真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第33話「手紙」 |
真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第33話「手紙」
――――建業――――
袁術から孫呉の地を取り戻した雪蓮たちは、本拠地の建業に戻っていた。
藍里「雪蓮様、蓮華様ーーっ! 」
蓮華「藍里?」
雪蓮「どうしたの、藍里?」
息を切らして、藍里が玉座の間にやってきた。
藍里「曹操から手紙です!」
冥琳「何っ?」
雪蓮「曹操から?」
藍里「これです」
藍里が持っていた手紙を、雪蓮に手渡した。
雪蓮「一体、何なのかしらねぇ?」
雪蓮が曹操からの手紙を読み始める。
冥琳「雪蓮。曹操は何と言ってきたんだ?」
雪蓮「…………」
藍里「……雪蓮様?」
蓮華「姉様、どうしたんですか?」
雪蓮「ふふっ……。なんだか、おかしなことになってるわね」
雪蓮は手紙を見ながら笑みを浮かべる。
雪蓮「……赤斗を保護しているそうよ」
蓮華「なんですって!?」
藍里「何故、曹操のところに赤斗様が!?」
思いもしなったところから、赤斗の手掛かりが手に入ったことに、その場に居た全員が驚く。
雪蓮「曹操の手紙には、赤斗が許昌で血まみれになって倒れていたところを助けたと書いてあるわ」
蓮華「赤斗は……無事なんですね」
雪蓮「ん……これって」
雪蓮は曹操の手紙の他に、もう一通手紙があることに気がついた。
雪蓮「ふむふむ……」
冥琳「どうしたのだ?」
雪蓮「これ、赤斗からの手紙だわ」
蓮華「赤斗からの手紙っ!」
藍里「本当ですか!?」
雪蓮「えぇ」
冥琳「それで雪蓮。風見は何と?」
雪蓮「えーと、『みんな元気? 火蓮さんは無事だよね? 僕はなんとか無事。曹操に借りが出来たから、今は帰れそうにない。曹操に借りを返したら、すぐに帰るから』……だって」
冥琳「どうやら、いつもの風見らしいな」
藍里「でも、本当に無事でよかった」
蓮華「姉様。赤斗を迎えに行きましょう!」
雪蓮「曹操のところに?」
蓮華「そうです。今すぐに」
雪蓮「駄目よ。赤斗は曹操に借りを返すまで、帰らないと言っているんだから」
蓮華「そんな……」
雪蓮「今は赤斗を信じて待ちなさい」
蓮華「……分かりました」
雪蓮「蓮華と藍里は、この手紙を母さまに渡して、赤斗のことを報告してきてちょうだい」
蓮華・藍里「……はい」
二人は納得しかねる顔で返事をする。そして、雪蓮から手紙を受け取った蓮華と藍里は玉座をあとにした。
冥琳「で、これからどうするのだ?」
雪蓮「まずは、母様が隠居して、私たちに刃向かい出した豪族たちをまとめるわ」
冥琳「風見のことは、本当に良いのか?」
雪蓮「大丈夫よ。私、赤斗を信じているもの」
冥琳「そうか。………風見が曹操に寝返るとは思わないのか?」
雪蓮「赤斗が曹操に? まさか冥琳は、赤斗が寝返ると思っているの?」
冥琳「可能性がないわけではないでしょう。文台様の暗殺未遂の黒幕は、曹操かもしれないぞ」
雪蓮「それは違うわね。母様を殺そうとしたのは、曹操じゃないわ。曹操なら堂々と戦場で勝負をしてくるはずよ」
冥琳「そうかもしれないが……」
雪蓮「どういった経緯があって、赤斗が曹操に保護されたかは知らないけど、赤斗なら必ず孫呉に帰ってくるわ」
冥琳「分かったわ。好きにしなさい」
――――火蓮の屋敷――――
火蓮「はっはははは……。そうか、赤斗は曹操のところに。虎徹殿も、もう少し待っていれば良かったのにな」
火蓮は、袁術から孫呉の地を取り戻した後、雪蓮に家督を譲り隠居した。
そして、今は建業の城から離れた屋敷で暮らしていた。
鴉から受けた銃の傷も、華佗のおかげですっかりと癒えていた。
赤斗の師匠の虎徹は、赤斗が居ないことが分かると、また大陸を見て回ると言って消えてしまっていた。
蓮華「母様! 笑いごとではありません。」
藍里「火蓮様。雪蓮様は、赤斗様を信じて待つように仰っていましたが、やはり許昌に、赤斗様を迎えに行ったほうがよろしいのでは?」
蓮華「私もそう思います」
火蓮「……お前たちの気持ちも分かるがな。雪蓮や赤斗の気持ちも分かってやれ」
蓮華「二人の気持ち…ですか?」
火蓮「ああ。赤斗だって、すぐに帰ってきたいだろうし、雪蓮も迎えに行きたいのを我慢しているはずだ」
蓮華・藍里「…………」
火蓮「分かったな。私たちも赤斗のことを信じて待つんだ」
蓮華・藍里「はい!」
先ほどと違い、明るい顔で蓮華と藍里が返事をした。
小蓮「おっかぁさまーーーーっ!!」
そこに元気な声と共に、小蓮が部屋に入ってきた。
