2人〜リン&レン〜T |
#T
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「ねぇ、赤い糸ってなんだろうね?」
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薄暗い部屋。時間は午前1時を回ったところでリンは突然目を覚ました。
「行かないで!レン!!」
目を覚ましたリンの息は荒い。その頬には涙が伝っていた。
リンはベッドのシーツを握り締め、ただ呆然と正面の壁を見つめている。
「夢…か…。」
落ち着きを取り戻した時、いきなりリンの部屋のドアが開いた。
「はぁ、はぁ…。リン!どうした!?」
そこにはレンが立っていた。
レンはは走って駆けつけてきたのか、呼吸が乱れている。
「レン!」
「なんか怖い夢でも見たか?」
「うん。ちょっと…」
リンは目線を下に落としている。
そうしないと、レンを見てしまうと、また泣いてしまうような気がしたからだ。
「そっか。なんかあったら言うんだぞ。俺がすぐ駆けつけてやるから!じゃあ、おやすみ。」
そういってレンは微笑み、リンの部屋から去っていった。
(...貴方がどこか遠くへ行ってしまう夢を見た。それはとてもとても遠くて私1人ではたどり 着けないようなところに…。とても悲しい夢だった…。)
レンが部屋を出た後も、リンは夢が怖くて寝付けなかった。
薄暗い部屋で時計の秒針の音だけがリンの耳に響いていた。
ジリリリリリリ…カチッ
「寝れなかった…。」
時間は朝の7時になっていた。
いつもは怖い夢を見た後でも普通に寝れていたから、こんなに寝れなかったのは初めてだろう。
寝不足の目をこすりながら、リンは部屋を出てリビングへ向かうことにした。
「おはよう、リンちゃん。今日は早いんだね。」
「あ、おはよう。ミク姉。」
リビングにはミクがいた。
ミクはリンとレンの親戚のお姉さんだ。親が海外へ赴任している2人にとって、ミクはお姉さんであり親代わりでもある。だから、2人の実のお姉さんではない。
ちなみに言うと、リンとレンも実の姉弟ではない。
レンはリンの伯父の子供にあたる。だが伯父夫婦はレンが3歳の時、事故で他界してしまったので、リンの家庭が引き取って育てているのだ。
だが、小さい頃から一緒なので本当に仲はいいらしい。
ガチャッ…
「ふぁ〜。おはよー。」
「おはよう、レン君。レン君も早いのね。」
「ん〜。ちょっとね。それよりミク姉、朝ごはんまだぁ〜?」
そういってレンは、リビングにあるいかにも外国製という感じのする椅子に腰をかけた。
「まーたレンはご飯ご飯って…。食事することしか頭にないの?」
リンがやれやれと呆れながら釘をさす。
「そういうリンちゃんも、いっつも『ご飯〜!』って言ってるけどね。」
くすくすと笑いながら食事の支度を済ませたミクが言った。
ミクは食事が盛り付けられたお皿を手際よく白いテーブルクロスが映える清潔感あるテーブルに並べた。
並べ終わった瞬間、
「「いっただきま〜す!!」」
リンとレンが待ってましたと言わんばかりに並べてあるベーコンエッグに手を伸ばした。
まだまだ子供なのか、はたまた食べ盛りだからなのか、朝からよく食べる…。
…カチャ
「ごちそうさま。」
そんな時、リンがいつも欠かさず食べるミカンゼリーに手をつけず食事を終えた。
それに驚いたのかミクは
「どうしたの、リンちゃん!?具合悪いの??」
と、大きく目を瞠って聞いた。
リンはどんなときでもミカンゼリーは欠かさず食べていた。
リンの大好きなミカンをたくさん使って作ったミク特製ミカンゼリーはリンの大好物のはずだ。
なのに、今日はその大好物を残していている。ある意味一大事だ。
ミクとレンが困惑する中、リンは落ち着いていた。いや、落ち着いていたと言うより元気がなかったの方が正しいかもしれない。
「ううん、なんか今日は食欲がないだけ。昨日、夜食にミカン食べすぎたからかな??」
無理やり笑顔を作りながらリンは言った。
そんなリンを見て、ミクは何も言わなかった。言えなかった。
「じゃあ、私、先に学校行くね。それじゃあ、いってきます。」
そう言うとリンは、てきぱきと支度を済ませ、でもどこが物憂い気に玄関を出て行った。
そんなリンをレンは何も言わずに見つめていた...。
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ボカロの恋が書きたかったので… | ||
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