ!それで構わぬ!
ただ、オヌシの罰は[人間界に追放。しかし10年間を期限とする。その際、
今現在ある記憶は一部封印する。]じゃ!」
「・・・なぜ、10年間のみなのですか?
本来なら永遠に追放ではないのですか?
あと、なぜ記憶の封印が一部なのですか?」
僕は率直な疑問を神様にぶつけてしまった。
だが、彼は気にする様子もなく、
「それは、ズバリ!
面白いからじゃ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハァ!?」
「いや、だってさっきも言ったじゃろ?
今日は気分がいいっとな。
まあ、他の理由としては、おぬしの存在が周りにどんな影響を及ばすか、
それが知りたいんじゃ。
あと、記憶があるとなんかつまらないじゃろ!
だが、全部無くすとちょっとかわいそうじゃしの!
だから一部じゃ!
それに、オヌシのような優秀な者を追放するのは惜しいと思ったしの。
だから、10年たったらお前を天界に戻してやる。
なに、気にするでない!ワシの力があれば簡単なことじゃ!」
・・・おいおい
「・・・記憶の件はともかく、本当にそれでいいのですか?」
「くどい!!!!」
「ひぅ!?」
・・・また情けない声を出してしまった。
「ワシがこういったのだからオヌシは気にするでない!
それに、これは試験のようなものじゃ」
「どういうことですか?」
「うむ。
先ほどは10年たったら天界に帰してやると言ったが、それはある条件を
満たしていたらじゃ!」
「その条件とは?」
「それを言ったらつまらんじゃろ?
まあ、どうせ人間界へ行くときには記憶を無くすんじゃ。
聞いても意味がないじゃろ!」
「確かにそうですが・・・」
「・・・はあ。
なぜ最近の若いもんは、こうしてすぐに答えを聞こうとするんじゃ!
すぐに答えが出てしまってはつまらないじゃろうが!」
・・・なんで僕、逆ギレされてるんだろう・・・・
「と・に・か・く!
オヌシの罰は条件付の人間界追放じゃ!
反論は認めん!
刑実行はこれより30秒後じゃ!」
「エッ!?
ちょっと待ってください!心の準備がまだ・・・」
「ええい!
男なら漢らしく逝って来い!」
「アレ!?今、字が絶対違いましたよね!?」
「気のせいじゃ!
オッ!こうしている間にあと3秒じゃ!」
「エッ!?」
突然足元に魔方陣が浮かび上がる。
そしてあたり一面に神々しい光が満ちていく・・・
そんな光に包まれ、徐々に意識が薄くなっていく中・・・
神様はこういってくれた。
「お前には今たくさんの道がある!
自分の行きたい道を歩むがよい!
そして、たとえその道が間違った道だとしても、
それは確かにお前が選んで歩いた道だ!
だから胸を張ってあるけ!」
・・・神様・・・結構いい人なんだな・・・
不覚にも、なにか熱い液体が少しあふれ出てしまった・・・。
だけど、それを隠すように僕の中にある気持ちを全部込めて「ありがとう」と叫んだが、
その前に僕の身体は光に包まれ、消えてしまった・・・
――プロローグ END――
説明 | ||
僕の処女作です! 物語のコンセプトは『記憶を失った堕天使がリリカルなのは の世界に介入!』です! どこか直した方がよい、こうすればもっとよくなるなどのアドバイスがありましたら、どしどしください! |
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