火蓮「来たかシャオ! 今日もお前は可愛いな♪」
小蓮「やだぁ、お母様たら本当のこと言って♪」
蓮華「シャオ!?」
嶺上「何だ、二人も来てたのか」
藍里「リンシャンも」
嶺上「蓮華様も藍里も、どうしたんだ?」
藍里「赤斗様から、手紙が届いたんですよ!!」
小蓮「えっ! それって本当なの?」
嶺上「無事だったんだな」
火蓮「これがそうだ」
火蓮が小蓮と嶺上に、赤斗の手紙を見せる。
小蓮「見せて、お母様っ!」
火蓮から手紙を受け取り、小蓮は読み始めた。
小蓮「何で赤斗が曹操のところにいるの!?」
藍里「さあ、それは分かりませんが……」
小蓮「あー! 分かった。お母様をあんな目に遭わせた鴉って奴、曹操の手下なんじゃないの?」
火蓮「それはない」
小蓮「えーー!」
火蓮「曹操は、そんなことはしないさ」
嶺上「それで、これからどうするんです。火蓮さん?」
火蓮「私はどうもしないさ。それは雪蓮が判断することさ。そして、雪蓮は赤斗を信じて待つそうだ」
嶺上「へぇー」
小蓮「……………」
火蓮「どうしたシャオ?」
小蓮「ううん。何でもないわ。…あっ、そうだ。お母様ごめんなさい。私、急用を思い出しちゃった。また来るね♪」
そう言って小蓮は屋敷を出て行った。
火蓮「あれは、何か悪いことを考えているな」
蓮華「何ですって! すぐに追いかけます!」
火蓮「蓮華、待て!……嶺上、藍里。シャオを追ってくれ」
藍里・嶺上「はっ!」
火蓮「シャオを頼んだぞ。二人とも」
嶺上「え?」
藍里「……お任せください。…行きますよ。リンシャン!」
嶺上「え…お、おう!」
藍里と嶺上も小蓮を追って、屋敷を出て行った。
蓮華「………母様?」
火蓮「また雪蓮に、シャオに甘いと言われるな」
つづく
〜あとがき〜
呂です。読んでくださって、ありがとうございます。
真・恋姫†無双〜赤龍伝〜に出てくるオリジナルキャラクターの紹介
オリジナルキャラクター@『風見赤斗』
姓 :風見(かざみ)
名 :赤斗(せきと)
字 :なし
真名:なし
武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。
本編主人公の少年。
身長168a。体重58`。年齢17歳。赤髪黒眼。
放課後に道場で古武術の達人である先生に稽古をつけてもらうのが日課だったが、ある日道場で黒尽くめの男に襲撃される。
その際、赤い光に包まれて恋姫の世界に飛ばされる。
死にかけていた所を、火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。
古武術 無双無限流を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。
無双無限流には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。
奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。
能力値:統率3・武力4・知力4・政治2・魅力4
オリジナルキャラクターA『孫堅』
姓 :孫
名 :堅
字 :文台
真名:火蓮(かれん)
武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。
孫策(雪蓮)たちの母親。
身長173a。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。
血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。
孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。
この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。
能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5
オリジナルキャラクターB『諸葛瑾』
姓 :諸葛
名 :瑾
字 :子瑜
真名:藍里(あいり)
武器:不明
諸葛亮(朱里)の姉。
諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。
温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。
一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。
