私と君と鳥籠その2
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 嫉妬深い? ううん。そんなことはないと思う。

 だって女の子はそういう生き物だから。

 自分の好きな人が他の女に目を向けてたらイライラするし、私以外の女とコミュニケーション

をとっていたら怒りが湧いてくる。

 そう。それがテレビに映っている女だとしても……ね。

 

 私の家という鳥籠に囚われた君は、手持無沙汰からテレビをつけた。

 そのテレビからは、特に面白くもない内容の番組が流れる。

 変に脱走とかを企てないのは嬉しいけど、君が見ている番組について少し文句があるかな。

 だって、君が見てる番組には可愛らしい女の子が映ってるよね。

 そんなのは許せない。

 君が私以外の女を視界に入れるなんて絶対に許せない。

 君は私だけを見ていればいいの。

 私だけを見て、私の声だけを聞いて、私の事だけを想えばいいんだよ。

 だから他の女の事なんて考えないで――

 

「ちょっ――何で!?」

「ダメだよ。テレビ自体を見る事を咎める気はないけど、テレビに映っている女を見るのだけ

は許せないよ」

 テレビの電源を切りながら君に説明をする。

 本当はあまり君を束縛したくないんだけど、仕方ないよね。

 乙女心は複雑なんだから。

 あ、でもほら――

「代わりに私をたくさん見て。君になら他の人間には見せれない所までも見ていいから」

 こっちの方が嬉しいよね?

 テレビじゃ触る事は出来ないけど、私になら触る事も出来るんだよ。

 しかも恥ずかしい所までも見ていいんだよ。

 だから大丈夫だよね? テレビなんか必要ないよね?

 目の前に私がいるんだから我慢出来るよね?

「ねぇ……いいよね」

「……う、うん」

 よしよし。

 私は愛情を込めて君の頭を撫でる。

 褒めるのはとても大事だからね。ペットだって、褒められると喜ぶでしょ?

 だから君も喜んでくれるよね。

 

 

 あまり褒めるとペットは調子に乗る。

 うん、さっきは少し君を褒めすぎたのかもしれないね。

 私があれほど注意をしたのに君はまた同じ過ちを繰り返す。

 私以外の女を見ないでって言ったよね?

 それなのに何で君は雑誌なんか読んでるのかな?

 その雑誌って、たくさんの女が載ってるよね?

 だって、その雑誌は私が買ったファッション雑誌だもんね。そんな雑誌に女が載ってない

はずはないよね。それなのに――

「お仕置きが必要なのかな」

「な、何で!?」

「さっき言ったよね? 私以外の女を見ないでって。なのに何で君はファッション雑誌を

読んでるの?」

 もうこれはわざとだよね。

 私はそこまで嫉妬深いわけじゃないけど、怒る時は怒るよ。

 だからお仕置きをするね。

 

 ――ボキッ!

 

「うがぁぁぁぁっ!?」

「次、また悪い事をしたら残りの手の指を折るからね」

 まぁ、まだ9本もあるし大丈夫だよね。

「ああそれと、病院には連れていかないからね。外には女がいっぱい居るからね。そんな所に

君を連れていくわけにはいかないよ。それにある程度、お仕置きの痕が残ってた方がいいよね。

 そうしたら君も自分がいかにバカな事をしたのか常に覚えておけるからね」

 だからそのままで我慢してね。

 私だって、心苦しいんだよ。でも君が、私の言葉を無視するからいけないんだよ。

 ちゃんと私の思い通りに動いていればいいんだよ。

 そうしたらもっと長生き出来るんだから。

 

 君は私の物なんだから、ちゃんとここのルールを覚えようね。

 それがお互いのためなんだと思うんだ。

 君ならちゃんと理解出来るよね……?

 

説明
まだまだ可愛げがあるはず……
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コメント
さすがヤンデレ・・・ってか怖ッ!!(天使 響)
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