かなかなかな?その2
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「京介。おめーどんだけ加奈子を待たせてんだヨ」

 待ち合わせ場所に着くなり、いきなり文句を言われる。

「どんだけって、まだ十分も経ってないだろ」

 コイツから電話で来いって言われて、実際十分も経ってないんだぞ。

 それで文句を言うとか、何様のつもりなんだよ。

「はぁー何も分かってねぇな京介は。今のお前は加奈子様の奴隷なんだから、加奈子が

命じたら速攻で来るのが常識だろ」

「いや、充分速いからな!」

 あとお前に常識とか言われたくねぇから。

 大体、人を奴隷扱いしてる時点で常識もクソも無いからな。

 そこんとこ理解してんのかねコイツは。

「おせーよ。京介なら五分で来れるだろ」

「無理に決まってんだろ! むしろ十分で来るのもしんどいんだぞ!」

 息が切れるくらい全力で走って来たってのに、もう五分縮めるとか無理だろ。

 つーか、距離的に不可能だ。

「…………」

 おいおい、何だよその顔は。マジであと五分縮めろっていうのかよ。

 このガキ、悪魔だろ……

「ま、今日のところは許してやんよ。なんたって、加奈子は心の広い女だかんな」

 えっへんと無い胸を張る。

 もう一度言う。加奈子は偉そうに無い胸を張った。

「いま、失礼なこと考えたろ」

「ソンナコトハナイゾ」

 チッ、鋭いじゃねぇか。

「ふん。まぁ、いいや。あとで後悔させてやっからな!」

「ちょっ、おい、加奈子!」

 俺を置いて勝手に進んで行くんじゃねぇよ。

 急いで加奈子に追いつく。そして――辿り着いたのは。

 

 

「アクセサリーショップ?」

「加奈子がこういう所に行くのおかしいかヨ……」

「おかしくねぇよ」

 でも、あまりお前のキャラに合わないような……いや、コイツも一応女だしな。こう

いうのに興味があってもおかしくはないか。

「じゃ、じゃあ入んぞ」

「お、おう……」

 何故か顔を赤くしながら店に入る加奈子。

 何を照れることがあるのだろうか?

 女ってのはほんと、意味が分からんな。

 それにしても……アクセサリーショップか。

 これって、あれだよな? 俺に奢らせるつもりなんだよな?

 わざわざ呼び出しておいて、ここだもんな。どう考えても俺に金を出させるつもりな

んだろうな。

 はぁ……マジで俺は奴隷でお財布さんなわけね。

 

「わぁーこれ、マジで可愛くね? 可愛くね?」

「ああ、そうだなー」

 楽しそうに色々なアクセサリーを見て回る加奈子。

 その光景は実に微笑ましいんだが、あまりハシャギまわるんじゃねぇぞ。

 ハシャギ過ぎるとついうっかり――

「きゃっ!?」

「おっと」

 やっぱ転びやがった。

 どんだけハシャイでんだよコイツは。

「あ、ありがとな京介」

「おう」

 照れくさそうに礼を言う加奈子。

 ふん。そういう素直なところは可愛いじゃねぇか。

 ――って、俺は何を言ってるんだ? コイツが……加奈子が可愛いだと!?

 コイツはただの我儘なガキじゃねぇか。俺に金をたかる悪魔なんだぞ。

「なぁ京介」

「なんだ?」

「これ買ってくれ♪」

 満面の笑みで商品を差し出す加奈子。

「……ああ、分かってたよこの野郎」

 ほんと、コイツはただの我儘なクソガキだよ。

 しかも妙に高いの選んでやがるし。マジで最悪だよ。

 

「〜♪ 〜〜〜♪」

 嬉しそうにアクセサリーを見つめる加奈子。

 そこまで喜ばれると金を払ったかいがあるってもんだ。

「にひひ♪ ありがとな京介♪」

「……あぁ」

「これ、大事にするから」

 コロコロと表情を変える加奈子。

 ほんと、コイツはなんなんだろうな。

 俺を奴隷扱いするし、言葉使いは酷いし我儘だし。

 いいところがないはずなのに……どうしてこんな気分になるんだろうな。

 

 ――こういうのも悪くはないってな。

説明
続いた〜!
加奈子への愛情はあるのに、加奈子語を上手く使いこなせない……
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コメント
小悪魔系はデレた時がかわいい(VVV計画の被験者)
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 来栖加奈子 高坂京介 

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