政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、諸葛亮(朱里)には僅かに及ばない。
能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4
オリジナルキャラクターC『太史慈』
姓 :太史
名 :慈
字 :子義
真名:嶺上(りんしゃん)
武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。
非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。
孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。
それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。
また、諸葛瑾(藍里)と仲が良い。
弓の名手でもあり、その腕は百発百中。
能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3
オリジナルキャラクターD『司馬懿』
姓 :司馬
名 :懿
字 :仲達
真名:不明
武器:不明
黒尽くめの衣装を身に纏った、曹操軍の軍師。
曹操軍に属しているが、曹操からの信頼はないといっても良い。
色々と裏で暗躍しており、虎牢関では張遼を捕え、術により自分の傀儡にしている。
能力値:統率5・武力?・知力5・政治5・魅力?
オリジナルキャラクターE『玄武(げんぶ)』
姓 :不明
名 :不明
字 :不明
真名:不明
武器:魏軍正式採用剣……魏軍に配備されている剣。
司馬懿の部下。
普段は何の変哲もない魏軍の鎧を身に纏い、普通の兵士にしか見えない。
しかし、眼の奥からは異質な気を醸し出している。
虎牢関では、鴉と一緒に張遼を捕えた。
能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力2
オリジナルキャラクターF『鴉(からす)』
姓 :不明
名 :不明
字 :不明
真名:不明
武器:爆閃(ばくせん)……司馬懿から受け取った回転式拳銃。
司馬懿の部下。
性格は軽く、いつも人を馬鹿にしているような態度をとる。
司馬懿と同じ黒い衣装だが、こちらの方がもっと動きやすい軽装な格好をしている。
寿春城では、孫堅(火蓮)を暗殺しようとした。
能力値:統率2・武力4・知力2・政治1・魅力3
オリジナルキャラクターG『氷雨(ひさめ)』
姓 :不明
名 :不明
字 :不明
真名:不明
武器:氷影(ひえい)……氷のように透き通った刃を持つ槍。
司馬懿の部下。
青い忍者服を着た長い白髪の女。
背中には“氷影”を携えている。戦闘時には全身からは氷のように冷たい殺気が滲み出す。
洛陽で董卓(月)と賈駆(詠)を暗殺しようとした所を、赤斗と甘寧(思春)に妨害される。
能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力3
オリジナルキャラクターH『宮本虎徹』
姓 :宮本(みやもと)
名 :虎徹(こてつ)
字 :なし
真名:なし
武器:虎徹……江戸時代の刀工が作った刀。
赤斗の古武術の師匠。
年齢は50歳。実年齢よりも、肉体年齢は若い。
赤斗と一緒に、恋姫の世界に飛ばされたと思われる。
最初は河北に居て、それからは用心棒をしながら、色々と辺りを転々としている。
赤斗曰く、『無双無限流の妙技を見せてやるっ!』が口癖で、その実力は呂布(恋)以上。
能力値:統率?・武力6・知力5・政治?・魅力?
※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。
説明 | ||
この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に 脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。 未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。 |
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シャオ・・・・ま・・・・まさか(スターダスト) シャオさん、どちらへ?(かんがるーO) |
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